JP2005098711A - ソーラーセル付電子時計 - Google Patents

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Kenji Shimoda
健次 下田
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Abstract

【課題】 ソーラーセルを時計ムーブメントに取り付けるために、フック部を備えた金属板にソーラーセルを両面テープで貼り付けて一体化した物や、プラスチック等からなりフック部を備えたソーラーセル支持枠にソーラーセルを組み込んで一体化した物などを、それぞれムーブメントのフック係合部に係合させて取り付けていた。このため、貼付けコスト、部品コストがかっていたため、ソーラーセルの時計ムーブメントへの固定構造のコストダウンを提供する。
【解決手段】 ソーラーセル10の外周の少なくとも一部に弾性変形の可能なガイド部10cを設け、該ガイド部10cを弾性変形させて時計ムーブメント1の外周に設けた壁部8gに組み込むことにより、ガイド部10cの弾性力によってソーラーセル10を時計ムーブメント1に保持固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、充電機能を備えたソーラーセル付電子時計のソーラーセルの時計ムーブメントへの固定構造に関する。
従来のソーラーセル付電子時計のソーラーセルの時計ムーブメントへの固定構造は、フック部を備えた金属板に両面テープ等でソーラーセルを貼付し、ムーブメントのフック係合部に金属板のフックを係合させて、ソーラーセルをムーブメントに保持固定している(例えば、特許文献1参照。)。
また、プラスチック等から成り、フック部を備えたソーラーセル支持枠にソーラーセルを組み込み、ムーブメントのフック係合部にソーラーセル支持枠のフックを係合させて、ソーラーセルをムーブメントに保持固定している例もある(例えば、特許文献2参照。)。
国際公開第00/03310号パンフレット(第8頁〜第9頁、第1図、第2図) 特開2002−22856号公報(第3頁、第1図)
以下に図面を用いて従来の技術を説明する。図6は、フック部を備えた金属板を用いてソーラーセルをムーブメントに保持固定している、第一の従来例を示すソーラーセル付電子時計の部分断面図であり、図7はその平面図である。図において、1はソーラーセルからのエネルギーにより駆動される時計ムーブメント、3は金属製の地板、4は金属製の輪列受である。5はステップモータにより運針する輪列ブロック(詳細な図示説明は省略)で、回路基板6からの基準信号より秒針7a、分針7b、時針7cを運針させる。58はプラスチック製の回路支持台であり、固定ネジ9により輪列ブロック5、回路基板6とともに地板3と輪列受4に挟み込まれる積層構造にて固定される。
50は金属板を基材としたソーラーセルであり、近年では、フィルム材を基材とし、弾性を備えたソーラーセルも使用されている。12は薄い金属板であり、ソーラーセル50は金属板12に両面に粘着性を持った絶縁性の両面テープ11にて貼付けることにより固定されている。両面テープ11の替わりに接着材を用いて固定している例もある。金属板12はフック部12aが回路支持台58のフック係合部58aと係合することにより、時計ムーブメント1に固定され、ソーラーセル50も金属板12にテープ11にて固定されていることから時計ムーブメント1に固定される。16は時計ムーブメントをケースに位置決め固定するための中枠として機能する文字板固定枠である。
図8はソーラーセル50と回路基板6の導通を示す要部断面図である。図において、13は導通テープであり、ソーラーセル50の上面にある電極端子部10aに異方性導電膜を介して熱圧着されており、板バネ14と接点を取る導通テープ13の接点部13aはソーラーセル50の下面側へ折り込まれており、板バネ14は導通テープ13と回路基板6との導通を取っている。
図9は、ソーラーセルをソーラーセル支持枠に組み込んでムーブメントに保持固定している、第二の従来例を示すソーラーセル付電子時計の部分断面図であり、図10はその平面図である。第一の従来技術と同様に、輪列ブロック5はステップモータにより駆動し、
回路基板6の基準信号より各指針7a〜7cは運針し、固定ネジ9により各部品が積層構造にて固定される。
