JP2548257B2 - 6,6−ナイロンコードの接着剤処理方法 - Google Patents

6,6−ナイロンコードの接着剤処理方法

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JP2548257B2 JP62330287A JP33028787A JP2548257B2 JP 2548257 B2 JP2548257 B2 JP 2548257B2 JP 62330287 A JP62330287 A JP 62330287A JP 33028787 A JP33028787 A JP 33028787A JP 2548257 B2 JP2548257 B2 JP 2548257B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は原糸強度が12g/d以上の所請超高強力ナイロ
ンコードの接着剤処理方法に関するものである。
(従来の技術) ナイロン繊維は、タイヤ補強用コード材料の中でも優
れた強力、耐久性および耐熱性を有するため、トラック
・バス用、建設用、航空機用等の大型タイヤに多く適用
されている。
一方、コストダウン、タイヤ軽量化による低燃費化、
省資源化等の要請からタイヤにおける補強材料の積層枚
数の削減や補強材料中のコード打込み本数の低減が強く
要望されている。
このためかかる要請から、最近、従来のナイロンと同
程度の分子量を用いて強力の大幅に向上させたナイロン
繊維が開発され(例えば特開昭59-26517号、同61-70008
号公報)、その強度として12g/d以上が発現出来る可能
性が開示さている。しかし本発明者等により、このよう
な所謂超高強力ナイロン(以下「超高強力ナイロン」と
呼ぶ)は接着剤処理(以下「ディップ」と呼ぶ)後強力
が大幅に低下してしまい、従来のナイロンと同程度のデ
ィップコードの強力しかえられないという欠点があるこ
とが分かった。
尚、原糸強度が10.5g/d程度の高強力ナイロンのディ
ップ時にも若干の強力低下が生じるが、これに対しては
ディップコードの強力低下防止策として種々のディップ
方式が提案されている(特開昭60-71238号、同60-71239
号、同60-71240号各公報等)。しかし、これら防止策は
いずれも原糸強度10.5g/d程度の高強力ナイロンに関す
るものであり、本発明の目的とする「超高強力ナイロ
ン」に関する強力低下防止法はいまだ開発されていない
のが実状であった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上記従来技術の実状に鑑み、「超高強
力6,6−ナイロン」に関する強力低下防止法を開発すべ
く鋭意研究した結果、原糸強度12g/d以上の「超高強力
6,6−ナイロン」のディップコード強力低下防止法とし
て、原糸強度が12g/d以上を有する6−ナイロンまたは
6,6−ナイロンの超高強力ナイロン繊維のタイヤ補強用
コードをレゾルシン−ホルムアルデヒド縮合体−ゴム・
ラテックス混合液でディップ処理するに際し、ディップ
液に浸漬させる際のコード張力を0.5g/d以上とするか、
または100℃以上の温度で前処理することにより強力低
下を防止出来ることを見い出した(特願昭62-32526号公
報等)。
しかし、かかるディップ法ではディップコードの強力
低下は防止出来ても接着力が低く、タイヤ補強用コード
への適用としてはゴム−コード接着力が不足するという
重大な問題があることが分かった。
従って本発明の目的は、12g/d以上の「超高強力6,6−
ナイロン」のディップコードの強力低下を防止し、かつ
コード−ゴムの接着力低下をも防止して、実用に十分耐
え得る「超高強力6,6−ナイロンコード」を得ることの
できる接着剤処理方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した
