JP2541262C - - Google Patents

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JP2541262C
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、形成された微細孔連続貫通孔性、均一性に優れたポリオレフイン微
孔性膜に関するものであり、特に、例えば電解コンデンサ、リチウム電池、バッ
テリー等に例示される様な素子において、正極と負極との分離及び電解液の保持
作用を有するセパレータとして使用される微孔性膜の改良に関する。 [従来の技術] 従来より、ポリオレフイン微孔膜として知られているものとして、ポリオレフ
インを有機液体と無機粒子とをブレンド溶融押出し、成形後、該有機液体及び無
機粒子とを抽出することにより得られる微孔性フイルム(特公昭59−3729 2)が知られている。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、該特性を有するポリオレフイン微孔膜ではセパレータとして使
用した場合、空孔径が小さすぎるために、特に温度変化あるいは経時での組成変
動等の電解液の粘度変動によって等価直列抵抗(ESR)の変化が大きく安定し
た特性を得る上で不利を生じたり、また、該手法により得られる微孔性膜では、
製造工程中に無機粒子を必要条件とするために50μm以上のボイド状粗大孔を
有しているために、セパレータとし使用した際にショート等の問題があった。 本発明は上記問題点に鑑み、特に電解液セパレータとして使用する際に安定し
た電気特性を提供せんとするものである。 [課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために、次の如き構成を有する。すなわち本発
明は、ポリオレフイン樹脂からなる微孔性膜であって、平均空孔径0.6〜5μ
m、最大孔径20μm以下、空孔率50〜85%である連続した微細孔を有し、
かつ120℃での熱収縮率が9%未満、流動パラフイン透過時間が5秒以下であ
ることを特徴とするポリオレフイン微孔性膜(以下本発明微孔性膜と略称する)
及び該微孔性膜からなる電解液セパレータに関するものである。 本発明微孔性膜において、ポリオレフイン樹脂とは、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、エチルブテン、メチルペンテン等のαオレフインの重合体あるいは
共重合体であるが、この中でも、結晶性の優れた、立体規則性の高いホモポリマ
ーが好ましいが、電解液含浸性を良好とする上で必要に応じ、極性モノマーをグ
ラフトしてもよい。 該ポリオレフインの融点は、素子の半田付けあるいは製造工程でかかる熱を考
慮すると、130℃以上であると好ましいが、特に150℃であれば、通常プロ
セスではほとんど問題を生じないので好ましい。また、該樹脂のガラス転移温度
(Tg)は、10℃以下であると低温時のクラックの発生が減少するので好まし
く、以上の観点から、ポリオレフイン樹脂の中でもポリプロピレンが好適である
。さらにポリプロピレンの中でも、好ましくは極限粘度[η]が1.5〜3.3
dl/g、より好ましくは2.1〜3.3、更に好ましくは2.1〜3.0、ア
イ ソタクチックインデックス(II)が93%以上のものが、耐溶剤性、機械特性
に優れるので好ましい。さらにこれらポリプロピレンの中でも、溶融結晶化温度
が106℃以上、好ましくは108℃以上、さらに好ましくは110℃以上のも
のは、電解液の中でも特に有機系電解液に対する寸法安定性が良好であるばかり
か、一般の薬品に対する安定性も良好になるので好ましい。さらに該ポリプロピ
レンの数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が
5以下、より好ましくは4.5以下であると電解液中での劣化が小さく好ましい
。 本発明微孔性膜において、平均孔径は0.6〜5μmであることが必要であり
