JP2534870B2 - パン用酒種の製造方法 - Google Patents

パン用酒種の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は香味の増強されたパン用酒種の製造方法に関
するものである。
更に詳細には、本発明は、香味を増強し、製品の老化
をおくらせるパン用酒種の製造方法に関するものであ
る。
本発明においては、酒種の製造に麦麹を使用すること
によって、米麹を使用したときよりも香味をかなり増強
させることに成功した。またこれを用いて製品の老化を
おくらせるようにできたもので、パンの品質を向上させ
たものということができる。
(従来技術) 一般に、菓子パン等香味を強く感じさせるパンにおい
ては、酒種をパン生地に添加して発酵、焼成し、パン生
地の香味を高めることが行なわれている。
そして、従来、酒種の製造には、米麹と米の混合物に
清酒酵母を添加して発酵させる方法がとられていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、米麹による酒種を使用して製造したパ
ンは、焼成した直後はよい香りが強く感じられるが、こ
れは清酒風味であって香りが飛散しやすく冷却するとと
もに香りが少くなり、かつパン生地の老化がそれ程防止
できないという欠点がみられるのである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、焼成後冷却してもパン生地に香味がよ
く残存する方法を求めて鈍意研究した結果、麦麹を酒種
の製造に使用することによって解決することができた。
本発明においては、酒種の製造に、麦麹とともに、小
麦又は米と小麦の混合物を用い、より香味を増強させか
つ甘酒臭を付与することに成功したのである。
本発明は、麦麹と、小麦もしくは米と小麦の混合物を
混ぜ、これに清酒酵母を添加し、発酵せしめ、得られた
パン用酒種の製造方法である。
また、本発明においては、麦麹と小麦を用いて酒種を
製造する際、発酵開始から3〜5日間約20℃で発酵さ
せ、その後2〜6日間は約26〜30℃で発酵させれば、よ
り強い香味をもった酒種ができ、この酒種を用いて製造
したパンは発酵、焼成、冷却後も強い香味、特に強い甘
酒臭が残ることを分った。
また、本発明は、麦麹と、小麦もしくは米と小麦の混
合物を混ぜ、これに清酒酵母を添加し、発酵開始から3
〜5日間は約20℃で、その後2〜6日間は約26〜30℃で
発酵せしめ発酵終了時の核酸関連物質量を高めたことを
特徴とするパン用酒種の製造方法である。
本発明に使用する麦麹は、市販の麦麹でよい。市販の
麦麹は、含水率35%程度になるまで散水して用意すれば
よい。
また、麦麹を製造するには、蒸煮した小麦にアスペル
ギルス・オリーゼの種麹を接種し、製麹装置で2〜3日
製麹、出麹すればよい。
酒種を製造するには、発酵槽に麦麹と、小麦もしくは
米と小麦の混合物を入れ、水を加え、清酒酵母を接種し
て、15〜30℃で5〜12日程度発酵すれば酒種が得られ
る。
ここに得られた酒種をパン生地に添加し、発酵、焼成
すれば、強い香味の残存するパンを製造することができ
る。ここに得られるパンの甘酒臭に近い香味は、米麹を
用いて製造した酒種によるパンの香味と比較してもはる
かに強い香味が残存するものである。
得られた酒種は破砕機で細かく破砕し、そのままパン
生地を製造する原料混合物中に添加し、よく混捏し、発
酵させ、焼成して、パンを製造する。
本発明のパンの製造方法において、麦麹による酒種を
用いて製造したパンは甘酒臭が強く、焼成後冷却しても
よくその香味が残っているために、菓子パンの製造にき
わめて好適なものである。
麦麹の使用によって、香味が強く、よく残存する香味
が得られる理由は明かではないが、米麹を使用する酒種
と比較したとき、核酸関連物質がより多量に生成してお
り、これらが香味増強に役立つものと考えられる。
次に本発明の実施例を示す。実施例において%は重量
%、部は重量部を示す。
実施例1 小麦を蒸煮し、種麹(Aspergillus oryzae)を0.2%
接種し、よく混合し、これを製麹装置に入れて、布をか
ぶせ、37℃で54時間静置培養し、出麹して、常温で冷却
する。
得られた麦麹を12%、蒸煮した小麦33%、水55%の割
合で、発酵槽に加え、これに麹エキス培地で24時間培養
した清酒酵母(Saccharomyces cerevisiae)を諸味1g
当り106ケとなるように添加し、(イ)20℃で7日間静
置培養し、また、(ロ)20℃で4日間、次いで28℃で3
日間静置培養してそれぞれの酒種を得た。
得られた酒種を分析し、第1図(A)(B)の結果を
得た。1は乳酸、2は酢酸、3は核酸関連物質のそれぞ
れを示す。
一方、対照として、米麹(市販品)12%及び蒸煮した
