JP2519903Y2 - 報音機能付き腕時計の構造 - Google Patents

報音機能付き腕時計の構造

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JP2519903Y2 JP1989112300U JP11230089U JP2519903Y2 JP 2519903 Y2 JP2519903 Y2 JP 2519903Y2 JP 1989112300 U JP1989112300 U JP 1989112300U JP 11230089 U JP11230089 U JP 11230089U JP 2519903 Y2 JP2519903 Y2 JP 2519903Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は報音機能付き腕時計の構造に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
時刻以外の機能を備えた腕時計において、特にアラー
ム、タイマー機能等を有する時計は、報音構造が必要と
なる。この報音構造として、圧電素子を接着した振動板
を時計ケースに設け、時計モジュールと圧電素子及び振
動板との電気的導通を取っている。前記振動板として
は、時計ケースの裏ブタを用いる構造と振動板専用の金
属板を用いる構造とがあるが、いずれにしても圧電素子
との電気的導通の構造としては、導通の確実性、構造の
容易性、スペース、コスト等を考えるとコイルバネを用
いた構造を採用している。他方、時計モジュールと振動
板との電気的導通は金属板にバネ部を形成して接続させ
ている。
一方、報音構造を有する腕時計において、裏ブタに内
ネジ式を用いた高気圧防水の外装構造を採用することが
増えて来た。しかし、この外装構造を採用すると、裏ブ
タを時計ケースにネジ締めする際の裏ブタの回転により
コイルバネが倒れ、圧電素子との電気的導通が不良とな
り報音機能が働かなくなってしまう。このコイルバネの
倒れによる導通不良を解消したアラーム機能付き時計に
おける時計モジュール圧電素子との電気的接続構造の従
来例の断面図を第4図(A)、(B)に示す。
第4図(A)において、1は時計ケース、3は内ネジ
式の裏ブタ、4は圧電素子で前記裏ブタ3に接着し報音
構造を構成している。5は金属板、6はコイルバネ、7
は回路基板、8は合成樹脂から成るコイルバネ支持部
材、9は前記コイルバネ支持部材8と同様合成樹脂から
成る液晶パネル支持部材、11はネジである。前記金属板
5はネジ11により液晶パネル支持部材9にネジ止めさ
れ、回路基板7、コイルバネ支持部材8を固定してい
る。コイルバネ6は径が太い接続部6aと径が細い支持部
6bから形成され、接続部6aはコイルバネ支持部材8に設
けられた貫通穴8cに挿入しコイルバネ6を支持すると共
に端末が回路基板7に接続するようになっている。又、
支持部6bが回路基板7の穴7aに挿入されたコイルバネ6
を更に支持している。
第4図(B)においては裏ブタ3に圧電素子4を接着
する代わりに12で示す金属板から成る専用の振動板で報
音構造を構成している。この従来例では、報音のために
裏ブタ3に複数の放音孔3bが設けられている。コイルバ
ネ6は一様の径から成り、コイルバネ支持部材8の貫通
穴8cに挿入されいる。一方、振動板12は突出部から成る
回転止め部12aを有し、時計ケース1の切り欠き1aに係
合し裏ブタ3を取り付ける際に回転しないようにしてあ
る。
第4図(A)において、時計モジュールと圧電素子4
との電気的接続構造としては、裏ブタ3を回転しネジ部
3aにより時計ケース1に固定することで、金属板5の接
続バネ部5bが裏ブタ3に、圧電素子4がコイルバネ6の
接続部6aを圧縮し回路基板7との電気的導通を取ってい
る。一方、裏ブタ3を回転させながらコイルバネ6を圧
縮する際、接続部6aは従来のコイルバネの径より太いた
め倒れにくく、又、支持部6bによりコイルバネ6の倒れ
を更に防止している。
