JP2552506B2 - 手押し運搬ワゴン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、特に大規模なセルフサービス店、小売店の
倉庫等で、商品の輸送に用いることを意図された手押し
運搬ワゴンに関する。

（従来の技術） 手押し運搬ワゴンは様々な使用条件で用いられてい
て、従って、多くの異なる型のワゴンが現存している。

一般用の運搬ワゴンの型は、商店で用いられるワゴン
で、垂直な軸を中心にすべて自由に回転する４つの車輪
を備えている。このような運搬ワゴンの利点は、使わな
い時にワゴンをひとまとめにして小さな体積にするた
め、１台のワゴンが別のワゴンの内側に納まるようにフ
レームを設計できるということである。この目的のた
め、ワゴンの車輪は、底部架台に取付ける代わりに、水
平周辺部材の４隅に固定されており、この部材は台形
で、その大きい基底が後端に位置していて、もう１台の
同型のワゴンをはめこむことができるようにするため、
完全に開いている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、このようなワゴンは、望まない方向に動いて
しまう傾向があるため、操るのが困難であるという点が
不利である。この傾向は、ワゴン上の積荷が大きくなる
につれ、悪化する。４輪のワゴンの場合、後部の車輪の
対だけが軸を中心に自由に動くようにして、この不利な
点を克服しようという試みが行われた。しかし、この原
理で設計されたワゴンは回転半径が長くなり、従って操
作が容易でない。

操作性を高めようとしている別の型のワゴンも存在
し、前端と後端にそれぞれ位置する２対の回転車輪に加
え、１対の回転しない中央車輪手段を用いていて、この
中央車輪は前輪及び後輪よりも低い位置にある。このワ
ゴンは、中央の対の車輪を軸にするため、操作が容易
で、積荷が重い場合でも簡単に方向を決められる。しか
し、このような運搬ワゴンの欠点は、１台がもう１台の
内側に納まらず、従って相当の保管場所の必要を伴うと
いう事実にある。中央車輪を存在させるためには、実
際、このような中央車輪を下側に固定した底部架台を具
備する必要があり、結果としてこの型のワゴンの相互収
納の可能性が排除される。

本発明の目的は、上述の不利な点を取除くことと、操
作しやすく、しかし一方では他の同型のワゴンに納めら
れる運搬ワゴンを提供することである。

（問題点を解決するための手段） 本発明に従ってワゴンには底部フレームがあり、１対
の前部回転車輪と、やはり回転できる後部車輪、及び、
前部及び後部の対になった車輪が定める平面よりも低い
位置にある、１個または２個の回転しない中央車輪をこ
のフレームが具備していて、このワゴンは、下記の特色
で特徴づけられる。

ワゴンの底部フレームが、ワゴンの長手方向の対称面
の両側にある２本の側部バーと、前端を該側部バーの前
端に固定した２本の中央バーとから構成され、該側部バ
ーは、その前端が後端よりも対称面に近接し、前記中央
バーが、ワゴンの長手方向対称面の両側にあって、中央
バーの後端が前端よりも対称面に確実に近くなり、底部
フレームが、後から見るとほぼＭ字形になるようにして
ある。

前述の中央車輪が前記中央バーの下にあり、一方、前
部車輪は、側部バーと中央バーの共通の前端と同じ位置
にあって、後部車輪は、前記側部バーの後端と同じ位置
にある。

有利な構成形態では、本発明に従ったワゴンの底部フ
レームを適合させて、荷台を支え、荷台の下には、リフ
ト装置が備えられていて、前記荷台に荷が積まれていな
いとき、荷台の後部を前部より高い位置に保つ。

（作用） このように、ワゴンの底部フレームの特別な構造によ
り、中央車輪が存在するにも拘らず、中央車輪が準備さ
れていないワゴンと同じ方法で、複数のこの型のワゴン
を１台を他の１台の内側にと重ねていくことができるよ
うになる。この条件のもとで、これまでのワゴンの良い
特徴が、本発明に従った運搬ワゴンに結びつけられる。
すなわち、操作性が良いことと、ワゴンの相互収納が可
能なことである。

（実施例） 本発明に従った、第１図に示す運搬ワゴンは、手で押
されることを意図している。このワゴンは、まず第１
に、具備される３対の車輪を固定した底部フレーム１を
備えている。この底部フレーム１は、水平もしくはほぼ
水平な平面に設置された２対のバー、すなわち２本の側
部バー1a及び1bと、２本の中央バー2a及び2bとからな
る。前記底部フレーム１は、横管３と横部材４も含んで
いる。横管３は、側部バーと中央バーの間を連結するた
めに前端側にあり、一方、横部材４は、中央バーの後端
の間を接続している。