結果、超強力6,6−ナイロン繊維で構成された撚りコー
ドを接着剤処理するに際し、該撚りコードに所定の温度
と張力の条件下で緊張熱処理を施した後、所定のディッ
プ液で接着剤処理することにより、超高強力6,6−ナイ
ロン繊維のディップ後の強力低下(約25%の強力低下
率)を防止することができ、かつタイヤコードとしての
使用に耐え得るコード接着力を付与することができるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、原糸強度が12g/d以上である6,6
−ナイロン繊維で構成さた撚りコードを次式、 (式中のTはコード緊張熱処理時の温度(℃)、および
Sはコード緊張熱処理時の張力(g/d)を示す)の関係
を満足する温度と張力の下で緊張熱処理した後、次式、 y≧−0.61x+b (2) ここでb=−0.1319z2+1.566z+25.87 (3) (式中のxはディップ液中の固形分含量(重量%)、y
はディップ液中のラテックスに対するレゾルシンとホル
ムアルデヒドの総重量の割合(重量%)、およびzはデ
ィップ液中のラテックスにおけるビニルピリジンラテッ
クスとスチレンブタジエン共重合体ラテックスの総重量
に対するビニルピリジンラテックスの割合(重量%)を
示す)の関係を満足するディップ液で接着剤処理するこ
とを特徴とする6,6−ナイロンコードの接着剤処理方法
に関するものである。
先ず、前記(1)式について詳細に説明する。
一般にナイロンコードのディップ工程は、未処理のコ
ードへの接着剤の塗布または浸漬を行った後に乾燥工
程、緊張熱処理工程を経て接着剤の乾燥および接着剤の
樹脂化を行うものである。本発明者らは、このディップ
工程において、強度の向上した超高強力6,6−ナイロン
ではコード内部、すなわちフィラメントヤーンからなる
コードの中に接着剤が浸透し、乾燥、緊張熱処理工程後
に樹脂化してフィラメント間の癒着を生ぜしめ、これに
よりコードを構成するフィラメントの動きが拘束され、
この結果コードを構成する全フィラメントに均一な応力
が分散されずにディップコードの強力が低下するという
事実を明らかにした。すなわち、ディップ後のコード強
力の低下を防止するには、接着剤がコード内部に浸透し
ないようにすることが極めて重要であることが判明し
た。
そこで本発明者らは、原糸強度12g/d以上の超高強力
6,6−ナイロンコードのディップ後における強力低下原
因のメカニズムが明確化したことに基づき、かかる強力
低下を防止することの出来るディップ処理方法の確立を
図るべく更に鋭意検討を行った結果、ディップ前に超高
強力6,6−ナイロンのコードに緊張熱処理または圧延熱
処理を施すと、コードを構成するフィラメント同士が
熱、張力または圧力によって最密充填状態に近くなり、
ディップ液が浸透しにくくなることによって超高力強6,
6−ナイロンコードのディップ後の強力低下を大幅に改
善することができることを見い出した。
ディップ液浸漬前に緊張熱処理または圧延熱処理を施
すにあたって、該緊張熱処理工程の温度と張力との各関
係条件下におけるディップコードの強力は第1図のよう
になる。尚、この時用いた超高強力6,6−ナイロンの生
コード強力は30kg/本であり、また原糸強力は13.5g/dで
あった。この第1図は、本発明者らが各種緊張熱処理条
件で求めたディップ強力であり、この図よりディップ液
塗布または浸漬前のコード緊張熱処理の温度T(℃)と
張力S(g/d)との関係が前記(1)式の関係を満足す
る時にディップコードの強力は生コート対比90%を超え
るように保持することが可能となることが判明した。
また、第1図から分かるように、ディップ液塗布また
は浸漬前のコード緊張熱処理温度が高い程、また張力が
高い程ディップコードの強力低下は小さく、強力の高い
ディップコードが入手出来る。即ち、ディップ液塗布ま
たは浸漬前のコード緊張熱処理の温度も張力も高い程強
