JP2540926B2 - 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント - Google Patents

感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント

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JP2540926B2 JP63308544A JP30854488A JP2540926B2 JP 2540926 B2 JP2540926 B2 JP 2540926B2 JP 63308544 A JP63308544 A JP 63308544A JP 30854488 A JP30854488 A JP 30854488A JP 2540926 B2 JP2540926 B2 JP 2540926B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,光透過性および溶解性に優れるとともに,
基板表面に対する厚膜の形成が可能な感光性樹脂組成物
及びこれを用いた感光性エレメントに関する。
(従来の技術) 従来,ポリイミドに代表される耐熱性高分子は,耐熱
性,電気的および機械的特性に優れているため,半導体
工業における固体素子への絶縁膜やパツシベーシヨン膜
などの形成材料,あるいは半導体集積回路の形成用レジ
スト材などとして用いられており,また,プリント配線
板の分野においても基板上への回路パターン形成用レジ
スト材,あるいは層間絶縁材料等として広く用いられて
いる。
近年,半導体工業にあつては,従来より無機材料を用
いて行なわれていた層間絶縁材料として,主にポリイミ
ド樹脂等のように耐熱性に優れた有機物が,その特性を
生かして使用されてきている。
しかしながら,半導体集積回路やプリント基板上の回
路のパターン形成は,基材表面へのレジスト材の造膜,
所定箇所への露光,エツチング等による不要箇所の除
去,基材表面の清浄作業等繁雑で多岐に亘る工程を経て
パターン形成が行なわれることから,露光,現像によつ
てパターン形成後も必要な部分のレジスト材料を,絶縁
材料としそのまま残して用いることができる耐熱性感光
材料の開発が望まれている。
しかして,これらの材料として,例えば感光性ポリイ
ミド,環化ポリブタジエン等をベースポリマとした耐熱
感光材料が提案されており,特に,感光性ポリイミド
は,その耐熱性が優れていることや不純物の排除が容易
であることなどの点から特に注目されている。
このような感光性ポリイミドとしては,例えば特公昭
49-17374号公報により,ポリイミド前駆体と重クロム酸
塩からなる系が最初に提案されたが,この材料は,実用
的な光感度を有するとともに膜形成能が高いなどの長所
を有する反面,保存安定性に欠け,またポリイミド中に
クロムイオンが残存することなどの欠点があり,実用に
は至らなかつた。
また他の例として,特公昭55-30207号公報によりポリ
イミド前駆体に感光基をエステル結合で導入した感光性
ポリイミド前駆体が提案されているが,この材料は,感
光基を導入する際に脱塩酸反応を含むため,最終的に塩
化物が残り,この塩化物の除去が問題となつている。
このような問題を回避するために,例えば特開昭54-1
09828号公報により,ポリイミド前駆体に感光基を有す
る化合物を混合する方法,また,特開昭56-24343号公
報,特開昭60-100143号公報等により,ポリイミド前駆
体中の官能基と感光基を有する化合物の官能基とを反応
させて感光性を付与させる方法が提案されている。
しかしながら,これらの感光性ポリイミドは,耐熱性
を確保するためにベースポリマとして芳香族ポリイミド
前駆体が用いられており,このため溶解性に本質的な問
題を有するとともに,さらに紫外領域での光透過率が低
く厚膜を形成するのが困難である等の問題を有してい
る。
このように,ベースポリマとして芳香族ポリイミド前
駆体を用いた場合にあつては,厚膜形成が困難なため,
絶縁材料として用いる場合には,回路の平坦化や低誘電
率化に問題を残しており,その改善が望まれている。
例えば,感光性ポリイミドとして,芳香族ポリイミド
前駆体と感光基を有する化合物とを溶解した場合には,
この溶液から塗膜を形成する乾燥工程において大部分の
良溶媒が揮発してしまうため,乾燥後の塗膜は芳香族ポ
リイミド前駆体と感光基を有する化合物から構成される
ことになる。
そして,このような感光基を有する化合物は,一般に
芳香族ポリイミド前駆体に対しては貧溶媒であるため,
芳香族ポリイミド前駆体は不溶化し白化現象を塗膜に発
生させることとなり,こうした溶解性の問題から露光工
程に供することは困難となる。
また,感光性ポリイミドを含めた大部分の感光性樹脂
