JP2546795B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JP2546795B2 JP62042741A JP4274187A JP2546795B2 JP 2546795 B2 JP2546795 B2 JP 2546795B2 JP 62042741 A JP62042741 A JP 62042741A JP 4274187 A JP4274187 A JP 4274187A JP 2546795 B2 JP2546795 B2 JP 2546795B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用性〕 本発明は鉱油を主成分とする高粘度指数潤滑油組成物
に関し、詳しくは特に高粘度指数を有し、かつ剪断安定
性に優れ、さらに極圧性,耐摩耗性に優れた潤滑油組成
物に関するものであって、自動車用・産業用ギヤー油,
パワーステアリング油,エンジン油,トラクター油,シ
ョックアブソーバー油,油圧油,ドアチェック油,軸受
油などとして有効に利用することができる。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、高粘度指数潤滑油としては鉱油に高分子量ポリ
マーを添加したものが用いられている。
しかしながら、このものは高分子量ポリマーを比較的
多量に添加しているため、剪断安定性がきわめて悪く、
機械的剪断を受けると著しい粘度低下を招き、初期の性
能を満足しえなくなり、摩耗の増大等がみられるなど、
好ましいものとはいえないものであった。
本発明は上記従来の問題点を解消し、高粘度指数を有
し、かつ剪断安定性に優れ、さらに極圧性,耐摩耗性に
優れた潤滑油組成物を提供することを目的とするもので
す。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、100℃における動粘度が0.5〜50セ
ンチストークスで、かつ粘度指数が60以上の鉱油(A)
に対し、組成物全量を基準として(B)数平均分子量が
2,000〜8,000のエチレン・α−オレフィン共重合体3.5
〜15重量%,(C)数平均分子量が10,000〜250,000の
ポリメタアクリレート0.05〜20重量%および(D)硫化
油脂,硫化オレフィン、スルフィド類、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩及び亜
リン酸エステルアミン塩から選ばれた少なくとも1種0.
5〜20重量%を配合してなる潤滑油組成物を提供するも
のである。
本発明では(A)成分として100℃における動粘度が
0.5〜50センチストークス(cSt)、好ましくは1〜40cS
tで、かつ粘度指数が60以上、好ましくは80以上の鉱油
を用いる。また、この鉱油は流動点が−5℃以下、好ま
しくは−10℃以下である。この鉱油は本発明の潤滑油組
成物のベースとなるものである。ここで鉱油の動粘度が
0.5cSt未満であると蒸発損失が多くて実用できず、一方
50cStを超えると低温時の粘度が高くてマルチグレード
油の目的を達しないため好ましくない。また鉱油の粘度
指数が60未満であると粘度指数向上効果が小さく、多量
のポリマーを必要とし、二次性能を低下させるため好ま
しくない。この鉱油は公知の潤滑油精製方法、例えば常
圧蒸留,減圧蒸留した潤滑留分を溶剤精製や水添精製等
の方法で精製して得られるものである。具体的には70ニ
ュートラル,100ニュートラル,150ニュートラル,300ニュ
ートラル,500ニュートラル,ブライトストック等の留分
およびその混合物が挙げられる。
なお、本発明において(A)成分として上記鉱油の代
わりに合成油を用いてもよいが、合成油を用いた場合、
添加剤の溶解性が低いこと、耐シール性に悪影響を及ぼ
すことおよび高価であるため鉱油と混合して使用するこ
とが好ましい。
次に本発明では(B)成分として数平均分子量が2,00
0〜8,000、好ましくは2,000〜5,000のエチレン・α−オ
レフィン共重合体を用いる。ここで数平均分子量が2,00
0未満のものであると粘度指数向上効果が乏しくなり、
一方8,000を超えると剪断安定性が悪くなるため好まし
くない。このエチレン・α−オレフィン共重合体はエチ
レンと、炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピ
レン,1−ブテン,1−デセンとのコオリゴマーであって、
極性基を含まない炭化水素系合成油である。上記(B)
成分は、組成物全量を基準として3.5〜15重量%の割合
で配合される。ここで(B)成分の配合割合が3.5重量
%未満であると粘度指数向上効果が小さいため好ましく
ない。一方、15重量%を超えて配合すると低温時の粘度
が高くなり、実用性がなくなる。
また、本発明では(C)成分として数平均分子量が1
0,000〜250,000、好ましくは20,000〜200,000のポリメ
タアクリレートを用いる。ここで数平均分子量が10,000
未満のものであると十分な粘度指数が得られず、一方25
0,000を超えたものであると低温時の粘度が高いため実
用的でない。
この(C)成分は、組成物全量を基準として0.05〜20
重量%、好ましくは0.1〜15重量%の割合で配合され
る。ここで(C)成分の配合割合が0.05重量%未満であ
ると低温流動性に劣ったものとなるため好ましくない。
一方、20重量%を超えて配合すると低温時の粘度が高く
なるため好ましくない。この(C)成分は潤滑油組成物
の粘度指数向上と流動点降下の役割を果たす。
さらに本発明では(D)成分として、硫化油脂、硫化
オレフィン、スルフィド類、リン酸エステル、亜リン酸