力の高いディップコードが得られるが、緊張熱処理温度
が260℃よりも高いと6,6−ナイロンの融点以上となりコ
ードが融解するため、255℃以下、更に安定生産の見地
からは230℃以下であることが好ましい。またコード張
力も高い程好ましいが、1.5g/dを超える張力をかけても
ディップコード強力はもはやほぼ生コードと同等の強力
に到達してしまっているため、コード切れ防止の見地か
らも1.5g/d以下が好ましい。
更に、熱処理時間は熱処理効果と生産性の見地から10
秒以上60秒以下であるのが好ましい。
更にまた、上記ディップ前の緊張熱処理または圧延熱
処理後にコードを巻き取ることなく連続してコードをデ
ィップ液に浸漬するかまたはコードにディップ液を塗布
することが好ましく、更に好ましくはかかる浸漬または
塗布を行う際のコード張力が0.5g/d以上の緊張下にある
ことが好ましい。この理由は、ディップ前の緊張熱処理
または圧延熱処理の後コードを構成するフィラメントは
互いに癒着してディップ液がコード内部に浸透しにくく
なるが、一度巻き取った後再度ディップ液を塗布するか
またはこれに浸漬すると、どうしてもコード内部に空隙
が生じてしまい、その空隙にディップ液が浸透し易くな
るためである。従って、ディップ液による浸漬または塗
布処理前に、緊張熱処理または圧延熱処理後巻き取るこ
となく連続してディップ液にコードを浸漬するかまたは
ディップ液をコードに塗布することが好ましい。
上述の如く、ディップ液塗布または浸漬前のコード緊
張熱処理はディップコードの強力低下防止には極めて有
効であるが、コード−ゴム接着力が大幅に低下するとい
う重大な問題を有していることが本発明者らにより明ら
かにされた。すなわち、単に前記(1)式を満たすコー
ドをそのままタイヤコードとして使用する場合には安全
性の上で大きな問題があり、接着力の向上を図ることが
不可欠であることが明らかとなった。このことは、第2
図に示す如く緊張熱処理の際の張力Sを横軸に、温度T
を縦軸にプロットし、その中にその処理条件でのディッ
プ後のコード接着力の等高線を示すことにより容易に理
解することができる。第2図において、熱処理温度およ
び張力を増加させると接着力は減少していく。すなわ
ち、接着剤塗布または浸漬前に緊張熱処理または圧延熱
処理を施し、ディップ後の強力低下の低減を図ると、逆
の効果として接着力の大幅な低下が起こることになる。
この際、緊張熱処理および圧延熱処理を施したディップ
コードは、そのコードへの接着剤の付着量(コード単位
重さ当りの接着剤付着量)が低下しており、ディップコ
ードの接着力と接着剤の付着量との間にはバラツキはあ
るものの比例関係が成り立つという事実関係があること
を確認した。すなわち、コードへの接着剤の付着量が多
くなれば、接着力も高くなり、また一方ではディップ液
のコード内部への浸透性も接着力に寄与しているものと
考えられた。
ここで、本発明者らはタイヤ安全上問題のない接着レ
ベルの確保を目的として各種ディップ手法、ディップ液
組成およびディップ条件等について鋭意検討を行なった
結果、ディップ液組成の改良が最も接着力の改良に有効
で、前記(2)および(3)式を満足するようにディッ
プ液組成を選定することによって大幅な接着力改善が可
能となることを実証した。すなわち、前記(2)および
(3)式は本発明者らがディップ液組成について鋭意検
討した結果得た実験式であり、以下にその誘導について
詳細な説明を行なう。
第3図(a)〜(c)に、ディップ液塗布または浸漬
前のコード緊張熱処理条件として熱処理温度180℃およ
び張力1.0g/dにおける各種ディップ液組成と接着力との
関係を示す。尚かかる条件でのディップコード強力は、
ディップ液組成の如何んにかかわらず、30kg/本の生コ
ード強力に対しほぼ29〜30kg/本であった。
第3図の(a)〜(c)に示す如く、レゾルシン−ホ
