JP2003052305A - 肝油入り可塑性油脂組成物 - Google Patents
肝油入り可塑性油脂組成物Info
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- JP2003052305A JP2003052305A JP2001245930A JP2001245930A JP2003052305A JP 2003052305 A JP2003052305 A JP 2003052305A JP 2001245930 A JP2001245930 A JP 2001245930A JP 2001245930 A JP2001245930 A JP 2001245930A JP 2003052305 A JP2003052305 A JP 2003052305A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ビタミンＡと高度不飽和脂肪酸に富んだ、健
康機能に優れ、且つ、酸化安定性と風味に優れた可塑性
油脂組成物を提供すること。 【解決手段】 海産動物の肝臓から得られる油脂、肝油
を配合したマーガリンやショートニング等の可塑性油脂
組成物。
康機能に優れ、且つ、酸化安定性と風味に優れた可塑性
油脂組成物を提供すること。 【解決手段】 海産動物の肝臓から得られる油脂、肝油
を配合したマーガリンやショートニング等の可塑性油脂
組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミンＡと高度
不飽和脂肪酸に富む健康機能に優れたマーガリン、ショ
ートニング等の可塑性油脂組成物に関する。
不飽和脂肪酸に富む健康機能に優れたマーガリン、ショ
ートニング等の可塑性油脂組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】ビタミンＡは、動物の成長と正常な視覚
に必須の栄養素で、上皮細胞を正常に保ち健康な免疫機
構を維持する脂溶性ビタミンである。海産動物、とりわ
け魚類の肝油は、ビタミンＡの供給源として古くから用
いられ、特に小児の栄養補給として肝油の摂取が奨励さ
れて来た。また肝油にはビタミンＡ以外にも、カルシウ
ムの吸収と骨の形成に関与するビタミンＤも含まれてい
る。しかし、ビタミンＡが合成法により生産されるよう
になり、ビタミンＡ補給のために肝油を摂取する機会は
殆ど無くなっている。
に必須の栄養素で、上皮細胞を正常に保ち健康な免疫機
構を維持する脂溶性ビタミンである。海産動物、とりわ
け魚類の肝油は、ビタミンＡの供給源として古くから用
いられ、特に小児の栄養補給として肝油の摂取が奨励さ
れて来た。また肝油にはビタミンＡ以外にも、カルシウ
ムの吸収と骨の形成に関与するビタミンＤも含まれてい
る。しかし、ビタミンＡが合成法により生産されるよう
になり、ビタミンＡ補給のために肝油を摂取する機会は
殆ど無くなっている。
【０００３】現在では、肝油の替わりに安価なビタミン
剤やビタミン添加食品から容易にビタミンを摂取するこ
とが出来る。例えば、ビタミンＡを強化したマーガリン
（マーガリン上級）は家庭用、学校給食用に一般的に普
及している。
剤やビタミン添加食品から容易にビタミンを摂取するこ
とが出来る。例えば、ビタミンＡを強化したマーガリン
（マーガリン上級）は家庭用、学校給食用に一般的に普
及している。
【０００４】肝油に含まれる高度不飽和脂肪酸は酸化劣
化による戻り臭が生じ易く、肝油独特の風味が敬遠され
る傾向があった。また、肝油をゼラチン等で被覆したカ
プセル形態での摂取が殆どであり、必ずしも一般的に普
及し易い形態ではなかった。
化による戻り臭が生じ易く、肝油独特の風味が敬遠され
る傾向があった。また、肝油をゼラチン等で被覆したカ
プセル形態での摂取が殆どであり、必ずしも一般的に普
及し易い形態ではなかった。
【０００５】しかしながら、肝油にはビタミン以外にも
ミトコンドリア内の電子伝達系の重要な補酵素であるユ
ビキノン（ＣｏＱ）や、脳機能の発達や心疾患の予防に
効果のあるエイコサペンタエン酸（ＥＰＡ）やドコサヘ
キサエン酸（ＤＨＡ）が存在している。この様に、肝油
は健康機能に優れた食用油脂であるが、汎用の食品分野
での利用は提案されていない。
ミトコンドリア内の電子伝達系の重要な補酵素であるユ
ビキノン（ＣｏＱ）や、脳機能の発達や心疾患の予防に
効果のあるエイコサペンタエン酸（ＥＰＡ）やドコサヘ
キサエン酸（ＤＨＡ）が存在している。この様に、肝油
は健康機能に優れた食用油脂であるが、汎用の食品分野
