JP2536562Y2 - 化粧用密封コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、化粧用密封コンパクト容器に関する。

〈従来の技術〉 従来の化粧用密封コンパクト容器で、化粧料容器とパ
フ収納部とを横に配置構成したものでは、該化粧料容器
並びにパフ収納部を設けた容器本体と、該容器本体を覆
蓋する蓋板との掛合部を、該容器本体前面の左右の中央
位置に設けられている。即ち該掛合部と該掛合部を操作
する押釦の位置を左右の同じ中央位置に設けている。

そこで、何れの場合も同じであるが、化粧料容器につ
いては収容した化粧料の乾燥を防ぐために、該化粧料容
器を閉塞する蓋板面に弾性のあるパッキンを介在させて
気密を保つようにしている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、上記従来例においては化粧料容器とパフ収納
部とが横位置となっているにも拘らず、化粧料容器とパ
フ収納部との配置の中間位置に容器本体と蓋板との掛合
部を設けているから、蓋板を閉合した時、化粧料容器の
部分ではパッキンの弾性が作用するが、他方のパフ収納
部では、パッキンが存在しないから弾性が作用せず、そ
の結果、蓋板が化粧料容器部では浮き上がって間隙がで
き易く、外観が悪い。そしてこのようにロック部に対し
偏位した位置にパッキンの弾力が常に作用していると蓋
板に反りや歪みを生じることになり、気密性を十分に保
つことができないと言う欠点があった。

そこで、本考案は外観の対称性を変えることなく上記
従来例の欠点を除去しようとするものである。

〈課題を解決する為の手段〉 本考案は、上記の課題を解決するために化粧料を収容
する容器の保持部とパフを収納する収納部とを有する容
器本体と、容器本体の上側に一体的に取り付けられる中
枠と、中枠を介して上記保持部に取り付けられる化粧料
容器と、容器本体と中枠との間で保持されるロック部材
と、容器本体の後部に回動自在に枢着された上蓋とでコ
ンパクト容器を構成し、容器本体は、容器保持部とパフ
収納部とが横並びに配置すると共に、前面中央部に開口
を形成し、中枠は、容器保持部に対応する箇所の前方に
透孔を形成し、ロック部材は、左右に弾性支持片が突出
形成すると共に、掛止突起を外方突設した掛合部と、開
口に出没可能に嵌入する押動部とを並設し、上蓋は、裏
面に上記化粧料容器の周縁に密着するパッキンを取り付
けると共に、このパッキンの前方に透孔を挿通して上記
掛止突起と掛合する掛止片を突設した。

〈作用〉 掛合部と押動部とを有し、容器本体と中枠との間で保
持されたロック部材は、押動部の位置を変えることな
く、上蓋との掛合部を容器本体の中央より偏位させるよ
うに作用する。またこの掛合部は、化粧料容器の直径線
上前部において上蓋を掛止し、パッキンを均一に化粧料
容器の上縁に密着させるように作用する。

〈実施例〉 以下本考案について図面に示す実施例により詳細に説
明すると、第１図乃至第４図に示すように、化粧料を収
容する容器の保持部２と、パフを収納する収納部３とを
横に配置構成した容器本体１の前面部４の中央部にロッ
ク部材９の押動部を嵌入する開口５を形成すると共に、
該容器本体１の前面部背面に、該開口５の左右に前記ロ
ック部材９を保持する位置決め突起6,7を突設する。

そして該ロック部材９は前面右寄り位置に前述のよう
に開口５に臨む押動部10を形成すると共に、該押動部10
の片方（右方）には先端を稍々内向きに弯曲した弾性支
持片11と、他方（左方）には壁面に掛止突起14を突設し
た掛合部13を介して前記支持片11と同様の弾性支持片12
を突設しており、該ロック部材９を容器本体４の内側に
開口５から押動部10を外方へ臨ませて挿入して、該ロッ
ク部材９の左右に設けた弾性支持片11,12の各先端を前
記位置決め突起6,7の対向面側で当接させることによ
り、該ロック部材９を安定保持する。

次に前記ロック部材９の掛合部13に通じる透孔16を有
し、且つ化粧料容器20の保持部17とパフ保持部19とを有
する中枠15を容器本体の上側に、容器部２とパフ収納部
３とに夫々保持部17,19を一致させて載置する。