ルムアルデヒド−ラテックス(以下「RFL」と呼ぶ)デ
ィップ液の接着力に及ぼす影響については、ディップ液
中のラテックスに対するレゾルシンとホルムアルデヒド
の総重量の割合(重量%)、すなわち(レゾルシン+ホ
ルムアルデヒド)×100/ラテックス(以下「RF/L」と呼
ぶ)、ディップ液中の固形分量およびラテックス中のビ
ニルピニジンラテックス含量が特に大きな要因であるこ
とを本発明者らは突き止め、ディップ液塗布または浸漬
前にコード緊張熱処理を施したコードの接着力はRF/Lが
大きい程、また固形分含量が多い程、更にラテックス中
のビニルピリジンラテックス(以下「VP」と呼ぶ)含量
が多い程高い接着力が得られることを確かめた。
上述の如く、コード緊張熱処理を施したコードの接着
力はディップ液中のRF/L、固形分量、VP量によって大き
く左右され、単にこのうちの1要因だけを改良しても接
着力の向上は図れず、3要因を組み合わせて初めて強固
なコード−ゴム接着力が得られることが分かった。そこ
で本発明者らはかかる知見に基づき更に検討を加えたと
ころ、RF/L(重量%)と固形分量(重量%)との関係に
おいて前記(2)式の関係が満たされればタイヤではほ
ぼ問題とならない接着レベルを確保出来ることを見い出
し、更に前記(2)式におけるbはVP含量、すなわちVP
×100/〔SBR+VP〕(重量%)に依存することを明確化
した。尚、ここでSBRとはスチレン−ブタジエン共重合
体ラテックス含量のことである。かかるVP含量は便宜
上、以下単にVP/〔SBR+VP〕として示す。
前記(2)式中、bはVP量に依存し、VP量が多くなる
程bは小さい値でも良好な接着力を示し、換言すれば、
小さなRF/Lまたは少ない固形分量でも強固な接着力を得
ることができることを示している。このbとVP/〔SBR+
VP〕、すなわちz(重量%)との関係は第4図に示す如
く、前記(3)式の関係にある。
以上の説明から明らかな如く、タイヤでは安全性の面
で殆ど問題のない接着力1.6kg/本以上を確保するために
は、ディップ液の固形分量x(重量%)とRF/Ly(重量
%)とVP含量z(重量%)との関係が前記(2)および
(3)式の両方を満足することによって初めて、ディッ
プ液塗布または浸漬前に緊張熱処理したコードにおいて
強固なゴム−コード接着力を得ることが可能となるので
ある。
また、上記ディップ液は、一般に熟成開始から約24時
間経過後にディップ液として供されるが、このディップ
液においてVP/〔VP+SBR〕が12重量%以下だとVP含量の
増加に伴って接着力は向上するものの、VP/〔VP+SBR〕
が12重量%を超えるとディップ液の粘度が大幅に向上
し、ディップ液のコードへの均一な付着が困難となり、
接着力はむしろ低下してしまうことになる。また、更に
VP含量が13.5重量%以上だと熟成後3日目以内にディッ
プ液はゲル化してしまうため、いずれにしてもVP/〔VP
+SBR〕は12重量%以下であるのが好ましい。更に好ま
しくは、接着力向上の見地からVP/〔VP+SBR〕は次式、 7.5重量%≦VP/〔VP+SBR〕≦12重量% の範囲内とする。
また、ディップ液中の固形分量も26重量%を超えると
やはりディップ液の粘度向上によるディップ液付着むら
が生じ、更にはゲル化が起こるため、固形分量も16重量
%以上でかつ26重量%の範囲以内に抑えることが好まし
い。
(実施例) 次に本発明を実施例および比較例により具体的に説明
する。
本発明におけるディップ液塗布または浸漬前にコード
緊張熱処理を行うディップ法の概要を第5図に示す。下
記の実施例および比較例では、図中のAおよびBのプル
ロール間で各コード張力を選択し、また緊張熱処理ゾー
ン1を各温度に加熱して、ディップ液浸漬前における緊
張熱処理を実施した。その後、ディップ槽にてディップ
液付着後、乾燥ゾーン2、ストレッチゾーン3およびリ
