JP2529996B2 - 木質骨組構造体 - Google Patents

木質骨組構造体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は木質骨組構造体に係り、木造建築物の柱や梁
などの構造体として利用できる。
〔従来の技術〕 従来より、鉄骨や鉄筋コンクリートの普及にも拘ら
ず、日本の気候風土や日本人の伝統的な感覚に適した木
造建築に対する需要は依然強いものがある。また、木造
建築の主体である木材は、加工が容易であり、軽いわり
に強度があり、木肌をそのまま内装に利用できる等の特
徴を有し、個人用住宅家屋などの中小規模建築物には最
適の構造材料である。このような背景に基づいて近年で
は、構造用木材についての研究が進められ、集成材や圧
縮材といった高機能木材や合成木質材料等が利用されて
いるほか、構法の面でも合理化あるいは高機能化に向け
ての研究が行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前述の集成材等を含めて、木材は圧縮や引
張り方向の応力による縮みや延びが小さいのに対し、剪
断方向の応力によって撓みや捩じれを生じやすい。この
ため、高荷重がかかる部分に沿って適宜補強部材を用い
て荷重を分散させ、あるいは当該部分に太い材料を用い
て強度を確保する必要がある。このような補強にあたっ
ては、構造体中の他の部材との連結にも配慮が必要であ
るほか、周囲の構造物との干渉を避ける必要があり、設
計上の制約が大きくなるうえ、構造体の重量が増すとい
った問題がある。
本発明の目的は、小型軽量で高強度の木質骨組構造体
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明においては、木質材料を用いて形成されかつ少
くとも一方の端面に接続用の段差が形成された基材と、
前記基材の両端の一方から他方に渡って当該基材の内部
に挿通されかつ端部が前記基材の端面から露出された補
強用線材とを有する構造用木材を用いて構成され、前記
基材の端面どうしが相互の前記段差が合うように密着固
定されているとともに、前記密着固定された各端面に露
出する前記補強用線材の端部どうしが連結部材で連結さ
れるようにして木質骨組構造体を形成する。
ここで、前記基材としては、通常の自然木を所定形状
に成形したもののほか、集成材等の木材を加工して得ら
れる木質材料が利用できる。その形状は、柱や梁として
利用される長尺のもののほか、幅広の板状のもの等が利
用できる。
また、前記線材としては、引張り、圧縮、曲げや捩じ
れ等の応力に対する特性の優れたものが好ましく、鉄な
どの金属材料、プラスチックなどの非金属系構造用材
料、あるいはガラス繊維やカーボン繊維等を用いたFRP
などの複合強化材料等を用いた棒材等が利用でき、ある
いは線材が受ける応力が専ら引張り方向のものならば中
間がワイヤ状のもの等が利用できる。
この線材は、例えば長尺の基材に対してはその長手方
向の両端部を結ぶように挿通させる等、基材に作用する
応力を効果的に緩和できるように形成することが好まし
く、基材にかかる応力の大きさおよびその分布等に応じ
て適宜一ないし複数を配置する。なお、基材を板状に形
成する場合、線材を格子状に形成してそれぞれ交叉する
方向の補強に利用してもよい。
また、基材内部における配置は、通常、線材を基材の
中心軸線の周囲に略均等に配置すればよく、専ら特定方
向の曲げ応力を受ける場合等には線材を基材の一側に偏
在させてもよい。
さらに、線材に予め張力や圧縮力をかけて基材を予圧
しておいてもよく、例えば基材が曲げ方向応力を受ける
場合など、引張り応力を生じる側の線材に張力をかけ、
当該側に圧縮方向の予圧を付与しておけば、前記曲げ応
力に対する基材の剛性を高めることができる。
前記線材を基材の内部に挿通させるにあたっては、基
材が短い場合など一方の端面から線材用通路を穿孔すれ
ばよいが、長い場合には基材の表面から溝を切って線材
を収容し、その上から基材と同質の材料などを充填すれ
ばよい。あるいは、基材に集成材を用いる場合など、線
材に対応した溝や切欠きを有する薄板を積層するなどし
て集成材の形成時に予め線材用通路を形成してもよい。
また、線材用通路においては、適宜所定間隔または連
続的に充填材や接着材を用いて線材を固定し、線材の振
動や横ぶれ等を規制してもよい。なお、線材にかかる応
力が専ら引張り方向である場合には線材の中間部を固定
する必要はないが、圧縮方向の応力がかかる場合には座
屈防止用として線材中間部の固定を行うことが望まし
