JP2683058B2 - アルコール飲料又は発酵調味料の製造法 - Google Patents

アルコール飲料又は発酵調味料の製造法

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和郎 福田
行蔵 浅野
浩行 植田
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協和醗酵工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は香りの高いアルコール飲料又は発酵調味料
(別名、醸造調味料とも称す)の製造法に関する。
従来の技術 高級アルコール類及びそのエステル類はアルコール飲
料の香気特性を決定する重要な成分である。特にβ−フ
ェニルエチルアルコールとβ−フェニルエチル酢酸は、
バラの香気に似たもので、アルコール飲料の香気付与の
ために重要な化合物であることが知られている(新版・
醸造成分一覧 日本醸造協会 昭和52年)。
酵母がβ−フェニルエチルアルコール及びβフェニル
エチルアセテートを生成することは知られている〔ジャ
ーナル・オブ・ザ・ブリューイング・ソサエティー・オ
ブ・ジャパン(Journal of the Brewing Society of Ja
pan)Vol.74,No.3,P.173〜P.178(1979)〕。
フルオロフェニルアラニン耐性を付与したサッカロマ
イセス・セレビジェは知られている〔ジャーナル・オブ
・ジェネラル・マイクロバイオロジィー(Journal of G
eneral Microbiology.Vol.91,P.217〜P.224(197
5)〕。
発明が解決しようとする課題 香りの高いアルコール飲料又は発酵調味料を得るため
の方法が常に求められている。
課題を解決するための手段 本発明は、サッカロマイセス属に属し、フルオロフェ
ニルアラニン耐性を有し、かつ、β−フェニルエチルア
ルコール、β−フェニルエチル酢酸、イソブチルアルコ
ール及びイソアミルアルコールを生産する能力を有する
酵母を用いることを特徴とするアルコール飲料又は発酵
調味料の製造法に関する。
本発明に用いる酵母としては、サッカロマイセス属に
属し、フルオロフェニルアラニン耐性を有し、かつβ−
フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチル酢酸、
イソブチルアルコール及びイソアミルアルコールを生産
する能力を有する酵母であればいずれも用いられる。具
体的には、サッカロマイセス・セレビジェ(Saccharomy
ces cerevisiae)F44(FERM BP-2025)(以下、F44と称
す)があげられる。
F44の取得例を以下に示す。
YPD培地(酵母エキス1%、ペプトン2%、ぶどう糖
2%、pH6.0)で、30℃、16時間培養したサッカロマイ
セス・セレビジェ 日本醸造協会901号酵母(以下、K90
1と称す)を0.2M リン酸緩衝液(pH8.0)に菌体濃度10
8細胞/mlになるように懸濁した。
ついで該懸濁液に、エチルメタンスルフォネートを最
終濃度30μl/mlとなる様に添加し、30℃で60分間放置し
た後、遠心分離で菌体を集めた。該菌体を5%のチオ硫
酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、さらに、リン酸緩衝
液(pH6.0)で洗浄した。該菌体をp−フルオロフェニ
ルアラニン0.7mg/mlを含有する平板培地(ディフコ社製
バクト・イースト・ナイトロジェン・ベース0.67%、グ
ルコース2%、寒天1.5%)で30℃、7日間培養した。
寒天平板上に出現したコロニーから変異株F44を選択
した。
つぎに、変異株F44及び親株K901の1P−フルオロフェ
ニルアラニンに対する感受性について調べた。
P−フルオロフェニルアラニンを水に溶解後、その濃
度が0.5、1、2及び5mg/mlになる様にバクト・イース
ト・ナイトロジェン・ベース(ディフコ社製)に混和
し、寒天平板培地とした。この培地にF44及びK901を接
種した後、28℃で4日後の生育を観察した。その結果を
第1表に示す。
〔原料〕 いかなる糖質およびデンプン質を用いることも出来る
が、目的とするアルコール飲料の種類によって、酒税法
および酒税法施行令に定められた原料を用いる。例え
ば、清酒では、米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃ
ん、きび、ひえ及びこれらの麺を用いることが出来る。
糖質は酵母によりそのまま発酵されるが、澱粉質はま