第4図(B)において、時計モジュールと圧電素子と
の電気的接続構造としては、第4図(A)同様、裏ブタ
3を回転しネジ部3aにより時計ケース1に固定すること
で、振動板12により接続バネ部5b、コイルバネ6が圧縮
され、それぞれ電気的導通を取っている。ところで裏ブ
タ3を回転させながらコイルバネ6を圧縮する際、振動
板12は回転止め部12aにより回転することはなく、単に
コイルバネ6を圧縮しているのでコイルバネ6が倒れる
ことは無い。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら第4図(A)のようなコイルバネ6の電
気的接続構造において、裏ブタ3の回転によるコイルバ
ネ6の倒れ防止は十分でなく、接続不良を完全に防止出
来なかった。又、コイルバネ6の接続部6aは通常の径に
比べて太く、更に回路基板7に穴を明けるので回路基板
7の配線パターンのスペースが減少してしまう等の欠点
を有している。
一方、第4図(B)の構造において、裏ブタ3の回転
によるコイルバネ6の倒れ防止は十分であり接続不良は
発生しないが、専用の振動板12が必要で部品点数の増加
となる。更に裏ブタ3には複数の放音孔3bが必要であり
裏ブタ3の加工工数が増加する。又、時計モジュールと
裏ブタ3との間に振動板12を設けるため、振動板12と金
属板5、振動板12と裏ブタ3との間にそれぞれ隙間を設
けなければならず、時計が厚くなってしまいデザイン上
不利になる欠点を有している。
本考案は、上述のような従来の問題点を解消し、部品
点数を増加させることなく電気的接続が確実でデザイン
上の制約を受けない報音機能付き腕時計を提供すること
を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本考案は次のような構
成としている。すなわち、この考案に係る報音機能付き
腕時計は、圧電素子と接続し一方の電気的導通部となる
コイルバネと、該コイルバネを支持する非導通部材より
成るコイルバネ支持部材と、該コイルバネ支持部材の近
傍に設けられ裏ブタと接することによって他方の電気的
導通部となる金属板とより構成され、前記コイルバネ支
持部材には、前記コイルバネを挿入して支持する円筒状
のコイルバネ支持部と、該コイルバネ支持部を両持ちに
てコイルバネ支持部材に一体化したバネ部とを有し、前
記裏ブタを装着する際に前記圧電素子と前記コイルバネ
支持部が当接し前記バネ部がたわんで前記コイルバネ支
持部を略直角方向に弾性移動させることで、内ネジ式裏
ブタの回転によりコイルバネが倒れるのを防止してい
る。
〔実施例〕
以下に本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。
第1図は本考案のデジタル表示式アラーム時計の要部断
面図である。なお実施例はデジタル表示式のアラーム時
計であるが、本考案は特にこれに限定されず、指針式の
アラーム時計でも可能である。第1図において、1は時
計ケース、2は風防ガラス、3は内ネジ式の裏ブタ、4
は前記裏ブタ3に接着された圧電素子である。時計モジ
ュールとして、5は後述する金属板、6は時計モジュー
ルの中央でなく偏心して配置されたコイルバネ(第3図
参照)、7は回路基板、8は合成樹脂から成るコイルバ
ネ支持部材、9は合成樹脂から成る液晶パネル支持部
材、10は液晶パネルである。前記金属板5は液晶パネル
支持部材9に係合し時計モジュールを固定する複数のフ
ック部5aを有しており、回路基板7、コイルバネ支持部
材8を固定している。更に金属板5は複数の接続バネ部
5bを有しており、裏ブタ3に弾性的に接触してアラーム
機能の導通を取っていると共に時計モジュールを時計ケ
ース内で安定させている。
前記コイルバネ支持部材8は金属板5と回路基板7の
間に配置され、金属板5と回路基板7との絶縁をとって
いる。更にコイルバネ支持部材8は円筒状の突出部であ
るコイルバネ支持部8aを有しており、前記コイルバネ支
持部8aにコイルバネ6を挿入することによりコイルバネ
