JP2541750Y2 - スレート屋根改修用金属製屋根構造 - Google Patents

スレート屋根改修用金属製屋根構造

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JP2541750Y2
JP2541750Y2 JP1992093562U JP9356292U JP2541750Y2 JP 2541750 Y2 JP2541750 Y2 JP 2541750Y2 JP 1992093562 U JP1992093562 U JP 1992093562U JP 9356292 U JP9356292 U JP 9356292U JP 2541750 Y2 JP2541750 Y2 JP 2541750Y2
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亨 安田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、既設のスレート屋根を
改修する金属製屋根構造に係り、特に既設のスレート屋
根の3個目ごとの凸波部(3山)を1単位として、改修
用の金属製屋根板をタイトフレームを介して連続状に敷
設することによって、風圧に強い堅固な、雨仕舞いが完
全で、かつ改修時の割付けが簡素化され、施工の能率化
が図れる構成簡易なスレート屋根改修用金属製屋根構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、既設のスレート屋根を改修するた
めに、このスレート屋根に金属製屋根を敷設する改修屋
根工法が種々開発されている。図8は、この改修屋根工
法の一例を示す概略正面図であり、1は既設のスレート
屋根を示し、このスレート屋根1の上に折板構造の金属
製屋根板2,2,…を連接状に被せた上、テックビス
3,3,…などを介して母屋4にねじ着させて改修屋根
5を敷設している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このような従来の改修
屋根5は、スレート屋根1の凸波部6,6,…に合わせ
て板体に複数の山部7,7,…を連続成型した屋根板
2,2,…を使用し、その各山部7,7,…からテック
スビス3を通して母屋4にねじ着している。
【0004】しかし、この屋根板2の山部7は高さがあ
り、しかもテックスビス3のねじ部が母屋4にねじ着さ
せる構成である。このため、屋根板2,2,…は、風な
どの影響を受けると動き、このねじ着部分が摩耗し、テ
ックスビス3が緩み、屋根板2,2,…が不安定とな
り、この屋根板2が剥がれたり、雨漏りが生ずるなどの
問題がある。
【0005】また、前記するようにテックスビス3は、
各屋根板2,2,…の山部7からねじ着を行うため、そ
のねじ着を強めに行うと、山部7に窪みができる。この
窪みに雨水が溜まると錆が発生し、その山部7に穴がで
き、雨漏りの原因となっている。本考案は、このような
問題点を考慮して創作されたもので、その目的は既設の
スレート屋根を改修する金属製屋根構造に係り、特に既
設のスレート屋根の3個目ごとの凸波部(3山)を1単
位として、改修用の金属製屋根板をタイトフレームを介
して連続状に敷設することによって、風圧に強い堅固
な、雨仕舞いが完全で、かつ改修時の割付けが簡素化さ
れ、施工の能率化が図れる構成簡易なスレート屋根改修
用金属製屋根構造に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、このような目
的を達成するために、既設のスレート屋根の上に複数の
金属製屋根板を敷設して改修する改修用金属製屋根構造
において、スレート屋根の3個目ごとの凸波部の上方位
置に配し、この凸波部の両側の凹波部に屈曲状の脚部を
ねじ着などで立設させた左右のタイトフレームの頂部
に、スレート屋根の隣接し合う2個の凸波部にそれぞれ
隆起部を当接させた平板部の両側端縁部に傾斜状の起立
部を経て両外端縁部に短い垂下部が形成された平らな山
部をそれぞれ被せてなる金属製屋根板に対し、一方のタ
イトフレームの頂部に被せた平らな山部の上に、次に位
置させる金属製屋根板を続くスレート屋根の隣接し合う
2個の凸波部に隆起部をそれぞれ当接させ、かつ一側端
縁部の平らな山部を重合させた上、タイトフレームの頂
部の緊締具に座金、パッキンなどを介在させてナットで
緊締し、順次複数の金属製屋根板をスレート屋根上に敷
