JPH06229065A - 大スパン用の集成材梁 - Google Patents

大スパン用の集成材梁

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JPH06229065A
JPH06229065A JP3412493A JP3412493A JPH06229065A JP H06229065 A JPH06229065 A JP H06229065A JP 3412493 A JP3412493 A JP 3412493A JP 3412493 A JP3412493 A JP 3412493A JP H06229065 A JPH06229065 A JP H06229065A
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hole
steel rod
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JP3412493A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Kusunoki
楠  寿博
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Takenaka Komuten Co Ltd
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Takenaka Komuten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製作が容易で、緊張材を所望位置に配置して効
率的に補強した大スパン用の集成材梁を提供すること。 【構成】中央の梁部材11を矩形断面の長い素集成材で
構成し、梁部材11を下方に向け湾曲する選定曲線に沿
って二つの部材に分割し、二つの部材の一方または両方
の分割面の中央に凹溝を形成し、二つの部材をそれらの
分割面で接合して、前記凹溝により梁部材11に貫通孔
11aを形成し、中央の梁部材11の両側に前記素集成
材からなる梁部材12、13を配し、それらの対向面に
接着材を施して一体に接合して集成材梁10を形成し、
その貫通孔11aに緊張材15を通し、緊張材15に引
張力を導入し、緊張材の両端15aを支圧金物17、座
金17、ナット等で止めて緊張材15の引張状態を保持
し、三つの梁部材11、12、13からなる集成材梁1
0にプレストレスを導入する。 【効果】集成材梁の所定位置に緊張材を通すことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、大スパン用の集成材
梁、特に、プレストレスを導入した大スパン用の集成材
梁に関する。
【0002】
【従来の技術】集成材1は、木材を2.5〜5cm程度
の厚さに挽いてつくったラミナ2をその長手方向に平行
に揃えて積み重ね、且つそれらの周囲に接着剤を施し
て、一体に接合したものである。そして、集成材1とし
て、図15及び図16に示すように、多数のラミナ2の
うち中間部分の一枚又は2枚2a、2bのものに長さ方
向の凹溝2a1、2b1を形成し、該凹溝2a、2bに鞘
管3を嵌めて各ラミナ2、2a、2bを積層して一体に
接合し、鞘管3により貫通孔4を形成し、該貫通孔4に
PC鋼棒5を挿通し、PC鋼棒5の両端のねじ部に座金
6を嵌め、PC鋼棒5に引張力を導入し、PC鋼棒5の
ねじ部にナット7をねじ込んで、PC鋼棒5の引張状態
を保持し、多数のラミナ2、2a、2bからなる集成材
1にプレストレスを導入したものが提案(実開昭60ー
162612号公報参照)されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年の木構造建築の増
加に伴い、優れた性能を持つ集成材の需要が年を追って
増加している。この集成材を大空間建築に適用する例も
増えているが、特に、水平通直梁(アーチ等の曲線でな
く、真っ直でしかも水平に使う梁)として大スパン構造
を構築しようとした場合、曲げクリープ変形が大きくな
るため、スパンの大きさが限られてくる。断面を大きく
すれば解決することであるが、大変不経済であり、また
