JP2528251Y2 - クローラベルト式車両の操向装置 - Google Patents

クローラベルト式車両の操向装置

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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、市販の自動車にクローラベルト式走行装置
を取り付けて、クローラベルトによって走行するように
したクローラベルト式車両に関するもので、特に、方向
変換のために左右のクローラベルトを選択的に停止させ
るようにした操向装置に関するものである。
(従来の技術) 急傾斜の雪道などは、一般に市販されている自動車で
は走行することができない。そこで、市販の自動車にク
ローラベルト式走行装置を取り付けて、雪道等の不整地
走破性を高めるようにすることが考えられている。その
クローラベルト式走行装置は、フレームの左右両側にそ
れぞれクローラベルトを取り付けたもので、自動車はそ
のフレーム上に搭載されるようになっている。そして、
その自動車から取り出される動力によってクローラベル
トが駆動されるようになっている。
そのように、搭載される自動車によってクローラベル
トが駆動されるようにする場合、従来は、例えば実公平
1-11545号公報に示されているように、自動車の駆動車
輪に摩擦接触して回転駆動される回転ドラムを設け、そ
の回転ドラムの回転を、クローラベルトを駆動する駆動
スプロケット等の駆動輪に伝えるようにしていた。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、そのように駆動車輪と回転ドラムとの
摩擦接触によって動力を取り出すものでは、負荷が大き
くなると車輪と回転ドラムとの間に滑りが生じて車輪が
空転するので、クローラベルトに伝えられる駆動力が限
られる。そのために、搭載される自動車の全出力を有効
に利用することができないという問題がある。しかも、
自動車は、その駆動車輪が回転ドラムに強く圧接される
ようにしてフレームに固定されなければならないので、
その固定のために特別な機構が必要となる。
また、スペースの関係等から回転ドラムは自動車の車
輪よりも小径のものとされるので、その回転ドラムは車
輪より増速されることになる。一方、クローラベルトに
は速度よりもトルクが求められるので、クローラベルト
の駆動輪は自動車の車輪よりも減速される。したがっ
て、一旦増速されたものを減速することになり、減速比
の極めて大きい動力伝達機構を用いることが必要となる
とともに、その動力伝達効率が低下する。
本考案者は、搭載された自動車の駆動車軸の回転を直
接取り出すようにすることによってこのような問題が解
消されることを見いだした。そのためには、自動車の駆
動車輪を取り外し、その車輪の代わりに、クローラベル
ト式走行装置側に設けられた動力取り出し部材を取り付
けるようにすればよい。そのようにすれば、搭載された
車両本体の駆動車軸の回転が動力取り出し部材に直接伝
えられるので、車両本体の動力装置の出力が完全にクロ
ーラベルト側に伝えられるようになる。また、車両本体
は、その動力取り出し部材を介してフレームに支持され
るようになるので、特別の固定手段は不要となる。更
に、取り出された動力をクローラベルトの駆動輪に伝え
る動力伝達機構においては単に減速されればよいことに
なるので、その機構が単純化されるとともに、動力伝達
効率も向上する。そのほか、車輪を取り除くことによっ
て車両の重心が下がり、安定性が増すという効果も得ら
れる。
ところで、このようなクローラベルト式車両において
は、一方のクローラベルトを駆動しながら他方のクロー
ラベルトを停止させることによって方向変換が行われ
る。そのために、車両本体から取り出された動力を左右
のクローラベルトの駆動輪に伝える左右の動力伝達機構
には、それぞれ操向用のブレーキ装置が設けられる。そ
の場合、そのブレーキ装置の容量を小さくするために、
その動力伝達機構には、クローラベルトの駆動輪への動
力伝達を遮断する操向用クラッチ装置が設けられること
が多い。その場合には、ブレーキ装置はクラッチ装置よ
りも下流側、すなわちクローラベルト側に設けられる。
しかしながら、上述のように搭載された車両本体の駆
動車軸から直接動力を取り出すようにした場合には、動
力伝達機構の下流側ほど減速されるので、ブレーキ装置
を動力伝達機構の下流側に設けると、そのブレーキ装置
に大きなブレーキトルクが求められることになる。その
ために、ブレーキ装置として容量の大きい大形のものを
用いることが必要となり、重量が増大するばかりでな
く、そのレイアウト等が制約されるという問題がある。
