JP2545109B2 - 変異酵母及びその用途 - Google Patents

変異酵母及びその用途

Info

Publication number
JP2545109B2
JP2545109B2 JP3381688A JP3381688A JP2545109B2 JP 2545109 B2 JP2545109 B2 JP 2545109B2 JP 3381688 A JP3381688 A JP 3381688A JP 3381688 A JP3381688 A JP 3381688A JP 2545109 B2 JP2545109 B2 JP 2545109B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
leucine
aza
bread
minutes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3381688A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01257423A (ja
Inventor
行蔵 浅野
和郎 福田
渡辺  誠
浩行 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd filed Critical Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Priority to JP3381688A priority Critical patent/JP2545109B2/ja
Publication of JPH01257423A publication Critical patent/JPH01257423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2545109B2 publication Critical patent/JP2545109B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Alcoholic Beverages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は4−アザ−DL−ロイシン耐性を有する酵母並
びに該酵母を用いるアルコール飲料及びパンの製法に関
する。
従来の技術 エステル類及びアルコール類は、アルコール飲料及び
パンの香気特性を決定する重要な成分であり、特に酢酸
イソアミル、イソアミルアルコール等は、華やかな香り
を左右する要因であることが古くから知られている。
イソアミルアルコール、酢酸イソアミル等の香気成分
を多量に生成する変異酵母を用いるアルコール飲料の製
法として、ノルバリン耐性株を用いる方法〔ジャーナル
・オブ・ザ・インスティテュート・オブ・ブルューイン
グ(Journal of the Institue of Brewing),Vol.72,50
−56(1966)〕、ノルバリン、ノルロイシン耐性株を用
いる方法〔ジャーナル・オブ・ザ・ブルューイング・ソ
サエティー・オブ・ジャパン(Journal of the Brewing
Society of Japan),Vol.76,No.12,P.843〜847(198
1)〕、5′−5′−5′−トリフルオロ−D,L−ロイシ
ン耐性株を用いる方法(特開昭62−6669号公報)等が知
られている。又、該公報には4−アザ−DL−ロイシン耐
性株を得る試みが開示されているが、該耐性株は得られ
ていない。
発明が解決しようとする課題 イソアミルアルコール、酢酸イソアミル等の香気成分
をより多量に含有した香り高いアルコール飲料、パン等
が求められている。
課題を解決するための手段 本発明は4−アザ−DL−ロイシン耐性を有する酵母を
用いて、イソアミルアルコール、酢酸イソアミル等の香
気成分をより多量に含有した香りの高いアルコール飲料
及びパンを製造する方法を提供する。
本発明に用いる変異酵母としては、サッカロマイセス
属に属し、かつ4−アザ−DL−ロイシン耐性を有するも
のであればいずれも用いられる。
一般に、変異酵母を取得するには、如何なる変異方法
でもよいが、例えば、紫外線もしくは放射線照射又はN
−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、エ
チルメタンスルフォネート等の変異剤の使用が効率的で
ある。
4−アザ−DL−ロイシン耐性株の選択には、酵母の培
養に通常用いれる合成培地に、4−アザ−DL−ロイシン
を比較的高濃度、例えば10mg/ml程度添加した寒天平板
培地に変異処理した酵母、清酒酵母、焼酎酵母、ウイス
キー酵母、ワイン酵母、ビール酵母、パン酵母等を塗布
し、生育してきた集落を分離する。
次に変異酵母の取得例を示す。
YPD培地(酵母エキス1%、ペプトン2%、ぶどう糖
2%、pH6.0)で、30℃、16時間培養したサッカロマイ
セス・セレビジエ日本醸造協会7号酵母(以下、K−7
と称す)を0.2Mリン酸緩衝液(pH8.0)に菌体濃度108
胞/mlになるように懸濁した。
ついで該懸濁液に、エチルメタンスルフォネートを最
終濃度30μl/mlとなる様に添加し、30℃で60分間放置し
た後、遠心分離で菌体を集めた。該菌体を5%のチオ硫
酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、さらに、リン酸緩衝
液(pH6.0)で洗浄した。該菌体を4−アザ−DL−ロイ
シン10mg/mlを含有する平板培地(ディフコ社製 バク
ト・イースト・ナイトロジェン・ベース、グルコース2
%、寒天1.5%)で30℃、7日培養した。
寒天平板上に出現したコロニーからの優良変異株の選
択に当たっては、麹培地(麹50g、リン酸1カリウム60m
g、塩化ナトリウム100mg、乳酸0.3ml、水100ml)におい