、好ましくは、0.6〜3μmである。平均孔径が小さ過ぎる場合、電解液の粘
度によるESRの変化率が増大し、例えば経時変化(いわゆるドライアップ)に
よりあるいは低温環境下で、電解液の粘度が上昇する時に著しくESRが増大す
るために使用上問題を生ずる。一方、平均孔径が大きすぎる場合、微細な導電物
質の移動を防ぐことができず、漏れ電流の増大あるいは、ショートの発生等の問
題を生ずる。 さらに本発明微孔性膜の最大孔径は20μm以下であることが必要であり、好
ましくは10μm以下である。最大孔径が大きすぎるとセパレータとして使用し
た際にショート率が上昇し実用上問題を生じたり、フイルターとして使用した際
にろか特性が悪化したりする等の問題を生ずる。さらに孔径15μm以上の粗大
空孔は100cm2当り10個未満、好ましくは5個未満であると上記観点から
好ましい。 また、本発明微孔性膜に形成された微細孔は楕円形状であり、かつ、長軸が一
軸に配列していると機械特性が良好になるので好ましく、長軸と短軸との比が1
.5〜6の範囲であると電気特性と機械特性とのバランスが良好となるので好ま
しい。 つぎに本発明セパレータの空孔率は、50〜85%であることが必要であり、
好ましくは65〜80%である。空孔率が低すぎる場合電解液保持量が十分でな
いことにより、ドライアップによるESR増大が大きく問題を生ずる。一方空孔
率が高すぎる場合、機械特性が低下し異物によるピンホールの発生頻度が増大し
ショート発生率が増大する。 また、本発明微孔性膜の120℃での熱収縮率は9%未満、好ましくは7%未満
さらに好ましくは4%未満である。熱収縮率が大きすぎる場合、コンデンサ等の
素子に熱が加わった時に、巻きじまりを生じアルミ箔等のエッジ部の凹凸でセパ
レータが損傷を生じ導通の原因となったり、あるいは、素子の生産時に加わる熱
により変形しやすく、歩留りの悪化等の実際的問題を生じる。ここで、最大熱収
縮率の方向は既に述べた楕円孔の長軸方向であると熱収縮時の電気特性の変化が
小さいので好ましい。 また、本発明微孔性膜の流動パラフイン透過時間は、5秒以下であることが必
要であり、好ましくは4秒以下であり、さらに好ましくは2秒以下である。流動
パラフイン透過時間が長すぎるとESR値が著しく増大し、本目的を果たさない
。また、流動パラフイン透過時間の下限に関しては特に設けないが、通常0.5
秒未満のものは、機械特性に劣ることがあるので、0.5秒以上が好ましい。 また、ショート率を低減し、漏れ電流を低減する上で本発明微孔膜の断面から
見た構造は見かけ上楕円孔がランダムに積層された構造であることが好ましく、
特に最大強度方向(通常は長手方向)に平行な断面に見い出される楕円孔の積層
数[厚み方向層密度と称する]が20以上、好ましくは30以上であると上記観
点から好ましい。 さらに、本発明微孔性膜は、取り扱い上、長手方向の破断強度が1.5kg/
15mm以上が好ましく、さらに好ましくは、1.8kg/15mm以上である
。また、長手方向の破断伸度が200%以下、好ましくは50〜150%である
と素子巻性が良好となるので好ましい。 本発明微孔性膜の厚みは、特にセパレータとして使用する際には、50μm未満
、特に10〜45μmの範囲のものが、電気特性、機械特性ともに良好であるの
で好ましい。 さらに、本発明微孔性膜には電解液との親和性を良好とする上で、親水化処理
を施してもよく、処理方法としては、非イオン系界面活性剤、アニオンあるいは
カチオン系界面活性剤等のコーチング、コロナあるいはプラズマ処理、グラフト
処理、紫外線処理等あるいはこれらの組合わせが挙げられるが、これらの中でも
界面活性剤処理がコスト性にも優れよく使用される。 また、本発明微孔性膜には必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑り剤等を
目的に反しない範囲で添加してもよいことは明らかである。 しかしながら、こうした添加剤の中でも、通常フイルムでよく使用される無機
系のフイラー等は、しばしば電気特性に悪影響を与える場合があり、特に電気化