設計上も空間の無駄使いとなり、非常に不利である。上
記提案の集成材は、凹溝のないラミナ2と凹溝2a1
2b1のあるラミナ2a、2bとを積層し一体に接合し
て貫通孔4を形成するため、貫通孔4が集成材ラミナの
長手方向にしか形成できず、貫通孔4に挿通したPC鋼
棒5に引張力を導入して、集成材1にプレストレスを導
入しても、集成材1を効率良く補強することができない
欠点がある。この発明の解決しようとする課題は、上記
の集成材が具有する欠点を有しない大スパン用の集成材
梁を提供すること、換言すると、製作が容易で、緊張材
を所望位置に配置して効率的に補強した大スパン用の集
成材梁を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するための手段として、次の構成を採用する。この
発明の構成は、多数のラミナをその長手方向に平行に揃
えて積み重ね且つそれらの接合面に接着剤を施して一体
に接合して矩形断面の長い素集成材が形成され、三つの
梁部材がそれぞれ矩形断面の長い素集成材で構成され、
各梁部材のラミナが略水平になるように各梁部材が横方
向に並べられ、各梁部材の対向面に接着剤を施して一体
に接合した大スパン用の集成材梁において、三つの梁部
材のうちの中央に位置する中央梁部材を下方に向け湾曲
する選定曲線に沿って二つの部材に分割し、二つの部材
の一方または両方の分割面の中央に凹溝を形成し、二つ
の部材をそれらの分割面で接合することにより、前記凹
溝により中央梁部材に貫通孔が形成され、中央梁部材の
両側に矩形断面の長い素集成材からなる側梁部材を配し
且つそれらの対向面に接着剤を施して一体に接合して集
成材梁が形成され、集成材梁の中央梁部材の貫通孔に緊
張材が通され、該緊張材に引張力が導入され、緊張材の
両端が適宜の手段で止められて緊張材の引張状態が保持
され、三つの梁部材からなる集成材梁にプレストレスが
導入されていることを特徴とする大スパン用の集成材梁
にある。また、この発明の構成は、二つの梁部材がそれ
ぞれ前記の矩形断面の長い素集成材で構成され、各梁部
材のラミナが略水平になるように二つの梁部材が横方向
に並べられ、各梁部材の対向面に接着剤を施して一体に
接合した大スパン用の集成材梁において、二つの梁部材
の対向面の一方に下方に向け湾曲する選定曲線に沿って
凹溝が形成され、二つの梁部材をそれらの対向面に接着
剤を施して接合することにより、前記凹溝により貫通孔
が形成され、該貫通孔に緊張材が通され、該緊張材に引
張力が導入され、緊張材の両端が適宜の手段で止められ
て緊張材の引張状態が保持され、二つの梁部材からなる
集成材梁にプレストレスが導入されていることを特徴と
する大スパン用の集成材梁にある。
【0005】緊張材としては、PC鋼棒、PC鋼線、P
C鋼より線等を使う。この発明の好適な実施形態におい
ては、緊張材としてPC鋼棒を使い、PC鋼棒を集成材
梁の貫通孔に通し、集成材梁の両端面から突出したPC
鋼棒の端部に、集成材梁の幅よりも少々狭い支圧金物の
略中央の貫通孔を嵌め、PC鋼棒の端部を引っ張ってP
C鋼棒に引張力を導入し、支圧金物の内側面を集成材梁
の端面に密着させ、PC鋼棒の引張状態を支圧金物、止
め具(ナット)等により保持し、集成材梁にプレストレ
スを導入する。分割した二つの部材をそれらの分割面で
接合して緊張材を通す貫通孔のある中央梁部材を形成す
る場合、及び二つの梁部材をそれらの対向面に接着剤を
施して接合して緊張材を通す貫通孔のある集成材梁を形
成する場合には、必要に応じて、凹溝が接着剤で塞がら
ないように、外径が凹溝の径に略等しくその長さが凹溝
の長さと略等しい合成樹脂製又は金属製の鞘管を凹溝に
嵌めて接合する。なお、予め緊張材を挿入した鞘管を凹
溝内に嵌めるようにしてもよい。前記の下方に向け湾曲
する選定曲線は、集成材梁の上縁と下縁の応力が部材の
どの部分をとっても許容値になるような偏心距離(集成
材梁の断面の重心と緊張材までの距離)を選んで定め
る。素集成材からなる二つの梁部材を接合して集成材梁
を造る場合は、例えば、凹溝を形成する梁部材を凹溝を
形成しない梁部材より凹溝の径(深さ)の略2分の1だ
け幅広にし、緊張材を通す貫通孔の中心を集成材梁の断
