JP2543032B2 - 回転型圧縮機 - Google Patents

回転型圧縮機

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JP2543032B2
JP2543032B2 JP61027195A JP2719586A JP2543032B2 JP 2543032 B2 JP2543032 B2 JP 2543032B2 JP 61027195 A JP61027195 A JP 61027195A JP 2719586 A JP2719586 A JP 2719586A JP 2543032 B2 JP2543032 B2 JP 2543032B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷凍冷蔵装置等に用いられる回転型圧縮機
に関する。
従来の技術 近年、冷凍冷蔵装置等に用いられる圧縮機は、省エネ
ルギー,省スペースの見地より往復型から回転型へと移
行してきている。これらの回転型圧縮機は、通常密閉ケ
ース内が高圧側となり、シリンダ内で圧縮された冷媒は
圧縮機から冷却システムに吐出される前にいったん密閉
ケース内の空間に吐出される。その結果、シリンダ内で
冷媒が圧縮されることにより生じた冷媒の圧力脈動成分
が密閉ケース内空間に伝わり、密閉ケース内空間の気柱
共振を引き起こし、さらにそれが密閉ケースを振動させ
て大きな騒音を発生する。そのため、従来よりシリンダ
内で圧縮された直後に吐出チャンバーを設けて冷媒の圧
力脈動成分を減少させる構成がとられている。
以下図面を参照しながら、上述した従来の回転型圧縮
機の一例について説明する。
第4図〜第6図は従来の回転型圧縮機の一例を示すも
のである。
図において、1は回転型圧縮機、2aは胴シェル、2bは
前部蓋シェル、2cは後部蓋シェルで、胴シェル2aに前部
蓋シェル2b、後部蓋シェル2cが溶接されて密閉ケース2
を形成している。3はステータで胴シェル2aに焼バメ固
定されている。4はロータで、クランクシャフト5と連
結されている。6はピストン、7はシリンダである。8
はロータ側の軸受でシリンダ側面8aにシリンダ7が固定
されており、反シリンダ面8bにはバルブ9aを収納装着す
る直線状の凹部9が設けられ、さらに前記凹部9にはシ
リンダ7と連通するバルブ孔9bも設けられている。又前
記軸受8は胴シェル2aに溶接固定されている。10はカッ
プ状の吐出カバーで、吐出孔10aが設けられさらに軸受
8の反シリンダ面8b側に圧入固定されていることにより
吐出チャンバ10bを形成している。11はシャフト端部の
軸受である。
以上のように構成された回転型圧縮機について、以下
その動作について説明する。
シリンダ内7で圧縮された冷媒は、バルブ孔9bより吐
出チャンバー10bに吐出され、さらに吐出孔10aより胴シ
ェル2a,前部蓋シェル2b,後部蓋シェル2cにより形成され
る密閉ケース2内の空間に放出される。
したがって、シリンダ7内で発生した冷媒の圧力脈動
成分は、吐出チャンバー10b内にいったん冷媒が吐出さ
れることにより減衰される。そのため密閉ケース2内に
放射される冷媒の圧力脈動成分が減衰されることとな
り、密閉ケース2内での気柱共振を小さくし、密閉ケー
ス2が気柱共振により振動させるのを防止し、圧縮機騒
音を減少することができる。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成では、軸受8の反シ
リンダ側には、モータのステータ3があることによりス
ペース的に余裕がなく、あまり吐出チャンバー10bを大
きくすることができない。そのため吐出チャンバー10b
の容積不足により、冷媒の圧力脈動成分が十分に減衰さ
せられず、圧縮機騒音の低減が不十分となる。
さらに軸受8は胴シェル2aに直接固定されているた
め、軸受8を胴シェル2aに固定する際の溶接による熱歪
や胴シェル2aに前部蓋シェル2bを溶接する際に生じた熱
歪による収縮力が軸受8を固定している部分にもかかる
ことにより、軸受8のシリンダ側面8aに歪,変形を生じ
てしまう。そのため、軸受8とピストン6及び軸受8と
シリンダ7の間に隙間を生じてしまい、その隙間から冷
媒が圧縮時に漏れることから漏れ損失が生じ圧縮機の効
率を低下させてしまう。
本発明は上記問題に鑑み、新たに部品を付加すること
なく、かつ回転型圧縮機のコンパクト性をそこなうこと
なしに、冷媒の圧力脈動成分を大きく減衰させて圧縮機
騒音を減少させ、さらに軸受等の歪,変形による圧縮機
の効率低下を防止するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明の回転型圧縮は、電
動圧縮要素を収納する密閉ケースと、片面にシリンダが
密着固定されるとともに前記密閉ケースに溶接固定され
た軸受と、吐出孔を有し前記軸受の反シリンダ両側に固
定されて前記軸受の反シリンダ面との間に吐出チャンバ
ーを形成する反シリンダ側にふくらんだカップ状の吐出
カバーとからなり、前記軸受の反シリンダ面に1つもし
くは複数の溝を前記軸受における前記シリンダの平面部
と密着する部分より外周で前記軸受の反シリンダ面と前
記吐出カバーとが密着する部分より内周となる位置に全
周にわたって設けたのである。
作用 本発明は上記した構成によって吐出カバーと軸受とに
より形成される吐出チャンバーの容積を大きくすること