学的反応を利用した電池、電解コンデンサのセパレータとして使用する際には、
極力添加しないことが好ましい。こうした観点から本発明フイルムの灰分は、5
00ppm以下が好ましい。 本発明微孔性膜を製造する方法としては次に述べる方法が最も好ましいもので
あるが、もちろんこれに限定されるものではない。 すなわち、既に例示したポリオレフイン樹脂、特に好ましくはポリプロピレン
樹脂と、後述する抽出可能な常温有機固体とを例えば2軸押出機等で溶融ブレン
ドし、該有機固体を有機溶媒で抽出し、さらに必要に応じて、該抽出形成物を少
なくとも1軸に延伸することにより得られる。 ここで述べる抽出可能な有機固体とは、ポリオレフインとのブレンド性、抽出
性の点で、融点が35〜100℃が好ましく、該有機固体の分子量は、200〜
1000さらに好ましくは、300〜500であると押出性、孔径の均一性に優
れるばかりか抽出性にも優れるので好ましい。 更に、該有機固体の分子構造の中には、分極性及び極性基を含有していること
が溶融時の相溶性及び冷却時の相分離性を良好とする上で好ましい。 ここで、分極性の基とは、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環を含む基を
指し、極性基とは、理科学辞典(岩波書店)に示されている様な有極性分子を含
む基であって、例えばカルボニル基、アミノ基、水酸基等を指す。 以上の様な特性を有する有機固体の中でも、塩化ビニル等の可塑剤として使用
されているフタル酸エステル、リン酸エステル等が優れており、特に、ジシクロ
ヘキシルフタレート(DCHP)、あるいはトリフエニルフオスフエイト(TP
P)から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。 該有機固体の添加量は、ポリオレフイン樹脂100容量部に対し、80〜18
0容量部、好ましくは90〜160容量部であると製膜性が良好となり、均一性
、連続性に優れた微細孔が形成され、機械特性に優れた微孔膜となるので好まし
い。 また、ポリオレフイン樹脂には、熱安定剤、酸化防止剤、滑り剤、帯電防止剤
等を添加しても良い。しかしながら、製造工程中に無機微粒子等の不溶物質を添
加することは、形成される孔径の均一性に劣り、30μmを超えるボイド状空孔
を生じ易くなるために、添加しないことが好ましく、たとえ添加する場合でも、
オレフイン樹脂100容量部に対し10容量部以下、さらに好ましくは5容量部
以下としておくことが望ましい。 次に上記組成物を溶融押出し、フイルム状、チューブ状あるいは中空系状に成
形する際に、4以上好ましくは6以上12以下のドラフト比で引取り、該有機固
体の融点以上、該ポリオレフイン樹脂の溶融結晶化温度以下で冷却固化し巻きと
る。ここで、電解液セパレータ用として用いる場合には、Tダイを用いフイルム
状に押出すことが好ましい。 ここで、高いドラフトはポリオレフイン樹脂と有機固体との均一な相分離構造
を形成し、孔径はドラフト比及び冷却速度によりコントロールでき、通常ドラフ
ト比を上げる程、冷却速度を上げる程孔径は小さくなる。 引続く抽出工程では、トリクロルメタン、トリクロルエタン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、トルエン、キシレン等の有機固体の
良溶媒を用いて、該有機固体の添加量の95%以上、好ましくは98%以上を抽
出することにより本発明微孔性膜が得られる。 ここで、本発明微孔性膜においてポリプロピレン樹脂としてアイソタクチック
インデックス93%以上のものを用い、少なくとも抽出時に(添加した該有機固
体の融点−25℃)以上、好ましくは(有機固体の融点−15℃)以上で抽出す
る工程をへることにより溶融結晶化温度が106℃以上となり、特性が良好とな
るので好ましい。さらに抽出後、ロール式延伸機あるいは、ステンタ式延伸機等
を用いて少なくとも一軸に該ポリオレフインのガラス転移温度以上、融点−10
