JP2547475Y2 - 簡易冷却袋 - Google Patents
簡易冷却袋Info
- Publication number
- JP2547475Y2 JP2547475Y2 JP1992021612U JP2161292U JP2547475Y2 JP 2547475 Y2 JP2547475 Y2 JP 2547475Y2 JP 1992021612 U JP1992021612 U JP 1992021612U JP 2161292 U JP2161292 U JP 2161292U JP 2547475 Y2 JP2547475 Y2 JP 2547475Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bag
- simple cooling
- medicine
- ammonium
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は簡易冷却袋に関し、さら
に詳細には簡易冷却袋内に収納された小袋が保存、運搬
など取扱時に破損することがなく、使用時には外部から
衝撃を加えることによって確実に破れ、小袋内と小袋外
の薬剤とを混合しうる簡易冷却袋に関する。
に詳細には簡易冷却袋内に収納された小袋が保存、運搬
など取扱時に破損することがなく、使用時には外部から
衝撃を加えることによって確実に破れ、小袋内と小袋外
の薬剤とを混合しうる簡易冷却袋に関する。
【0002】
【従来の技術】混合することにより吸熱を生ずる複数の
薬剤を袋内に隔離した状態で収納しておき、使用時に隔
離を取り除いて両薬剤を混合することにより冷却現象を
生ずる簡易冷却袋がある。これらの薬剤の組合せとして
は比較的安価で相応の冷却効果が得られることなどから
従来は硝酸アンモニウムなどの無機アンモニウム塩と水
とを組合わせたものが一般的に多く用いられているが、
水の代わりに硫酸ナトリウム・10水和物、塩化マグネ
シウム6水和物などの結晶水を保有する塩類を使用した
ものも知られている。薬剤の隔離手段としては、例えば
一方の薬剤を外部から衝撃を加えることによって破れる
小袋に充填し、この小袋を他方の薬剤とともに気密性を
有する外袋に収納する方法があり、この形態のものが一
般的に多く用いられている。この場合の小袋の材質とし
て従来はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、サーリンなどの合成樹脂フィルムあるいはアルミな
どの金属泊またはこれらを組合せた複合フィルムが用い
られている。
薬剤を袋内に隔離した状態で収納しておき、使用時に隔
離を取り除いて両薬剤を混合することにより冷却現象を
生ずる簡易冷却袋がある。これらの薬剤の組合せとして
は比較的安価で相応の冷却効果が得られることなどから
従来は硝酸アンモニウムなどの無機アンモニウム塩と水
とを組合わせたものが一般的に多く用いられているが、
水の代わりに硫酸ナトリウム・10水和物、塩化マグネ
シウム6水和物などの結晶水を保有する塩類を使用した
ものも知られている。薬剤の隔離手段としては、例えば
一方の薬剤を外部から衝撃を加えることによって破れる
小袋に充填し、この小袋を他方の薬剤とともに気密性を
有する外袋に収納する方法があり、この形態のものが一
般的に多く用いられている。この場合の小袋の材質とし
て従来はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、サーリンなどの合成樹脂フィルムあるいはアルミな
どの金属泊またはこれらを組合せた複合フィルムが用い
られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】小袋の材料としてアル
ミニウムなどの金属泊は冷却袋の積重ね保存、運搬など
の取扱中に薬剤結晶との摩擦などによって孔があきやす
く、また厚さを増すと使用時に衝撃を加えても容易に破