ラックスゾーン4の温度および時間を夫々130℃×120
秒、235℃×40秒および230℃×40秒とし、また張力を夫
々1.3g/d、1.3g/dおよび1.0g/dとして各処理を行った。
また、比較のために行った従来のディップ法を第6図
に示す。この処理では乾燥ゾーン2、ストレッチゾーン
3およびリラックスゾーン4の温度、時間および張力を
第5図に示す処理と同様に夫々130℃×120秒×1.3g/d、
235℃×40秒×1.3g/dおよび230℃×40秒×1.0g/dとした
が、ディップ液浸漬前のコード張力は約0.1g/dとした。
試験に供した6,6ナイロンコードは、従来6,6−ナイロ
ンコードおよび超高強力6,6−ナイロンコード共に撚り
構造1260d/2および撚り数39×39回/10cmのものであり、
これらの生コード強力は夫々21.5kg/本および30kg/本で
あった。
尚、供試コードの強力およびゴムとの接着力は次のよ
うにして測定した。
1)コード強力 ディップ処理直後のコードをJIS L 1017に従いオート
グラフで常温にて引張り、破断時の強力を求めた。
尚、コードデニールは、撚り糸前の原糸デニールを用
いた。これは、撚り糸による撚り縮みまたはディップ液
付着等によるコード重量変化が予測されるためである。
2)接着力 処理コードを未加硫配合ゴム組成物中に埋め込み145
℃×30分、20kg/cm2の加圧下にて加硫し、得られた加硫
物からコードを掘り起こし、毎分30cmの速度でコードを
加硫物から剥離し、剥離抗力を測定してこれを接着力
(kg/本)とした。
測定には下記の配合ゴムを使用した。
重量部 天然ゴム 80 スチレンブタジエン共重合体ゴム 20 カーボンブラック 40 ステアリン酸 2 石油系軟化剤 10 パインタール 4 亜鉛華 5 N−フェニル−β−ナフチルアミン 1.5 2−ベンゾチアゾリルスルフィド 0.75 ジフェニルグアニジン 0.75 比較例1〜39 これら比較例はすべて従来のディップ液を用いて処理
したものである。かかるディップ液の成分組成は下記の
通りである。
レゾルシン 14.9(重量部) ホルムアルデヒド37%水溶液 19.0 水酸化ナトリウム10%水溶液 18.2 ビニルピリジンラテックス*1 190.5 スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス*2195.4
軟 水 562.0 1000.0 *1…日本合成ゴム(株)製ラテックス 商品名:JSR0650 *2…日本合成ゴム(株)製ラテックス 商品名:JSR2108 このディップ液の調製法としては、先ず軟水372.5gに
レゾルシンを溶解させた後、水酸化ナトリウム10%水溶
液を撹拌しながら添加し、更にホルムアルデヒド37%水
溶液を添加し、25℃で6時間熟成させ、これをA液とし
た。一方、残りの軟水189.5gにラテックを添加し、混合
した溶液をB液とし、このB液に上記A液を加え、更に
25℃で24時間熟成させて、従来のRFLディップ液を調製
した。このディップ液のRF/Lは16重量%、固形分含量は
18重量%、またVP/〔VP+SBR〕は7.5重量%であった。
ディップ法は、比較例1および2においては第6図に
示すディップ法を、また比較例3〜33においては第5図
に示すディップ法を夫々前記条件下で採用した。
下記の第1表に示す各条件で接着剤処理を行って得ら
れたディップコードの強力および接着力の測定結果を同
表に併記する。
第1表に示す測定結果から明らかな如く、従来のディ
ップ法を用いた比較例1においては従来の6,6−ナイロ
ンのディップコードの強力低下は認められず、接着力も
良好であったが、同様のディップ法を用いて超高強力6,
6−ナイロンコードを処理した比較例2においては、接
着力は問題ないものの生コードの30kg/本の強力は24.2k
g/本まで低下した。
比較例3においては、従来の6,6−ナイロンコード