は,共存させた光重合開始剤に吸収された光エネルギー
が反応の引き金となり,分子内または分子間に化学的ま
たは構造的変化を生ずることにより像形成を行なうもの
であり,現行の大部分の光重合開始剤は,吸収波長が紫
外領域であるため,この領域での光透過率の小さい芳香
族ポリイミド前駆体を用いたベースポリマでは,厚膜形
成が難しくなる。
このように,芳香族ポリイミド前駆体をベースポリマ
に用いた感光性ポリイミドでは,白化現象および光透過
性の悪さから膜厚が限定されてしまい,厚膜なパターン
を形成することは甚だしく困難であるという問題を有し
ている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記のような従来技術の問題点に鑑みてな
されたものであり,光透過性および溶解性に優れるとと
もに,基材表面に対する厚膜の形成が可能な感光性樹脂
組成物及びこれを用いた感光性エレメントを提供するも
のである。
(課題を解決するための手段) 本発明は,一般式(I)で表わされる繰り返し単位を
有する重合体及び光開始剤を含有してなる感光性樹脂組
成物に関する。
(但し,式中R1で表わされる4価の脂環式基,R2は2価の芳香族基を表
わし,Yは1価のエチレン性不飽和基を有する有機基であ
り,nは0または1,mは1または2で,かつn+m=2と
なるように選ばれる) また,本発明は,前記感光性樹脂組成物を基体上に積
層してなる感光性エレメントに関する。
本発明に用いられる一般式(I)で表わされる繰り返
し単位を有する重合体は,例えば,一般式(II)または
(III)で表わされる化合物と芳香族ジアミンとを重縮
合することによつて得ることができる。
(但し,式中,Xはハロゲン原子またはヒドロキシル基,Y
は1価のエチレン性不飽和基を有する有機基であり,→
の記号は異性化を表わす) 一般式(II)または(III)で表わされる化合物と芳
香族ジアミンとの反応は,不活性な有機溶媒中で0〜10
0℃の温度で行なわれることが好ましく,5〜60℃の温度
で行なわれることがより好ましい。
一般式(II)または(III)で表わされる化合物と芳
香族ジアミンは,一般式(II)または(III)で表わさ
れる化合物/芳香族ジアミンが0.8/1〜1.2/1(モル比)
の割合で使用するのが好ましく,特にほぼ等モルで使用
するのがより好ましい。
また,一般式(II)または(III)で表わされる化合
物と芳香族ジアミンとの反応は,カルボジイミド型脱水
縮合剤,例えば,ジシクロヘキシルカルボジイミドなど
やアミン類等の脱ハロゲン化剤,例えば,ピリジンやト
リエチルアミン等を用いることにより,促進される。
上記反応に用いる有機溶媒としては,生成する一般式
(I)で表わされる繰り返し単位を有する重合体を完全
に溶解する極性溶媒が一般に好ましく,例えば,N−メチ
ル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−
ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,テトラ
メチル尿素,ホキサメチルリン酸トリアミド,γ−ブチ
ロラクトン,N,N−ジメチルプロピレンウレア,N,N−ジメ
チルエチレンウレア等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記したような有機
溶媒を含有させることができる。そのような場合,有機
溶媒の使用量は感光性樹脂組成物の10〜95重量%とされ
ることが好ましく,30〜80重量%とされることがより好
ましい。
上記一般式(II)または(III)で表わされる化合物
は,例えば,次式(IV)で表わされる新規なジシクロヘ
キシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸二無水物を,
エチレン性不飽和基を有するヒドロキシ化合物で全てま
たは部分的に開環させて半エステル化することにより,
さらにこのものを塩化チオニルや五塩化リンなどで酸ハ
ロゲン化することにより得ることができる。
ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸
二無水物と,エチレン性不飽和基を有するヒドロキシ化
合物との反応は,例えば,ピリジン,ジメチルアミノピ
リジンなどを添加することにより促進される。
このジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸二無水物は,本発明者らによつて得られた新規な化
合物であつて,例えば,下記の式(V)のような方法に
よつて得ることができる。
例えば,3,4,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸テ
トラメチルエステルをロジウム触媒を用いて水素化反応