ることができないという欠点がある。このため最近では
小袋の材料として各種の合成樹脂フィルムが多く使用さ
れている。しかしながら、合成樹脂フィルムを単にヒー
トシールして作った小袋は、シール強度が2Kgf/1
5mm巾以上と一般的に高く、通常の衝撃を与えただけ
では容易に剥がれない。このためさらに強く衝撃を加え
る必要があり、その場合には小袋はシール部の境界線に
沿って破れる状態である「きわ切れ」となるのが大部分
である。従って、この「きわ切れ」を容易に起こさせる
ためにはフィルム自体を薄くする必要がある反面、薄く
し過ぎると保存、運搬時などの取扱に破れ易くなるた
め、フィルムの厚さの選択が困難であるばかりでなく、
開口部の面積が一般的に小さく、例えば無機アンモニウ
ム塩と結晶水を保有する塩など薬剤同士が固体同士の場
合には混合速度が遅くなり、迅速な冷却効果が得られな
いという問題点があった。
ミニウムなどの金属泊は冷却袋の積重ね保存、運搬など
の取扱中に薬剤結晶との摩擦などによって孔があきやす
く、また厚さを増すと使用時に衝撃を加えても容易に破
ることができないという欠点がある。このため最近では
小袋の材料として各種の合成樹脂フィルムが多く使用さ
れている。しかしながら、合成樹脂フィルムを単にヒー
トシールして作った小袋は、シール強度が2Kgf/1
5mm巾以上と一般的に高く、通常の衝撃を与えただけ
では容易に剥がれない。このためさらに強く衝撃を加え
る必要があり、その場合には小袋はシール部の境界線に
沿って破れる状態である「きわ切れ」となるのが大部分
である。従って、この「きわ切れ」を容易に起こさせる
ためにはフィルム自体を薄くする必要がある反面、薄く
し過ぎると保存、運搬時などの取扱に破れ易くなるた
め、フィルムの厚さの選択が困難であるばかりでなく、
開口部の面積が一般的に小さく、例えば無機アンモニウ
ム塩と結晶水を保有する塩など薬剤同士が固体同士の場
合には混合速度が遅くなり、迅速な冷却効果が得られな
いという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案者らはこれらの課
題に対処し、保存、運搬などの取扱い中には内部の小袋
が破損することがなく、不特定の使用者が使用する際に
容易に、かつ、確実に破ることができ、しかも、優れた
冷却感が得られる簡易冷却袋を得るべく研究を重ねた結
果、小袋にヒートシール性が付与された合成樹脂2軸延
伸フィルムを用いるとともにヒートシールの強さを調整
することによってこれらの課題を解決しうることを見い
出し、本考案を完成した。すなわち本考案は、薬剤Aと
薬剤Bのいずれか一方を小袋に収納し、他方の薬剤はそ
のままの状態で両者を扁平状の気密性外袋内に同時に密
封収納し、使用時には外部から衝撃を与えて小袋を破
り、両薬剤を混合することによって吸熱を生ぜしめる簡
易冷却袋において、少なくとも片面にヒートシール層が
形成された合成樹脂2軸延伸フィルムから製せしめられ
た小袋であって、シール強度が0.1〜1.0Kgf/
15mm巾とされた小袋が用いられてなることを特徴と
する簡易冷却袋である。
題に対処し、保存、運搬などの取扱い中には内部の小袋
が破損することがなく、不特定の使用者が使用する際に
容易に、かつ、確実に破ることができ、しかも、優れた
冷却感が得られる簡易冷却袋を得るべく研究を重ねた結
果、小袋にヒートシール性が付与された合成樹脂2軸延
伸フィルムを用いるとともにヒートシールの強さを調整
することによってこれらの課題を解決しうることを見い
出し、本考案を完成した。すなわち本考案は、薬剤Aと
薬剤Bのいずれか一方を小袋に収納し、他方の薬剤はそ
のままの状態で両者を扁平状の気密性外袋内に同時に密
封収納し、使用時には外部から衝撃を与えて小袋を破
り、両薬剤を混合することによって吸熱を生ぜしめる簡
易冷却袋において、少なくとも片面にヒートシール層が