20はプラスチック製のソーラーセル支持枠であり、図12は、図11内に4ヶ所存在するソーラーセル支持枠の凸部20a部分を拡大したソーラーセルの位置決めを示す要部平面図、図12はその部分の断面図であり、ソーラーセルのソーラーセル支持枠への固定を示す要部断面図である。図において、ソーラーセル60の凹部60aとソーラーセル支持枠20の凸部20aとの凹凸の関係から平面位置決めされ、図12において、ソーラーセル60はソーラーセル支持枠20の第一フック部20bに抱え込まれることにより固定される。
これにより、ソーラーセル60はソーラーセル支持枠20に位置決め固定されている。ソーラーセル支持枠20は第二フック部20cが回路支持台68のフック係合部68aと係合することにより、時計ムーブメント1に固定され、ソーラーセル60もソーラーセル支持枠20に固定されていることから時計ムーブメント1に固定される。またソーラーセルと回路基板の導通の取り方は第一従来例と同様となっている。
このように従来の技術では、時計ムーブメントにソーラーセル50を取り付けるために金属板12や両面テープ11を使用するため、貼付けコスト、部品コストがかかっていた。また、ソーラーセル支持枠20を使用する構造においても、ソーラーセル支持枠20を必要とするため、同様に部品コストがかかるという課題があった。本発明の目的は、上述の欠点を解消する、ソーラーセルの時計ムーブメントへの固定構造のコストダウンを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、ソーラーセルと、該ソーラーセルからのエネルギーにより駆動される時計ムーブメントとで構成されたソーラーセル付電子時計において、前記ソーラーセルの外周の少なくとも一部に弾性変形の可能なガイド部を設け、該ガイド部を弾性変形させて前記時計ムーブメントの外周に設けた壁部に組み込むことにより、前記ガイド部の弾性力によって前記ソーラーセルを前記時計ムーブメントに保持固定することを特徴とする。
このように構成すると、ソーラーセルを保持固定するにあたって従来のようなソーラーセルを貼付けするための金属板や両面テープ、または、ソーラーセル支持枠といった別部材を使用する必要もなく、また、金属板への貼付けといった作業もなくなり、時計ムーブメントの外周に壁部を設けるだけで、ガイド部の弾性力によってソーラーセルを時計ムーブメントに保持固定することができる。すなわち、組み立て工数の削減や部品点数の削減が可能となり、コストダウンを図ることができる。
また、時計ムーブメントの外周に設けた壁部に庇部を設け、前記ソーラーセルの断面方向の保持を行なうことを特徴とする。
このように構成すると、庇部にソーラーセルのガイド部に入れるだけで、単にソーラーセルの断面方向の保持が可能となる。
また、前記ソーラーセルは、フィルム材を基材とし、弾性を備えたソーラーセルあることを特徴とする。
このように構成すると、基材がフィルム材であるため、弾性変形しやすく、時計ムーブメントへの組み込み性が向上する。
また、前記ソーラーセルと前記時計ムーブメントの回路基板との電気的接続手段はコイルバネであり、該コイルバネと前記ソーラーセルとの電気的接続は、前記コイルバネのピッチ部に前記ソーラーセルの電極端子部を差し込むことにより行なわれることを特徴とする。
このように構成すると、コイルバネのピッチ部にソーラーセルの電極端子部を差し込むだけの単純な構造となり、コイルバネとソーラーセルとの電気的接続が非常に簡単となり、ソーラーセルの電極端子部の配置面も上下面に自由に配置できる。
上記のごとく本発明によれば、ムーブメントに構成された庇部でソーラーセルを固定するため、ソーラーセルを貼付けするための金属板や両面テープ、または、ソーラーセル支持枠といった部品を必要としなくなり、部品削減によるコストダウンの効果が得られる。更には、金属板への貼付けといった作業もなくなるため、組み立て工数が削減されるなど、更なるコストダウンの効果がある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は、実施例1のソーラーセルの固定構造を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの要部断面図、図2は図1の平面図で、図3はソーラーセルと回路基板の導通を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの要部断面図である。