に、本発明におけるディップ前に緊張熱処理を行う処理
を施したが、この場合、ディップコード強力はほぼ生コ
ードと同等であるが、接着力が大幅に低下した。
比較例4〜39においては、いずれも超高強力6,6−ナ
イロンコードに、本発明におけるディップ前に緊張熱処
理を行う処理を施したものであるが、これらのディップ
コードの強力および接着力の測定結果より、次のことが
確かめられた。
ディップ前のコード緊張熱処理の温度または張力を高
める程ディップコードの強力は高くなり、 次式、 (式中のTはコード緊張熱処理時の温度(℃)、およ
びSはコード緊張熱処理時の張力(g/d)を示す)で表
わされる関係を満足する条件ではディップコード強力は
27.5kg/本以上を確保できる。しかし、このような条件
ではゴムとの接着力が大幅に低下する。
実施例1〜20および比較例40〜46 これら実施例および比較例で用いたディップ液の成分
組成(重量部)を下記の第2表に示す。
各ディップ液の調製は次のようにして行った。先ず、
軟水(pH=7.0)に対するレゾルシンが5重量%となる
ように軟水量を計量し、この軟水中にレゾルシンを溶解
させた後にホルムアルデヒド37%水溶液および水酸化ナ
トリウム10%水溶液を夫々添加し、6時間25℃±2℃の
室温中で熟成させて、これをA液とした。一方、A液作
製で使用した軟水の残量を計量し、この軟水中にラテッ
クスを添加し、混合した溶液をB液とし、このB液に上
記A液を添加し、混合して各ディップ液を調製した。
尚、A液の作製において、レゾルシン重量が5%以上と
なる場合には全軟水にレゾルシンを溶解させ、5重量%
以上のレゾルシン水溶液を調製した。
得られたディップ液のVP/〔VP+SBR〕、固形分含量お
よびRF/Lを夫々下記の第3表に示す。尚、表中のVP/〔V
P+SBR〕は、具体的には次のようにして選定した。例え
ば、商品名JSR0650のラテックス(固形分40重量%)の
ビニルピリジン含量は固形分の15重量%であり、一方商
品名JSR2108のラテックス(固形分40重量%)中にはビ
ニルピリジンは含まれていない。従って、例えば100gの
JSR0650ラテックスと100gのJSR2108ラテックスとを使用
した場合にはVP/〔VP+SBR〕は、次式、 の関係から7.5重量%となる。
供試コードはすべて前記超高強力6,6−ナイロンコー
ドとし、またディップ法もすべて第5図に示すディップ
法を緊張熱処理ゾーンにおいては温度180℃、張力1g/d
で、その他のゾーンにおいては前記条件下で採用した。
ディップコードの強力および接着力の測定結果を第3
表に併記する。
本実施例および比較例においては、いずれも超高強力
6,6−ナイロンコードに、本発明におけるディップ前に
緊張熱処理を行う処理を施したが、この場合ディップコ
ード強力はすべて28.8kg/本以上であり、また接着力は
ディップ液組成によって変化し、VP/〔VP+SBR〕によっ
て代表されるビニルピリジンラックス含量が多い程、ま
たRF/Lによって代表されるレゾルシン−ホルムアルデヒ
ド成分が多い程、更にはディップ液中の固形分含量が多
い程、高い接着力が得られた。これらの測定結果より、
タイヤ補強用コードとして問題のない接着力1.6kg/本を
確保するには次式 y≧−0.61x+b (2) 但し、b=−0.1319z2+1.566z+25.87 (3) (式中のxはディップ液中の固形分含量(重量%)、y
はディップ液中のRF/L(重量%)およびzはディップ液
中のVP/〔VP+SBR〕(重量%)を示す)で表わされる関
係を満たす必要があることが分かった。
実施例21〜26および比較例47〜59 これら実施例および比較例においては、ディップ液浸
漬前のコード緊張熱処理条件として下記の第4表に示す
如く60℃×0.35g/d、180℃×0.5g/d、60℃×1.0g/dおよ