形成された合成樹脂2軸延伸フィルムから製せしめられ
た小袋であって、シール強度が0.1〜1.0Kgf/
15mm巾とされた小袋が用いられてなることを特徴と
する簡易冷却袋である。
【0005】本考案において、小袋の材料として少なく
とも片面にヒートシール層を形成させた2軸延伸フィル
ムが用いられる。2軸延伸フィルムとしては例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデンなどを用いることができる。
これらのうちでも入手が容易なことおよびヒートシール
層の形成加工のし易さなどから2軸延伸ポリプロピレン
フィルムが特に好ましい。2軸延伸フィルムの厚さは、
小袋の形状、大きさ、付与されるヒートシール層の厚さ
などによって異なり、一概に特定はできないが、通常は
8〜50μ、好ましくは15〜30μ程度である。
とも片面にヒートシール層を形成させた2軸延伸フィル
ムが用いられる。2軸延伸フィルムとしては例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデンなどを用いることができる。
これらのうちでも入手が容易なことおよびヒートシール
層の形成加工のし易さなどから2軸延伸ポリプロピレン
フィルムが特に好ましい。2軸延伸フィルムの厚さは、
小袋の形状、大きさ、付与されるヒートシール層の厚さ
などによって異なり、一概に特定はできないが、通常は
8〜50μ、好ましくは15〜30μ程度である。
【0006】2軸延伸フィルムに形成されるヒートシー
ル層は、使用される2軸延伸フィルムよりも融点の低い
合成樹脂、ゴムなどであり、例えば、これらのフィルム
を2軸延伸フィルムにラミネートするか、あるいはこれ
らの溶液またはエマルジョンでコーティングするなどに
よって形成される。ヒートシール層の材質としては例え
ばポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、天然ゴムなどが
あるが、厚さの選択が容易で、低い温度で確実にヒート
シールができることなどからポリエチレンフィルムを2
軸延伸フィルムにラミネートして形成することが好まし
い。本考案において、外部からの衝撃によって小袋のシ
ール部が確実に剥がれて開口するようにするためにヒー
トシール部の強度がJIS−Z0238(密封軟包装袋
の試験方法)で0.1〜1.0Kgf/15mm巾、好
ましくは0.3〜0.7Kgf/15mm巾となるよう
に調整される。ヒートシール強度が0.1Kgf/15
mm巾よりも小さくなると簡易冷却袋の保存、運搬など
の取扱い中に剥がれる恐れがある。また、1.0Kgf
/15mm巾よりも大きいときには使用時に外部から衝
撃を加えても容易に剥離しなくなるため、「きわ切れ」
によって破ることになるためさらに強い衝撃を加える必
要が生ずる。
ル層は、使用される2軸延伸フィルムよりも融点の低い
合成樹脂、ゴムなどであり、例えば、これらのフィルム
を2軸延伸フィルムにラミネートするか、あるいはこれ
らの溶液またはエマルジョンでコーティングするなどに
よって形成される。ヒートシール層の材質としては例え
ばポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、天然ゴムなどが
あるが、厚さの選択が容易で、低い温度で確実にヒート
シールができることなどからポリエチレンフィルムを2
軸延伸フィルムにラミネートして形成することが好まし
い。本考案において、外部からの衝撃によって小袋のシ
ール部が確実に剥がれて開口するようにするためにヒー
トシール部の強度がJIS−Z0238(密封軟包装袋
の試験方法)で0.1〜1.0Kgf/15mm巾、好
ましくは0.3〜0.7Kgf/15mm巾となるよう
に調整される。ヒートシール強度が0.1Kgf/15
mm巾よりも小さくなると簡易冷却袋の保存、運搬など
の取扱い中に剥がれる恐れがある。また、1.0Kgf
