JP2521155B2 - 可塑性油脂組成物 - Google Patents
可塑性油脂組成物Info
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- JP2521155B2 JP2521155B2 JP1180275A JP18027589A JP2521155B2 JP 2521155 B2 JP2521155 B2 JP 2521155B2 JP 1180275 A JP1180275 A JP 1180275A JP 18027589 A JP18027589 A JP 18027589A JP 2521155 B2 JP2521155 B2 JP 2521155B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、マーガリン、ファットスプレッド等の可塑
性油脂組成物に関するものである。
性油脂組成物に関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 健康食品としてのマーガリンには、現在リノール酸
(二重結合を2個有する不飽和脂肪酸)を脂肪組成中60
%以上含有した油脂をベースにした、いわゆるハイリノ
ールマーガリンがあり、普及している。
(二重結合を2個有する不飽和脂肪酸)を脂肪組成中60
%以上含有した油脂をベースにした、いわゆるハイリノ
ールマーガリンがあり、普及している。
近年、油脂の栄養生理学的研究が進み、リノール酸ば
かり多量に摂取するよりも、リノレン酸(二重結合3
個)、エイコサペンタエン酸(二重結合5個)、以後EP
Aと略称することとする)ドコサヘキサエン酸(二重結
合6個、以後DHAと略称することとする)等の高度不飽
和脂肪酸が必要であるとの説があり、消費者からも、そ
れらを含むタイプのマーガリンの出現を望む声が出始め
ている。
かり多量に摂取するよりも、リノレン酸(二重結合3
個)、エイコサペンタエン酸(二重結合5個)、以後EP
Aと略称することとする)ドコサヘキサエン酸(二重結
合6個、以後DHAと略称することとする)等の高度不飽
和脂肪酸が必要であるとの説があり、消費者からも、そ
れらを含むタイプのマーガリンの出現を望む声が出始め
ている。
しかし、これら二重結合を3個以上有する脂肪酸は、
リノール酸と比べるとはるかに酸化されやすく、二重結
合の数が1個増すごとに酸化の速度は37℃において約2
倍になると言われている。実際にも、リノレン酸では栄
養効果が期待できる10%ぐらいから、またEPA、DHAでは
1%でも、青臭い、生臭いなどの不快臭が感じられ、有
効な対策がないために、商品化できないのが現状であ
る。
リノール酸と比べるとはるかに酸化されやすく、二重結
合の数が1個増すごとに酸化の速度は37℃において約2
倍になると言われている。実際にも、リノレン酸では栄
養効果が期待できる10%ぐらいから、またEPA、DHAでは
1%でも、青臭い、生臭いなどの不快臭が感じられ、有
効な対策がないために、商品化できないのが現状であ
る。
EPA,DHA及びそのエステル、塩をマーガリンのような
油脂製品の油相部に含有する出願としては、特開昭62−
185794号公報、特開昭60−66935号公報があるが、水相
部について検討したものではない。本発明は、マーガリ
ン、ファットスプレッド等の水相部のpHについて検討
し、不安定な油相部の弱点をカバーしようとしたもので
ある。
油脂製品の油相部に含有する出願としては、特開昭62−
185794号公報、特開昭60−66935号公報があるが、水相
部について検討したものではない。本発明は、マーガリ
ン、ファットスプレッド等の水相部のpHについて検討
し、不安定な油相部の弱点をカバーしようとしたもので
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、油相中に構成脂肪酸として二重結合を3個
以上有する不飽和脂肪酸を含有する油脂を用い、水相の
pHを7.2〜8.2に調整し、以下常法によってマーガリン、
ファットスプレッド等の可塑性油脂組成物とするもので
ある。
以上有する不飽和脂肪酸を含有する油脂を用い、水相の
pHを7.2〜8.2に調整し、以下常法によってマーガリン、
ファットスプレッド等の可塑性油脂組成物とするもので
ある。
本発明で使用する油脂は、構成脂肪酸としてリノレン
酸8重量%以上及び又はEPAとDHAとの合計量として1重
量%以上のものである。リノレン酸は、α−リノレン酸
でもγ−リノレン酸でもよい。
酸8重量%以上及び又はEPAとDHAとの合計量として1重
量%以上のものである。リノレン酸は、α−リノレン酸
でもγ−リノレン酸でもよい。
通常、マーガリン、ファットスプレッドでは、水相に
発酵乳、脱脂粉乳、チーズ等の乳成分が含まれ、そのpH
は弱酸性である。
発酵乳、脱脂粉乳、チーズ等の乳成分が含まれ、そのpH
は弱酸性である。
本発明では、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、
水酸化ナトリウム、リン酸塩等を用いて、水相のpHを弱
アルカリ性の範囲7.2〜8.2)に調整する。
水酸化ナトリウム、リン酸塩等を用いて、水相のpHを弱
アルカリ性の範囲7.2〜8.2)に調整する。
以上に記載したことのほかのマーガリン、ファットス
プレッドの配合、これから後の製造法は常法どおりに行
う。
プレッドの配合、これから後の製造法は常法どおりに行
う。
本発明のように不安定な油脂を使用したマーガリン、
ファットスプレッドでは、まず始めに官能的な風味の劣
化にその差が出てくるが、酸性側のものは生臭く、pHの
範囲に調整したものでは、不快臭が感じられなかった。
ファットスプレッドでは、まず始めに官能的な風味の劣
化にその差が出てくるが、酸性側のものは生臭く、pHの
範囲に調整したものでは、不快臭が感じられなかった。
(実施例) 本発明を具体的な実施例により説明する。以下の%
は、いずれも重量%である。
は、いずれも重量%である。
実施例1 マーガリン (1)油脂相の調製 精製えごま油 70% (α−リノレン酸60%) パーム核硬化油(融点44℃) 15 パーム油 15 グリセリン脂肪酸エステル 0.5 トコフェロール 0.05 アンナット 0.02 以上を混合、加熱して、ベース油(α−リノレン酸42%
含有を調製した。
含有を調製した。
(2)水相の調製 5%の食塩水にpH5.0になるようにクエン酸で調整し、
これにpH6.0〜7.0、8.0になるように炭酸水素ナトリウ
ムを用いて調整し、計4試料を用意した。
