JP2558274Y2 - 簡易冷却袋 - Google Patents

簡易冷却袋

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JP2558274Y2
JP2558274Y2 JP1991100059U JP10005991U JP2558274Y2 JP 2558274 Y2 JP2558274 Y2 JP 2558274Y2 JP 1991100059 U JP1991100059 U JP 1991100059U JP 10005991 U JP10005991 U JP 10005991U JP 2558274 Y2 JP2558274 Y2 JP 2558274Y2
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bag
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cooling bag
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弥代子 平本
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Japan Pionics Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は簡易冷却袋に関し、さら
に詳細には、冷却効果が大きく、しかも使用中に袋の表
面に結露を生ずることがなく、感触の優れた簡易冷却袋
に関する。
【0002】
【従来の技術】混合することにより吸熱を生ずる2種類
の薬剤を袋内に隔離した状態で収納しておき、使用時に
隔離を取り除いて両薬剤を混合することにより冷却現象
を生ずる簡易冷却袋がある。これらの簡易冷却袋には合
成樹脂フィルムまたはアルミニウム箔などの袋が用いら
れ、薬剤の一方を破れ易い小袋に入れ、もう一方の薬剤
とともに前記の袋に密封収納したものが知られている。
また、薬剤としては比較的安価で相応の冷却効果が得ら
れることなどから従来は硝酸アンモニウムと水とを組合
わせたものが一般的に多く用いられている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、合成樹
脂フィルムまたはアルミニウム箔単独からなる袋では、
特に夏場などの高温時に使用したような場合には袋の表
面に結露を生じて皮膚に当てた際感触が悪いばかりでな
く急冷による不快感とともに短時間で冷却効果が失われ
てしまうなど、実用上満足の得られるものはなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案者らはこれらの課
題に対処し、夏場などの高温時においても冷却持続時間
が長く、かつ、結露を生ずることがなく感触がよく、し
かも優れた冷却感が得られる簡易冷却袋を得るべく研究
を重ねた結果、非透湿性のフィルムに特定された材質の
不織布を重ね合わせることに着目し、本考案を完成し
た。すなわち本考案は、薬剤Aと薬剤Bが隔離された状
態で扁平状の袋内に収納され、使用時に隔離を取り除い
て両者を混合することにより吸熱を生ぜしめる簡易冷却
袋において、扁平状の袋として非透湿性フィルムの外側
ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テルまたはレーヨン製の不織布が重ね合わされ、固着さ
れてなる袋材を用い、かつ、薬剤Aおよび薬剤Bの一方
として無機アンモニウム塩またはこれに尿素を混合した
もの、他の一方として水酸化ストロンチウム8水和物ま
たはこれにメタ珪酸ナトリウム9水和物を混合したもの
用いたことを特徴とする簡易冷却袋である。
【0005】本考案において、冷却剤を収納する袋には
非透湿性フィルムに不織布を重ね合わせた袋材が使用さ
れる。非透湿性フィルムとしては合成樹脂フィルム、金
属箔などであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリイソシアネートなどの合成樹脂フィ
ルムおよびこれらの複合フィルムまたはアルミニウム
箔、アルミラミネートフィルムなどである。これらのう
ちでも不織布との重ね合わせ加工がし易く、安価で入手
が容易なことなどからポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹
脂フィルムおよびこれらの複合フィルムが好ましい。ま
た、非透湿性フィルムに重ね合わされる不織布の材質
して感触の良さ、非透湿性フィルムとの重ね合わせ加工
のし易さなどからナイロン、ポリエチレン、ポリプロピ
レンまたはレーヨンなどが用いられる。これらのうちで
もナイロン不織布が好ましい
【0006】非透湿性フィルムに不織布を重ね合わせて
固着する方法としては熱融着によるラミネートまたは接
着剤によるドライラミネートなどによって両者を全面に
わたって固着してもよく、あるいは部分的に固着しても
よいが、不織布の優れた肌触りを生かすとともに結露に
よる湿り感を防止するなどの目的から、全面にわたって
軽く固着するか、点または線状などで部分的に固着する
ことが好ましい。
【0007】薬剤Aと薬剤Bを袋内に隔離して収納する
手段としては扁平状の袋内を2つの空間に仕切る形態、
例えば扁平状の袋を棒状のクリップで挟んで袋内を仕切
る方法、または、扁平状の袋の内側片面に設けた溝と他
面の相対する位置に設けた凸条とからなる密封性シール
機構によつて袋内を仕切る方法、あるいは、一方の薬剤
を別容器に密封した状態で他方の薬剤とともに扁平状の
袋内に収納する形態、別容器として例えば外部から衝撃
や圧力を加える事によって、容易に破ることができる小
袋やカプセルなどを用いる方法などである。扁平状の袋
の形状には特に制限はなく、例えば長方形、正方形、円
形、楕円形などである。
【0008】本考案において薬剤AおよびBが使用され
るが、一方の薬剤としては無機アンモニウム塩またはこ
れに尿素を混合したもの、他の一方の薬剤としては結晶
水を保有する塩水和物またはこれに水を混合したものが
使用される。無機アンモニウム塩としては例えば硝酸ア
ンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、臭
化アンモニウム、よう化アンモニウム、燐酸アンモニウ
ム、燐酸水素アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウ
ムなどであり、これらのうちでも硝酸アンモニウム、硫
酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化アンモニウム
どが好ましい。また、結晶水を保有する塩水和物とし
てはアンモニウム塩類との組合わせで特に優れた冷却性
能を示す水酸化ストロンチウム8水和物またはこれにメ
タ珪酸ナトリウム9水和物を混合したものが用いられ
る。無機アンモニウム塩に尿素を混合する場合の両者の
割合は重量比で通常はアンモニウム塩1に対し0.1〜
3.0、好ましくは0.2〜2.0である。また、水酸
化ストロンチウムに水を併用する場合の両者の割合は重
量比で塩水和物が1に対し0.1〜5.0、好ましくは
0.3〜3.0である。さらに、無機アンモニウム塩
用いた方を薬剤A、水酸化ストロンチウムを用いた方を
薬剤Bとした場合の両者の割合は目的とする冷却性能に
応じて選択されるが通常は重量比で薬剤Aが1に対し
0.25〜4.0、好ましくは0.5〜20程度であ
る。
【0009】次に本考案を図面により例示しさらに具体
的に説明する。図1は本考案の簡易冷却袋の断面図であ
る。図1において非透湿性の合成樹脂フィルム1に特定
材質の不織布2がラミネートされた長方形の袋材2枚を
合成樹脂フィルム側を内側として合わせ、その周辺を熱
融着してなる扁平状の袋3の内部に薬剤Aおよび薬剤B
が収納されている。また、薬剤Bは外部からの衝撃など
によって容易に破ることのできる小袋4に密封されるこ
とにより薬剤Aと隔離されている。簡易冷却袋の使用時
には握り拳などで扁平状の袋3の外部から衝撃を加えて
小袋4を破り、薬剤Aおよび薬剤Bを混合することによ
って冷却が開始される。冷却袋はその表面が不織布で覆
われているため、肌触りの感触がよく、結露による濡れ
感がなく快適な冷却感が得られる。
【0010】
【考案の効果】本考案の簡易冷却袋は無機アンモニウム
塩に水酸化ストロンチウムを組合わせた冷却性能の優れ
た冷却剤が表面に特定材質の不織布を重ね合わせた扁平
状の袋に収納されたものであるため感触がよく、使用中
に結露による濡れを生じず、また表面が必要以上に冷却
されることがなく、長時間にわたって快適な冷却感を得
ることができる。
【0011】
【実施例】実施例1 水酸化ストロンチウム8水和物40gを厚さ20ミクロ
ンのポリエチレンフィルム製で50×100mmの長方
形の小袋に密封し、この小袋を硝酸アンモニウム60g
とともに、厚さ50ミクロンのポリエチレンフィルムの
表面にナイロン不織布(N5051、旭化成(株)製)
がラミネートされた105×175mmの長方形扁平状
の袋に収納して簡易冷却袋のサンプルとした。雰囲気温
度36℃において、この冷却袋に外部から衝撃を加えて
内部の小袋を破壊した後、扁平状の袋の表面に熱電対温
度計を取り付けて10秒毎の温度を測定した結果10℃
に到達するまでの時間は2分、10℃以下の持続時間は
9分、最低到達温度−7℃であり、袋の表面に結露は見
られなかった。
【0012】比較例1 扁平状の袋材としてポリエステル20ミクロン、アルミ
ニウム箔30ミクロン、ポリエチレン50ミクロンをラ
ミネートしたアルミラミネートフィルムを用いた他は実
施例1と同様にして温度の測定をおこなった。その結
果、10℃に到達するに要する時間は1.8分、10℃
以下の持続時間は6分、最低到達温度は−13.5℃で
あった。また、袋の表面全体に結露が見られた。
【図面の簡単な説明】
図1は本考案の簡易冷却袋の断面図である。 図面の各番号は以下の通りである。 1 合成樹脂フィルム 2 不織布 3 袋 4 小袋 A 薬剤A B 薬剤B
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−180575(JP,A) 特開 昭59−172581(JP,A) 特開 昭63−234082(JP,A) 特開 平2−120387(JP,A) 実開 平2−38066(JP,U)