/15mm巾よりも大きいときには使用時に外部から衝
撃を加えても容易に剥離しなくなるため、「きわ切れ」
によって破ることになるためさらに強い衝撃を加える必
要が生ずる。
【0007】この調整は例えば2軸延伸フィルムに設け
られるシール層の厚さを適宜選択することによっておこ
なうことができる。この場合のシール部の厚さとしては
小袋の形状、大きさ、シール層の材質、シール条件など
によって異なり一概に特定はできないが、通常は15〜
50μ、好ましくは20〜30μ程度とされる。小袋の
形状には特に制限はなく長方形、正方形、円形、楕円形
などとすることができるが、通常は長方形乃至正方形扁
平状とされる。例えば長方形扁平状の小袋としては2軸
延伸フィルム2枚をヒートシール層を内側として重ね合
わせ、周辺3辺をヒートシールし、これに薬剤を充填し
た後残る1辺をヒートシールして得られる四方シール形
および1枚の2軸延伸フィルムをヒートシール層を内側
として折り重ねその2辺をヒートシールし、これに薬剤
を充填した後残る1辺をヒートシールして得られる三方
シール形などである。シールの巾は袋の大きさ、形状な
どによって定められるが、通常は2〜10mm、好まし
くは3〜8mm程度である。シール方式としては、イン
パルスシール方式、ヒートシール方式、接着剤によるシ
ール方式などを用いることができる。これらの内でも充
填包装機による連続生産効率の良さなどからヒートシー
ル方式が一般的に好ましい。
られるシール層の厚さを適宜選択することによっておこ
なうことができる。この場合のシール部の厚さとしては
小袋の形状、大きさ、シール層の材質、シール条件など
によって異なり一概に特定はできないが、通常は15〜
50μ、好ましくは20〜30μ程度とされる。小袋の
形状には特に制限はなく長方形、正方形、円形、楕円形
などとすることができるが、通常は長方形乃至正方形扁
平状とされる。例えば長方形扁平状の小袋としては2軸
延伸フィルム2枚をヒートシール層を内側として重ね合
わせ、周辺3辺をヒートシールし、これに薬剤を充填し
た後残る1辺をヒートシールして得られる四方シール形
および1枚の2軸延伸フィルムをヒートシール層を内側
として折り重ねその2辺をヒートシールし、これに薬剤
を充填した後残る1辺をヒートシールして得られる三方
シール形などである。シールの巾は袋の大きさ、形状な
どによって定められるが、通常は2〜10mm、好まし
くは3〜8mm程度である。シール方式としては、イン
パルスシール方式、ヒートシール方式、接着剤によるシ
ール方式などを用いることができる。これらの内でも充
填包装機による連続生産効率の良さなどからヒートシー
ル方式が一般的に好ましい。
【0008】一方の薬剤を充填した小袋と他方の薬剤と
が同時に収納される外袋には非透湿製のフィルムが使用
される。非透湿性フィルムとしては合成樹脂フィルム、
金属箔などであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリイソシアネートなどの合成樹脂フィ
ルムおよびこれらの複合フィルムであり、加工がし易
く、安価に入手できることなどからポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル
などの合成樹脂フィルムおよびこれらの複合フィルムま
たは塩化ビニリデン、蒸着アルミなどとの複合フィルム
などが好ましい。外袋の形状にも特に制限はないが通常
は、長方形、正方形などである。
が同時に収納される外袋には非透湿製のフィルムが使用
される。非透湿性フィルムとしては合成樹脂フィルム、
金属箔などであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリイソシアネートなどの合成樹脂フィ
ルムおよびこれらの複合フィルムであり、加工がし易