面中心を通る垂直面上に位置させるようにする。
【0006】
【実施例】実施例1の集成材梁10は、図1及び図2に
示され、素集成材A1からなる中央梁部材11及び側梁
部材12、13を接合して構成されている。素集成材A
1としては、多数のラミナを長さの方向に平行に揃えて
積み重ね、ラミナの周囲に接着剤を施して一体に接合し
た矩形断面の長い集成材を使う。素集成材A1の断面の
矩形の短辺の長さ(すなわち、幅)wは集成材梁10の
梁幅Wの略3分の1であり、その矩形の長辺の長さ(す
なわち、成)hは集成材梁10の梁成Hと略同じであ
り、その長さL1は集成材梁10の梁長Lと略同じであ
る。集成材梁10の断面が最も経済的になるプレストレ
ス条件は、プレストレス導入時の又は載荷時の集成材梁
10の上縁及び下縁の応力がすべてそれぞれの許容値に
等しくなることである。設計時の断面形状及び寸法が決
定されれば、必要なプレストレス力Pが求められ、最も
経済的な設計のための偏心距離e(集成材梁の断面の重
心と緊張材までの距離)が決定できる。一般に、プレス
トレスされる集成材梁10は、どの断面においてもプレ
ストレス力Pの大きさが同じであるようにするので、任
意断面において決定しなければならない未知数は、偏心
距離eのみである。プレストレスされる集成材梁10
は、それ自体の自重及び自重以外の長期荷重(鉛直荷
重)を受けるため、集成材梁10の上縁と下縁の応力
が、部材のどの部分をとっても許容値に等しくなるよう
にするには、偏心距離eを適当に変化させる必要があ
る。偏心距離eの決定式は次の(1)式ないし(4)式であ
る。
【数1】 なお、Mdx:自重による曲げモーメント(kg・cm)、Mi
x:自重以外の長期荷重による曲げモーメント(kg・cm)、
ex:偏心距離(cm)、η:プレストレス有効率、P:プ
レストレス力、Aa:集成材梁の断面積(cm2)、Ia:集
成材梁の断面重心軸に対する断面二次モーメント、
1:集成材梁の断面重心軸から上縁までの距離(cm)、
2:集成材梁の断面重心軸から下縁までの距離(cm)、
fc:集成材梁の長期設計荷重時の許容圧縮応力度、f
c':集成材梁のプレストレス導入時の許容圧縮応力度、
ft:集成材梁の長期設計荷重時の許容引張応力度、f
t':集成材梁のプレストレス導入時の許容引張応力度で
ある。(1)式ないし(4)式の関係を図示すると、図9ない
し図11になる。図9はラーメン構造の集成材梁に生じ
る曲げモーメンの分布を示し、図10は偏心距離eの範
囲を示し、この範囲を緊張材の配置範囲といい、この範
囲内でeを適切に選ぶ。通常、偏心距離eとして、図1
0及び図11に示すように、上限値と下限値の平均値を
選定する。
【0007】素集成材A1からなる中央梁部材11の両
側面に図3に示す曲線14を描く。曲線14は集成材梁
10の図11に示す選定した偏心距離eにより決定され
る選定曲線である。中央梁部材11を線14に沿って二
つに分割して、二つの部材11A、11Bを形成する。
図4に示すように、一方の部材11Aの分割面11Aa
の中央の部分に長手方向に延びる半円形状の凹溝11A
1を形成する。また、他方の部材11Bの分割面11
Baの中央の部分に長手方向に延びる半円形状の凹溝1
1Ba1を形成する。例えば、図5及び図6に示すよう
に、凹溝11Aa1内に外径が凹溝11Aa1、11Ba
1の半円の直径に略等しくその長さが前記溝の長さと略
等しい合成樹脂製又は金属製の鞘管Sを嵌め、且つ二つ
の部材11A、11Bの分割面11Aa、11Baに接
着剤を施し、二つの部材11A、11Bを重ねる。そし
て、二つの部材11A、11Bを適宜の加圧手段で加圧
して接合し、一体の中央梁部材11とする。この中央梁
部材11には、その所定位置に鞘管Sの中心孔からなる
貫通孔11aが形成される。または、図7に示すよう
に、一方の部材11Aの分割面11Aaの中央の部分に
長手方向に延びるU字形の凹溝11Aa1を形成する。
そして、図8に示すように、凹溝11Aa1内に鞘管S
を嵌め、且つ二つの部材11A、11Bの切断面11A
a、11Baに接着剤を施し、二つの部材11A、11
Bを適宜の加圧手段で加圧して接合して中央梁部材11
とし、中央梁部材11の所定位置に鞘管Sの中心孔から