車輪のうちの前部側の回転車輪5a及び5bは、側部バー
1a,1b及び中央バー2a,2bの共通の前端部の下に固定され
ている。中央の対の車輪の、回転しない車輪6a及び6bに
関しては、これらの車輪は、中央バー2a及び2bの後端部
の下の側板6cに固定されている。一方、後部側の回転車
輪7a及び7bは、側部バー1a及び1bの後端部の下に固定さ
れている。中央の対の車輪6a,6bは、在来の方法で取付
けられ、前部及び後部の車輪によって定められる平面よ
りも少々低い位置になるようにしてある。ワゴンの前部
車輪5a及び5bは、このようにして、地面の高さより少し
上に持ち上げられる。

ワゴンの底部フレーム１は、底部格子荷台８を支える
ようにしてあり、この荷台は、積荷のない状態では、第
１図に示された位置にあり、その後部が前部よりも高く
なっている。このために、コイルばね9a及び9bを準備し
て、これを、荷台８に取付けた支持プレート10a及び10b
と、前部車輪5a及び5bの後ろで側部バーと中央バーとの
間に固定された支持部材16a及び16b（第２図に示す）と
の間に介装する。さらに、荷台８の前端は、側部バーと
中央バーとの間にある支持部材11a及び11bにピボット様
に取付けられる。コイルばね9a及び9bは、このようにし
て、荷台８から積み荷が取除かれた時に、荷積み面の後
部を上方に位置させる機能をそなえる。

運搬ワゴンの底部フレーム１の後部上には、ほぼ垂直
にはしこ状構造物12が固定される。この構造物は、後部
車輪の前の側部バー1a及び1b上に固定された管12aを備
えている。前記の管12aの上端は折り曲げてあって、ハ
ンドル12bを形成している。この構造物の垂直管12c及び
12dは、側部バー1a及び1bと、後方へ延びる管12aの一部
分との間に固定される。横管13は、２本の管12c及び12d
を接続して構造物を強化し、荷台８が上方へ移動する際
は、荷台後部の上昇端を規制するように動く。

管12aの垂直部分は、上部カゴ15を支承する横管14に
より接続されている。上部カゴ15の底面は斜めに小さな
角度をつけて後方に傾けられ、また、前記底面の後端
は、管12c及び12dにピボット様に取付けられている。従
って、上部カゴ15は、矢印Ｆの方向へ、ほぼ垂直な位置
となるように、ピボットにより上方へ上げることができ
る。ピボットにより移動は、ワゴンを互いに重ね合わせ
ることが確実にできるようにするために、必要である。

ワゴンの底部フレーム１を構成する構造物は、第２図
に非常に詳しく示してある。運搬ワゴンの長手方向の対
称をなす面は、線Ｘ−Ｘ′により示されている。すでに
第１図に関連して述べたように、２本の側部バー1a及び
1bが、底部フレーム１の一部を形成している。側部バー
は、ワゴンの長手方向の対称面Ｘ−Ｘ′の両側にあり、
その前端が、後端よりも対称面に確実に近くなるように
してある。従って底部フレーム１は、前端部の方に向か
ってくさび形に狭くなっている。中央バー2a及び2bは、
側部バーの前端部から後方へ延びている。該中央バー
は、対称面の両側に配置され、その後端が、必ず前端よ
りも対称面に近くなるようにしてある。

このようにして、水平な底部フレーム１は、後方から
見ると、ほぼＭ字形を呈する。従って該フレームは、２
カ所の尖った端部17を具備し、これらの端部は前方に突
出していて、各々の側に後方へ向かって開いている空間
18が２カ所設けられ、各空間は、側部バー1aまたは1b
と、隣接する中央バー2aまたは2bとの間に位置する。

対称面Ｘ−Ｘ′の方向が、側部バー1a及び1bとの間に
なす角度はαとして示し、前記対称面が中央バー2a及び
2bとの間になす角度はβとして示す。角度α及びβは、
同一の値、すなわち約６度であると有利である。

中央バー2a及び2bの後端は、横部材４を用いて互いに
接続されている。フレーム横部と横部材４の間には、横
管３も準備され、側部バー及び中央のバーの下にあっ
て、これらを結合している。

第２図は、中央バー及び側部バーの間の支持部材16a
及び16bも示していて、該支持部材16a及び16bは、前部
車輪5a,5bの垂直軸の後ろに位置し、コイルばね9a及び9
b（第１図に示す）が取付けられていて、荷台８を上方
へ移動させるようになっている。また、第２図から、前
部車輪5a及び5bの間の距離が後部車輪7a及び7bの間の距
離より短く、中央車輪6a及び6bの間の距離が前部車輪の
間の距離より短いことは明らかである。