く、安価に入手できることなどからポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル
などの合成樹脂フィルムおよびこれらの複合フィルムま
たは塩化ビニリデン、蒸着アルミなどとの複合フィルム
などが好ましい。外袋の形状にも特に制限はないが通常
は、長方形、正方形などである。
【0009】本考案において薬剤AおよびBが使用され
るが、一方の薬剤としては無機塩類がアンモニウム塩ま
たはこれに尿素を混合したもの、他の一方の薬剤として
は結晶水を保有する塩水和物またはこれに水を混合した
ものが好ましい。無機塩類としては例えば硝酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、臭化アン
モニウム、よう化アンモニウム、燐酸アンモニウム、燐
酸水素アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムなど
の無機アンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
などの無機硝酸塩であり、これらのうちでも硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化ア
ンモニウムなどのアンモニウム塩が好ましい。また、結
晶水を保有する塩水和物としては例えば水酸化ストロン
チウム8水和物、メタ珪酸ナトリウム9水和物、塩化マ
グネシウム6水和物、4硼酸ナトリウム10水和物など
であり、水酸化ストロンチウム8水和物またはこれにメ
タ珪酸ナトリウム9水和物を混合したものなどが好まし
い。無機塩類に尿素を混合する場合の両者の割合は重量
比で通常は無機塩類が1に対し0.1〜3.0、好まし
くは0.2〜2.0である。また、塩水和物に水を併用
する場合の両者の割合は重量比で塩水和物が1に対し
0.1〜5.0、好ましくは0.3〜3.0である。さ
らに、無機塩類を用いた方を薬剤A、結晶水を保有する
塩水和物を用いた方を薬剤Bとした場合の両者の割合は
目的とする冷却性能に応じて選択されるが通常は重量比
で薬剤Aが1に対し0.25〜4.0、好ましくは0.
5〜20程度である。
るが、一方の薬剤としては無機塩類がアンモニウム塩ま
たはこれに尿素を混合したもの、他の一方の薬剤として
は結晶水を保有する塩水和物またはこれに水を混合した
ものが好ましい。無機塩類としては例えば硝酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、臭化アン
モニウム、よう化アンモニウム、燐酸アンモニウム、燐
酸水素アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムなど
の無機アンモニウム塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
などの無機硝酸塩であり、これらのうちでも硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化ア
ンモニウムなどのアンモニウム塩が好ましい。また、結
晶水を保有する塩水和物としては例えば水酸化ストロン
チウム8水和物、メタ珪酸ナトリウム9水和物、塩化マ
グネシウム6水和物、4硼酸ナトリウム10水和物など
であり、水酸化ストロンチウム8水和物またはこれにメ
タ珪酸ナトリウム9水和物を混合したものなどが好まし
い。無機塩類に尿素を混合する場合の両者の割合は重量
比で通常は無機塩類が1に対し0.1〜3.0、好まし
くは0.2〜2.0である。また、塩水和物に水を併用
する場合の両者の割合は重量比で塩水和物が1に対し
0.1〜5.0、好ましくは0.3〜3.0である。さ
らに、無機塩類を用いた方を薬剤A、結晶水を保有する
塩水和物を用いた方を薬剤Bとした場合の両者の割合は
目的とする冷却性能に応じて選択されるが通常は重量比
で薬剤Aが1に対し0.25〜4.0、好ましくは0.