での利用は提案されていない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、健康機能に
優れた肝油を栄養剤の形態ではなく、日常の食事から美
味しく食する利用方法の提供が目的である。
優れた肝油を栄養剤の形態ではなく、日常の食事から美
味しく食する利用方法の提供が目的である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】海産動物の肝臓から得ら
れる油脂、肝油には、ビタミンＡと高度不飽和脂肪酸が
豊富に含有していることに着眼し、健康機能に優れた食
用油脂への利用を鋭意検討した結果、精製肝油をマーガ
リンやショートニング等の可塑性油脂組成物に使用する
ことにより、ビタミンＡに富んだ可塑性油脂組成物が得
られることはさながら、意外にも酸化安定性が良好で風
味劣化しにくいことを見出し本発明を完成するに至っ
た。
れる油脂、肝油には、ビタミンＡと高度不飽和脂肪酸が
豊富に含有していることに着眼し、健康機能に優れた食
用油脂への利用を鋭意検討した結果、精製肝油をマーガ
リンやショートニング等の可塑性油脂組成物に使用する
ことにより、ビタミンＡに富んだ可塑性油脂組成物が得
られることはさながら、意外にも酸化安定性が良好で風
味劣化しにくいことを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【０００８】即ち、本発明の第１は、海産動物の肝臓か
ら得られる油脂を含有する可塑性油脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、油脂組成物１００ｇ当たり
ビタミンＡを４５００国際単位（ＩＵ）以上含有してな
る上記記載の可塑性油脂組成物に関する。
ら得られる油脂を含有する可塑性油脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、油脂組成物１００ｇ当たり
ビタミンＡを４５００国際単位（ＩＵ）以上含有してな
る上記記載の可塑性油脂組成物に関する。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【００１０】本発明の可塑性油脂組成物は、海産動物の
肝臓から得られる油脂を含んでなる。本発明で使用する
海産動物の肝臓から得られる油脂とは、いわゆる肝油を
いい、具体的には、マダラ、スケトウタラ等の肝臓から
得られるタラ肝油、ヨシキリザメ、ネズミザメ、シュモ
クザメ、ウバザメ、アイザメ等の肝臓から得られるサメ
肝油、スルメイカ、アカイカ等の肝臓から得られるイカ
肝油、鯨肝油等が挙げられる。中でもマダラ、スケトウ
タラ等の肝臓から得られるタラ肝油が好ましい。タラ肝
油には、ビタミンＡが５００ＩＵ／ｇ以上が含まれてお
り、また、脂肪酸組成に於いて、ＥＰＡが１０重量％以
上、ＤＨＡが５重量％以上以上存在する。なお、可塑性
油脂組成物の製造に際しては、脱酸、脱色、脱臭された
精製肝油を使用することが好ましい。また、酸化安定性
を高めるために抗酸化剤としてトコフェロール、茶抽出
物、アスコルビン酸、クエン酸等を肝油に添加しても良
い。
肝臓から得られる油脂を含んでなる。本発明で使用する
海産動物の肝臓から得られる油脂とは、いわゆる肝油を
いい、具体的には、マダラ、スケトウタラ等の肝臓から
得られるタラ肝油、ヨシキリザメ、ネズミザメ、シュモ
クザメ、ウバザメ、アイザメ等の肝臓から得られるサメ
肝油、スルメイカ、アカイカ等の肝臓から得られるイカ
肝油、鯨肝油等が挙げられる。中でもマダラ、スケトウ
タラ等の肝臓から得られるタラ肝油が好ましい。タラ肝
油には、ビタミンＡが５００ＩＵ／ｇ以上が含まれてお
り、また、脂肪酸組成に於いて、ＥＰＡが１０重量％以
上、ＤＨＡが５重量％以上以上存在する。なお、可塑性
油脂組成物の製造に際しては、脱酸、脱色、脱臭された
精製肝油を使用することが好ましい。また、酸化安定性
を高めるために抗酸化剤としてトコフェロール、茶抽出
物、アスコルビン酸、クエン酸等を肝油に添加しても良
い。
【００１１】本発明の可塑性油脂組成物中の肝油の配合
量は特に限定は無いが、ビタミンＡ強化マーガリンの規
格（マーガリン１００ｇにつき４５００ＩＵ以上）を満
足するために、可塑性油脂組成物中、肝油を１０重量％
以上配合することが望ましい。
量は特に限定は無いが、ビタミンＡ強化マーガリンの規
格（マーガリン１００ｇにつき４５００ＩＵ以上）を満
足するために、可塑性油脂組成物中、肝油を１０重量％
以上配合することが望ましい。
【００１２】本発明の可塑性油脂組成物には、上記肝油