び180℃×1.0g/dを選び、またディップ液組成として前
述の固形分含量=18重量%、24重量%、RF/L=14重量
%、22重量%およびVP/〔SBR+VP〕=7.5重量%、9.75
重量%、11.25重量%を選んだ。これら条件の下で得ら
れたディップコードの強力および接着力の測定結果を第
4表に示す。
尚、これら測定結果と前記実施例5,12,20および比較
例40,44,46の測定結果を比較して示すために、後者の測
定結果を第4表に併記する。
本実施例および比較例は、ディップ前におけるコード
緊張熱処理条件の温度および張力とディップ液組成の双
方を変化させた場合のディップコードの強力および接着
力の変化の様子を見たものであるが、この場合には次の
ことが確かめられた。
緊張熱処理の温度または張力が高い程強力は高くなる
が、ディップ液組成によって接着力が大きく異なり、コ
ード強力およびゴムとの接着力の両者を満足するレベル
を確保するためには前記(1)〜(3)式の関係を満足
することが不可欠である。
尚、表中の比較例59には、従来の6,6−ナイロンコー
ド(原糸強力21.5kg/本)を緊張熱処理後ディップした
ディップコードの強力および接着力の測定結果を示す
が、この測定結果から明らかな如く、このディップコー
ドの強力低下や接着力低下は起こらず、ほぼ従来のディ
ップ法と同程度の結果が得られた。
(発明の効果) 以上説明してきた如く本発明の6,6−ナイロンコード
の接着剤処理方法においては、ディップ液塗布または浸
漬前のコード緊張熱処理とディップ液組成の最適化を図
ることにより、原糸強度12g/d以上を有するいわゆる超
高強力6,6−ナイロンコードの強力低下を阻止すること
ができ、かつタイヤコードとしての使用に耐え得るゴム
との接着力を付与することができるという効果が得られ
る。従って、本発明によりタイヤの軽量化、低燃費化お
よび省資源化が可能となると考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、緊張熱処理ゾーンの強力Sと温度Tとの関係
と、ディップコードの強力との関係を示すグラフ、 第2図は、緊張熱処理ゾーンの強力Sと温度Tとの関係
と、コード接着力との関係を示すグラフ、 第3図の(a)〜(c)は、夫々ディップ液組成と接着
力との関係を示すグラフ、 第4図は、z(VP/〔SBR+VP〕)とbとの関係を示すグ
ラフ、 第5図は、ディップ前に6,6−ナイロンコードの緊張熱
処理を行う本発明の一例処理工程を示す略図、 第6図は、6,6−ナイロンコードの従来のディップ処理
工程を示す略図である。 1……緊張熱処理ゾーン 2……乾燥ゾーン、3……ストレッチゾーン 4……リラックスゾーン、A,B……プルロール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原糸強度が12g/d以上である6,6−ナイロン
    繊維で構成さた撚りコードを次式、 (式中のTはコード緊張熱処理時の温度(℃)、および
    Sはコード緊張熱処理時の張力(g/d)を示す)の関係
    を満足する温度と張力の下で緊張熱処理した後、次式、 y≧−0.61x+b ここでb=−0.1319z2+1.566z+25.87 (式中のxはディップ液中の固形分含量(重量%)、y
    はディップ液中のラテックスに対するレゾルシンとホル
    ムアルデヒドの総重量の割合(重量%)、およびzはデ
    ィップ液中のラテックスにおけるビニルピリジンラテッ
    クスとスチレンブタジエン共重合体ラテックスの総重量
    に対するビニルピリジンラテックスの割合(重量%)を
    示す)の関係を満足するディップ液で接着剤処理するこ
    とを特徴とする6,6−ナイロンコードの接着剤処理方
    法。
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