JP2534243Y2 - 乗用田植機の予備苗供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、乗用車の後部に装備する予備苗台から植付
部の苗載台に予備苗を供給できるようにした乗用田植機
の予備苗供給装置に関する。

［従来の技術］ 従来は、実開昭57−117926号公報に見られるように、
後部に多段の予備苗台を装備する乗用車の後方にはトッ
プリンクおよびロワーリンクのリンク機構を介し植付部
を昇降自在に連結して構成する乗用田植機において、植
付部を上昇させて各予備苗台から植付部の苗載台にそれ
ぞれ予備苗を供給できるような構造になっていた。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、植付部はリンク機構を介して上昇させ
るので、苗載台の上端を多段の各予備苗台にそれぞれ同
様に最も接近させることができず、各予備苗台から苗載
台に予備苗を同様に良好に供給することができないで、
供給作業が不安定となって手間がかかる、といった不具
合を呈していた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのような不具合を解決し、有効に予備苗
を補給できるように工夫したものであり、そのため、ト
ップリンクとロワーリンクのいずれか一方はモータ駆動
の伸縮杆を介装し、植付部の苗載台の上端が各予備苗台
の後部に接近するとモータ停止用のスイッチを作動可能
に各スイッチを各予備苗台側に配備して構成したもので
ある。

［作用］ したがって、モータ駆動により一方のリンクを伸縮さ
せながら植付部を上昇させると、苗載台の上端が各予備
苗台の後部にそれぞれ同様に最も接近してモータを停止
させながら姿勢変更させることができることになり、各
予備苗台からは、接近した苗載台上へ予備苗を作用性良
く有効に供給できることになる。

［実施例］ 次に、図面に示す実施例について説明する。

第１図は一部を省略した乗用田植機の側面図を示し、
両前輪（８）、両後輪（９）、ハンドル（10）、シート
（11）などを配備した乗用車（Ａ）の後方には、苗載台
（６）、各植付爪（12）、各フロート（13）などを配備
した植付部（Ｂ）を、トップリンク（２）と両ロワーリ
ンク（３）からなるリンク機構を介して連結し、乗用車
（Ａ）側の油圧シリンダ（14）と、植付部（Ｂ）に連結
したリフトリンク（15）とを連動連結して植付部（Ｂ）
を昇降自在にするとともに、乗用車（Ａ）側から屈折伝
動軸（16）により植付部（Ｂ）側へ伝動できるようにし
て従来形構造に構成する。

前記トップリンク（２）には、ねじ杆（5a）と雌ねじ
杆（5b）とからなる伸縮杆（５）と、前記ねじ杆（5a）
を駆動する正逆転モータ（４）とを途中に介装するが、
トップリンク全体がモータ（４）と伸縮杆（５）からな
るように構成したり、あるいは、両ロワーリンク（３）
側にモータ（４）と伸縮杆（５）を介装して構成するこ
ともできる。

前記乗用車（Ａ）の後部となるリヤカバー（17）の上
方には、上下に３段にした各予備苗台（１）を配備する
が、予備苗（18）を載置できる各予備苗台（１）を後斜
状に斜設し、後端部が上下方向に揃うことになる各予備
苗台（１）のその後端部にはそれぞれシャッタ（19）を
開閉自在に取り付け、各予備苗台（１）の後部の横側方
には、前記苗載台（６）の上端が衝合して回動させられ
ると、上方に弾圧される前記シャッタ（19）を下方に押
し開くことができるカム体（20）をそれぞれ軸架し、各
カム体の上方には、苗載台（６）に上端に衝合して回動
させられる前記カム体（20）の上部に接触すると、作動
して前記モータ（４）を停止させることができるスイッ
チ（７）をそれぞれ装備して構成する。

なお、前記スイッチ（７）に前記苗載台（６）の上端
側が直接に当接するようにしたり、また、苗載台（６）
の上端が接触すると、予備苗台（１）が自動的に急傾斜
の状態となるように構成することもできる。

したがって、第１図に記すような植付作業時にはモー
タ（４）は停止したままとなり、また、第１図ないし第
３図に示すように、各予備苗台（１）には予備苗（18）
がそれぞれ載置されて、その予備苗（18）が落下しない
ようにシャッタ（19）はそれぞれ閉じられる状態となっ
ている。

苗載台（６）上に苗が残り少なくなって苗を補給する
場合には、油圧シリンダ（14）を作動して植付部（Ｂ）
を上昇させながら、モータ（４）を始動して伸縮杆
（５）を伸縮調整すると、第４図および第５図に示すよ
うに、苗載台（６）の上端が予備苗台（１）の後端側に
接近してカム体（20）を回動させることになり、そこ
で、シャッタ（19）が開かれるとともにスイッチ（７）
が作動して前記モータ（４）を停止させることになり、
予備苗台（１）の後端部に接近して苗載台（６）が止め
られる状態で、予備苗（18）は予備苗台（１）から予備
苗（６）へ、手をかけないで安定良くスムーズに、有効
に供給されることになる。

また、同様にモータ（４）を駆動させながら植付部
（Ｂ）を上昇させると、第１図に仮想線（イ）および
（ロ）で示すように、上方の予備苗台（１）の後端側に
苗載台（６）の上端を接近させることができることにな
って、前記同様に作動させながら予備苗（18）を苗載台
（６）へ有効に供給できることになる。

［考案の効果］ このように本考案は、植付部（Ｂ）の上昇時に、モー
タ（４）を始動して伸縮杆（５）により一方のリンクを
伸縮させると、乗用車（Ａ）後部に装備した各段の予備
苗台（１）の後端側に苗載台（６）の上端をそれぞれ最
も接近させて停止させることができることになり、予備
苗を各予備苗台（１）から苗載台（６）へ、手をかけな
いで作業性良く、しかも安定良く有効に供給できること
になって、乗用車（Ａ）後部の各予備苗台（１）からの
苗補給の作業性を一段と向上させることができることに
なり、簡単な構造にして好適に実施できる特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である乗用田植機の一部省略側
面図、第２図は第１図の一部を示し、第３図はその断面
図、第４図および第５図は第２図および第３図の作動説
明図をそれぞれ示す。 （１）…予備苗台、（Ａ）…乗用車 （２）…トップリンク、（３）…ロワーリンク （Ｂ）…植付部、（４）…モータ （５）…伸縮杆、（６）…苗載台 （７）…スイッチ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後部に多段の予備苗台（１）を装備する乗
   用車（Ａ）の後方にはトップリンク（２）およびロワー
   リンク（３）のリンク機構を介し植付部（Ｂ）を昇降自
   在に連結して構成する乗用田植機において、前記トップ
   リンク（２）とロワーリンク（３）のいずれか一方には
   モータ（４）駆動の伸縮杆（５）を介装し、前記植付部
   （Ｂ）の苗載台（６）の上端が各予備苗台（１）の後部
   に接近するとモータ停止用のスイッチ（７）を作動可能
   に各スイッチ（７）を各予備苗台（１）側に配備して構
   成したことを特徴とする予備苗供給装置。