ず糖化酵素により発酵性糖類に分解されたのち発酵され
る。糖化酵素は、一般に麦芽に含まれるもの、糸状菌
〔例えば、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryz
ae)等の麺菌〕の生産するもの、α−アミラーゼ、グル
コアミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素製剤が用いられ
る。
〔酒母〕
発酵に用いる酵母は、寒天傾斜倍地の保存状態から適
当な液体培地を経由し、酵母菌数を増加させる。例え
ば、清酒酒母の最後の段階では、モロミの約7%に当た
る米と米麺を用い、酵母の育成が図られる。
〔モロミ〕
炭素源とする原料、水及び無機塩類を温度管理の出来
るタンクに仕込、酒母の添加によって発酵を開始する。
清酒、焼酎製造においては、発酵の初発では炭素原料
の一部を仕込み、発酵にともない残りを追加する段仕込
が一般に行われている。清酒では、1段目(添え)、2
段目(仲)、3段目(留め)と呼ばれている。
モロミ品温は、清酒ではおよそ15℃を中心に10℃から
18℃で管理され、モロミ期間は、16日から25日程度で発
酵を終了させる。焼酎製造においては、品温は清酒より
やや高く、かつモロミ期間も短縮される。
モロミは発酵が順調に進むように適宜攪拌される。
〔上槽もしくは蒸留〕
酵母の発酵によって生成されたモロミ中のエタノール
をアルコール飲料の形態にするもので目的とする飲料に
よって種々の方法が取られる。
清酒では、モロミ発酵終了後、圧搾過などによって
酒槽と分離され原酒を得る。焼酎では、モロミは蒸留に
よってエタノールの濃縮された焼酎原酒を得る。
又、発酵調味料においても発酵はアルコール飲料と同様
に行い、発酵終了前にモロミに食塩、酢酸等を添加した
後、過する。
以下に実施例を示す。
実施例1(清酒の製造) 酵母として、F44及びK901を用いた。
仕込は第2表に示す配合で行った。
モロミの管理 添、踊り及び仲仕込までは、16℃。仲仕込から留まで
は、14℃。さらに留仕込以降は、13℃で出発し以降1日
ごとに1℃品温を上昇させ、最高温度は16℃までとし、
落ち泡開始以降は、反対に1日1℃ずつ10℃まで低下さ
せた。
醸造した清酒の成分の分析結果を第3表に示す。
表から明らかな如く、F44を用いることにより、K901
を用いる場合に比べて香りの高い清酒が得られた。
実施例2(発酵調味料の製造) 酵母として、F44及びK901を用いた。仕込は第4表に
示す配合で行った。
発酵管理 発酵温度は、終始20℃で行った。1次仕込後4日目に
2次仕込を行い、更に9日後に55gの食塩を添加した。
更に2日後、圧搾過によって不溶性成分を除去し、発
酵調味料を得た。
製造した発酵調味料の成分の分析結果を第5表に示
す。
表から明らかな如く、F44を用いることにより、K901
を用いる場合に比べて香りの高い発酵調味料が得られ
た。
実施例3(焼酎の製造) 酵母として、F44及びK901を用いた。
第6表に示す様に1次仕込では、麺米を用い、2次仕込
では、大麦(精白度75%)を用いた。
モロミの管理 モロミの品温は、終始20℃とした。1次仕込から6日
後に2次仕込、更に9日後に減圧蒸留を行った。
蒸留して得られた焼酎の香気成分の分析結果を第7表
に示す。
表から明らかな如く、F44を用いることにより、K901
を用いる場合に比べて香りの高い焼酎が得られた。
発明の効果 本発明方法により香りの高いアルコール飲料又は発酵
調味料を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 J.Gen.Microbiol., 91[2](1975)p.217−224 J.Brew.Soc.Japan, 74[3](1979)p.173−178 「清酒工業 光琳全書16」山田正一編 著、光琳書院、昭和41年発行 p.195 −196

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サッカロマイセス属に属し、フルオロフェ
    ニルアラニン耐性を有し、かつβ−フェニルエチルアル
    コール及びβ−フェニルエチル酢酸の生産能が向上した
    酵母を用いることを特徴とするアルコール飲料又は発酵
    調味料の製造法。
  2. 【請求項2】酵母が、さらにイソブチルアルコール及び
    イソアミルアルコールを生産する能力を有する酵母であ
    る請求項(1)記載の製造法。
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