5〜20程度である。
【0010】次に本考案を図面により例示し、さらに具
体的に説明する。図1は本考案の簡易冷却袋の小袋の一
部切欠斜視図であり、図2はこの小袋が他方の薬剤とと
もに外袋に収納された簡易冷却袋の断面図である。図1
において片面にヒートシール層1が形成された長方形の
2軸延伸フィルム2がヒートシール層1を内側として折
り重ねられ、この間に薬剤A3を挟んだ状態で折り曲げ
部と直交する2つの辺4および折り曲げ部と相対する辺
(背シール部)5がそれぞれヒートシールされて小袋6
を形成している。図2において、無延伸フィルム7にア
ルミ箔8がラミネートされたフィルム2枚をフィルム7
を内側として重ね合わせ、その周辺3方をシールして得
た外袋9に図1で示した小袋6と薬剤B10とを同時に
収納した後、残る1辺をシールすることにより本考案の
簡易冷却袋となっている。簡易冷却袋の使用時には外袋
9の外部からにぎり拳などで衝撃を加えることにより、
小袋6のシール部、特に背シール部5が容易に剥がれて
開口し、薬剤A3および薬剤B10が効率よく混合さ
れ、冷却が開始される。
体的に説明する。図1は本考案の簡易冷却袋の小袋の一
部切欠斜視図であり、図2はこの小袋が他方の薬剤とと
もに外袋に収納された簡易冷却袋の断面図である。図1
において片面にヒートシール層1が形成された長方形の
2軸延伸フィルム2がヒートシール層1を内側として折
り重ねられ、この間に薬剤A3を挟んだ状態で折り曲げ
部と直交する2つの辺4および折り曲げ部と相対する辺
(背シール部)5がそれぞれヒートシールされて小袋6
を形成している。図2において、無延伸フィルム7にア
ルミ箔8がラミネートされたフィルム2枚をフィルム7
を内側として重ね合わせ、その周辺3方をシールして得
た外袋9に図1で示した小袋6と薬剤B10とを同時に
収納した後、残る1辺をシールすることにより本考案の
簡易冷却袋となっている。簡易冷却袋の使用時には外袋
9の外部からにぎり拳などで衝撃を加えることにより、
小袋6のシール部、特に背シール部5が容易に剥がれて
開口し、薬剤A3および薬剤B10が効率よく混合さ
れ、冷却が開始される。
【0011】
【実施例】実施例1 厚さ20μの2軸延伸ポリプロピレンフィルムに、ヒー
トシール層として厚さ20μの無延伸低密度ポリエチレ
ンフィルムがラミネートされた長方形のフィルムをヒー
トシール層を内側として折り曲げてた後、周辺を5mm
巾で背シール部および他の1辺をヒートシールすること
により巾が55mmで長さ(背シール方向)が95mm
の図1に示したと同様の長方形扁平状の袋を制作した。
この袋に薬剤Aとして硝酸アンモニウム40gを充填
し、残る1辺をヒートシールして小袋を得た。一方、厚
さ80μのアルミラミフィルム2枚を重ね合わせてその
周辺3方をシールして巾が105mmで長さが165m
mの長方形扁平状の外袋を準備した。この外袋に薬剤B
として水酸化ストロンチウム8水和物40gを前記の小
袋とともに収納し、外袋の開口辺をシールして図2で示
したと同様の形態の簡易冷却袋を得た。雰囲気温度が3
6℃の室内において、この簡易冷却袋を握り拳で1回叩
いて衝撃を与えたところ、直ちに冷却が始まり、20秒
後に10℃に到達し、さらに2分後には−14℃に達し
た。その後温度は緩やかに上昇し始めたが、10℃以下
における冷却持続時間は15分であった。冷却終了後、
外袋を切って内部の小袋を取り出して破れの状態を観察
したところ背シール部が約65mmにわたって剥がれ、
この部分が大きく開口していた。
トシール層として厚さ20μの無延伸低密度ポリエチレ
ンフィルムがラミネートされた長方形のフィルムをヒー
トシール層を内側として折り曲げてた後、周辺を5mm
巾で背シール部および他の1辺をヒートシールすること
により巾が55mmで長さ(背シール方向)が95mm
の図1に示したと同様の長方形扁平状の袋を制作した。
この袋に薬剤Aとして硝酸アンモニウム40gを充填
し、残る1辺をヒートシールして小袋を得た。一方、厚
さ80μのアルミラミフィルム2枚を重ね合わせてその
周辺3方をシールして巾が105mmで長さが165m
mの長方形扁平状の外袋を準備した。この外袋に薬剤B
