JP2536641Y2 - 乳母車の座席用クッション - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は乳母車、ベビーカー等の座床部に装着して使
用するクッションに関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

乳母車等の座席に適宜の厚さを持った緩衝用のクッシ
ョンを装着することにより、座席に座った幼児に優れた
着座感を与えるようにすることは従来より一般的に行わ
れている。

従来の乳母車等の座席に使用されていたクッション
は、適宜の幅をもち一枚の板状に形成されたクッション
を座席部から背当て部に差し渡すように取付けるだけの
ものが殆どであり、これと異なる構造のものとしては、
前記一枚の板状クッションの上半部両側に（背当て部に
当接する部分の両側に）サイドクッションを横方向に連
設し、この張り出すように形成したサイドクッション
を、背当て部の両側に形成した側壁に係止させるよう構
成したものが僅かに知られる程度であった。

しかしながら、上記公知構造の場合は、幼児の下半部
を支承する座床部の両側面（肘掛けが形成されている部
分）がクッションによってカバーされることなく開放さ
れ、この部分に隙間が発生しているため、幼児がこの隙
間部分に指先を差し込んで乳母車の機構部分に触れる事
故（指先の損傷）を誘発するという欠点が指摘され、ま
た、この隙間部分から幼児が携帯品を落下紛失させる事
故が頻発し易いという欠点があった。

〔考案の目的〕

本考案は上記した問題に対応しようとするものであ
り、座床部に装着するクッションの両側にもサイドクッ
ションを形成することにより携帯品の紛失を防止し、併
せて幼児の手先を損傷から保護できるよう構成したシー
ト用のクッションを提供することを目的としている。

〔考案の要点〕

本考案は、乳母車の座席部に当接するクッション１
と、背当て部に当接するクッション２とを適宜の幅を持
った一枚の板状に連続させて形成するとともに、座席部
に当接するクッション１の両側には、座席部の両側に起
立形成した肘掛け部5,5に被覆させるため、下面を開口
して袋状に形成したサイドクッション3,3を連続させ、
また、背当て部に当接するクッション２の両側には、背
当て部の両側に起立させた側壁6,6に被覆させるため、
下面を開口して袋状に形成したサイドクッション4,4を
連続させ、クッション１の両側に連続させたサイドクッ
ション3,3とクッション２の両側に連続させたサイドク
ッション4,4とが互いに独立して動き得る状態としたこ
とを特徴とする乳母車の座席用クッションを考案の要点
としている。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

本考案の座席用クッションは、座席部に当接するクッ
ション１と背当て部に当接するクッション２からなるク
ッション本体Ｃと、座席部に当接するクッション１の両
側に連続させて形成したサイドクッション3,3及び背当
て部に当接するクッション２の両側に連続させて形成し
たサイドクッション4,4とによって構成している。

クッション本体Ｃは、布帛等で形成した外被の内部に
ウレタンフォームのような緩衝材を充填して形成するも
のであり、乳母車の座席部及び背当て部の内側寸法に合
致する幅を持った一枚の板状に連続させて形成してい
る。

サイドクッション3,3及び4,4は、クッション本体Ｃと
同一の素材を用いて構成するものであり、クッション本
体Ｃの両側縁部を外側に延長させたのち適宜位置で逆Ｕ
字状に折り返すと共に前後の両縁部を縫着手段等により
閉止することによって下面を開放した袋状に形成してす
るものであり、その断面構造は第３図に例示するよう断
面倒コ字状に形成されている。

座席部に当接するクッション１の両側に連続させるサ
イドクッション3,3の高さは座席部の両側に起立形成し
ている肘掛け部5,5に冠着できる高さとするものであ
り、また、背当て部に当接するクッション２の両側に連
続させるサイドクッション4,4の高さは背当て部の両側
に起立させた側壁6,6に冠着できる高さとするものであ
る。

なお、座席部に当接するクッション１の両側に連続さ
せたサイドクッション3,3と、背当て部に当接するクッ
ション２の両側に連続させたサイドクッション4,4は互
いに独立させて形成するものであり、そうすることによ
りリクライニング操作によって乳母車本体の背当て部を
自由に起伏させられるよう図っている。

図中７は座席部に当接するクッション１の前端部に連
続させて形成した延長クッションであり乳母車の背当て
部を起立させている場合にはこれを垂らすことによって
幼児のふくら脛部分を保護支承させるために使用し、ま
た、背当て部を倒してベッドとして使用する場合には座
席部の前端に連続するよう延長させて幼児の脚先端部の
支承用クッションとして利用するものである。

〔考案の効果〕

本考案は上記のように、座席部に当接するクッション
１の両側及び背当て部に当接するクッション２の両側に
それぞれサイドクッション3,3および4,4を連続させた構
造とし、座席部及び背当て部の両側部に隙間ができない
ように構成したので、乳母車を使用している時に幼児の
手先部分が座席側面の隙間部分から露出することによっ
て生じていた傷害等の危険を完全に回避することができ
極めて安全であるほか、座席上においてある小物類を前
記する隙間部分から落下させて紛失するというトラブル
も完全に解消できるという優れた効果がある。

また、座席部に当接するクッション１の両側に連続さ
せサイドクッション3,3と背当て部に当接するクッショ
ン２の両側に連続させたサイドクッション4,4を互いに
独立させたのでリクライニング操作により背当て部の傾
斜角度が変更されてもそれらの動作に影響されることな
く前記の危険を回避できる優れた効果を発揮できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は乳母車に座席用クッションを装着した状態を示
す斜視図、第２図は座席用クッションだけを示す斜視
図、第３図は座席用クッション部分の横断面図である。 Ｃ……クッション本体、１……座席部に当接するクッシ
ョン、２……背当て部に当接するクッション、3,4……
サイドクッション、５……肘掛け部、６……側壁、７…
…延長クッション

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】乳母車の座席部に当接するクッション１
   と、背当て部に当接するクッション２とを適宜の幅を持
   った一枚の板状に連続させて形成するとともに、座席部
   に当接するクッション１の両側には、座席部の両側に起
   立形成した肘掛け部5,5に被覆させるため、下面を開口
   して袋状に形成したサイドクッション3,3を連続させ、
   また、背当て部に当接するクッション２の両側には、背
   当て部の両側に起立させた側壁6,6に被覆させるため、
   下面を開口して袋状に形成したサイドクッション4,4を
   連続させ、クッション１の両側に連続させたサイドクッ
   ション3,3とクッション２の両側に連続させたサイドク
   ッション4,4とが互いに独立して動き得る状態としたこ
   とを特徴とする乳母車の座席用クッション。