これにpH6.0〜7.0、8.0になるように炭酸水素ナトリウ
ムを用いて調整し、計4試料を用意した。
(3)マーガリンの作成 (1)の油脂相800gに(2)の水相200gを加え、常法
により乳化、急冷練り合せをし、マーガリンを得た。
により乳化、急冷練り合せをし、マーガリンを得た。
(4)マーガリンの品質評価 (3)で得たマーガリンを5℃に1週間保存後、臭、
味について比較した。
味について比較した。
この実施例1は、水相に乳成分を含まない、単なる食
塩水の例であるが、pHの調整が有効であることがわかっ
た。
塩水の例であるが、pHの調整が有効であることがわかっ
た。
実施例2 ファットスプレッド (1)油脂相の調製 精製魚油(EPA28%) 45% パーム油 20 大豆硬化油(融点38℃) 25 なたね油 10 レシチン 0.2 グリセリン脂肪酸エステル 0.2 トコフェロール 0.2 β−カロチン 0.3 以上を混合、溶解して、ベース油(EPA13%含有)を調
製した。
製した。
(2)水相の調製 発酵乳(乳固形分10%、酸度0.2、食塩3%含有、pH
6.3/21℃)のpHをクエン酸、炭酸水素ナトリウムによ
り、5.0、7.0、7.2、8.0、8.3に調整した。
6.3/21℃)のpHをクエン酸、炭酸水素ナトリウムによ
り、5.0、7.0、7.2、8.0、8.3に調整した。
(3)ファットスプレッドの作成 (1)の油脂相700gに(2)の水相300gを加え、常法
により乳化、急冷練り合せをし、ファットスプレッドを
得た。
により乳化、急冷練り合せをし、ファットスプレッドを
得た。
(4)ファットスプレッドの品質評価 (3)で得たファットスプレッドを5℃に1週間保存
後、臭、味について比較した。
後、臭、味について比較した。
以上の結果からpHを7.2〜8.0に調整することが有効で
あることがわかった。
あることがわかった。
(発明の効果) 本発明は、栄養生理学的には有効だと言われているが
不安定な油脂を使用して、単に水相のpHを弱アルカリ側
に調整することによって、可塑性油脂組成物の風味をよ
くすることができ、安定性を増すことが可能となった。
不安定な油脂を使用して、単に水相のpHを弱アルカリ側
に調整することによって、可塑性油脂組成物の風味をよ
くすることができ、安定性を増すことが可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】構成脂肪酸として二重結合を3個以上有す
る不飽和脂肪酸を含有する油脂を油相中に含み、水相の
pHを7.2〜8.0に調整し、乳化して得られる可塑性油脂組
成物。 - 【請求項2】二重結合を3個以上有する不飽和脂肪酸
が、リノレン酸8重量%以上及び又はエイコサペンタエ
ン酸とドコサヘキサエン酸との合計量として1重量%以
上である請求項1記載の可塑性油脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1180275A JP2521155B2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 可塑性油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1180275A JP2521155B2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 可塑性油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0347038A JPH0347038A (ja) | 1991-02-28 |
JP2521155B2 true JP2521155B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=16080376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1180275A Expired - Fee Related JP2521155B2 (ja) | 1989-07-14 | 1989-07-14 | 可塑性油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2521155B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04141048A (ja) * | 1990-10-03 | 1992-05-14 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 食用油脂組成物及びその製造方法 |
JP5610187B2 (ja) * | 2007-09-04 | 2014-10-22 | 国立大学法人東京海洋大学 | 抗酸化剤 |
JP2010029163A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-12 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 油中水型乳化油脂組成物及びその製造方法 |
CN111132555A (zh) * | 2017-10-05 | 2020-05-08 | 不二制油集团控股株式会社 | 含有高度不饱和脂肪酸的白色巧克力样食品 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6066935A (ja) * | 1983-09-22 | 1985-04-17 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 高度不飽和脂肪酸入り油中水型乳化物の製造方法 |
JPH0715108B2 (ja) * | 1986-02-12 | 1995-02-22 | 日清製粉株式会社 | エイコサペンタエン酸のグリセリドを含む食用油脂製品 |
-
1989
- 1989-07-14 JP JP1180275A patent/JP2521155B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0347038A (ja) | 1991-02-28 |
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Date | Code | Title | Description |
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