そして、保持部17には、ここに嵌入した化粧料容器20
の周側条溝21を弾力的に掛合保持する複数個の掛止舌片
18,18…を等隔的に連設形成していて該容器20を容易に
嵌脱できるように構成している。

更に、該容器本体１の後側に凹設した凹所８に、上蓋
22の後縁に下向き突設した取付片25を回動自由に枢設し
て、該容器本体１の上面を覆蓋するようにし、該上蓋22
の左寄り内側には化粧料容器20の気密を保つためのパッ
キン23と前記中枠15の透孔16を経て前記掛合部13と出合
う掛止片24を立設してなる。

次に上記本考案の動作について述べると、先ず第２
図、第３図により上蓋22を閉合した時の状態について見
ると、上蓋22の前縁部に突設した掛止片24と、中枠15の
透孔16を経て該中枠15と容器本体１とにより保持された
ロック部材９の掛合部に進入し、該掛止片24の先端に形
成した掛止爪24′が掛合部13の掛止突起14と掛合して上
蓋22と容器本体１との閉合状態を維持する。

そして、このロック部材９による掛合は、化粧料容器
20の直径線上前部において行なわれるのでパッキン23を
十分に押圧することができる。

また、上蓋22を開扉するには、容器本体１の前面中央
にあるロック部材９の押動部10を両端寄りの弾性支持片
11,12の弾力に抗して押えることにより、該ロック部材
９の掛合部13は内方へ移動し、掛止突起14と掛止片24の
掛止片24′との掛合が解除され、これと同時に上蓋22は
容器本体１との枢着部８に介在した弾性体８′の弾力に
よって掛止突起14と掛止片24の掛止爪24′との掛合が完
全に解除されるまでの間、上蓋22を僅かに開動して、開
扉動作を容易ならしめるようにしている。

このようにして本考案の最も特徴的なところはロック
部材９の押動部10が化粧料容器本体の前面中央位置にあ
り乍ら、上蓋22を閉合保持する掛合部が前記押動部より
偏位した位置つまり化粧料容器を跨がる前後の中心線上
前部に設けられている点である。

〈考案の効果〉 本考案は上述のように化粧料容器の前後の中心線上で
上蓋を掛止するように構成しているので従来のコンパク
ト容器のように上蓋がパッキン上で傾くことがなくな
り、平均的にパッキンを押さえることができて気密を一
層確実に保つことができる。

又、化粧料容器の直径線上に上蓋の掛止部を配置した
ことによりパッキンの弾力が作用しても、上蓋や容器本
体に捻れや反りを与えない。

更にはパッキンを万遍なく押えることができるので気
密性が高く、掛合部は容器本体の中央より偏位している
が押動部は、従来品と同様中央部にあって外観上の不均
衡感を与えないなど多くの優れた効果を有する実用価値
の高い考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案実施例を示す。 第１図は、分解斜視図、 第２図は、中央縦断正面図、 第３図は、同上Ｘ−Ｘ縦断側面図、 第４図は、開蓋平面図である。 １……容器本体、２……容器保持部、３……パフ収納
部、４……容器本体前部、５……開口、6,7……位置決
め突起、９……ロック部材、10……押動部、11,12……
弾性支持片、13……掛合部、14……掛止突起、15……中
枠、16……透孔、20……化粧料容器 22……上蓋、24……掛止片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料を収容する容器の保持部とパフを収
   納する収納部とを有する容器本体と、 容器本体の上側に一体的に取り付けられる中枠と、 中枠を介して上記保持部に取り付けられる化粧料容器
   と、 容器本体と中枠との間で保持されるロック部材と、 容器本体の後部に回動自在に枢着された上蓋とからな
   り、 容器本体は、容器保持部とパフ収納部とが横並びに配置
   されると共に、前面中央部に開口が形成され、 中枠は、容器保持部に対応する箇所の前方に透孔が形成
   され、 ロック部材は、左右に弾性支持片が突出形成されると共
   に、掛止突起を外方突設した掛合部と、開口に出没可能
   に嵌入する押動部とが並設され、 上蓋は、裏面に上記化粧料容器の周縁に密着するパッキ
   ンが取り付けられると共に、このパッキンの前方に透孔
   を挿通して上記掛止突起と掛合する掛止片が突設され、 容器本体の前面中央に押動部が位置したロック部材を介
   して上蓋が、化粧料容器の前後の中心線上で掛止される
   ようになされたことを特徴とする化粧用密封コンパクト
   容器。