の他に通常のマーガリンやショートニングの製造に使用
される油脂を使用することができる。食用に供すること
のできるものであれば特に限定はなく、動物性油脂、植
物性油脂等使用することが出来るが、中でも固体脂を使
用することが、本発明の可塑性油脂組成物に可塑性を付
与することが出来るため好ましい。固体脂とは、室温で
固形を呈する油脂をいい、バター、パーム油、ラード、
牛脂等に代表される油脂を始め、植物性および動物性の
硬化油脂あるいはエステル交換油脂あるいは分別油脂、
或いはこれらの２種以上の混合物が例示出来る。これら
固体脂の種類は特に限定される事は無く、通常の可塑性
油脂組成物の製造と同じ様に、適度な硬度や融点となる
ように肝油と固体脂を任意に配合調整すれば良い。必要
に応じて乳化剤、フレーバー、呈味剤、水などを添加し
て常法により急冷練り合わせしてマーガリン、ショート
ニングなどの可塑性油脂組成物を製造する。
の他に通常のマーガリンやショートニングの製造に使用
される油脂を使用することができる。食用に供すること
のできるものであれば特に限定はなく、動物性油脂、植
物性油脂等使用することが出来るが、中でも固体脂を使
用することが、本発明の可塑性油脂組成物に可塑性を付
与することが出来るため好ましい。固体脂とは、室温で
固形を呈する油脂をいい、バター、パーム油、ラード、
牛脂等に代表される油脂を始め、植物性および動物性の
硬化油脂あるいはエステル交換油脂あるいは分別油脂、
或いはこれらの２種以上の混合物が例示出来る。これら
固体脂の種類は特に限定される事は無く、通常の可塑性
油脂組成物の製造と同じ様に、適度な硬度や融点となる
ように肝油と固体脂を任意に配合調整すれば良い。必要
に応じて乳化剤、フレーバー、呈味剤、水などを添加し
て常法により急冷練り合わせしてマーガリン、ショート
ニングなどの可塑性油脂組成物を製造する。
【００１３】この様にしてビタミンＡと高度不飽和脂肪
酸を多く含有する健康機能に優れ、且つ日常の食事で美
味しく食べられる可塑性油脂組成物の提供が可能となっ
た。
酸を多く含有する健康機能に優れ、且つ日常の食事で美
味しく食べられる可塑性油脂組成物の提供が可能となっ
た。
【００１４】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【００１５】（実施例１）精製タラ肝油３０部と硬化大
豆油（融点３６℃）５２部を混合溶解し、抗酸化剤とし
てトコフェロール０．１部、乳化剤としてレシチン０．
１部とステアリン酸モノグリセリド０．１部を添加し
た。更に水１６．５部と食塩１．２部を加えて攪拌を行
い乳化物を調整した。この乳化物をコンビネーターによ
り急冷練り合わせを行いマーガリンを作製した。
豆油（融点３６℃）５２部を混合溶解し、抗酸化剤とし
てトコフェロール０．１部、乳化剤としてレシチン０．
１部とステアリン酸モノグリセリド０．１部を添加し
た。更に水１６．５部と食塩１．２部を加えて攪拌を行
い乳化物を調整した。この乳化物をコンビネーターによ
り急冷練り合わせを行いマーガリンを作製した。
【００１６】（比較例１）精製マグロ油２０部と硬化大
豆油（融点３６℃）６２部を混合溶解し、それ以外は実
施例と同じ配合でマーガリンを作製した。
豆油（融点３６℃）６２部を混合溶解し、それ以外は実
施例と同じ配合でマーガリンを作製した。
【００１７】実施例１及び比較例１のマーガリンのビタ
ミンＡ濃度とＥＰＡ及びＤＨＡの脂肪酸組成を分析し
た。ビタミンＡ含量の測定は不けん化物を抽出分離し高
速液体クロマトグラフ法による。脂肪酸組成の分析は抽
出した油脂をメチルエステル化してキャピラリーガスク
ロマトグラフ法による。
ミンＡ濃度とＥＰＡ及びＤＨＡの脂肪酸組成を分析し
た。ビタミンＡ含量の測定は不けん化物を抽出分離し高
速液体クロマトグラフ法による。脂肪酸組成の分析は抽
出した油脂をメチルエステル化してキャピラリーガスク
ロマトグラフ法による。
【００１８】またマーガリンを２０℃で３ヶ月保存し過
酸化物価（ＰＯＶ）と風味を調べた。過酸化物価は基準
油脂分析法による。風味は官能検査による。
酸化物価（ＰＯＶ）と風味を調べた。過酸化物価は基準
油脂分析法による。風味は官能検査による。
【００１９】マーガリンの評価結果を表１に示す。
【００２０】
【表１】
実施例１の精製タラ肝油を使用したマーガリンは、比較
例１の精製マグロ油を使用したマーガリンに比較してビ
タミンＡ濃度が圧倒的に高く、ＥＰＡとＤＨＡの合計含
量も遜色の無いレベルである。
例１の精製マグロ油を使用したマーガリンに比較してビ