なる貫通孔11aを形成する。貫通孔11aのある中央
梁部材11の両側に、素集成材A1からなる側梁部材1
2、13を配し、それらの各ラミナが略水平になるよう
に横方向に並べ、且つそれらの部材11、12、13の
対向面に接着剤を施し、それらの部材11、12、13
を適宜の加圧手段で加圧して一体に接合して、集成梁素
体を形成する。そして、その集成梁素体の少なくとも端
面10aを面一に加工して集成材梁10を形成する。
【0008】次に、集成材梁10の貫通孔11aに端部
15aに雄ねじ部のあるPC鋼棒15を通し、PC鋼棒
15の端部15aを集成材梁10の両端面10aから突
出させる。矩形の短辺の長さ(幅)bが集成材梁10の
幅Wよりも少々狭い矩形の鋼板を直角に曲げて支圧金物
16を形成する。支圧金物16の中心の貫通孔をPC鋼
棒15の端部15aに嵌め、且つ端部15aに座金17
を嵌め、その端部の雄ねじ部にナット18をねじ込む。
次に、PC鋼棒15の両端15aをジャッキで掴んで引
っ張り、PC鋼棒15に引張力を導入し、ナット18を
ねじ込んで、支圧金物16の内側面を集成材梁10の端
面10aに密着させ、PC鋼棒15の引張状態を支圧金
物16、ナット18等で保持する。すると、集成材梁1
0を構成する各部材11、12、13にプレストレス
(圧縮応力)が導入される。実施例1の集成材梁10
は、素集成材A1からなる三つの梁部材11、12、1
3をそれらの各ラミナが略水平になるように横方向に並
べ、各梁部材の対向面に接着剤を施して一体に接合して
形成するから、大きな断面の大スパン用の集成材梁を容
易に製作することができる。また、三つの梁部材のうち
の中央に位置する中央梁部材11を下方に向け湾曲する
曲線に沿う形で分割して二つの部材11A、11Bを形
成し、二つの部材11A、11Bの一方または両方の分
割面の中央に凹溝11Aa1、11Ba1を形成し、二つ
の部材をその分割面11Aa、11Baで再接合し、凹
溝11Aa1、11Ba1により中央梁部材に貫通孔11
aを形成し、中央梁部材11の両側に素集成材A1から
なる側梁部材12、13を配して一体に接合して集成材
梁10を形成するから、集成材梁10の貫通孔11aを
所定位置に容易に形成することができる。さらに、中央
梁部材11の貫通孔11aにPC鋼棒15を通し、その
端部15aに支圧金物16の孔を嵌め、その雄ねじ部に
ナット18をねじ込み、PC鋼棒15に引張力を導入し
て、前記ナット18を締め付け、支圧金物16の内側面
を集成材梁10の端面10aに密着させ、PC鋼棒15
の引張状態を支圧金物16、ナット18等で保持するか
ら、三つの梁部材11、12、13からなる集成材梁1
0にプレストレスを容易に導入することができる。
【0009】実施例2の集成材梁20は、図12ないし
図14に示され、素集成材A2からなる二つの梁部材2
1、22を接合して構成されている。素集成材A2とし
ては、実施例1と同様に多数のラミナを長手方向に平行
に揃えて積み重ね、ラミナの周囲に接着剤を施して一体
に接合した矩形断面の長い集成材を使う。梁部材21に
使う素集成材A2の断面の矩形の短辺の長さ(すなわ
ち、幅)w1を集成材梁20の梁幅Wの2分の1より少
々大きくし、梁部材22に使う素集成材A2の断面の矩
形の短辺の長さ(すなわち、幅)w2を集成材梁20の
梁幅Wの2分の1より少々小さくする。各梁部材21、
22の矩形の長辺の長さ(すなわち、成)hは集成材梁
20の成Hと略同じにし、その長さL1も集成材梁20
の梁長Lと略同じにする。一方の部材21を対向面21
aに、図3に示す曲線14と略同様の曲線に描き、この
曲線に沿ってU字形の凹溝21a1を形成し、この凹溝
21a1は鞘体S又はPC鋼棒を収容できる大きさにす
る。凹溝21a1内に実施例1と同様の鞘管Sを嵌め、
且つ二つの梁部材21、22の対向面21a、22aに
接着剤を施し、二つの部材21、22を重ね、適宜の加
圧手段で加圧して一体に接合して集成材梁素体を形成
し、鞘管Sの中心が集成材梁20の断面中心を通る垂直
面上に位置するようにする。それから、集成材梁素体の
少なくとも端面20a1を面一に加工して集成材梁20
とする。鞘管Sの中心孔により貫通孔23が形成され
る。