米33%を用いる以外はすべて上記と同じ方法で酒種を製
造し、この酒種を分析し、第1図(A′)(B′)の結
果を得た。1′は乳酸、2′は酢酸、3′は核酸関連物
質のそれぞれを示す。
実施例2 小麦を蒸煮し、種麹を0.2%接種し、よく混合し、製
麹装置内で布をかぶせ37℃で54時間静置培養し、出麹し
て常温で冷却する。
得られた麦麹を12%、蒸煮した小麦18%、蒸煮した米
15%、水55%の割合で発酵槽に加え、これに麹エキス培
地で24時間培養した清酒酵母を諸味1g当り106ケとなる
ように添加した。
次に、この混合された諸味をa〜fの6部に分け、発
酵開始から4日間はa〜f全部を20℃で培養し、4日を
過ぎた時点で32℃(a)、28℃(b)、24℃(c)、20
℃(d)、16℃(e)、12℃(f)各温度に培養温度を
変化させ、後3日間培養し、1〜7日目ごとに各培養液
をHPLCにかけ、16分ピーク量(核酸関連物質(コハク酸
換算)が多量含まれる)を測定した。測定の結果は第2
図に示される。ここでa〜fは培養4日目から変化させ
た培養温度を示している。aは32℃、bは28℃、cは24
℃、dは20℃、eは16℃、fは12℃をそれぞれ示す。
HPLC分析条件は次の通りであった。
カラム:HITACHI CM610H(カラム温度:62℃) 機種:HITACHI 655 Liquid chomatograph 溶離液:0.1% H3PO4 Flow rate:1.0ml/min 波長:UV 210nm 実施例3 市販の麦麹12%、蒸煮した小麦33%、水55%の割合で
発酵槽に加え、これに麹エキス培地で24時間培養した清
酒酵母を諸味1g当り106ケとなるように添加し、4日間
は20℃で培養し、あと3日間は30℃で培養し、核酸関連
物質量1.6%の甘酒臭の強い酒種を得た。
得られた酒種を破砕機にかけ細かく破砕し、得られた
酒種液状物15部、小麦粉70部、グルコース3部、イース
ト3部、イーストフード0.1部、卵5部、水18部を混合
し、混捏する。
得られたパン生地を2時間発酵させ、これに小麦粉30
部、食塩0.8部、庶糖25部、水18部を添加混捏し、通常
の製パン法で菓子パンを得た。
一方、対照として、市販の米麹12%と蒸煮した米33%
を替えたほかは、上記と全く同様に菓子パンを製造し
た。
次に、両菓子パンについてパネルテストを行い、ま
た、老化試験を行った。なお、老化試験では市販品(酒
種)A、Bについても平行して試験した。
表1両菓子パンのパネルテストの結果が示される。
評価基準は次の通りである。
◎:特に甘酒臭が強く、好ましい。
○:まあまあ良い。
×:香りが弱い。
表2に両菓子パン及び市販品(酒種)A、Bを用いて
同様に製造した菓子パンの老化試験(パンの硬さの経日
変化)を行い、その結果を示した。
なお、パンの硬さはレオメータにて1日後と3日後に
ついて、次の条件で測定した。(パン5cm×5cm、厚さ2c
m) 機種:不動工業N−NR−M、2002J アダプター面積:7.07cm2(15mmφ) サンプル台昇降スピード:30cm/min サンプル台昇降力:Full Scale;2kg 圧縮比:1/2
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1において麦麹酒種と米麹酒種の成分中
乳酸(1,1′)、酢酸(2,2′)、核酸関連物質(3,
3′)を比較した図である。 第2図は実施例2において、発酵4日後に発酵温度を変
化させて、HPLCで16分ピーク量の変化をみた図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】麦麹と、小麦もしくは米と小麦の混合物を
    混ぜ、これに清酒酵母を添加し、発酵せしめることを特
    徴とするパン用酒種の製造方法。
  2. 【請求項2】麦麹と、小麦もしくは米と小麦の混合物を
    混ぜ、これに清酒酵母を添加し、発酵開始から3〜5日
    間は約20℃で、その後2〜6日間は約26〜30℃で発酵せ
    しめ発酵終了時の核酸関連物質量を高めたことを特徴と
    するパン用酒種の製造方法。
  3. 【請求項3】核酸関連物質量が1.0%以上であることを
    特徴とする特許請求の範囲第2項記載のパン用酒種の製
    造方法。
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JP3648403B2 (ja) * 1999-04-20 2005-05-18 日東製粉株式会社 製パン改良剤及びそれを利用した製パン方法
JP4432836B2 (ja) * 2005-06-09 2010-03-17 山崎製パン株式会社 パンの製造方法

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