させ,これを鉱酸触媒の入つた水溶液を加えて,加熱リ
フラツクスさせ加水分解を行なう。
この後加熱するかあるいは無水酢酸を加えることによ
つてジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン
酸二無水物とすることができる。
また,一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有す
る重合体を得るときには,溶解性および光透過性を低下
させぬ程度にジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラ
カルボン酸二無水物から得られた一般式(II)または
(III)で表わされる化合物のほかに,芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物を,例えば,二量化または重合可能な
不飽和基を有するヒドロキシ化合物で全てまたは部分的
に開環させて半エステル化することにより,さらにこの
ものを塩化チオニルや五酸化りんなどで酸ハロゲン化す
ることにより得られる化合物と併用することができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては,例えば,
ピロメリツト酸二無水物,3,3′,4,4′−ベンゾフエノン
テトラカルボン酸二無水物,3,3′,4,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物,メタ−ターフエニル−3,3″,
4,4″−テトラカルボン酸二無水物,パラ−ターフエニ
ル−3,3″,4,4″−テトラカルボン酸二無水物,1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物,2,3,6,7−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物,2,3,5,6−ピリジンテ
トラカルボン酸二無水物,1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物,3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物,4,4′−スルホニルジフタル酸二無水物など
が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有するヒドロキシ化合物として
は,例えば,トリメチロールプロパンジアクリレート,
トリメチロールプロパンジメタクリレート,トリメチロ
ールエタンジアクリレート,トリメチロールエタンジメ
タクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,2−ヒド
ロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタク
リレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート,2−ヒドロキシ−3−フ
エノキシプロピルアクリレート,2−ヒドロキシ−3−フ
エノキシプロピルメタクリレート,アリルアルコール,
グリセリンジアリルエーテル,トリメチロールプロパン
ジアリルエーテル,トリメチロールエタンジアリルエー
テル,ペンタエリスリトールジアリルエーテル,エチレ
ングリコールモノアリルエーテル,ジエチレングリコー
ルモノアリルエーテル,ジクリセロールトリアリルエー
テル,クロチルアルコール,ビニルフエノール,シンナ
ミルアルコール,アリルフエノール,o−シンナミルフエ
ノール, 等が挙げられる。
これらのヒドロキシ化合物は,単独でも2種類以上を
組合せても使用することができる。
上記一般式(II)または一般式(III)で表わされる
化合物との重縮合により一般式(II)で表わされる繰り
返し単位を有する重合体を与える芳香族ジアミンとして
は,例えば,4,4′−ジアミノジフエニルエーテル,3,4′
−ジアミノジフエニルエーテル,4,4′−ジアミノジフエ
ニルメタン,4,4′−ジアミノジフエニルスルホン,4,4′
−ジアミノジフエニルスルフイド,ベンジジン,メタ−
フエニレンジアミン,パラ−フエニレンジアミン,1,5−
ナフタレンジアミン,2,6−ナフタレンジアミン,2,2−ビ
ス(4−アミノフエノキシフエニル)プロパン,ビス
(4−アミノフエノキシフエニル)スルホン,2,2−ビス
(p−アミノフエニル)ヘキサフロロプロパン等が用い
られる。
これらの芳香族ジアミンは,単独でも2種類以上を組
合せても使用することができる。
また,一般式(I)で表わされるポリイミド前駆体を
得るときには,耐熱性を低下させぬ程度に,ジアミノシ
ロキサンを併用することができる。
この化合物としては,例えば, などが挙げられる。
また,場合により上記の反応混合物から重合体を単離
するには,アルコール類または水に反応混合物を小量ず
つ加える方法が好ましい。
このようにして得られた固体を,再度反応に用いる有
機溶媒に溶解し,アルコール類または水に加えて再沈殿
させることを繰返すことにより精製することができる。
本発明に用いられる光開始剤としては,例えばミヒラ
ーズケトン,ベンゾイン,2−メチルベンゾイン,ベンゾ
インメチルエーテル,ベンゾインエチルエーテル,ベン
ゾインイソプロピルエーテル,ベンゾインブチルエーテ
ル,2−t−ブチルアントラキノン,1,2−ベンゾ−9,10−
アントラキノン,アントラキノン,メチルアントラキノ
ン,4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフエノン,ア
セトフエノン,ベンゾフエノン,チオキサントン,2,4−
ジエチルチオキサントン,2−イソプロピルチオキサント
ン,1,5−アセナフテン,2,2−ジメトキシ−2−フエニル
アセトフエノン,1−ヒドロキシシクロヘキシルフエニル
ケトン,2−メチル−〔4−(メチルチオ)フエニル〕−
2−モルフオリノ−1−プロパノン,ジアセチル,ベン
ジル,ベンジルジメチルケタール,ベンジルジエチルケ
タール,ジフエニルジスルフイド,アントラセン,2,6−
ビス(p−ジエチルアミノベンジリデン)−4−アザ−
4−メチルシクロヘキサノン,2,6−ビス(p−ジエチル
アミノベンジリデン)−4−オキソシクロヘキサノン,
2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンジリデン)−4−
チアシクロヘキサノン等を挙げることができる。
これらの光開始剤の使用量は,組成物の感度および塗
膜の耐熱性の点から,感光性樹脂組成物から有機溶媒,
光開始剤を除いた成分100重量部に対して通常0.01〜30
重量部用いることが好ましく,0.1〜10重量部用いること
がより好ましい。
さらに,これらの光開始剤に,光開始助剤であるアミ
ン類を少量併用することもできる。
アミン類としては,例えば,p−ジメチルアミノ安息香
酸エチル,p−ジエチルアミノ安息香酸エチル,p−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル,p−ジエチルアミノ安息香
酸イソアミル,安息香酸−2−(ジメチルアミノ)エチ
ル,p−ジメチルアミノベンズアルデヒド,p−ジエチルア
ミノベンズアルデヒド,N,N−ジエチルアントラニル酸エ
チル,p−ジメチルアミノベンゾナトリル,p−ジエチルア
ミノベンゾニトリル,N,N−ジメチルアミノナフタレン,N
−フエニルグリシン,N−(p−シアノフエニル)グリシ
ン,N−(p−クロロフエニル)グリシン,N−(p−ブロ
モフエニル)グリシン等を挙げることができる。
また,感光性樹脂組成物の熱的な安定性を向上させる
ために,公知の熱重合禁止剤を共存させることができ
る。
熱重合禁止剤としては,例えば,p−メトキシフエノー
ル,ヒドロキノン,ピロガロールニトロベンゼン,p−ト
ルイジン,メチレンブルー,2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフエノール),2,2′−メチレン
ビス(4−エチル−6−t−ブチルフエノール)等が挙
げられ,その使用量は,一般式(I)で表わされる繰り
返し単位を有する重合体100重量部に対して,通常0.001
〜10重量部とするのが好ましい。
本発明において必要に応じて重合性不飽和化合物を用
いることができる。
重合性不飽和化合物としては例えば,アクリル酸,メ
チルアクリレート,エチルアクリレート,n−プロピルア
クリレート,イソプロピルアクリレート,n−ブチルアク
リレート,イソブチルアクリレート,シクロヘキシルア
クリレート,ベンジルアクリレート,カルビトールアク
リレート,メトキシエチルアクリレート,エトキシエチ
ルアクリレート,ブトキシエチルアクリレート,ヒドロ
キシエチルアクリレート,ヒドロキシプロピルアクリレ
ート,ジプロピレングリコールジアクリレート,2,2−ビ
ス−(4−アクリロキシジエトキシフエニル)プロパ
ン,2,2−ビス−(4−アクリロキシプロピルキシフエニ
ル)プロパン,トリメチロールプロパンジアクリレー
ト,ペンタエリスリトールジアクリレート,トリメチロ
ールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトール
トリアクリレート,トリアクリルホルマール,テトラメ
チロールメタントラアクリレート,トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌル酸, メタクリル酸,メチルメタクリレート,エチルメタクリ
レート,プロピルメタクリレート,2,2−ビス−(4−メ
タクリロキシジエトキシフエニル)プロパン,トリメチ
ロールプロパンジメタクリレート,ペンタエリスリトー
ルジメタクリレート,トリメチロールプロパントリアク
リレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,
テトラメチロールメタンテトラメタクリレート,トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸, 本発明において,必要に応じて光架橋剤を用いること
ができる。
光架橋剤としては,例えば, などを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は,通常の微細加工技術に
よりパターン加工することができる。
また,本発明の感光性樹脂組成物を,ガラス基板,シ
リコンウエハー,銅張り積層板等の支持基板上にスピン
ナーを用いた回転塗布,浸漬,噴霧印刷等の手段で塗布
し乾燥し塗膜とすることができる。
塗膜の膜厚は,塗布手段,本発明の感光性重合体組成
物のワニスの固形分濃度,粘度等により調整できる。
また,感光性樹脂組成物を可撓性の基体,例えばポリ
エステルフイルム上に塗布・乾燥して積層し,この上に
必要によりポリエチレン等のカバーシートを設けてサン
ドイツチ構造の感光性エレメントを予め作成し,この感
光性エレメントのカバーシートを剥がして被覆すべき支
持基板上に塗膜を形成することも可能である。
支持基板上の皮膜に光源を照射し,次いで,未露光部
分を現像液で溶解除去することによりレリーフ・パター
ンが得られる。
この際,光源は紫外線,可視光線,放射線等が用いる
ことができる。
現像液としては,例えば,N−メチル−2−ピロリド
ン,N−アセチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルホルム
アミド,N,N−ジメチルアセトアミド,ジメチルスルホキ
シド,ヘキサメチルホスホルトリアミド,ジメチルイミ
ダゾリジノン,N−ベンジル−2−ピロリドン,N−アセチ
ル−ε−カプロラクタム等の極性溶媒が単独で,または
ポリアミド酸の非溶媒,例えばメタノール,エタノー
ル,イソプロピルアルコール,ベンゼン,アセトン,メ
チルエチルケトン,シクロヘキサノン,シクロペンタノ
ン,トルエン,キシレン,メチルセロソルブ,水,塩基
性化合物,塩基性水溶液等との混合液として用いること
ができる。
塩基性化合物として,例えばモノエタノールアミン,
ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド,炭酸ナトリウム,炭酸
カリウム,リン酸ナトリウム等が挙げられる。
その使用量は,水100重量部に対して通常0.0001〜30
重量部用いることが好ましく,0.05〜5重量部用いるこ
とがより好ましい。
次いで,現像により形成されたレリーフ・パターン
を,リンス液により洗浄し,現像溶液を除去することが
できる。
リンス液としては,現像液との混和性のよいポリアミ
ド酸の非溶媒が用いられ,例えば,メタノール,エタノ
ール,イソプロピルアルコール,ベンゼン,トルエン,
キシレン,メチルセロソルブ,水等が挙げられる。
上記処理により得られるレリーフ・パターンは,ポリ
イミドの前駆体であり,150〜450℃の加熱処理により,
イミド環や他の環状基を持つ耐熱性のレリーフ・パター
ンとなる。
(実施例) 以下,本発明を実施例,参考例および比較例を用いて
説明する。
参考例;ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカル
ボン酸およびその無水物の合成例 (1)ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸テトラメチルエステルの製造 電磁石による上下攪拌装置の付いた容量500mlオート
クレーブ(坂下化学機器(株)製SE-50型電磁上下攪拌
式オートクレーブ)に,3,4,3′,4′−ビフエニルテトラ
カルボン酸テトラメチルエステル38.6g(0.100モル),
テトラヒドロフラン193gおよび活性炭に5重量%ロジウ
ムを担持させた触媒(日本エンゲルハルド社製)3.86g
を仕込み,水素圧力30kg/cm2,反応温度100℃で水素化
反応を行なつた。
反応時間3.5時間で水素の消費が停止し,そのときの
蓄圧器内の水素圧力の減少量から求めた消費水素量は理
論消費水素量(0.60モル)の98.7%であつた。
反応液中の活性炭担持ロジウム触媒を,濾過操作によ
り除去した後エバポレーシヨンで溶媒テトラヒドロフラ
ンを除去し,白色ワツクス状のジシクロヘキシル−3,4,
3′,4′−テトラカルボン酸テトラメチルエステルを36.