タミンＡ濃度が圧倒的に高く、ＥＰＡとＤＨＡの合計含
量も遜色の無いレベルである。
【００２１】しかも精製タラ肝油を使用したマーガリン
は、精製マグロ油を使用したマーガリンと比較して長期
保存してもＰＯＶが低く酸化安定性と風味に優れたマー
ガリンであった。
は、精製マグロ油を使用したマーガリンと比較して長期
保存してもＰＯＶが低く酸化安定性と風味に優れたマー
ガリンであった。
【００２２】
【発明の効果】海産動物の肝臓から得られる油脂、肝油
をマーガリンやショートニングなどの可塑性油脂に使用
する事によりビタミンＡと高度不飽和脂肪酸に富んだ健
康機能に効果があり、かつ酸化安定性と風味の良好な食
用油脂組成物の提供が可能となる。
をマーガリンやショートニングなどの可塑性油脂に使用
する事によりビタミンＡと高度不飽和脂肪酸に富んだ健
康機能に効果があり、かつ酸化安定性と風味の良好な食
用油脂組成物の提供が可能となる。
Claims (2)
- 【請求項１】 海産動物の肝臓から得られる油脂を含有
する可塑性油脂組成物。 - 【請求項２】 油脂組成物１００ｇ当たりビタミンＡを
４５００国際単位（ＩＵ）以上含有してなる請求項１記
載の可塑性油脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001245930A JP2003052305A (ja) | 2001-08-14 | 2001-08-14 | 肝油入り可塑性油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001245930A JP2003052305A (ja) | 2001-08-14 | 2001-08-14 | 肝油入り可塑性油脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003052305A true JP2003052305A (ja) | 2003-02-25 |
Family
ID=19075583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001245930A Pending JP2003052305A (ja) | 2001-08-14 | 2001-08-14 | 肝油入り可塑性油脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003052305A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007181408A (ja) * | 2005-12-31 | 2007-07-19 | Nippon Same No Kai Bussan Kk | スクアレン加工食品 |
| JP2007312630A (ja) * | 2006-05-24 | 2007-12-06 | Daicho Kikaku:Kk | 健康食品 |
| JP2017225381A (ja) * | 2016-06-21 | 2017-12-28 | 不二製油株式会社 | 高度不飽和脂肪酸含有可塑性油脂組成物 |
| CN109892629A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-06-18 | 双凯食品配料（昆山）有限公司 | 一种牛脂肪氧化技术在制备肉味香精中的应用 |
-
2001
- 2001-08-14 JP JP2001245930A patent/JP2003052305A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007181408A (ja) * | 2005-12-31 | 2007-07-19 | Nippon Same No Kai Bussan Kk | スクアレン加工食品 |
| JP2007312630A (ja) * | 2006-05-24 | 2007-12-06 | Daicho Kikaku:Kk | 健康食品 |
| JP2017225381A (ja) * | 2016-06-21 | 2017-12-28 | 不二製油株式会社 | 高度不飽和脂肪酸含有可塑性油脂組成物 |
| CN109892629A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-06-18 | 双凯食品配料（昆山）有限公司 | 一种牛脂肪氧化技术在制备肉味香精中的应用 |
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