℃以下の温度で1.5〜6倍に延伸すると機械特性、電気特性共に良好になるの
で好ましい。 引続き延伸されたフイルムあるいはチューブ状物は該ポリオレフインの溶融結
晶化温度以上、融点−5℃以下の温度範囲で、熱処理することにより本発明微孔
性膜を得ることができる。 こうして得られた微孔性膜は特に電解液セパレータとして優れた特性を有する
ばかりでなく孔径の均一性、機械特性に優れるため、ミクロフイルタ、透湿防水
用途等にも優れた特性を発揮する。 [特性の測定方法及び効果の評価方法] 次に本発明に関する測定方法及び評価方法について、まとめて示す。 (1) 極限粘度([η]) ASTM D1601に準拠し、試料0.1gを135℃のテトラリン100
mlに完全に溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で、測定して比
粘度Sより次式にしたがって極限粘度を求める。 [η]=S/{0.1×(1+0.22×S)} (2) アイソタクチックインデックス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(mg)の試料をとり
、ソックスレー抽出器に入れ、沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。 次に、この試料を取り出し、アセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真
空乾燥し、その後重量W’(mg)を測定し、次式で求める。 II(%)=(W’/W)×100 (3) 数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)ゲル浸透クロマトグ
ラフによる。 1.装置:GPC−150C(WATERS) 2.カラム:Shodex KF−80M(昭和電工) 3.溶媒:0−ジクロルベンゼン(135℃) 4.試料濃度:0.1(wt/vol)% 5.分子量校正:単分散ポリスチレン基準 (4) ポリオレフインの融点及び融点結晶化温度 走査型熱量計DSC−2型(Perkin Elmer社製)を用い、試料5
mgを窒素気流下で、昇温速度20℃/分にて室温より測定し、融解に伴う吸熱
ピーク温度を融点とする。 引続き、280℃まで昇温し、5分間保持した後に20℃/分の降下速度にて
温度を下げる過程で、ポリオレフインの結晶化に伴う潜熱のピーク温度を溶融結 晶化温度とする。 (5) 有機固体の融点 ASTM−E−28にしたがい測定する。 (6) 破断強度及び伸度 サンプル長手方向の破断強度及び伸度をJIS K6782にしたがい測定し
、破断強度についてはkg/15mm、伸度は%で表す。 (7) 熱収縮率 試料より試長200mm、幅10mmのテストサンプルを切取り、該サンプル
を熱風オーブン中で、3g荷重下で、120℃の条件で15分間保持した後に取
り出し、室温に戻った状態で長さLを測定する。 このとき熱収縮率は次式で計算される。 熱収縮率(%)=(200−L)/200×100 尚、熱収縮率は、長手方向と幅方向を測定し大きい値を採用する。 (8) 流動パラフイン透過時間 JIS K 9003に規定された、37.8℃における粘度が77±1セン
チストークスの流動パラフインを使用し、流動パラフイン及びサンプルを雰囲気
温度25℃にて24時間保持後、サンプルを水平面におき、サンプル上5〜20
mmの高さより流動パラフイン0.03〜0.06gを自然落下させる。 このとき流動パラフインがサンプル面に接した時より、サンプル面を透過し反対
面を湿すまでの時間を測定し流動パラフイン透過時間(秒)とする。 (9) 平均孔径及び最大孔径 サンプル表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により孔径の長軸及び短軸を
測定し、平均長軸及び平均短軸の相乗平均を平均孔径とする。また、同様に、サ
ンプル表面もしくはへき解面に見い出される最大孔の長軸を最大孔径とする。 (10) 空孔率(Pr) 試料(10×10cm)を流動パラフインに24時間浸漬し、表層の流動パラ