本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、搭載された車両本体の駆動出力がク
ローラベルトに完全に伝えられるようにしながら、操向
用ブレーキ装置としてブレーキ容量の小さい小形のもの
を用いることができるようにすることである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本考案では、左右両側に
設けられたクローラベルトによって支持されるフレーム
に、そのフレーム上に搭載される車両本体の駆動車軸に
連結される動力取り出し部材を設けるとともに、その動
力取り出し部材から左右のクローラベルトの駆動輪に動
力を伝える左右の動力伝達機構に、それぞれその動力伝
達機構から枝分かれする増速機構を介して回転体を接続
し、その回転体の回転を操向用ブレーキ装置によって停
止させるようにしている。
(作用) このように構成することにより、車両本体の動力はフ
レーム側の動力取り出し部材に伝えられ、その動力取り
出し部材から動力伝達機構を介して減速されてクローラ
ベルトの駆動輪に伝えられる。したがって、車両本体の
駆動力によってクローラベルトが駆動される。
方向変換するときには、左右いずれかの回転体の回転
が操向用ブレーキ装置によって停止される。それによっ
て、その回転体が接続されている動力伝達機構が制動さ
れ、左右いずれかのクローラベルトが停止して、車両が
その方向に操向される。その場合、回転体は増速機構に
よって増速されているので、その回転を停止させるため
のブレーキトルクは小さくてよい。したがって、その操
向用ブレーキ装置は小形のものとすることができる。
(実施例) 以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。
図は本考案によるクローラベルト式車両の操向装置の
一実施例を示すもので、第1図はその操向装置を備えた
クローラベルト式車両の側面図であり、第2図はその車
両に用いられているクローラベルト式走行装置の要部を
示す平面図である。また、第3図はその車両本体の駆動
車軸から動力を取り出す動力取り出し部分の縦断正面図
であり、第4図は取り出された動力をクローラベルトの
駆動輪に伝達する動力伝達機構の横断平面図である。
第1図に示されているように、このクローラベルト式
車両1は、車両本体2とクローラベルト式走行装置3と
によって構成されている。車両本体2は市販の後輪駆動
四輪車両から車輪を取り外したもので、クローラベルト
式走行装置3によって支持されるようになっている。
第1,2図から明らかなように、クローラベルト式走行
装置3は、左右両側において前後方向に延びるサイドメ
ンバ4,4とそのサイドメンバ4,4間を連結する左右方向の
クロスビーム5,5,…とからなるフレーム6を備えてい
る。サイドメンバ4の前端には従動輪をなす従動スプロ
ケット7が回転自在に支持されており、後端には駆動輪
をなす駆動スプロケット8がギヤボックス9を介して回
転可能に設けられている。また、サイドメンバ4の下方
には転輪10,10が設けられ、上方には案内輪11,11,…が
設けられている。そして、これらの従動スプロケット
7、駆動スプロケット8、転輪10、及び案内輪11にクロ
ーラベルト12が掛け渡されている。
こうして、フレーム6は、左右両側に設けられたクロ
ーラベルト12,12によって支持されるようになってい
る。
前部のクロスビーム5上には、左右の両側部に、車両
本体2の操舵ハンドルを操作することによって転舵され
る前輪の取付部であるディスクブレーキのロータ13、す
なわち車両本体2の操向部、を支持する操向部支持機構
14が設けられている。その操向部支持機構14は、ブレー
キロータ13が固着される固着部材15をターンテーブル16
によってフレーム6に回転自在に支持するようにしたも
ので、そのターンテーブル16の回転軸線は前輪のキング
ピン軸線に一致するようにされている。固着部材15とタ
ーンテーブル16との間には弾性体が設けられており、そ
の弾性体より上方の固着部材15に操向用ケーブル17が連
結されている。
また、後部のクロスビーム5上には、左右の両側部
に、車両本体2の動力装置により駆動車軸18を介して回
転駆動される後輪の取付部であるブレーキドラム19、す
なわち車両本体2の駆動部、を支持する駆動部支持機構
20が設けられている。第3図に示されているように、こ
の駆動部支持機構20は、クロスビーム5に固定支持され
た有底円筒状の支持部材21に有底円筒状の動力取り出し
部材22を向かい合わせて嵌合したもので、その支持部材
21と動力取り出し部材22との間にはニードルベアリング
23が設けられ、動力取り出し部材22が回転自在に支持さ
れるようになっている。そして、その動力取り出し部材
22に、ブレーキドラム19のハブボルト24に締結されるナ