として水酸化ストロンチウム8水和物40gを前記の小
袋とともに収納し、外袋の開口辺をシールして図2で示
したと同様の形態の簡易冷却袋を得た。雰囲気温度が3
6℃の室内において、この簡易冷却袋を握り拳で1回叩
いて衝撃を与えたところ、直ちに冷却が始まり、20秒
後に10℃に到達し、さらに2分後には−14℃に達し
た。その後温度は緩やかに上昇し始めたが、10℃以下
における冷却持続時間は15分であった。冷却終了後、
外袋を切って内部の小袋を取り出して破れの状態を観察
したところ背シール部が約65mmにわたって剥がれ、
この部分が大きく開口していた。
【0012】比較例1 ヒートシール層を設けた2軸延伸フィルムの代わりに厚
さ40μの無延伸ポリエチレンフィルムをヒートシール
して得た小袋を用いた他は実施例1と同様の簡易冷却袋
を制作し、同様にして使用テストをおこなった。実施例
1におけると同様に握り拳で叩いたが冷却は開始され
ず、さらに強く叩いたところ8回目で徐々に冷却が始ま
り、約1分後に10℃に到達した。その後も冷却が続い
たが、最低温度は−6℃であり、また、10℃以下の冷
却持続時間は約16分であった。冷却終了後、外袋を切
って内部の小袋を取り出して破れの状態を観察したとこ
ろ背シールと袋体との境界に沿って約35mmのきわ切
れが生じていた。
さ40μの無延伸ポリエチレンフィルムをヒートシール
して得た小袋を用いた他は実施例1と同様の簡易冷却袋
を制作し、同様にして使用テストをおこなった。実施例
1におけると同様に握り拳で叩いたが冷却は開始され
ず、さらに強く叩いたところ8回目で徐々に冷却が始ま
り、約1分後に10℃に到達した。その後も冷却が続い
たが、最低温度は−6℃であり、また、10℃以下の冷
却持続時間は約16分であった。冷却終了後、外袋を切
って内部の小袋を取り出して破れの状態を観察したとこ
ろ背シールと袋体との境界に沿って約35mmのきわ切
れが生じていた。
【0013】
【考案の効果】本考案の簡易冷却袋は外部から衝撃を加
えることによって小袋のヒートシール部を剥離させて開
口するようにしたものであり、2軸延伸フィルムを使用
しているので伸びたりして衝撃を吸収したりすることが
ないため、外部から加えた衝撃が正確に伝わるとともに
剥離強度が調整されているため、女性、子供など非力な
使用者が使用する際にも確実に小袋を破ることができ
る。しかも開口部が大きく薬剤が効率よく混合されるの
で快適な冷却感を得ることができる。
えることによって小袋のヒートシール部を剥離させて開
口するようにしたものであり、2軸延伸フィルムを使用
しているので伸びたりして衝撃を吸収したりすることが
ないため、外部から加えた衝撃が正確に伝わるとともに
剥離強度が調整されているため、女性、子供など非力な
使用者が使用する際にも確実に小袋を破ることができ
る。しかも開口部が大きく薬剤が効率よく混合されるの
で快適な冷却感を得ることができる。
【0014】
【図1】本考案で使用される小袋の一部切欠斜視図
【図2】本考案の簡易冷却袋の断面図
1 ヒートシール層 2 2軸延伸フィルム 3 薬剤A 4 辺 5 辺 6 小袋 7 無延伸フィルム 8 アルミ箔 9 外袋 10 薬剤B
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 長津 功 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイ オニクス株式会社 平塚工場内 審査官 柳 和子 (56)参考文献 特開 昭58−180575(JP,A) 特開 昭59−172581(JP,A) 特開 昭63−234082(JP,A) 特開 平2−120387(JP,A) 実開 平1−73677(JP,U)
Claims (5)
- 【請求項1】薬剤Aと薬剤Bのいずれか一方を小袋に収
納し、他方の薬剤はそのままの状態で両者を扁平状の気
密性外袋内に同時に密封収納し、使用時には外部から衝
撃を与えて小袋を破り、両薬剤を混合することによって
吸熱を生ぜしめる簡易冷却袋において、少なくとも片面
にヒートシール層が形成された合成樹脂2軸延伸フィル
ムから製せしめられた小袋であって、シール強度が0.