て、15℃で7日間の静置培養を行い、培養液に含まれる
香気成分を定量した。香気成分の定量は、ヘッド・スペ
ース・ガス・クロマトグラフィーによった(吉沢淑、日
本醸造協会誌 68巻 59−61、1973)。以下の香気成分
の定量も同方法による。
香気成分が生成した4−アザ−DL−ロイシン耐性株
K−7AZ−8を選択した。
又、前記変異酵母の取得例において、用いる親株をサ
ッカロマイセス・セレビジエATCC7754(以下、ATCC7754
と称す)に代える以外は同様に行い、香気成分が生成向
上した4−アザ−DL−ロイシン耐性株WM−1−AZ−8を
選択した。これらの変異株は微生物工業技術研究所にサ
ッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisi
ae)K−7AZ−8(FERM BP−1651)(以下、K−7AZ−
8と称す)及びWM−1−AZ−8(FERM BP−1724)(以
下WM−1−AZ−8と称す)として寄託されている。
つぎに、各酵母の培養液の香気成分を次の方法で測定
した。K−7、K−7AZ−8、ATCC7754及びWM−1−AZ
−8を前記組成の麹培地に15℃で7日間静置培養した。
得られた培養液の香気成分を第1表に示す。
アルコール飲料〔清酒、蒸留酒(焼酎、ウイスキー、
ブランディー等)、ワイン、ビール等〕、パン及び醸造
調味料を製造するに際し、従来の酵母に代えて、本発明
の酵母を用いることにより、香りの高いアルコール飲
料、パン及び醸造調味料を得ることができる。
アルコール飲料、パン及び醸造調味料の製造は、従来
一般に行われている方法に従って行うことができる。
以下に実施例を示す。
実施例1. 酵母としてK−7及びK−7AZ−8を用いて清酒を醸
造した。
モロミの品温管理 添、踊り、及び仲仕込みまでは、16℃、仲仕込から留
までは、14℃、さらに、留仕込以降は、13℃で出発し以
降1日ごとに1℃品温を上昇させ、落ち泡開始以降は、
反対に1日1℃ずつ10℃まで低下させた。
醸造した清酒の成分を第3表に示す。
K−7AZ−8を用いることによりK−7(親株)を用
いる場合に比べて香りの高い清酒が得られる。
K−7AZ−8で醸造した上槽直前のモロミより酵母を
単集落分離した。100個の集落の酵母それぞれについて
4−アザ−DL−ロイシン感受性を調べたところ、いずれ
の株も耐性であり、本変異株が安定に存在することが確
かめられた。
実施例2. 酵母としてWM−1−AZ−8及び親株(ATCC7754)を用
い、次の方法により30ジャー・ファーメンターを使用
して培養を行った。
種培養 YPD培地、30℃、振盪 24時間 本培養 糖密 3.5(糖分 30%) 尿素 20g KH2PD4 5g 指数流加培養 10時間 pH調整、pH4.5、アンモニアで調節 培養温度 30℃、通気量 30/分 撹拌 360rpm 酵母は、培養後、水洗し脱水して、圧搾酵母とした。
前記培養酵母を用いて、後記配合及び工程にしたがっ
て食パンを製造した。
(配合)中種 強力小麦粉 70 (重量部) 酵母 2 イースト・フード 0.1 水 42 本捏 強力小麦粉 30 砂糖 5 食塩 2 ショートニング 5 水 24 (工程)中種 生地混捏 低速2分、中速2分(SC151型、関東混合機
工業(株)製) 捏上げ温度 25℃ 呼び発酵 28℃、4時間本捏 生地混捏 低速3分、中速2分、ショートニング添加、
低速1分、中速3分、高速1分 捏上げ温度 27℃ フロアタイム 28℃、20分 ホイロ 40℃、湿度85%、50分 焼成 215℃、30分 得られた食パンの香気成分は次の様にして測定され
た。20gの粉砕した食パンを100ml容バイアル瓶に入れ、
密栓後50℃で30分間加温した後、ヘッド・スペース・ガ
ス・クロマトグラフィーによって定量した。
その結果を第4表に示す。
WM−1−AZ−8を用いることにより、ATCC 7754を用
いる場合に比べて香りの高いパンが得られる。
発明の効果 本発明の酵母を用いることにより、香りの高いアルコ
ール飲料、パン等を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:85)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコール飲料の製法において、サッカロ
    マイセス属に属し、かつ4−アザ−DL−ロイシン耐性を
    有する微生物を用いることを特徴とするアルコール飲料
    の製法。
  2. 【請求項2】パンの製法において、サッカロマイセス属
    に属し、かつ4−アザ−DL−ロイシン耐性を有する微生
    物を用いることを特徴とするパンの製法。
  3. 【請求項3】該微生物がサッカロマイセス・セレビジエ
    種に属する微生物である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】4−アザ−DL−ロイシン耐性を有するサッ
    カロマイセス・セレビジエ。
JP3381688A 1988-02-16 1988-02-16 変異酵母及びその用途 Expired - Lifetime JP2545109B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3381688A JP2545109B2 (ja) 1988-02-16 1988-02-16 変異酵母及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3381688A JP2545109B2 (ja) 1988-02-16 1988-02-16 変異酵母及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01257423A JPH01257423A (ja) 1989-10-13
JP2545109B2 true JP2545109B2 (ja) 1996-10-16