1はソーラーセルからのエネルギーにより駆動される時計ムーブメント、3は金属製の地板、4は金属製の輪列受である。5はステップモータにより運針する輪列ブロック(詳細な図示説明は省略)で、回路基板6からの基準信号より秒針7a、分針7b、時針7cを運針させる。8はプラスチック製の回路支持台であり、固定ネジ9により輪列ブロック5、回路基板6とともに地板3と輪列受4に挟み込まれる積層構造にて固定される。
10はフィルム材を基材とし、弾性を備えたソーラーセルで、ソーラーセル10には外周の少なくとも一部に弾性変形の可能なガイド部10cが設けられている。8cは前記時計ムーブメント1の回路支持台8の外周に設けた壁部8gに設けた庇部で、ソーラーセル10は回路支持台8の上に載置され、ソーラーセル10のガイド部10cが回路支持台8の庇部8cの下に差し込まれ、断面方向への保持固定がされる。平面方向へのガイドは回路支持台8のボス8eによってガイドされている。
31は前記ソーラーセル10と前記時計モジュール1の回路基板6との電気的接続手段であるコイルバネであり、コイルバネ31は、回路基板6の上に載置されており、回路支持台8のガイド穴8fによって平面方向がガイドされ、上方向への保持は電極端子部庇部8dによって保持されている。コイルバネ31と前記ソーラーセル10との電気的接続は、コイルバネ31のピッチ部31aにソーラーセル10の電極端子部10dを差し込むことにより行なわれている。これにより、ソーラーセル10の電極端子部10dを、ソーラーセル10の上下面どちらに形成しても電気的接続が可能となっている。
ソーラーセル10の上側には文字板30が構成され、文字板30は文字板固定枠16によって保持固定されている。
ソーラーセル10の組み込みは、ソーラーセル10の弾性を活かして傘状に変形させ、ガイド部10cと電極端子部10dを回路支持台8の庇部8cと電極端子庇部8dにそれぞれ差し込んで組み込む。本実施例では、庇部8cは4ヵ所存在しているため、ソーラーセル10の断面方向への保持は充分なものとなっており、同様に平面方向へのガイドについても、ボス8eが4ヵ所存在しているので充分なものとなっている。なお、ボス8eは4ヵ所存在しているが、対角上に2ヵ所だけの存在でも同様の効果が得られる。また、本実施例では、庇部8cは4ヵ所としたが、これに限定されるものではなく、3ヶ所以上あれば十分であり、時計ムーブメント1の構造によりその数を適宜選択すれば良い。
以上のように、実施例1によれば、ソーラーセルを保持固定するにあたって従来のようなソーラーセルを貼付けするための金属板や両面テープ、または、ソーラーセル支持枠といった別部材を使用する必要もなく、また、金属板への貼付けといった作業もなくなり、庇部にソーラーセルのガイド部に入れるだけで、単にソーラーセルの断面方向の保持が可能となる。この時、基材がフィルム材であるため、弾性変形しやすく、時計ムーブメントへの組み込み性が良い。また、コイルバネのピッチ部にソーラーセルの電極端子部を差し込むだけの単純な構造となり、コイルバネとソーラーセルとの電気的接続が非常に簡単となり、ソーラーセルの電極端子部の配置面も上下面に自由に配置できる。
図4は実施例2のソーラーセルの固定構造を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの平面図である。なお、実施例2は、実施例1に対してソーラーセルの組み込み方法を変更したものであり、構成については実施例1と同様である。
ソーラーセル80の組み込みは、ソーラーセル80を反時計方向へ10°程度回転させた状態でムーブメント上に載置し、その後、ソーラーセル80を時計方向へ10°程度回転させ、ソーラーセル80のガイド部80cと電極端子部80dを回路支持台88の庇部88cと電極端子庇部88dの下にそれぞれ差し込む。ソーラーセル80の断面方向への保持及び平面方向へのガイドについては実施例1と同様である。
以上のように、実施例2によれば、ソーラーセル80を回転させて組み込むため、ソーラーセル80の弾性が低く、比較的剛性の高いソーラーセルを使用する場合に効果がある。
図5は実施例3のソーラーセルの固定構造を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの要部断面図である。なお、実施例3は、実施例1に対してソーラーセルの固定構造を変更したものであり、他の構成については実施例1と同様である。