ット25によってブレーキドラム19が固着されるようにな
っている。
こうして、操向部支持機構14により、車両本体2の操
舵ハンドルを操作したとき固着部材15が回転し、その回
転が操向用ケーブル17に伝えられるようになっている。
また、駆動部支持機構20により、車両本体2の駆動車軸
18の回転が直接動力取り出し部材22に伝えられるように
なっている。そして、これら操向部支持機構14と駆動部
支持機構20とによって車両本体2がフレーム6上に搭載
支持されるようになっている。
動力取り出し部材22には、支持部材21を貫通して突出
する駆動軸26が取り付けられており、その駆動軸26の先
端に小径の駆動プーリ27が固着されている。一方、フレ
ーム6の後端部に設けられるギヤボックス9には、第2
図に示されているように内方に向かって突出する回転軸
28が回転自在に支持されている。そして、その回転軸28
に大径の被動プーリ29が固着され、その被動プーリ29と
駆動プーリ27との間に歯付きベルト30が巻き掛けられて
いる。
左右に設けられる回転軸28,28は、スプライン結合さ
れる連結軸31によって互いに相対回転不能に連結され、
ともに同一回転するようにされている。
第4図に示されているように、ギヤボックス9の内部
には、ヘリカル型の第1歯車32、第2歯車33、及び第3
歯車34が順に噛み合うようにして設けられている。第1
歯車32は小径、第2歯車33は大径のものとされ、その間
で減速されるようになっている。また、第3歯車34は第
2歯車33と同径とされ、その間では回転方向が反対とな
るようにのみされている。そして、第3歯車34に、クロ
ーラベルト駆動スプロケット8のスプロケット軸35が固
着されている。
回転軸28は第1歯車32を相対回転可能に貫通して反対
側に延び、操向用クラッチ装置36の駆動側に連結されて
いる。第1歯車32は、そのクラッチ装置36の被動側と一
体的に回転するようにされている。そして、そのクラッ
チ装置36は、シフトフォーク37の揺動によって接続ある
いは遮断されるようになっている。そのシフトフォーク
37は、第2図に示されているクラッチ操作ケーブル38に
よって揺動されるようになっている。
このようにして、車両本体2の駆動車軸18の回転は、
駆動プーリ27、被動プーリ29、歯付きベルト30、及び第
1ないし第3歯車32〜34からなる動力伝達機構39を介し
て駆動スプロケット8に伝えられるようになっている。
そして、その間において駆動プーリ27と被動プーリ29と
により1段減速され、第1歯車32と第2歯車33とにより
更に減速されるようになっている。しかも、駆動車軸18
と駆動スプロケット8とが同一方向に回転するようにさ
れている。また、クラッチ装置36によってその動力伝達
が遮断可能とされている。
スプロケット軸35は第3歯車34とは反対側にも延び、
その先端に大径の歯車40が固着されている。その歯車40
には小径の歯車41が噛み合わされている。こうして、こ
れら大径の歯車40と小径の歯車41とによって、駆動車軸
18の回転を駆動スプロケット8に伝える動力伝達機構39
から枝分かれする増速機構42が形成されている。
この増速機構42のギヤケース43の外側面には操向用ブ
レーキ装置44が取り付けられている。このブレーキ装置
44は、通常のものと同様に回転体45の回転をブレーキシ
ュー等の摩擦力によって停止させるようにしたもので、
その回転体45は増速機構42の小径の歯車41と一体的に回
転するようにされている。したがって、その回転体45は
駆動スプロケット8よりもはるかに大きな速度で回転す
るようになっている。
このブレーキ装置44は、その外側面に設けられたブレ
ーキアームをブレーキ操作ケーブル46によって揺動させ
ることにより、その作動あるいは解除が行われるように
なっている。
第2図に示されているように、クラッチ操作ケーブル
38及びブレーキ操作ケーブル46は、基端が中央部のクロ
スビーム5に回動自在に支持された揺動レバー47に連結
されている。その場合、クラッチ操作ケーブル38はブレ
ーキ操作ケーブル46よりも揺動レバー47の先端側に連結
され、揺動レバー47の揺動時、クラッチ操作ケーブル38
の方が先に引かれるようにされている。また、その揺動
レバー47には、そのクラッチ操作ケーブル38及びブレー
キ操作ケーブル46によって操作されるクラッチ装置36及
びブレーキ装置44が位置する側とは反対側の操向部支持
機構14、すなわち左側の動力伝達機構39の場合には右側
の操向部支持機構14から延びる操向用ケーブル17が連結
されている。
次に、このように構成されたクローラベルト式車両1
の作用について説明する。
市販の自動車をこのクローラベルト式車両1に改造す
るときには、自動車の前輪を取り外して、そのブレーキ
ロータ13をクローラベルト式走行装置3に設けられた操
向部支持機構14の固着部材15に固着する。また、後輪を
取り外して、そのブレーキドラム19を駆動部支持機構20
の動力取り出し部材22に固着する。これらの固着は、車
輪取り付け用のハブボルト24等を利用して行われる。し
たがって、通常の車輪交換作業と同様の作業によって容
易に行うことができる。
このようにして前輪側を操向部支持機構14に固着し、
後輪側を駆動部支持機構20に固着すると、市販の自動車
の車両本体2がクローラベルト式走行装置3に固定さ
れ、その走行装置3によって支持されることになる。
そこで、車両本体2のエンジンを作動させ、通常の自
動車と同様に操縦する。車両本体2の駆動車軸18が回転
すると、その駆動車軸18に取り付けられているブレーキ
ドラム19が回転し、そのブレーキドラム19に固着されて
いる駆動部支持機構20の動力取り出し部材22が一体とな
って回転する。そして、その回転が駆動プーリ27からベ
ルト30を介して被動プーリ29に伝えられ、回転軸28から
クラッチ装置36、第1なしい第3歯車32〜34、及びスプ
ロケット軸35を経て駆動スプロケット8に伝達される。
したがって、駆動スプロケット8が回転してクローラベ
ルト12が駆動される。
このとき、車両本体2の駆動車軸18と駆動スプロケッ
ト8とは同一方向に回転するので、車両本体2の操縦装
置を前進方向に操作すればクローラベルト式車両1も前
進することになる。そして、駆動車軸18の回転は動力伝
達機構39によって十分に減速されて駆動スプロケット8
に伝えられるので、クローラベルト12は大きなトルクを
もって駆動される。また、左右の動力伝達機構39,39の
回転軸28,28が連結軸31によって相対回転不能に連結さ
れているので、車両本体2がディファレンシャル装置を
有している場合にも、その回転軸28,28は同一回転する
ことになり、左右のクローラベルト12,12も同一速度で
駆動される。したがって、クローラベルト式車両1の直
進性が確保される。
このようにして、クローラベルト式車両1は車両本体
2の駆動力により走行する。
停車するときには、車両本体2のブレーキペダルを踏
めばよい。すると、後輪側のブレーキドラム19が制動さ
れ、それによって動力伝達機構39全体の回転が停止され
る。したがって、クローラベルト12も停止する。
走行中、方向変換するときには、車両本体2の操舵ハ
ンドルを通常の自動車と同様に操作する。例えば左に曲
がろうとするときには、ハンドルを左に切る。すると、
前輪のブレーキロータ13が左側に転舵される。ブレーキ
ロータ13は操向部支持機構14の固着部材15に固着され、
その固着部材15はターンテーブル16によってキングピン
軸線のまわりに回転自在に支持されているので、それに
よって固着部材15が左方向に回転する。その結果、右側
の固着部材15に連結されている操向用ケーブル17が引か
れ、左側の固着部材15に連結されている操向用ケーブル
17は押される。したがって、引かれる側のケーブル17に
連結されている揺動レバー47が回動し、その揺動レバー
47に連結されているクラッチ操作ケーブル38及びブレー
キ操作ケーブル46が引かれる。それによって、左側の動
力伝達機構39の操向用クラッチ装置36及びブレーキ装置
44が操作される。
ケーブル17,38,46は押されたときには撓むので、左側
の操向用ケーブル17からの操作力は右側の動力伝達機構
39のクラッチ装置36及びブレーキ装置44には伝えられな
い。
このようにして、車両本体2の操舵ハンドルを左に切
ることによって左側の動力伝達機構39の操向用クラッチ
装置36及びブレーキ装置44のみが操作される。その場
合、クラッチ操作ケーブル38はブレーキ操作ケーブル46
よりも揺動レバー47の先端側に連結されているので、ク
ラッチ操作ケーブル38の方が大きく引かれる。したがっ
て、クラッチ装置36が先に操作される。
クラッチ操作ケーブル38が引かれると、シフトフォー
ク37が回動してクラッチ装置36が遮断される。したがっ
て、車両本体2の駆動車軸18から伝えられた駆動力はそ
のクラッチ装置36において遮断され、それより下流側の
歯車32〜34及び駆動スプロケット8には伝わらない。こ
うして、左側のクローラベルト12の駆動が停止される。
このようにクラッチ装置36が作動した直後に、ブレー
キ操作ケーブル46の移動距離が所定量に達することによ
り、操向用ブレーキ装置44が作動して、回転体45に制動
力が加えられる。したがって、その回転体45に歯車40,4
1を介して接続されている駆動スプロケット8の回転が
停止される。その場合、駆動スプロケット8に伝えられ
る動力はクラッチ装置36によって遮断されているので、
駆動スプロケット8の回転を停止させる制動力は小さく