により圧力脈動成分を大きく減衰させて大きな消音効果
を得、なおかつ、軸受の固定や密閉ケースの溶接により
生じる軸受の歪,変形を軸受に設けた溝により吸収して
防止することにより圧縮機の効率低下を防止するもので
ある。
実 施 例 以下、本発明の一実施例の回転型圧縮機について、図
面を参照しながら説明する。尚、説明の重複をさけるた
め、従来例と同一部分については同一符号を付して説明
を省略する。
第1図〜第3図は本発明の回転型圧縮機の一実施例を
示すものである。図において、12はロータ側の軸受で、
シリンダ側面12aにシリンダが固定されており、反シリ
ンダ面12bにはバルブ13aを収納装着する直線状の凹部13
と、シリンダ側面12aのシリンダ7の平面部と密着する
面12cより外周となる位置に全周にわたり溝14が設けら
れ、前記凹部13にはシリンダ7と連通するバルブ孔13b
が設けられている。さらに前記軸受12は胴シェル2aに溶
接固定されている。15は反シリンダ側にふくらんだカッ
プ状の吐出カバーで、吐出孔15aが設けられ、前記軸受1
2の反シリンダ面における前記溝14より外周に密着し前
記溝14をおおいかぶさるようにして圧入固定されている
ことにより吐出チャンバー15bを形成する。
以上のように構成された回転型圧縮機について、以下
第1図〜第3図を用いてその動作を説明する。
シリンダ7内で圧縮された冷媒は、バルブ孔13bより
吐出チャンバー15bに吐出され、さらに吐出孔15aより胴
シェル2a、前部蓋シェル2b、後部蓋シェル2cにより形成
される密閉ケース2内の空間に放出される。したがっ
て、シリンダ7内で発生した冷媒の圧力脈動成分は、吐
出チャンバー15b内にいったん冷媒が吐出されるため減
衰されるが、その際、軸受12に設けられた溝14により吐
出チャンバー15bの容積が大きくなっているため、冷媒
の圧力脈動成分は十分に減衰させることができる。した
がって、密閉ケース2内空間に放出される冷媒の圧力脈
動成分が十分に小さくなるため、密閉ケース2内空間の
気柱共振を防止し、圧縮機騒音を減少することができ
る。
さらに、軸受12の溝14により、軸受12を胴シェル2aに
固定する際の溶接による軸受12への熱歪や、胴シェル2a
と前部蓋シェル2bを溶接する際に生じた熱歪のための収
縮力による軸受12への歪,変形が吸収される。その上、
溝14はシリンダ7の平面部の外周に設けられているた
め、軸受12のシリンダ7と密着する面12cは平面が保た
れ、軸受12とシリンダ7の間に隙間を生じることがなく
なり、漏れによる圧縮機の効率低下を防止することがで
きる。
発明の効果 以上のように本発明は、電動圧縮要素を収納する密閉
ケースと、片面にシリンダが密着固定されるとともに前
記密閉ケースに溶接固定された軸受と、吐出孔を有し前
記軸受の反シリンダ両側に固定されて前記軸受の反シリ
ンダ面との間に吐出チャンバーを形成する反シリンダ側
にふくらんだカップ状の吐出カバーとからなり、前記軸
受の反シリンダ面に1つもしくは複数の溝を前記軸受に
おける前記シリンダの平面部と密着する部分より外周で
前記軸受の反シリンダ面と前記吐出カバーとが密着する
部分より内周となる位置に全周にわたって設けたことに
より、吐出カバーと軸受の反シリンダ面との間に形成す
る吐出チャンバーの容積を拡大でき、冷媒の圧力脈動成
分を十分に減衰させて、圧縮機騒音を減少でき、さらに
軸受を密閉ケースに固定する際や、密閉ケースを溶接す
る際に生じる熱歪等の収縮力により生じる軸受のシリン
ダとの密着部の歪,変形を軸受のシリンダ平面部より外
周となる位置に設けた溝により吸収することにより防止
して軸受のシリンダとの密着部平面の歪,変形により生
じる漏れ損失を防止することにより圧縮機の効率低下を
防止するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す回転型圧縮機の軸受、
吐出カバーを示した分解斜視図、第2図は同第1図の回
転型圧縮機の断面図、第3図は本発明の一実施例を示す
回転型圧縮機の断面図、第4図は従来の回転型圧縮機の
軸受、吐出カバーを示した分解斜視図、第5図は同第4
図の回転型圧縮機の断面図、第6図は従来の回転型圧縮
機の断面図である。 2……密閉ケース、7……シリンダ、12……軸受、14…
…溝、15……吐出カバー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動圧縮要素を収納する密閉ケースと、片
    面にシリンダが密着固定されるとともに前記密閉ケース
    に溶接固定された軸受と、吐出孔を有し前記軸受の反シ
    リンダ面側に固定されて前記軸受の反シリンダ面との間
    に吐出チャンバーを形成する反シリンダ側にふくらんだ
    カップ状の吐出カバーとからなり、前記軸受の反シリン
    ダ面に1つもしくは複数の溝を前記軸受における前記シ
    リンダの平面部と密着する部分より外周で前記軸受の反
    シリンダ面と前記吐出カバーとが密着する部分より内周
    となる位置に全周にわたって設けたことを特徴とする回
    転型圧縮機。
JP61027195A 1986-02-10 1986-02-10 回転型圧縮機 Expired - Fee Related JP2543032B2 (ja)

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