回路支持台78にはリング状の壁部78gが構成されている。ソーラーセル70は弾性を有し、外周部にはリング状の壁部78gの内径より少し大きいガイド部70eを有しており、リング状の壁部78gに対して上から押し込んで組み込むことにより、ガイド部70eが変形し、リング状の壁部78gを横方向へ押し付けた状態となりソーラーセル70が保持固定される。
以上のように、実施例3では、ソーラーセル70の外周部70eの押し付け力によってソーラーセル70が保持固定されるため、庇部等が不要となり、回路支持台形状の簡素化が図れる。更には、ソーラーセル70を回路支持台78に押し込むだけの組み込み方法のため、組み込み性が向上されるなどの効果がある。
本発明の実施例1のソーラーセルの固定構造を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの要部断面図である。 図1の平面図である。 本発明の実施例1のソーラーセルと回路基板の導通を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの要部断面図である。 本発明の実施例2のソーラーセルの固定構造を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの平面図である。 本発明の実施例3のソーラーセルの固定構造を示すソーラーセル付電子時計の時計ムーブメントの要部断面図である。 第一の従来例のソーラーセル付時計の部分断面図である。 図6の平面図である。 第一の従来例のソーラーセルと回路基板の導通を示す要部断面図である。 第二の従来例のソーラーセル付時計の部分断面図である。 図9の平面図である。 第二の従来例のソーラーセルの位置決めを示す要部平面図である。 第二の従来例のソーラーセルのソーラーセル支持枠への固定を示す要部断面図である。
符号の説明
1 時計ムーブメント
3 地板
4 輪列受
5 輪列ブロック
6 回路基板
7 指針
8、58、68、78、88 回路支持台
8c、88c 庇部
8g、78g 壁部
9 固定ネジ
10、50、60、70、80 ソーラーセル
10c、70e、80c ガイド部
16 文字板固定枠
20 ソーラーセル支持枠
30 文字板
31 コイルバネ

Claims (4)

  1. ソーラーセルと、該ソーラーセルからのエネルギーにより駆動される時計ムーブメントとで構成されたソーラーセル付電子時計において、前記ソーラーセルの外周の少なくとも一部に弾性変形の可能なガイド部を設け、該ガイド部を弾性変形させて前記時計ムーブメントの外周に設けた壁部に組み込むことにより、前記ガイド部の弾性力によって前記ソーラーセルを前記時計ムーブメントに保持固定することを特徴とするソーラーセル付電子時計。
  2. 前記時計ムーブメントの外周に設けた壁部に庇部を設け、前記ソーラーセルの断面方向の保持を行なうことを特徴とする請求項1に記載のソーラーセル付電子時計。
  3. 前記ソーラーセルは、フィルム材を基材とし、弾性を備えたソーラーセルあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソーラーセル付電子時計。
  4. 前記ソーラーセルと前記時計モジュールの回路基板との電気的接続手段はコイルバネであり、該コイルバネと前記ソーラーセルとの電気的接続は、前記コイルバネのピッチ部に前記ソーラーセルの電極電極端子部部を差し込むことにより行なわれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のソーラーセル付電子時計。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013113738A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Seiko Epson Corp 太陽電池付電子時計
JP2016024017A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 セイコーエプソン株式会社 電子時計
CN114660921A (zh) * 2020-12-22 2022-06-24 精工爱普生株式会社 电子钟表
US11487248B2 (en) 2018-02-01 2022-11-01 Seiko Epson Corporation Movement and timepiece

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