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬剤Aと薬剤Bが隔離された状態で扁平状
    の袋内に収納され、使用時に隔離を取り除いて両者を混
    合することにより吸熱を生ぜしめる簡易冷却袋におい
    て、扁平状の袋として非透湿性フィルムの外側にナイロ
    ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまた
    はレーヨン製の不織布が重ね合わされ、固着されてなる
    袋材を用い、かつ、薬剤Aおよび薬剤Bの一方には無機
    アンモニウム塩またはこれに尿素を混合したもの、他の
    一方には結晶水を保有する塩である水酸化ストロンチウ
    ム8水和物またはこれにメタ珪酸ナトリウム9水和物を
    混合したものを用いたことを特徴とする簡易冷却袋。
  2. 【請求項2】非透湿性フィルムがポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリエステル、ナイロンもしくはポリ塩化ビ
    ニルまたはこれらの複合フィルムである請求項1に記載
    の簡易冷却袋。
  3. 【請求項3】扁平状の袋に、薬剤Aをそのまま、薬剤B
    を外部からの衝撃によって破れ易い小袋に充填し、両者
    を同時に収納してなる請求項1に記載の簡易冷却袋。
  4. 【請求項4】扁平状の袋内が溝および突条の組合わせか
    らなる密封性シール機構によって2つの空間に仕切ら
    れ、一方の空間に薬剤A、他方に空間に薬剤Bが収納さ
    れてなる請求項1に記載の簡易冷却袋。
  5. 【請求項5】無機アンモニウム塩が硝酸アンモニウム、
    硫酸アンモニウム、臭化アンモニウム、塩化アンモニウ
    ムから選ばれる1種または2種である請求項1に記載の
    簡易冷却袋。
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