い。
さらに、前記線材の両端は適宜な手段により基材の両
端部に固定すればよく、例えば、線材の両端に係合用座
金等をねじ止めして基材の両端部内に内蔵固定してもよ
く、線材に引張り荷重がかかる場合には端面から露出さ
せてねじ止め等すればよく、ねじの調節により前記予圧
の加減を行うことができる。
なお、構造用木材どうしを連結するにあたっては、基
材の端面を互いに密着固定するとともに、前記線材の端
部のねじを互いに連結することにより強固な結合が可能
であり、特に、端部のねじを互いに逆ねじとし、ターン
バックル等で連結すれば基材相互の端面間を圧接させる
ことができ、さらに強固な連結が可能である。また、基
材の端面の密着固定に接着剤を兼用しても連結を強固に
できる。
〔作用〕
このように構成された本発明においては、構造部材と
して配置された基材にかかる応力を補強用線材によって
緩和し、構造用木材としての強度を高めるとともに、基
材自体の負荷を軽減して基材の簡素化により構造用木材
としての小型軽量化を実現することが可能となる。さら
に、端面の段差により他部分への接続の際に長手方向と
交差する方向の荷重強度を高め、構造全体としての強度
を確保することが可能となる。これらにより構成される
高強度で小型軽量な構造用木材を、更に、端面どうしの
段差を合わせた状態での密着結合と、線材端部どうしの
連結部材を介しての連結とにより結合することで、木質
骨組構造体が構成される。特に、線材の連結により各基
材の端面どうしの接触面圧を高めることができ、各構造
用木材どうしの接合部分の強度も確保でき、これらによ
り木質骨組構造体を高強度かつ小型軽量とし、前記目的
を達成する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には、本発明で用いる構造用木材の基本的な構
成が示されている。図において、構造用木材1は、柱や
梁として利用できるように矩形断面を有する角柱状に形
成されたものであり、薄板状の木材を多数積層して形成
された基材2を有し、基材2の内部には長手方向の稜線
に沿って鋼鉄製の棒材からなる補強用線材3が設けられ
ている。この線材3は、基材2内に形成された線材用通
路4内を挿通され、その両先端3Aを各々基材2の端面2A
に形成された切欠き2B内に露出されているとともに、先
端3Aに切られたねじ部分に螺合されたナット3Bにより座
金3Cを介して基材2に係合され、これにより線材3は基
材2の両端部を結ぶように固定されている。さらに、基
材2の端面は図中上側が下側より突出され、これにより
当該端面を横断するように接続用の段差35が形成されて
いる。
構造用木材1の具体的な構成としては、以下の各例に
示すようなものが挙げられる。
すなわち、基材2は、種々の木質材料を利用して形成
することができ、基材2の内部に線材3を挿通するにあ
たっては次に示すような手段が利用できる。
第2図(A)に断面を示す構造用木材1は、基材2と
しての自然木を用いたものであり、線材3は基材2の表
面から刻まれた溝4Aの内部に収められ、その上から蓋材
4Bで覆うことにより基材2内に挿通されている。なお、
予め溝4Aを蓋材4Bで覆って線材用通路4を形成してお
き、端面2Aの開口等から線材3を挿入してもよい。
第2図(B)に示す構造用木材1は、自然木20Aの表
面に薄板20Bを積層した部分集成材を基材2としたもの
であり、所定の薄板20Cを分割しておき、この分割部分
の隙間により積層時に線材用通路4を形成し、線材3を
収容するものである。
第2図(C)に示す構造用木材1は、基材2として薄
板20Bを積層した集成材を用いるが、所定の薄板の対向
する表面に各々対応する溝4C,4Dを形成しておき、積層
時に溝4C,4Dにより線材用通路4を形成し、線材3を収
容するものである。なお、基材2全体が集成材の場合で
も、第2図(B)のような分割された薄板2Cにより線材
用通路4を形成してもよいが、積層する際の薄板2Cの各
片の位置決め等を考慮すると溝4C,4Dにより線材用通路
4を形成するほうが簡単である。
第2図(D)に示す構造用木材1は、基材2として細
い角材20Dを束ねて接着した集束材を用いたものであ
り、所定位置の角材20Dを省略して線材用通路4とし、
略同径の線材3を収容したものである。
なお、線材用通路4を形成する手段は実施にあたって
適宜選択してよく、例えば、集束材あるいは集成材から
なる基材2に第2図(A)のような溝4Aおよび蓋材4Bを
用いてもよいが、工程簡略化等のために前述の各例のよ
うに基材2の特性を活かした手段を採用することが好ま