Family

ID=12397003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3381688A Expired - Lifetime JP2545109B2 (ja) 1988-02-16 1988-02-16 変異酵母及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2545109B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996020272A1 (fr) * 1994-12-26 1996-07-04 Takara Shuzo Co., Ltd. Nouvelles souches de levures aromatiques

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01257423A (ja) 1989-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4900746B2 (ja) 香気成分高生産性酵母
JP2545109B2 (ja) 変異酵母及びその用途
JP3506280B2 (ja) 新規酵母及びその用途
JP3193506B2 (ja) 飲食品の製造法
JP2683058B2 (ja) アルコール飲料又は発酵調味料の製造法
JPH0746982B2 (ja) 変異酵母の培養法
JP2004215644A (ja) チロソール高生産性酵母変異株及び該酵母を用いた発酵アルコール飲料の製造法
JP3544987B2 (ja) 芳香性酵母新菌株
JP3260785B2 (ja) 飲食品の製造法
JP3260919B2 (ja) 飲食品の製造法
JP2810703B2 (ja) 飲食品の製造法
JP2632654B2 (ja) 変異酵母
JP3906992B2 (ja) 新規パンの製造方法
JP2003116523A (ja) 桜の花から分離した酵母及びその取得方法並びに該酵母を用いた清酒その他の飲食品の製造方法
JPH11127849A (ja) 新規酵母及びその利用法
JP4393028B2 (ja) 新規酵母及びその利用
JP4008539B2 (ja) 有機酸高生産新規酵母及びその用途
JP2886561B2 (ja) パンの製造法
JPH0779766A (ja) 新規酵母及びその用途
JP3835564B2 (ja) 新規酵母及びその用途
JP2882830B2 (ja) 変異酵母及びその利用
JP2001269165A (ja) 香気生成バランスのよい酵母並びにこれを用いた飲食品及びその製造法
JP3292580B2 (ja) 新規酒類酵母及びその用途
JPH10276754A (ja) 酒類の製造方法
JP3865324B2 (ja) 新規酵母及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 12