エステル、リン酸エステルアミン塩及び亜リン酸エステ
ルアミン塩から選ばれた少なくとも1種を用いる。
この(D)成分は、組成物全量を基準として0.5〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%の割合で配合され
る。ここで(D)成分の配合割合が0.5重量%未満であ
ると極圧性,耐摩耗性が不十分となるため好ましくな
い。一方、20重量%を超えて配合すると腐食を生ずるこ
とがあるため好ましくない。
本発明の潤滑油組成物は上記(A)〜(D)成分から
なるものであるが、必要により酸化防止剤,清浄分散
剤,消泡剤,錆止め剤,腐食防止剤,着色剤等の添加剤
を適宜配合することができる。ここで酸化防止剤として
具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4メチルフェノー
ル等のフェノール系酸化防止剤;ジオクチルジフェニル
アミン等のアミン系酸化防止剤などを挙げることができ
る。
また清浄分散剤としては、カルシウムスルホネート,
マグネシウムスルホネート等の各種スルホネート;フェ
ネート;サリチレート;コハク酸イミド;ベンジルアミ
ン;コハク酸エステルなどを挙げることができる。これ
ら酸化防止剤や清浄分散剤を添加することにより、清浄
性等に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
次に消泡剤としては、ジメチルシロキサン,シリカゲ
ル分散体等のシリコン系消泡剤;アルコール,エステル
系消泡剤などを挙げることができる。
さらに錆止め剤としては、カルボン酸,カルボン酸
塩,スルホン酸塩,エステル,リン酸,リン酸塩などを
挙げることができる。
また腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾールおよび
その誘導体,チアゾール系化合物などを挙げることがで
きる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲を超えな
い限り、これに限定されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜5 第1表に示す所定の潤滑油組成物について、各種試験
を行ない、物性を評価した。結果を第1表に示す。
第1表より次のことが判る。すなわち、実施例1,2に
より得られる潤滑油組成物は粘度指数が140以上、流動
点が−30℃以下、−26℃でのブルックフィールド粘度15
0,000cp以下となっており、シエル四球試験による極圧
性能も比較例に比べ高い値を示しており、80W/90マルチ
グレードギヤー油として満足しうるものであることが判
る。
一方、比較例1は本発明の(B)成分を用いていない
例を示しており、(C)成分としては最も剪断を受けに
くい数平均分子量21,000のポリメタアクリレートを用い
ているが、それでも剪断安定性に劣るとともに、極圧性
能も著しく低下していることが判る。
また比較例2は(C)成分を用いていない例を示して
いるが、低温流動性に劣り、本発明の実施例の如き80W/
90のギアー油とならないことが判る。
さらに比較例3は本発明の(B)成分の代わりにポリ
ブテンを用いている例であるが、多量にポリブテンを用
いているにも拘わらず、十分な増粘効果が得られず、か
つ低温流動性が不十分であり、本発明の実施例の如き80
W/90のギアー油とならないことが判る。
次に比較例4は(B)成分の配合割合が少ない例を示
しているが、流動点は低くなるものの、剪断安定性およ
び極圧性に著しく劣るものであることが判る。
最後に比較例5は(B),(C)成分を用いず、代わ
りに数平均分子量100,000のエチレン−プロピレン共重
合体を用いた例を示しているが、流動点が−20℃であ
り、かつ剪断安定性も著しく劣ることが判る。
〔発明の効果〕
本発明によれば粘度指数が140以上と、高粘度指数の
潤滑油組成物が得られる。
しかも本発明の潤滑油組成物は、流動点が−30℃以下
であり、−26℃でのブルックフィールド粘度が150,000c
p以下であって、低温特性に優れている。
さらに本発明の潤滑油組成物は剪断安定性に優れ、し
かも極圧性にも優れたものである。
それ故、本発明の潤滑油組成物は自動車および産業用
ギヤー油,パワーステアリング油,エンジン油,トラク
ター油,ショックアブソーバー油,油圧油,ドアチェッ
ク油,軸受油などに有効に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 143:04 145:14 135:04 135:06 135:20 137:04 137:02 137:10) C10N 20:02 20:04 30:00 30:06 40:02 40:04 40:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100℃における動粘度が0.5〜50センチスト
    ークスで、かつ粘度指数が60以上の鉱油(A)に対し、
    組成物全量を基準として(B)数平均分子量が2,000〜
    8,000のエチレン・α−オレフィン共重合体3.5〜15重量
    %,(C)数平均分子量が10,000〜250,000のポリメタ
    アクリレート0.05〜20重量%および(D)硫化油脂,硫
    化オレフィン、スルフィド類、リン酸エステル、亜リン
    酸エステル、リン酸エステルアミン塩及び亜リン酸エス
    テルアミン塩から選ばれた少なくとも1種0.5〜20重量
    %を配合してなる潤滑油組成物。
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