フインを十分に抜きとった後の重量(W2)を測定し、該試料の浸漬前の重量(
W1)流動パラフインの密度(ρ)より空孔体積(V0)を次式で求める。 V0=(W2−W1)/ρ 空孔率(Pr)は、見掛け体積(厚み、寸法より計算される値)Vと空孔体積
V0より計算される。 Pr=V0/V×100(%) (11) 厚み方向層密度 サンプルを液体窒素温度で凍結し、最大強度方向にそってミクロトームで断面
を切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面の観察像を捕らえる。この観
察像より厚み方向にそって空間分離能0.01〜0.03μmにて該像の明暗(
あるいは強度)情報を取り出し、高速フーリエ変換(FFT)より該パワースペ
クトルを求め、該スペクトルの最大ピーク(直流成分を除く)の波数[主要波数
(μm-1)]を求め、該測定点での厚み方向層密度を、(該測定点での厚み(μ
m))×(該主要波数(μm-1))で求める。以上の操作を任意の測定点につい
て少なくとも5回行いその平均をもって、該サンプルの厚み方向層密度とする。
なお、SEMの倍率は、3000〜10000倍が測定し易い。 参考文献:「FFTの使い方」参報出版、1981年 (12) ドラフト比 押出機口金の断面積(S1)とキャストされたシート状もしくはチューブ状物
の断面積(S2)との比S1/S2で定義する。 (13) 実施例中のブレンド物の構成比 実施例中のブレンド物の構成比は、各ブレンド物の重量比と真比重より換算し
たものである。 (14) ESR(等価直列抵抗) 特開昭61−187221に基づきγプチロラクトンにトリエチルアミン、フ
タル酸を溶解し3.1ms/cmの電解液を用意した。この電解液中での微孔性
膜の1kHzでの直流抵抗成分をESR(Ω)とした。 ここで、比較サンプルとして、電解コンデンサ紙(マニラ紙MER2.5 50
)の値(2.0Ω)を基準とし、1.7Ω以下を○、1.8〜2.2Ωを△、2
.3Ω以上を×とした。 尚、測定条件は次の通り。 (a)電極:白金電極(25mm角) 測定荷重240g (b)インピーダンス測定機:AG−4311 LCR METER(安藤電気
[株]製) 測定条件:1kHz、5Vレンジ (15)電解コンデンサテスト 微孔性膜を10mm幅にスリットし、陽極化成AL箔及びAL箔と巻き合せ、
6.3V、220μFの電解コンデンサを30個作製した。 このとき、初期及び、該素子を85℃、500時間エージングした後の特性値
を測定した際に、ショートしていた素子数を破壊個数、また、5V、100kH
での初期tanδ(D1)及び、500時間後のtanδ(D2)を測定し次式
で求める。 △ tanδ(%)=(D2−D1)/D1×100 尚、測定はESR測定に使用したインピーダンス測定装置を使用した。 [実施例] 次に実施例に基づいて本発明について説明する。 実施例1 ポリオレフイン樹脂としてポリプロピレンパウダー(三井東圧[株]製、EB
タイプ、[η]=2.8dl/g、II=97.5%)100容量部とジシクロ
ヘキシルフタレート(DCHP、大阪有機化学工業(株)製)114容量部とを
2軸押出機を用いて溶融ブレンドし、ペレット化した。次に、これを40mm押
出機を用いてTダイより溶融押出し、ドラフト比10にて67℃の水槽に導き冷
却固化した。こうして得られたフイルムは厚み90μmであった。 次に、該キャストフイルムを40℃の1−1−1トリクロルエタン抽出槽に導
いて抽出を行い、添加したDCHPの99%以上を取除いた。 引続き、ロール延伸装置を用いて130℃にて3.5倍に延伸し引続き長手方
向に5%のリラックスを許しながら150℃にて熱固定を行った。 こうして得られたフイルムは厚み30μm、MD(長手方向)強度2.5kg
/15mm、MD伸度70%、溶融結晶化温度(Tmc)116℃、厚み方向層
密度43、また、3000倍のSEM表面写真より見い出される孔径の長軸と短 軸の平均値はそれぞれ1μmと0.5μmであり、これより平均孔径は0.7μ