1〜1.0Kgf/15mm巾とされた小袋が用いられ
てなることを特徴とする簡易冷却袋。 - 【請求項2】ヒートシール層が、厚さ15〜40μのポ
リエチレンフィルムである請求項1に記載の簡易冷却
袋。 - 【請求項3】2軸延伸フィルムが、厚さ8〜50μのポ
リプロピレンフィルムである請求項1に記載の簡易冷却
袋。 - 【請求項4】薬剤Aおよび薬剤Bの一方が無機アンモニ
ウム塩またはこれに尿素を混合したもの、他の一方が結
晶水を保有する塩水和物またはこれに水を混合したもの
である請求項1に記載の簡易冷却袋。 - 【請求項5】無機アンモニウム塩が硝酸アンモニウム、
硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化アンモニウ
ムから選ばれる1種または2種以上、結晶水を保有する
塩水和物が水酸化ストロンチウム8水和物またはこれに
メタ珪酸ナトリウム9水和物を混合したものである請求
項4に記載の簡易冷却袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992021612U JP2547475Y2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 簡易冷却袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992021612U JP2547475Y2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 簡易冷却袋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0581251U JPH0581251U (ja) | 1993-11-05 |
JP2547475Y2 true JP2547475Y2 (ja) | 1997-09-10 |
Family
ID=12059871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992021612U Expired - Lifetime JP2547475Y2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 簡易冷却袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547475Y2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58180575A (ja) * | 1982-04-19 | 1983-10-22 | Earth Chem Corp Ltd | 瞬間冷却パツク |
JPS59172581A (ja) * | 1983-12-14 | 1984-09-29 | Tomoji Tanaka | 携帯用寒剤袋 |
JPS63234082A (ja) * | 1987-03-23 | 1988-09-29 | Hagiwara Kazuyoshi | 携帯用冷却剤 |
JPH0173677U (ja) * | 1987-11-04 | 1989-05-18 | ||
JPH02120387A (ja) * | 1988-10-28 | 1990-05-08 | Nippon Risoosu:Kk | 冷却剤 |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP1992021612U patent/JP2547475Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0581251U (ja) | 1993-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0633107B2 (ja) | 包装材料 | |
JP4296858B2 (ja) | 易開封性ガセット貼り袋 | |
JP4010038B2 (ja) | 開閉部を有する密封包装袋 | |
JPH1179203A (ja) | プラスチックパウチ | |
JP2547475Y2 (ja) | 簡易冷却袋 | |
JPS61167550A (ja) | 包装用袋体 | |
JPH09221176A (ja) | レトルトパウチ | |
JPH09216640A (ja) | レトルトパウチ | |
JP6113968B2 (ja) | 注出ユニットおよびファスナー付き包装袋 | |
JPH09221150A (ja) | レトルトパウチ | |
JP2549119Y2 (ja) | 簡易冷却袋 | |
JP2518186Y2 (ja) | 簡易冷却袋 | |
JPH09216664A (ja) | レトルトパウチ | |
JPS6323343Y2 (ja) | ||
JPH08217086A (ja) | 自立性包装袋およびその製造法 | |
JPS6083939A (ja) | 感光材料用包装袋材料 | |
JP2003072773A (ja) | 易開封性の包装用袋および包装体 | |
JP2558274Y2 (ja) | 簡易冷却袋 | |
JP2006151492A (ja) | 硝安油剤爆薬用重袋 | |
JP2003136638A (ja) | 外装用包装材料 | |
JPH08324594A (ja) | チャック付きプラスチック容器 | |
JP3667394B2 (ja) | 易開封用包装材料、それを使用した易開封性包装用袋および易開封性包装体 | |
JP2003072775A (ja) | 包装袋 | |
JPS6337070Y2 (ja) | ||
JPH041102Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |