JP2539359Y2 - リアシート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は、バンやワンボックスカーなどの荷物積載用
車輛に装備するリアシートに関する。

b.従来の技術 バンあるいはワンボックスカー等の車輛においては、
リアシートを折畳んだ状態でフロアの下方に格納できる
ようにしたものがある。第５図はこのようなリアシート
の一例を示している。このリアシートａはフロア後部の
段部上に配置されており、フロア面のリアシート収納部
ｃの底面とシートクッションｄの裏面との間に両端をそ
れぞれ枢支結合したレッグｂを設けたものである。シー
トバックｆをシートクッションｄ側に倒してからレッグ
ｂを前方へ倒すと、リアシートａが二点鎖線で示すよう
に収納部ｃ内に格納されるようになっている。なお、リ
アシートａのセットにあたっては、レッグｂを起して段
部前面に設けられたロック手段ｅに係合させてレッグｂ
を固定し、シートバックｆをバンドｇを介して車体に固
定している。

c.考案が解決しようとする課題 しかし、このような構造のリアシートａは、格納やセ
ットに際して、シートバックｆにバンドｇを着脱しなけ
ればならず、操作が煩雑であるという問題があった。

また、バンドｇが室内に露出することから、外観上好
ましくなかった。

d.課題を解決するための手段 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、操作性に優れたリアシートを提
供することにあり、その要旨は、フロントシートとリア
シートとの間にあるリアシート収納用スペース５と、該
リアシート収納用スペース５の後部にありシートクッシ
ョン２の後部を載置するために設けられた段部5aとから
成るフロアパネル４を設け、該シートクッション２の前
部と上記フロアパネルのリアシート収納用スペース部５
に両端を回動可能にそれぞれ装着したレッグ６を設け、
該レッグを前方へ倒して、上記フロアパネルのリアシー
ト収納用スペース部５に、シートバック３を該シートク
ッション２側に折畳んだ状態で格納するようにしたリア
シート１において、上記シートクッション２のフレーム
８にストライカ10を設け、該ストライカ10と係合するラ
ッチ機構11を段部上面に形成した車体前後方向のレール
4a内に収納して成り、上記ストライカをラッチ機構に係
合させて、上記シートクッションを上記フロアパネルに
固定するようにしたことにある。

e.作用 本考案のリアシートは、シートクッションの下面がロ
ック手段によって固定された状態でセットされることに
なるので、従来、シートバックを車体に固定していたバ
ンドは必要なくなる。

f.実施例 以下、本考案の実施例について添付図面を参照しなが
ら詳細に説明する。

第１図および第２図において、１はリクライニング式
のリアシートで、シートクッション２およびシートバッ
ク３から成る。フロアパネル４には、フロントシート
（図示せず）とリアシート１との間にリアシート収納用
スペース５が設けてあり、その後部側にリアシート１を
載置する段部5aが設けてある。シートクッション２は、
その後部側を、段部上に設置した後述するロック手段９
によって固定されており、前部側はレッグ６を介して段
部5a下方のフロアパネル４に回動可能に装着されてい
る。該レッグ６は下端をフロアパネル４にヒンジ７を介
して結合され、その上端をシートクッション２のフレー
ム８に枢支結合してある。

上記ロック手段９は、第３図および第４図に示すよう
に、シートクッション２のフレーム８に装着したストラ
イカ10と、該ストライカ10と係合するラッチ機構11とか
らなる。

ラッチ機構11は、上面に孔12aを形成したケース12内
に、孔12aの一部を開閉するように、ラッチ13がピン14
を介して回動自在に支持されており、ピン14に装着され
たコイルスプリング15によりラッチ13が第３図矢印Ｂの
方向に付勢されている。

このラッチ機構11は、第４図に示すように、段部5a上
面に形成された車体前後方向のレール4a内に収納、固定
されており、レール4a上面に形成された孔4b及び孔12a
を通って上記ストライカ10が挿入されるものである。

