JP2535760Y2 - 可動リヤシートにおけるサイドカバーの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用リヤシートにおけるサイドカバーの
取付構造、詳しくはシートクッションを前後方向に移動
可能に車体側に設けると共に、このシートクッションの
前方移動に伴なってシートバックの下部が前方に回動し
て、シートバックと車体との間に生じる間隙をサイドカ
バーで隠蔽してなる可動シートにおける前記サイドカバ
ーの取付構造に関するものである。

（従来の技術とその問題点） 従来のこの種の可動シートにおけるサイドカバーは、
例えば本願出願人の出願に係る実開昭60−34931号公報
に示すように、サイドカバーの一側部を、シートバック
の側部に固定し、他側部を車体のタイヤハウスに固定し
て、シートバックとタイヤハウス間の間隙を隠蔽し、更
にサイドカバーにはシートクッションの後部側面方向に
延長する延設部を設けて、シートバックの側部下端とシ
ートクッションの後側部との間に生じる間隙を隠蔽して
いる。

ところで、前記シートクッションの後側部に対してサ
イドカバーの延設部の固定は、柔軟性面状ファスナー
（例えば、ベルベット式ファスナー）を使用して行なっ
ている。

そのため、面状ファスナーには剛性がないため、サイ
ドカバーの延設部がシートクションを前方移動してシー
トバックの下部を前方に回動した際、たるみが生じ、外
観が悪くなる不具合があった。

そこで、本考案は斯様な従来品の不具合を除去するこ
とを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案に係る可動リヤシ
ートにおけるサイドカバーの取付構造は、前記サイドカ
バーの下端にシートクッション後部側面方向に延設して
シートバックの側部における下部と、シートクッション
の側部における後部との間に生じるリクライニング時の
間隙を隠蔽する延設部を設けると共に該延設部の先部に
剛性補強片を縫着し、該補強片と前記シートクッション
の後部側面とに、相互に係止する係止部材を設けてなる
ことを特徴とするものである。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

図中、（１）はサイドカバーで、自動車用シートの表
皮材などの柔軟材で、シートバック（SB）と車体のタイ
ヤハウス（５）との間に生じる間隙を塞ぐように、シー
トバック（SB）の側部（３）とタイヤハウス（５）とに
前記従来品と同様に固定されている。

また、このサイドカバー（１）の下端には延設部（1
1）が前記従来品と同様に延設して、シートバック（S
B）の下端よりシートクッション（SC）側部（４）の後
部との間の間隙が隠蔽されるように形成されている。

そして、このサイドカバー（１）における延設部（1
1）の先部は、第２図に示すようにシートクッション（S
C）の側部（４）側に取付けられている。

即ち、硬質合成樹脂製プレートなどの剛性を有する部
材からなる剛性補強片（２）を延設部（11）の先部に一
体に縫着すると共に、補強片（２）には相互に係合係止
する係止部材である一方のファスナー（14）（チャッ
ク）が縦方向に縫着されている。そして、他方のファス
ナー（13）（チャック）はシートクッション（SC）の側
面（４）に縫着されている。図中、（12）、（15）はフ
ァスナー（13）（14）と一体と布地を示す。

斯して、シートクッション（SC）、シートバック（S
B）を車体に組付けた後、サイドカバー（１）を車体の
タイヤハウス（５）とシートバック（SB）の側部との間
に渉って設け、次にサイドカバー（１）の延設部（11）
をシートクッション（SC）の側面（４）にファスナー
（13）（14）で固定して取付ける。これにより、第１図
に示すように、シートクッション（SC）が矢印方向（前
方）に移動しシートバック（SB）の下部が前方に回動し
た際に生じるシートバック（SB）の下部と、車体のタイ
ヤハウス（５）間の間隙及びシートクッション（SC）の
後部側とシートバック（SB）の側部下端間の間隙が、サ
イドカバー（１）及びその延設部（11）によって隠蔽さ
れる。

そして、サイドカバー（１）の延設部（11）は、その
先部に設けた剛性補強片（２）によって確実に固定され
る。

（効果） 本考案は前述の如く、サイドカバーに、シートバック
の側部における下部とシートクッションの側部における
後部との間に生じるリクライニング時の間隙を隠蔽する
延設部を延設し、この延設部に剛性補強片を設けてなる
から、延設部のシートクッション側に対する取付が確実
になると共に、シートバックの下部とシートクッション
の後部との間に生じるリクライニング時の間隙が延設部
により隠蔽され、シートの外観が良好になるし、また、
延設部の外観品質が向上する。更に、補強片にファスナ
ーを設けることにより、シートクッションに対する取付
性が更に向上するため、シートクッションを前方移動さ
せて、シートバックの下部を前方に回動した際の外観品
質が良好になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の部分切欠斜視図、第２図は第１図にお
けるII−II線断面図である。 図中、（１）はサイドカバー、（２）は補強片、（５）
は車体、（11）は延設部、（SC）はシートクッション、
（SB）はシートバックを示す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートクッションを前後方向に移動可能に
   車体側に設けると共にこのシートクッションの前方移動
   に伴ってシートバックの下部が前方に回動し、且つこの
   前記シートクッションの側部と車体との間に生じる間隙
   を隠蔽するサイドカバーをシートバックと車体間に設け
   てなる可動リャシートにおいて、 前記サイドカバーの下端に、シートクッションの後部側
   面方向に延設してシートバックの側部における下部と、
   シートクッションの側部における後部との間隙を隠蔽す
   る延設部を設けると共に該延設部の先部に剛性補強片を
   縫着し、該補強片と前記シートクッションの後部側面と
   に、相互に係止する係止部材を設けてなることを特徴と
   する可動リャシートにおけるサイドカバーの取付構造。