87g(0.0925モル)得た。
1−NMR(日立製作所(株)製日立R-250型核磁気共鳴
スペクトロメーター)による分析の結果,ベンゼン核水
素および炭素−炭素二重結合に付いている水素は見出さ
れず,水素化反応は完結していることが判明した。
(2)ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸の製造 冷却管を取付けた1ナス形フラスコに,ジシクロヘ
キシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸テトラメチル
エステル29.9g(0.075モル)を入れ,これにメタノール
200gを加え均一溶液とした後,10%水酸化ナトリウム溶
液200gを加え,100℃の油浴に入れ,リフラツクスを6時
間行なつた。
この後,エバポレーシヨンによりメタノールを留去
し,反応液量が140gになるまで濃縮し,これに36%塩酸
48mlを加え,pH1とした。
pH4〜5で液は白濁し,pH1では白色の微細な粉末が沈
澱した。
沈澱物を濾過で取り出し,この後水洗,乾燥し17.8g
の白色微粉末状結晶のジシクロヘキシル−3,4,3′,4′
−テトラカルボン酸を得た(0.052モル)。
この結晶の赤外吸収スペクトル(日立製作所(株)製
日立260-30型赤外分光光度計を用いKBr法で測定)を第
1図に示し,その1H-NMRスペクトルを第2図に示す。第
2図において2.50ppmの吸収は,溶媒d6−ジメチルスル
ホキシドに基づく吸収であり,3.35ppmの吸収は溶媒に含
まれている水による吸収である。
これら2つを除いた吸収において,11.95ppmのカルボ
キシル基プロトンに基づく吸収と,0.87〜3.00ppmのシク
ロヘキサン環プロトンに基づく吸収の積分強度比は,前
者:後者が29:132(=4:18.2)であり,理論値に一致し
た。
また,この結晶の融点は219〜222℃であり,元素分析
の結果,炭素56.24%,水素6.53%であり,計算値炭素5
6.13%,水素6.48%に一致した。
(3)ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボ
ン酸二無水物の製造 冷却管を取付けた300mlナス形フラスコに,ジシクロ
ヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸15.0g(0.04
4モル)と無水酢酸180gとを仕込み,150℃で油浴に入れ,
1時間リフラツクスさせた。
この後,熱時濾過を行ない,濾液を放冷させたとこ
ろ,白色結晶が析出した。この結晶を濾過操作で取り出
し,圧力30mmHg,温度100℃で2時間乾燥した後の結晶量
は10.8g(0.035モル)であつた。
また,この結晶の融点は231〜234℃であり,元素分析
の結果炭素62.59%,水素6.01%であり,理論値(式(I
V)の化合物)の炭素62.74%,水素5.92%とよく一致し
た。
この結晶の赤外吸収スペクトルを第3図に示す。
1H−NMRスペクトルを第4図に示す。第4図において
10〜13ppmの低磁場におけるカルボン酸プロトンの吸収
はなく,無水物になつていることがわかる。
実施例1 ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸
二無水物30.9g(0.1モル)に,N−メチル−2−ピロリド
ン200mlおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレート26.
0g(0.2モル)を加えて室温にて12時間攪拌した。この
溶液に氷冷下,塩化チオニル35gを1時間かけて滴下
し,その後室温で4時間攪拌を行なつた。
この溶液にジアミノジフエニルエーテル20.0g(0.1モ
ル)を加えて室温にて8時間攪拌した。
さらに,この溶液を5lの水中にゆるやかに注入したと
ころ糸状の固形物が析出した。
濾過後,エタノールと水で充分に洗浄した後,乾燥さ
せて一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する重
合体を得た。
得られた重合体を「PI−1」とする。
実施例2 ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸
二無水物30.9g(0.1モル)に,N−メチル−2−ピロリド
ン200mlおよびペンタエリスリトールトリアクリレート5
9.6g(0.1モル)を加えて室温にて12時間攪拌した。こ
の溶液に氷冷下,塩化チオニル35gを1時間かけて滴下
し,その後室温で4時間攪拌した。
この溶液にジアミノジフエニルエーテル20.0g(0.1モ
ル)を加えて室温にて8時間攪拌した。
さらに,この溶液を5lの水中にゆるやかに注入したと
ころ糸状の固形物が析出した。
濾過後,エタノールと水で充分に洗浄した後,乾燥さ
せて一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する重
合体を得た。
得られた重合体を「PI−2」とする。
実施例3〜8 PI−1およびPI−2の重合体に対し,更に表1に示し
た各光開始剤および重合性不飽和化合物を表示した重量
を加え,実施例3〜8に供する均一な溶液を得た。
この各溶液を,フイルタ濾過してシリコンウエハー上
に滴下し,回転数2000rpmで30秒間スピンコートした。
得られた塗膜を80℃で10分間乾燥させ,塗膜の膜厚を