6の支持を行なっている。一方、コイルバネ支持部材8
にはコイルバネ支持部8aを挟んで薄肉部より成るバネ部
8bが設けられている。
従って本図に示すように、裏ブタ3をネジ締めした状
態では、圧電素子4がコイルバネ6を圧縮し電気的接続
を取っていると共にコイルバネ支持部8aに当接しバネ部
8bをたわませている。
第2図は第1図のコイルバネ支持部8a近傍の断面図
で、裏ブタ3を取り付ける前の状態を二点鎖線、裏ブタ
3を取り付けた後の状態を実線で示している。この図で
分かるように、コイルバネ支持部8aは裏ブタ3を締める
前の状態ではコイルバネ6の圧電素子4と接続する端末
付近まで支持している。この状態より裏ブタ3を取り付
けると、コイルバネ6が圧縮すると共にコイルバネ支持
部8aはバネ部8bをたわませ移動する。このことによりコ
イルバネ6の全長はコイルバネ支持部8aに常に支持され
ているので、裏ブタ3の回転でコイルバネ6が倒れて傾
かないようになっている。 第3図はコイルバネ支持部
材8の平面図で、第1図で説明した円筒状のコイルバネ
支持部8a、コイルバネ支持部8aの両サイドにバネ部8bが
設けられている。この図より、第1図で説明した様にコ
イルバネ支持部8aに挿入されるコイルバネ6は時計モジ
ュールの中央でなく偏心して配置されていることが分か
る。一方、第2図で説明した様にコイルバネ支持部8aは
上下に移動するが、この移動量は1mm程度であり、合成
樹脂から成るバネ部8bでも実用上十分な対応を取ること
が出来る。
〔考案の効果〕
以上の説明で明らかなように、本考案によれば報音機
能付き腕時計において、内ネジ式の裏ブタを固定する
際、両持ちにて支持部材に一体化したバネ部により、前
記コイルバネ支持部を圧電素子に当接しているので、コ
イルバネ支持部は略直角方向に弾性移動するから、コイ
ルバネの倒れを完全に防止することが出来、圧電素子と
の導通不良を全く防止できる効果を有する。又、専用の
振動板や片持ちの弾性を補助するバネ部材も不要となり
部品点数の削減とともに、他方の電気的導通を裏ブタに
て行なうようにもしたので、組み立て性が向上し、組立
工数の削減となる。
更に、時計モジュールと圧電素子との隙間を必要以上
取る必要がないので時計の薄型化が可能となりデザイン
上の制約が無い等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例であるアラーム機能付き腕時
計の要部断面図、第2図は第1図の要部拡大断面図、第
3図は本考案の一実施例であるコイルバネ支持部材の平
面図、第4図(A)、(B)は従来構造のアラーム機能
付き腕時計の要部断面図である。 3……裏ブタ、4……圧電素子、5……金属板、5b……
接続バネ部、6……コイルバネ、7……回路基板、8…
…コイルバネ支持部材、8a……コイルバネ支持部、8b…
…バネ部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏ブタに圧電素子を設けた報音機能付き腕
    時計において、圧電素子と接続し一方の電気的導通部と
    なるコイルバネと、該コイルバネを支持する非導通部材
    より成るコイルバネ支持部材と、該コイルバネ支持部材
    の近傍に設けられ裏ブタと接することによって他方の電
    気的導通部となる金属板とより構成され、前記コイルバ
    ネ支持部材には、前記コイルバネを挿入して支持する円
    筒状のコイルバネ支持部と、該コイルバネ支持部を両持
    ちにてコイルバネ支持部材に一体化したバネ部とを有
    し、前記裏ブタを装着する際に前記圧電素子と前記コイ
    ルバネ支持部が当接し前記バネ部がたわんで前記コイル
    バネ支持部を略直角方向に弾性移動することによって前
    記圧電素子の電気的導通を取ることを特徴とする報音機
    能付き腕時計の構造。
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