設するようにしたことを特徴とするものであり、この平
板部の隆起部は、角状または円弧状にそれぞれ形成した
ことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】スレート屋根の3個目ごとの凸波部に設けたタ
イトフレームの頂部に、左右の山部をそれぞれ被せて金
属製屋根板でスレート屋根を覆う。この一方の山部に続
く金属製屋根板の山部を重合させた上、タイトフレーム
の頂部に配した剣先ボルトなどの緊締具に座金、パッキ
ンなどを介在させて金属製屋根板の重合部をナットで緊
締する。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
ると、図1は本考案に使用する金属製屋根板の斜視図、
図2は同平面図である。図において、10は本考案に使
用する単体構成の金属製屋根板であり、詳しくは図示の
ように中央の平板部11に角状の隆起部12a,12b
を2個形成し、さらにこの平板部11の両側端縁部に傾
斜状の起立部13a,13bを経て平らな山部14a,
14bをそれぞれ形成した上、この山部14a,14b
の外端縁部に短い垂下部15a,15bをそれぞれ形成
してある。なお、この隆起部12a,12bは、角状に
限定されるものでなく、円弧状など任意な形状の隆起部
に形成できる。
【0009】前記平板部11に形成した2個の隆起部1
2a,12bは、後記するようにスレート屋根の隣接し
合う2個の凸波部の頂部の横幅とそれぞれ一致する寸法
幅に形成されている。両側の起立部13a,13bは、
この2個の凸波部に続く次の凸波部の横幅と一致する幅
に形成されている。
【0010】次に、前記屋根板10を使用して本考案の
改修用金属製屋根構造の構成を図3と図4とを参照しな
がら説明する。20は既設のスレート屋根で、このスレ
ート屋根20に屋根板10,10,…をタイトフレーム
21a,21b,…を介して連続状に配して金属製屋根
構造の改修屋根22を敷設している。つまり、一方のタ
イトフレーム21aは、スレート屋根20の凸波部23
aの上方位置に配した上、この凸波部23aの両側の凹
波部25a,25bに屈曲状の脚部26,26をテック
スビス27で固定させる。他方のタイトフレーム21b
は、前記凸波部23aから2個の凸波部23b,23c
を経て3個目の凸波部23dの上方位置に、前記タイト
フレーム21aと同様な固定手段で屈曲状の脚部26,
26を凹波部25d,25eに固定させ、以下順次3個
目の凹波部25ごとにタイトフレーム21を並設させ
る。
【0011】このように並設させたタイトフレーム21
a,21bの頂部30に、屋根板10aの山部14a,
14bをそれぞれ被せ、屋根板10aの隆起部12a,
12bをスレート屋根20の凸波部23b,23cの頂
部28にそれぞれ被せる。続いて、タイトフレーム21
bの頂部30に被せた屋根板10aの山部14bに、次
に配する屋根板10bの山部14aを重合させる。この
タイトフレーム21bの頂部30において、剣先ボルト
などの緊締具31に座金、パッキン32などを介在させ
てナット33で、相隣接し合う屋根板10a,10bの
山部14a,14bを緊締させ、スレート屋根10に金
属製の改修屋根22を敷設させる。図中、35は母屋、
36はスレート屋根10を固定しているフックボルトで
ある。
【0012】このように本考案は、複数の屋根板10,
10,…を使用して、既設のスレート屋根20の3個目
ごとの凸波部23を1単位として金属製屋根構造の改修
屋根22を敷設させるが、このスレート屋根20の軒先
に水切りを取付けて、改修屋根22の腐蝕原因などを防
ぐことができる。この水切りの取付けには、種々な手段
が考えられるが、その一例を次に説明する。
【0013】図5において、40は軒先用下地金物であ
り、この下地金物40は、スレート屋根20の凹波部2
5の曲面と一致する曲面状の基端部41が設けてある。
この基端部41の先端部には、上向きに折曲げた傾斜部
42を介して前方に平らに延びる平面部43と、この平
面部43の先端部を垂下させた脚部44とが形成されて
いる。この平面部43は、図示のようにその長手方向両
側縁に鍔部45を設け、強度を保つことができ、この脚
部44の下端部は、スレート屋根20の凹波部25と一
致する曲面とするが、図6のようにこの脚部44を省く
こともできる。
【0014】前記下地金物40は、屋根板10,10,