てよい。しかも、駆動スプロケット8が回転しようとす
るときには、その駆動スプロケット8に増速機構42を介
して接続されている回転体45が高速回転するので、その
回転体45の回転を停止させることは容易である。したが
って、ブレーキ容量の小さなブレーキ装置44によっても
確実に駆動スプロケット8の回転を停止させることがで
きる。そして、そのようにブレーキ装置44を小形のもの
とすることができるので、その配置の自由度も増大す
る。
こうして、車両本体2の操舵ハンドルを左に切ったと
きには左側のクローラベルト12が停止される。一方、こ
のときにも右側のクローラベルト12は駆動されている。
その結果、クローラベルト式車両1は左側に方向変換す
ることになる。
そして、操舵ハンドルを中立位置に戻せば、各ケーブ
ル17,38,46等に設けられているリターンスプリングによ
ってクラッチ装置36及びブレーキ装置44は元の状態に戻
り、クローラベルト式車両1は再び直進する。
このようにして、車両本体2を構成する市販の自動車
の動力機構及び操向機構をそのまま利用して、通常の自
動車と同様な操作によりクローラ式車両1が操縦され
る。
なお、上記実施例においては、増速機構42を駆動スプ
ロケット8のスプロケット軸35に連結するものとしてい
るが、例えば第2歯車33の歯車軸等、動力伝達機構39の
他の部分に増速機構42を連結し、増速された回転体45を
同様にブレーキ装置44によって停止させるようにするこ
ともできる。ブレーキ装置44が小形化されるので、その
ような自由度も増す。
また、ブレーキ装置44とクラッチ装置36とをともに備
えた実施例について説明したが、上述のように増速され
た回転体45を停止させるようにすることによって大きな
制動力が得られるので、クラッチ装置36は省略すること
もできる。
(考案の効果) 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、車
両本体の駆動車軸から取り出された動力をクローラベル
トの駆動輪に伝える動力伝達機構に増速機構を介して回
転体を接続し、増速された回転体の回転を操向用ブレー
キ装置によって停止させるようにしているので、そのブ
レーキ装置として容量の小さい小形のものを用いること
が可能となる。したがって、そのブレーキ装置のレイア
ウト等の自由度が増す。また、そのブレーキ装置による
クローラベルト駆動輪の制動力が大きくなるので、車両
本体の駆動車軸に連結され、下流側ではその駆動車軸よ
りも減速される動力伝達機構を備えたクローラベルト式
走行装置にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案による操向装置の一実施例を示すもの
で、その操向装置を備えたクローラベルト式車両の側面
図、 第2図は、その車両のクローラベルト式走行装置の要部
を示す平面図、 第3図は、その車両本体の駆動車軸から動力を取り出す
動力取り出し部分を示す縦断正面図、 第4図は、取り出された動力をクローラベルトの駆動輪
に伝達する動力伝達機構の拡大横断平面図である。 1……クローラベルト式車両 2……車両本体 3……クローラベルト式走行装置 6……フレーム 8……駆動スプロケット(駆動輪) 12……クローラベルト 14……操向部支持機構 17……操向用ケーブル、18……駆動車軸 19……ブレーキドラム 20……駆動部支持機構、21……支持部材 22……動力取り出し部材 27……駆動プーリ、29……被動プーリ 30……歯付きベルト、32〜34……歯車 35……スプロケット軸 36……操向用クラッチ装置 38……クラッチ操作ケーブル 39……動力伝達機構、40,41……歯車 42……増速機構 44……操向用ブレーキ装置、45……回転体 46……ブレーキ操作ケーブル

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右両側に設けられたクローラベルトによ
    って支持されるフレーム上に車両本体を搭載し、その車
    両本体から取り出される動力によって前記クローラベル
    トを駆動して走行するようにしたクローラベルト式車両
    において; 前記フレームに、前記車両本体の駆動車軸に連結される
    動力取り出し部材を設けるとともに、 その動力取り出し部材から前記左右のクローラベルトの
    駆動輪にそれぞれ動力を伝達する左右の動力伝達機構
    に、それぞれその動力伝達機構から枝分かれする増速機
    構を介して回転体を接続し、 その回転体の回転を停止させ得る操向用ブレーキ装置を
    設けてなる、 クローラベルト式車両の操向装置。
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