しい。
また、線材3が線材用通路4に比べて細い場合等、所
定間隔あるいは全長に渡って連続的に、線材用通路4の
内壁と線材3との隙間にラバー等を介装したり、接着剤
を充填して線材3を固定することが好ましく、線材3が
圧縮方向の応力を受けた場合等の座屈防止、あるいは振
動等による騒音発生や疲労破壊等を未然に防止すること
ができる。
一方、線材3は、基材2に作用する応力を効果的に緩
和できるように構成することが好ましく、長尺の基材2
に対してはその長手方向に挿通させることが好ましく、
基材2の剪断方向断面内における線材3の配置として
は、以下の各例が利用できる。
構造用木材1を一般的な構造材として利用する際に
は、各方向からのランダムな荷重に対応する必要があ
り、第3図(A)〜(E)に示すように、線材3を基材
2の中心軸線の周囲に略均等に配置することが望まし
い。
このうち(A)は線材3を基材2の各角部に沿わせた
基本的な例であり、(B)は線材3を基材2の各側面に
沿わせて各側面に生じる応力を緩和する場合に好適な例
である。また、(C)は線材3を基材2の中心に一本だ
け配置し、簡単な構造により小梁や間柱等の補助構造材
等に好適な例であり、捩じれ応力の緩和には適さない
が、厚い木材被覆により火災の場合にも線材3の熱変形
等を防止でき、線材3として中空のパイプ材等を用いれ
ば基材2の曲げ剛性を高められる。さらに、(D)は多
数の細い線材3を基材2の側面に沿って配列し、(E)
は線材3を基材2の内部にも均等に分布させたものであ
り、荷重の分散効果が高く、引張りや圧縮の他、曲げや
捩じれに対しても高い剛性および強度を得ることができ
る。
構造用木材1にかかる荷重の方向が略一定の場合に
は、第3図(F)〜(G)に示すように、線材3を基材
2の中心に対し偏在させてもよい。例えば構造用木材1
を梁として利用した際など、(F)のように線材3を上
面および下面に沿って配置してもよく、(G)のように
線材3を基材2の下面のみに沿って配置したもよく、各
々下向き荷重による基材2の撓みを効果的に緩和するこ
とができる。なお、各々において、基材2の捩じれ等を
防止するために、線材3は荷重方向の中心軸線に対して
対称に配置することが望ましい。
ここで、第4図(A)に示すように、第3図(G)の
基材2が両端を支持されたうえ中間に下向き荷重がかけ
られる場合、基材2の下面に沿って配置された線材3
に、基材2を一点鎖線で示すように変形させるような張
力を予め付与しておくことにより、二点鎖線で示すよう
な前記荷重に伴う撓みを相殺し、前記下向き荷重に対す
る基材2の剛性を高めることができる。
この場合において、第4図(B)に示すように、線材
3を中間が下方に変位した湾曲形状としておくことによ
り、付与された張力により基材3の中間部分を上向きに
予圧しておくことができ、前記下向き荷重に対する基材
2の剛性をさらに高めることができる。
さらに、第4図(C)に示すように、第3図(F)の
基材2が両端を支持されたうえ中間に下向き荷重がかけ
られる場合、下側の線材3に張力をかけて基材2の下面
側に圧縮応力を与え、かつ上側の線材3に圧縮力をかけ
て基材2の上面に引張り応力を与えておくことによって
も同様な効果が得られる。
このように、線材3に張力や圧縮力を付与する場合、
第4図(D)に示すように、基材2の端面2Aに形成され
た切欠き2B、あるいは端面2A近傍の側面に形成された凹
部2C内において、線材3の先端3Aにナット3Bを螺合さ
せ、引張りや圧縮に適当な方向に配置された座金3Cを介
して基材2に圧接係合させればよい。
なお、線材3の材質としては、鋼鉄などの金属材料の
他、FRPを含むプラスチックなどの非金属系構造用材料
等が利用でき、引張り、圧縮、曲げや捩じれ等の応力に
対する特性の優れたものを適宜選択して利用できる。ま
た、線材3は棒材に限らず、第4図(A)および(B)
の線材3等、作用する応力が専ら引張り方向のものなら
ば中間がワイヤ状のもの等が利用できる。
第5図には、本発明に基づく木質骨組構造体である木
造建築用骨組構造5が示されており、この骨組構造5は
前記第1図の構造用木材1を構造部材である柱11、継手
21および梁31に適用したものである。
このうち、柱11は断面略正方形の基材12を有し、その
下端には周囲に段差が形成され、この段差を介して所定
の基礎に垂直固定するための脚部プレート14が取付けら
れている。この脚部プレート14は、柱11内の下端面12A
から突出する線材13の先端13Aに貫通されたうえ、ワッ
シャ13Dおよびナット13Eで締付け固定されるように構成