一方、ストライカ10はロッド10bの下端に逆円錐形状
の係合部10aを設け、かつロッド10bにクッション16およ
びワッシャ17を配設してある。

上記段部5aの前部には、ロック収納９のロック状態を
解除する手段18が設けてある。該ロック解除手段18は、
第３図に示すように、ブラケット19に操作レバー20をピ
ン21で枢支結合するとともに、該レバー20をコントロー
ルケーブル22を介してラッチ機構11のラッチ13に連結し
た構造になっている。そして、操作レバー20を第３図の
矢印Ｄ方向に回転させると、ラッチ13が矢印Ｃ方向に回
転し、ストライカ10との係合が解除されるようになって
いる。なお、ラッチ13は図示しないストッパ手段によっ
て回動を規制され、常時はその一部をケース12の孔12a
に露出させている（第３図参照）。

本実施例はこのように構成してあるので、リアシート
１の格納は以下の要領で行なえばよい。

まず、シートバック３をシートクッション２側に折畳
んでから、ロック手段９のロック状態を操作レバー20に
よって解除する。次いで、シートクッション２の後部を
持ち上げてストライカ10をラッチ機構11から取出し、リ
アシート１を前方へ押出す。すると、レッグ６が前方へ
倒れ、リアシート１が第２図に示すように段部5a下段の
スペース５内に収納されることになる。

一方、リアシート１をセットする場合には、リアシー
ト１をスペース５から取出し、ストライカ10の係合部10
aをケース12の孔12aに挿入すると、ストライカ10の係合
部10aはラッチ13を矢印Ｃ方向に回動させて押し込ま
れ、係合部10aがラッチ13の下方に来ると、ラッチ13が
弾撥力によって係合部10aの上部側に係合する。次いで
シートバック３を起こすことで、リクライニング機構に
よって所望の角度を保つ。

g.考案の効果 本考案によれば、リアシートの格納やセットに際し
て、シートバックにバンドを着脱する手間を省くことが
でき、操作性が向上する。

また従来、シートバックを車体に固定していたバンド
が不要となるので、外観が良くなるという効果もある。

さらにフロアパネルの段部上面に形成された車体前後
方向のレール内にラッチ機構が収納されているので、シ
ートが格納された後には、レール以外にフロアパネル上
に突起物がなくなるため荷物の積載量を増加させること
が可能である。また、荷物の出し入れも突起物がないの
で、スムーズに行うことが可能である。さらに、フロア
パネル上に突起物がないためシート格納時の商品性向上
に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置の側面図、第２図は第１図の
リアシートを格納した状態を示す図、第３図は同装置の
ラッチ機構とロック解除手段を示す平面図、第４図は第
１図に示したＡ−Ａ線による断面拡大図、第５図は従来
例を概念的に示す側面図である。 １…リアシート、２…シートクッション、３…シートバ
ック、４…フロアパネル、５…リアシート収納用スペー
ス、5a…段部、６…レッグ、７…ヒンジ、８…フレー
ム、９…ロック手段、10…ストライカ、11…ラッチ機
構、13…ラッチ、16…クッション部材、18…ロック解除
手段、20…操作レバー、22…コントロールケーブル。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フロントシートとリアシートとの間にある
   リアシート収納用スペース５と、該リアシート収納用ス
   ペース５の後部にありシートクッション２の後部を載置
   するために設けられた段部5aとから成るフロアパネル４
   を設け、該シートクッション２の前部と上記フロアパネ
   ルのリアシート収納用スペース部５に両端を回動可能に
   それぞれ装着したレッグ６を設け、該レッグを前方へ倒
   して、上記フロアパネルのリアシート収納用スペース部
   ５に、シートバック３を該シートクッション２側に折畳
   んだ状態で格納するようにしたリアシート１において、
   上記シートクッション２のフレーム８にストライカ10を
   設け、該ストライカ10と係合するラッチ機構11を段部上
   面に形成した車体前後方向のレール4a内に収納して成
   り、上記ストライカをラッチ機構に係合させて、上記シ
   ートクッションを上記フロアパネルに固定するようにし
   たことを特徴とするリアシート。