【0010】次に、集成材梁20の貫通孔23に実施例
1と同様にPC鋼棒15を通し、その端部15aに、支
圧金物16及び座金17を嵌め、その雄ねじ部にナット
18をねじ込み、PC鋼棒15に引張力を導入し、ナッ
ト18をねじ込んで、PC鋼棒15の引張状態を支圧金
物16、ナット18等で保持する。そして、集成材梁2
0を構成する各部材21、22にプレストレス(圧縮応
力)を導入する。実施例2の集成材梁20は、素集成材
A2からなる二つの梁部材21、22をそれらの各ラミ
ナが略水平になるように横方向に並べ、各部材の対向面
に接着剤を施して一体に接合して形成するから、大きな
断面の大スパン用の集成材梁を容易に製作することがで
きる。また、二つの梁部材21、22のうちの一方の梁
部材21の対向面21aに、下方に向け湾曲する曲線に
沿った凹溝21a1を形成し、二つの梁部材21、22
をそれらの対向面21a、22aで接合し、凹溝21A
1及び鞘管SによりPC鋼棒を通す貫通孔23を形成
するから、集成材梁20の所定位置に貫通孔23を容易
に形成することができる。さらに、集成材梁20の貫通
孔23にPC鋼棒15を通し、実施例1と同様にPC鋼
棒15に導入した引張力を支圧金物16、ナット18等
により保持するから、二つの梁部材21、22からなる
集成材梁20にプレストレスを容易に導入することがで
きる。
【0011】
【発明の作用効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に
記載した構成を備えることにより、次の(イ)ないし
(ハ)の作用効果を奏する。 (イ)請求項1記載の集成材梁は、三つの梁部材を矩形
断面の長い素集成材で構成し、各梁部材をそれらのラミ
ナが略水平になるように横方向に並べ、各部材の対向面
に接着剤を施して一体に接合するから、大きな断面の大
スパン用の集成材梁を容易に製作することができる。ま
た、三つの梁部材のうちの中央に位置する中央梁部材を
下方に向け湾曲する選定曲線に沿う形で分割して二つの
部材を形成し、二つの部材の一方または両方の分割面の
中央に凹溝を形成し、二つの部材をその分割面で接合し
て、前記凹溝により中央梁部材に貫通孔を形成し、中央
梁部材の両側に矩形断面の長い素集成材からなる側梁部
材を配して一体に接合して集成材梁を形成するから、集
成材梁の所定位置に緊張材を通す貫通孔を容易に形成す
ることができ、従来のものよりも経済的な断面設計が可
能となる。さらに、中央梁部材の貫通孔に緊張材を通
し、その端部に引っ張って緊張材に引張力を導入し、緊
張材の両端を適宜の手段で止めて緊張材の引張状態を保
持し、三つの梁部材からなる集成材梁にプレストレスを
導入するから、プレストレスの導入作業が容易になる。 (ロ)請求項2記載の集成材梁は、請求項1記載の集成
材と同様の理由により、大きな断面の大スパン用の集成
材梁を容易に製作することができる。また、二つの梁部
材のうちの一方の梁部材の対向面に、下方に向け湾曲す
る選定曲線に沿って凹溝を形成し、二つの梁部材をそれ
らの対向面で接合して、前記凹溝により貫通孔を形成す
るから、集成材梁の所定位置に緊張材を通す貫通孔を容
易に形成することができる。さらに、請求項1記載の集
成材と同様の理由により、集成材梁へのプレストレスの
導入作業が容易になる。 (ハ)請求項3記載のようにすると、緊張材の挿入、引
張力の導入、引張状態の保持、集成材梁の各梁部材への
プレストレスの導入等の操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の集成材梁の正面図
【図2】実施例1の集成材梁の側面図
【図3】実施例1の集成材梁の素集成材の半分に描いた
分割線を示す正面図
【図4】実施例1の素集成材を分割して造った二つの部
材を図6のAーA線と同じ線で断面した側面図
【図5】図6に示すものをそのAーA線で断面し矢印方
向に見た側面図
【図6】実施例1の二つの部材を接合して造った中央梁
部材の半分を示す正面図
【図7】実施例1の素集成材を分割して造った二つの部
材の他の形態のものを図6のAーA線と同じ線で断面し
矢印方向に見た側面図
【図8】図7の二つの部材を接合して造った中央梁部材
の図6のAーA線と同じ線で断面し矢印方向に見た側面