されている。また、柱11の側面の中間部には凹部15(い
わゆる「さね」)が形成され、これら凹部15には継手21
が嵌合固定されている。
この継手21は、縦長の長方形断面を有する基材22を用
いて形成された短尺のものであり、柱11から四方に向け
て水平配置されているとともに、それぞれ柱11を挟んで
反対側に配置されたものどうしが線材23を共通とされて
いる。すなわち、一方の基材22を挿通する線材23は柱11
を貫通して対向する基材22内まで延長され、両端23Aを
各々の基材22の柱11と反対側の端面22Aの切欠き22B内に
固定されている。従って、各々対向する継手21は線材23
の張力により柱11に押圧固定されている。ここで、線材
23が柱11を貫通する部分にはめり込み止めプレート24が
介装され、各継手21の必要以上のめり込み、および線材
23による柱11の損傷を防止可能である。
一方、継手21の柱11と反対側の端面22Aには、中間よ
り下側が突出した段差25が形成されており、この段差25
により梁31との確実な連結ができるように構成されてい
る。
この梁31は、継手21と同様な断面を有する長尺の基材
32を用いて形成され、両端面32Aにはそれぞれ上側が突
出した段差35が形成されており、段差25を有する継手21
の端面22Aと密着接続可能である。
これらの継手21および梁21を連結するにあたっては、
第6図に示すように、2本の柱11を各々の継手21が同一
直線上となるように設置しておき、これらの継手21の間
に上方から梁31を下降させて連結する。この連結にあた
っては、第7図(A)のように継手21の線材23の先端23
Aに長尺の六角ジョイントねじ26を螺合させておくとと
もに、端面22A,32Aに接着剤等を塗布しておき、第7図
(B)のように梁30を下降させて段差25,35を当接さ
せ、基材22,32を接着固定するとともに、切欠き22B,32B
の表面開口部からジョイントねじ26を回転させ、ジョイ
ントねじ26を梁31側へ移動させて対向する線材23にも螺
合させ、これにより線材23,33を連結する。こののち、
第7図(C)のように切欠き22B,32Bの表面開口部に樹
脂27等を充填し、ジョイントねじ26の固定を行うととも
に、当該開口部の封止を行う。
このように構成された木造建築用骨組構造5において
は、柱11、継手21および梁31として本発明の構造用木材
1を適用したため、基材12,22,32のもつ基本的な性質を
活かすとともに、内蔵した線材13,23,33により全体の強
度を高めることができる。
また、線材13,23,33により基材12,22,32にかかる荷重
負担を代替することができ、同じ強度でよいならば基材
12,22,32を細くする等して小型軽量化できる。
さらに、線材13,23,33を適宜変更することにより、基
材12,22,32の寸法、材質が定められている場合でも任意
の強度を得ることができ、設計の自由度を高めることが
できる。
一方、柱11と梁31とを連結するにあたっては、柱11に
取付けた継手21を介して行うとしたため、柱11の凹部15
に継手21を嵌合し、次いで梁31を載せればよく、柱11と
梁31とを直接連結する場合のように柱11および梁31を傾
けながら凹部15に嵌入するといった困難な作業を省略で
きる。
また、柱11と梁31との間に継手21を介したため、継手
21による寸法調整も可能であり、第8図に示すように、
梁31を架け渡す柱11の間隔が異なっても継手21に長さの
異なるものを用いることにより同一の梁31を用いること
ができ、部品の共通化および規格化が可能である。
さらに、継手21と梁31との連結部分においては、各々
の端面22A,32Aに露出された線材23,33を互いに連結した
ため、継手21と梁31との連結を強固にできるとともに、
線材23,33の連結はジョイントねじ26の操作により簡単
に行うことができる。
また、継手21および梁31の端面22A,32Aに段差25,35を
形成したため、これらの係合により梁31を仮支持すると
ともに、相互に連結する線材23,33の位置決めが容易に
でき、作業性を高めることができる。
さらに、柱11と継手21との連結部分においては、線材
23で対向する継手21および柱11を貫通させたため、継手
21にかかる荷重を柱11の凹部15のみならず、線材23およ
びめり込み止めプレート24を介して柱11の広い部分で受
けることができ、梁31から継手21を介して柱11に到る連
結部分の強度を高めることができる。
また、実際の建築作業にあたっては、柱11と継手21と