測定した。
次に,塗膜80μmのラインアンドスペースのフオトマ
スクを用いて超高圧水銀灯(8mW/cm2)で70秒間露光し
た。
その後,N,N−ジメチルアセトアミド1容,エチルアル
コール4容,1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
水溶液4容からなる混合液で現像を行なつた後,水でリ
ンスを行ない,空気スプレーにより乾燥したところ,鮮
明なパターンが得られた。
パターンの硬化状態は,現像後の塗膜の残膜率(現像
後の塗膜の膜厚÷現像前の塗膜の膜厚×100)によつて
調べた。
また,塗膜を窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理
し,フィルムを作製し下記(1)および(2)の物性試
験を行ない表1に示す結果を得た。
(1)熱分解開始温度 感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し,乾燥後30
0℃で1時間熱処理してフイルムを作成し,フイルムを
ガラス基板から剥離した。
上記フイルム10mgを用い,示差熱天秤(デュポン社製
910型装置)で空気中昇温速度10℃/minで測定した。
(2)重量減少率 上記フイルム80mgを用いて(1)と同じ装置で空気中
300℃/30分保持後の重量減少率を測定した。
比較例1〜3 実施例で用いたジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テ
トラカルボン酸二無水物の代わりにベンゾフエノンテト
ラカルボン酸二無水物32.2g(0.1モル)を用いて,N−メ
チル−2−ピロリドン200mlおよび2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート26.0g(0.2モル)を加えて室温にて12
時間攪拌した。この溶液に氷冷下,塩化チオニル35gを
1時間かけて滴下し,その後室温で4時間攪拌した。
この溶液にジアミノジフエニルエーテル20.0g(0.1モ
ル)を加えて室温にて8時間攪拌した。この溶液を実施
例1と同様にして5lの水中にゆるやかに注入し,その
後,エタノールと水で洗浄し乾燥させて重合体を得た。
得られた重合体を「PI−3」とする。この重合体に表1
に示した各光開始剤および重合性不飽和化合物を表示し
た重量を加え,比較例1〜3に供する均一な溶液を得
た。
この各溶液を,フイルタ濾過してシリコンウエハー上
に滴下し,回転数を2000rpmで30秒間スピンコートし
た。
得られた塗膜を80℃で10分間乾燥させ,塗膜の膜厚を
測定した。
実施例3〜8と同様の方法で,この塗膜の特性を調べ
た。
得られた結果は表1に示す。
(発明の効果) 本発明の感光性重合体組成物及びこれを用いた感光性
エレメントは,光透過性および溶解性に優れるととも
に,基材表面に対する厚膜の形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例で製造した中間体であるジシクロヘキシ
ル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸の赤外線吸収スペ
クトル,第2図はその1H−NMRスペクトル,第3図は参
考例で製造したジシクロヘキシル−3,4,3′,4′−テト
ラカルボン酸無水物の赤外線吸収スペクトル,第4図は
その1H−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 信行 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立 化成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 菊地 宣 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立 化成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 斉藤 高之 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立 化成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 児嶋 充雅 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 (56)参考文献 特開 昭56−24343(JP,A) 特開 昭59−213725(JP,A) 特開 昭59−131927(JP,A) 特開 昭58−55926(JP,A) 特開 昭63−90532(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表わされる繰り返しを有す
    る重合体及び光開始剤を含有してなる感光性樹脂組成
    物。 (但し,式中R1で表わされる4価の脂環式基,R2は2価の芳香族基を表
    わし,Yは1価のエチレン性不飽和基を有する有機基であ
    り,nは0または1,mは1または2で,かつn+m=2と
    なるように選ばれる)
  2. 【請求項2】請求項1記載の感光性樹脂組成物を基体上
    に積層してなる感光性エレメント。
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