mであった。さらに主要特性を表1にまとめて示すが、形成された孔径の均一性
、空孔サイズに優れ、熱収縮が小さく、電解コンデンサとした時の特性も優れる
ことが分る。 また、流動パラフイン透過性に優れるためESRも小さく、他のセパレータ用
途にも好適であることが分る。 実施例2 ポリオレフインとしてポリプロピレンパウダー(三井東圧[株]製、JSタイ
プ、[η]=2.3dl/g、II=97.5%)を使用した以外は実施例1と
同様に製膜を行い、厚み33μm、MD強度2.3kg/15mm、MD伸度5
6%、孔径の平均長軸1.3μm、平均短軸0.8μm、溶融結晶化温度118
℃、厚み方向層密度39の微孔性膜を得た。 特性を表1にまとめて示すが、実施例1同様セパレータとして優れた電気特性
及び信頼性を有していることが分る。 比較例1 特公昭59−37292、実施例1に準じ得られた190μmの微孔性膜を、
実施例1で用いたロール式延伸機により、110℃にて長手方向に4倍に延伸し
、110℃にて5%のリラックスを許して熱固定し巻き取った。 こうして得られた微孔性膜は、厚み45μm、MD強度1.4kg/15mm
であった。 該フイルム特性を実施例と比較し表1にまとめて示すが、平均孔径は小さいも
のの、部分的に30〜40μmのボイド状欠点を有していた。また、熱収縮率2
5%と大きかった。 この結果、シート状でのESR特性は良好であるものの、電解コンデンサを形
成した際に破壊する確率が高いばかりでなく、経時によるtanδの増大も大き
く実用上問題があることが分った。 以上、実施・比較例との対照から明らかな様に本発明微孔性膜はセパレータ用
として優れた特性を示すことがわかる。 [発明の効果] 本発明は、ミクロフイルタ、透湿防水用途等に使用される微孔性膜、特に電解
コンデンサ、リチウム電子、バッテリー等のセパレータ用微孔性膜において次の
特性を付与することにより次の作用効果を供するものである。 (1) 孔径を0.6〜5μm、空孔率50〜85%、熱収縮率を9%未満とし
たことにより、電解コンデンサ等の素子に組込んだ時に、電解液のドライアップ
等による、抵抗成分の経時変化が小さい。 (2) 実質的にボイド状欠陥がなく最大孔径を20μm以下とすることにより
ショートを防止し信頼性が高い。 (3) セパレータをポリプロピレンより構成し、該ポリプロピレンの溶融結晶
化温度を106℃以上とすることにより、特に有機系電解液に対する安定性が良
好であり、長期信頼性に優れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ポリオレフイン樹脂からなる微孔性膜であって、平均空孔径0.6
    〜5μm、最大孔径20μm以下、空孔率50〜85%である連続した微細孔を
    有し、かつ120℃での熱収縮率が9%未満、流動パラフイン透過時間が5秒以
    下であることを特徴とするポリオレフイン微孔性膜。 【請求項2】ポリオレフインが極限粘度1.5〜3.3dl/g、アイソタクチ
    ックインデックス93%以上であるポリプロピレンであることを特徴とする請求
    項1記載のポリオレフイン微孔性膜。 【請求項3】ポリプロピレンの溶融結晶化温度が106℃以上であることを特徴
    とする請求項2記載のポリオレフイン微孔性膜。 【請求項4】ポリオレフイン樹脂からなり、平均空孔径0.6〜5μm、最大孔
    径20μm以下、空孔率50〜85%である連続した微細孔を有し、かつ120
    ℃での熱収縮率が9%未満、流動パラフイン透過時間が5秒以下であるポリオレ
    フイン微孔性膜からなる電解液セパレータ。 【請求項5】ポリオレフインが極限粘度1.5〜3.3dl/g、アイソタクチ
    ックインデックス93%以上であるポリプロピレンであることを特徴とする請求
    項4記載の電解液セパレータ。

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