を工場等で予め連結しておき、建築現場では継手21と梁
31との連結作業のみ行えばよく、作業を簡略かつ迅速に
できるとともに、各々の連結部分が強固であるため、他
の補強等は特に必要なく、木質系プレハブ住宅の骨組構
造としても好適である。
なお、継手21および梁31の線材23,33を連結する際に
用いたジョイントねじ26は他の構造の連結部材であって
もよく、例えば、線材23,33の先端23A,33Aを逆ねじと
し、対応する逆ねじを有するターンバックル等を用いて
連結すれば、締付けに伴って端面22A,32A間の接触面圧
を高めてより強固な連結が可能である。
また、継手21および梁31を連結する際に用いた段差2
5,35は適宜省略してもよく、互いに平坦な端面22A,32A
を突き合わせてもよく、あるいは各々に凸条と凹条を形
成してより強固な噛み合い構造を形成してもよい。
さらに、対向する継手21の線材23を互いに共通とする
必要はなく、また各々の線材を柱11に貫通させる必要も
なく、柱11と継手21との連結は充分な強度が得られる範
囲内で適宜な手段により連結すればよい。
一方、柱11と梁31との連結にあたっては、必ずしも継
手21を使用する必要はなく、第9図(A)に示すよう
に、柱11の凹部15に梁31の端部を直接嵌合させてもよ
い。この場合、柱11と梁31とは基材12,32のみで連結さ
れることになるが、強度が必要な場合など、第9図
(B)のように、梁31の線材33を延長して柱11を貫通さ
せ、ナット33Bで締付け固定してもよい。
その他、木造建築用骨組構造5としての構成、配置、
あるいは柱11、継手21および梁31の材質、寸法、構造等
は前述のものに限らず、実施にあたって適宜変更すれば
よい。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明によれば、基材にかか
る応力を内蔵した線材で緩和するとともに、端面の段差
により接続部の強度を高めることにより、構造用木材を
小型軽量かつ高強度にすることができ、設計の自由度を
高め、かつ構造材としての適用範囲を広げることができ
る。そして、このような構造用木材を用いた木質骨組構
造体においては、線材を互いに連結することにより連結
部分の強度を高めることができ、プレハブ化に適した簡
単な構造とすることができる。なお、本発明について、
IPCを「E04C3/12,B27M3/00」としていわゆるパトリス検
索を行なったところ、本発明のような「構造用木材」は
見当たらず、当該分野における本発明の斬新性が明らか
になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の基本構成を示す斜視図、第2
図(A)〜(D)は各々前記実施例に利用される基材の
構成を示す断面図、第3図(A)〜(G)は各々前記実
施例に利用される線材の配置を示す概略図、第4図
(A)〜(D)は各々前記実施例に利用される線材の設
置状態を示す縦断面図、第5図は前記構造用木材を用い
た木造建築用骨組構造を示す分解斜視図、第6図は前記
骨組構造の設置手順を示す概略側面図、第7図(A)〜
(C)は各々前記骨組構造の要部の連結手順を示す断面
図、第8図は前記骨組構造の別の設置状態を示す概略側
面図、第9図(A)、(B)は各々前記骨組構造の要部
の連結構造を示す概略側面図である。 1,11,21,31……構造用木材および構造用木材である柱,
継手,梁、2,12,22,32……基材、3,13,23,33……補強用
線材、35……段差、4……線材用通路、5……木質骨組
構造体である木造建築用骨組構造。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質材料を用いて形成されかつ少くとも一
    方の端面に接続用の段差が形成された基材と、前記基材
    の両端の一方から他方に渡って当該基材の内部に挿通さ
    れかつ端部が前記基材の端面から露出された補強用線材
    とを有する構造用木材を用いて構成され、前記基材の端
    面どうしが相互の前記段差が合うように密着固定されて
    いるとともに、前記密着固定された各端面に露出する前
    記補強用線材の端部どうしが連結部材で連結されている
    ことを特徴とする木質骨組構造体。
JP63085733A 1988-04-06 1988-04-06 木質骨組構造体 Expired - Lifetime JP2529996B2 (ja)

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