【図9】実施例1の集成材梁に作用するモーメント等を
示す図
【図10】実施例1の集成材梁の緊張材の偏心距離の範
囲を示す図
【図11】実施例1の集成材梁の選定した緊張材の偏心
距離を示す図
【図12】実施例2の集成材梁の側面図
【図13】実施例2の凹溝を形成した集成材梁の一方の
素集成材を図6のAーA線と略同じ線で断面した側面図
【図14】実施例2の集成材梁の素集成材の半分の凹溝
を示す正面図
【図15】従来の集成材からなる梁の作り方を示す斜視
【図16】従来の集成材からなる梁をその要部を断面し
て示した正面図
【符号の説明】
10 集成材梁 10a 端面 11 中央梁部材 11A、11B 部材 11Aa、11Ba 分割面 11Aa1、11Ba1 凹溝 11a 貫通孔 12、13 側梁部材 14 曲線 15 PC鋼棒 16 支圧金物 17 座金 18 ナット 20 集成材梁 21 梁部材 21a 対向面 21a1 凹溝 22 梁部材 23 貫通孔 H 梁成 L 梁長 S 鞘管 W 梁幅

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数のラミナをその長手方向に平行に揃え
    て積み重ね且つそれらの接合面に接着剤を施して一体に
    接合して矩形断面の長い素集成材が形成され、三つの梁
    部材がそれぞれ矩形断面の長い素集成材で構成され、各
    梁部材のラミナが略水平になるように各梁部材が横方向
    に並べられ、各梁部材の対向面に接着剤を施して一体に
    接合した大スパン用の集成材梁において、三つの梁部材
    のうちの中央に位置する中央梁部材を下方に向け湾曲す
    る選定曲線に沿って二つの部材に分割し、二つの部材の
    一方または両方の分割面の中央に凹溝を形成し、二つの
    部材をそれらの分割面で接合することにより、前記凹溝
    により中央梁部材に貫通孔が形成され、中央梁部材の両
    側に矩形断面の長い素集成材からなる側梁部材を配し且
    つそれらの対向面に接着剤を施して一体に接合して集成
    材梁が形成され、集成材梁の中央梁部材の貫通孔に緊張
    材が通され、該緊張材に引張力が導入され、緊張材の両
    端が適宜の手段で止められて緊張材の引張状態が保持さ
    れ、三つの梁部材からなる集成材梁にプレストレスが導
    入されていることを特徴とする大スパン用の集成材梁。
  2. 【請求項2】多数のラミナをその長手方向に平行に揃え
    て積み重ね且つそれらの接合面に接着剤を施して一体に
    接合して矩形断面の長い素集成材が形成され、二つの梁
    部材がそれぞれ矩形断面の長い素集成材で構成され、各
    梁部材のラミナが略水平になるように二つの梁部材が横
    方向に並べられ、各梁部材の対向面に接着剤を施して一
    体に接合した大スパン用の集成材梁において、二つの梁
    部材の対向面の一方に下方に向け湾曲する選定曲線に沿
    って凹溝が形成され、二つの梁部材をそれらの対向面に
    接着剤を施して接合することにより、前記凹溝により貫
    通孔が形成され、該貫通孔に緊張材が通され、該緊張材
    に引張力が導入され、緊張材の両端が適宜の手段で止め
    られて緊張材の引張状態が保持され、二つの梁部材から
    なる集成材梁にプレストレスが導入されていることを特
    徴とする大スパン用の集成材梁。
  3. 【請求項3】緊張材としてPC鋼棒が使われ、PC鋼棒
    が集成材梁の貫通孔に通され、集成材梁の両端面から突
    出したPC鋼棒の端部に、集成材梁の幅よりも少々狭い
    支圧金物の略中央の貫通孔が嵌められ、PC鋼棒の端部
    を引っ張ってPC鋼棒に引張力が導入され、支圧金物の
    内側面が集成材梁の端面に密着され、PC鋼棒の引張状
    態が支圧金物、止め具等により保持され、集成材梁にプ
    レストレスが導入されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の大スパン用の集成材梁。
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