第３図は、上述した底部フレーム１の特別な構造が、
どのようにして、この型の運搬ワゴンを互いに重ね合わ
す為の制限のない条件を生み出すかも示してある。重ね
る前に、上部カゴ15は垂直に持ち上げられ、次のワゴン
にはまり込まないようにする。第３図に示すように、ワ
ゴンＡ及びＢは、１台が他のワゴンの内側に縦に入り込
み、後ろのワゴンＡの底部フレームの２カ所のとがった
前端部17が、前のワゴンＢの底部フレーム１に後ろ向き
に開いている２ケ所の空間18とかみ合うようにされる。
この相互かみ合わせ操作の間に、後ろのワゴンＡの横管
３は、前のワゴンＢの一部をなす側板6cと接触し、中央
車輪6a,6bを中央バー2a,2bの後端部に固定する役を果た
す。こうして、先行する（前の）ワゴンの横管３と、続
く（後ろの）ワゴンの前部車輪組立体との間に小さな空
間ができる。この特徴は、ワゴンをかみ合わせる際に前
部車輪の支持部材が損傷を受けないようにするために重
要である。

ここまでで、本発明を、添付図面に示した単一の例を
参照して説明したが、本発明が、この例に限定されるも
のではなく、本発明に従った構成設計の範囲内で、多く
の異なる手段で修正できることは明らかである。ここか
ら結果として、例えば、ワゴンの長手方向の対称面が、
側部及び中央のバーとなす角度α及びβは、別の値であ
ってもよい。同様に、構造物12及び上部カゴ15の設計及
び形状は、本発明の範囲または精神のどちらからも離れ
ることなく、多くの異なる方法で修正できる。

これに関連して、車輪の各対の各車輪を、ダブルホイ
ール対に交換できるということは、記載しておくに値す
る。必要であれば、２個別々になっている中央車輪6a,6
bを、横部材４の中央部の下に取付けた、単一の中央車
輪に交換することができる。

（本発明の効果） すでに述べたように、本発明に従った特徴的な設計に
より、中央車輪を用いることでワゴンの優れた操作性が
確保され、しかも、前・後のワゴンを互いに密にかみ合
わせることができて、保管スペースが削減される。ま
た、中央車輪により提供されるもう一つの利点は、この
ワゴンでは、単に後部の対の車輪と前部の対の車輪しか
具備していないワゴンよりも、ずっと重い積み荷が運べ
るという点にある。

【図面の簡単な説明】

本発明に従ったワゴンの構成の一例が、以下に添付図面
を参照しながら説明されている。 第１図は本発明に従った運搬ワゴンの斜視図、第２図は
前記運搬ワゴンの底部フレームの平面図、第３図はこの
型のワゴン２台の相互かみ合わせの態様を説明する平面
図である。 １……底部フレーム、1a,1b……側部バー 2a,2b……中央バー、３……横管 ４……横部材、5a,5b……前部車輪 6a,6b……中央車輪、7a,7b……後部車輪 ８……荷台、9a,9a……コイルばね 10a,10b……支持プレート、16a,16b……支持部材

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転自在な一対の前部車輪及び回転自在な
   一対の後部車輪と、前記前部車輪及び後部車輪が定める
   平面よりも低い位置にある、１個または２個の回転不能
   な中央車輪とを具備する底部フレームを有する手押し運
   搬ワゴンであって、前記底部フレームが、ワゴンの長手
   方向の対称面の両側にある２本の側部バーと、前端を該
   側部バーの前端に固定した２本の中央バーとから構成さ
   れ、該側部バーは、その前端が後端よりも対称面に近接
   し、該中央バーは、前記対称面の両側にあって、その後
   端が前端よりも対称面に近接し、これにより底部フレー
   ムが後方から見ると後端側を広げたＭ字形を呈するよう
   に構成され、前記中央車輪が中央バーの下にあり、前部
   車輪は側部バーと中央バーの共通の前端部と同じ位置に
   あり、後部車輪は前記側バーの後端と同じ位置にある、
   手押し運搬ワゴン。
2. 【請求項２】中央バーの後端が、連結手段によって互い
   に連結されている、特許請求の範囲第１項に記載の手押
   し運搬ワゴン。
3. 【請求項３】ワゴンの長手方向の対称面の方向と、側部
   バーとのなす角度αが、同じ方向と中央バーとのなす角
   度βと、ほぼ同じ値である、特許請求の範囲第１項に記
   載の手押し運搬ワゴン。
4. 【請求項４】中央車輪が中央バーの後部に固定されてい
   る、特許請求の範囲第１項に記載の手押し運搬ワゴン。
5. 【請求項５】底部フレームに、荷台を取付けるようにし
   てあり、荷台の下に、該荷台に荷物がのっていないと
   き、荷台の後部を前部よりも高い位置に保つためのリフ
   タ装置が備えてある、特許請求の範囲第１項に記載の手
   押し運搬ワゴン。
6. 【請求項６】リフタ装置が、側部バーと中央バーとの間
   に設けた支持部材と、前記荷台に取付けた支持プレート
   と、前記支持部材と支持プレートとの間に介装したオイ
   ルばねとにより構成されている、特許請求の範囲第５項
   に記載の手押し運搬ワゴン。