…をスレート屋根20に敷設する前に、その基端部41
をスレート屋根20の凹波部25cにテックスビス45
を介して脚部44を軒先側に向けて取付ける。次に、軒
先面戸50の両側上方から後方に伸びている腕片51,
51を、タイトフレーム21a,21bの脚部26,2
6に掛止めを行って、軒先面戸50をタイトフレーム2
1a,21bの前面に取付ける。なお、この軒先面戸5
0の下端部には、係止片52が形成されている。
【0015】この係止片52に軒先水切り53の後端部
に設けた折曲部54を係合させて、軒先水切り53を既
設スレート屋根20の軒先に設置する。この軒先水切り
53は、図示のように先端部が垂下状に折曲げた横長状
の化粧面55としてあり、この1枚の軒先水切り53で
3個の凸波部23を納めように構成されているが、この
納めの水切りの数は任意である。図中、56は水切り、
57は軒先水切りを安定させるため、下地金物40に固
定させるビス、58は軒先化粧フレームである。
【0016】
【考案の効果】本考案は、以上の構成であり、次の効果
がある。 本考案は、平板部に2個の隆起部を形成し、両側端
縁部に起立部を経た山部と垂下部を形成した屋根板を使
用し、3個目ごとの凸波部において、スレート屋根を固
定しているフックボルト36が目印となって、改修時の
割付けが簡素化されると共に、タイトフレームを介して
敷設した屋根板を緊締できる。このため、安定したボル
ト締めが可能となり、風圧に強い改修屋根を構成でき、
前記フックボルトからの雨の浸入を防ぎ、雨仕舞いが完
全となる理想的な改修屋根となる。 本考案は、その隆起部によりスレート屋根の凸波部
の踏みつぶれを防ぎ、屋根板の強度が向上すると共に、
風による板鳴りを防ぎ意匠性がよくなり、従来にない美
観に優れた改修屋根となる。 本考案は、スレート屋根を構成するスレート1枚に
対し、2枚使用であるため、施工時の割付けが簡素化さ
れ、その施工性が向上する。 本考案は、既設のボルトを避けて、そのタイトフレ
ームに緊締できる。このため、既設の錆付いているボル
トの取外し作業が省けるし、取外しによるボルトの折れ
などによる対応策が省け、雨漏りを防ぐと共に、その施
工性が簡素化できる。 本考案は、いわゆる折板構成の屋根板であるため、
スレート屋根のイメージを一新できる改修屋根を敷設で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に使用する金属製屋根板の斜視図。
【図2】同平面図。
【図3】本考案の概略正面図。
【図4】同概略側面図
【図5】軒先用下地金物の斜視図。
【図6】他の軒先用下地金物の斜視図。
【図7】軒先面戸の斜視図。
【図8】従来例の概略正面図。
【符号の簡単な説明】
10 金属製屋根板 11 平板部 12a,12b 隆起部 13a,13b 起立部 14a,14b 山部 15a,15b 垂下部 20 スレート屋根

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設のスレート屋根の上に複数の金属製
    屋根板を敷設して改修する改修用金属製屋根構造におい
    て、スレート屋根の3個目ごとの凸波部の上方位置に配
    し、この凸波部の両側の凹波部に屈曲状の脚部をねじ着
    などで立設させた左右のタイトフレームの頂部に、スレ
    ート屋根の隣接し合う2個の凸波部にそれぞれ隆起部を
    当接させた平板部の両側端縁部に傾斜状の起立部を経て
    両外端縁部に短い垂下部が形成された平らな山部をそれ
    ぞれ被せてなる金属製屋根板に対し、一方のタイトフレ
    ームの頂部に被せた平らな山部の上に、次に位置させる
    金属製屋根板を続くスレート屋根の隣接し合う2個の凸
    波部に隆起部をそれぞれ当接させ、かつ一側端縁部の平
    らな山部を重合させた上、タイトフレームの頂部の緊締
    具に座金、パッキンなどを介在させてナットで緊締し、
    順次複数の金属製屋根板をスレート屋根上に敷設するよ
    うにしたことを特徴とするスレート屋根改修用金属製屋
    根構造。
  2. 【請求項2】 金属製屋根板の平板部の隆起部は、角状
    または円弧状にそれぞれ形成したことを特徴とする請求
    項1記載のスレート屋根改修用金属製屋根構造。
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