JP2518040B2 - ワイヤカット放電加工におけるワイヤ電極の切断処理装置及び切断処理方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工におけるワイヤ電極の切断処理装置及び切断処理方法

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JP2518040B2
JP2518040B2 JP1055637A JP5563789A JP2518040B2 JP 2518040 B2 JP2518040 B2 JP 2518040B2 JP 1055637 A JP1055637 A JP 1055637A JP 5563789 A JP5563789 A JP 5563789A JP 2518040 B2 JP2518040 B2 JP 2518040B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はワイヤカット放電加工におけるワイヤ電極
を加工物に対して供給するワイヤ電極自動切断・供給機
構,特にワイヤ電極の切断処理装置及び切断処理方法の
改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のワイヤカット放電加工装置のワイヤ電極自動切
断・供給機構は例えば特開昭59−107737号公報,特開昭
56−102432号公報あるいは特公昭61−26455号公報など
に示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のワイヤカット放電加工装置は,通常加熱と張力
付与とによりワイヤ電極のくせとりを行うとともに細径
部を形成し,さらに通電しワイヤの先端部の形状をとと
のえることができるため機械的な切断等に比しワイヤ電
極の自動セットを円滑かつ確実に行うことができた。
しかしながら加工中にワイヤ断線が発生した様な場合
には,加工中の断線と通電加熱切断とにより分断された
ワイヤの破片(切りかす)が残されており,先ずこの破
片を回収した後,新たなワイヤ通し作業を行わなければ
ならず,この従来の装置を自動機としての機能を充分発
揮させて使用することがむずかしい。
一方,ワイヤを機械的に切断し旋回動作によりワイヤ
の残余破片を回収する構成が提案されているが,この装
置ではワイヤ切断部の先端の形状が変形して,曲がった
り,面が粗くなったりして,挿入失敗を起こしたりす
る。又,厚板加工物の加工中に断線した場合,ワイヤ破
片が長いため,その破片を回収しきれない等の不良を起
こしてしまう さらに,加工中の異常発生により断線が発生した場
合,その断線部分とは別の部位にて新たに切断動作を行
うことなくワイヤ電極断線部を装置内部からひき上げて
その断線部にて再度自動挿入を行うものがあるが,異常
により破断したワイヤ電極先端部の性状は一般に悪くな
っており,ガイドの細かい穴に挿入することが困難とな
り,特に低クリアランスのガイドを用いる場合にはほと
んど挿入できなくなる可能性があった。
この問題は,例えば特開昭59−107737号公報に示され
たワイヤ切断装置についても同様でありワイヤ電極の種
類や線径が変わると自動復帰に適当なワイヤ電極の先端
部形状が得られなくなる可能性があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので,切り残されたワイヤ電極の破片の回収が確
実に行えるようにし,またワイヤ電極切断時に良好な切
断形状が得られるようにして確実で信頼性の高い自動ワ
イヤ電極切断・供給を達成することのできるワイヤカッ
ト放電加工におけるワイヤ電極の切断処理方法を得るこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明にかかるワイヤカット放電加工におけるワイ
ヤ電極の切断処理装置においては、ワイヤ電極が破断さ
れているか否かを判別する判別手段と、上記ワイヤ電極
の一部を固定するワイヤ固定手段と、このワイヤ固定手
段により固定された上記ワイヤ電極の一部に通電し、切
断する切断手段と、上記判別手段により上記ワイヤ電極
が破断されていると判別され、上記切断手段により上記
ワイヤ電極に通電がなされている際に、上記固定手段に
より固定された上記ワイヤ電極の先端側の一部を挟持し
て張力を与え、上記切断手段による上記ワイヤ電極切断
後に、上記切断手段により切断された上記ワイヤ電極破
片を放電加工時のワイヤ電極送り方向とは逆方向に送出
する一対のワイヤ電極送りローラーと、を備えたもので
ある。
また、ワイヤ電極の一部に通電し、切断する切断手段
は、上記ワイヤ電極の一部に電力を供給する際に、上記
ワイヤ電極にあわせて適切な通電条件を、3〜20Aの範
囲で設定するようにしたものである。
さらに、ワイヤ電極の先端側の一部を挟持して張力を
与えるワイヤ電極送りローラーは、上記ワイヤ電極送り
ローラーの回転により、上記ワイヤ電極にあわせて適切
な張力を、100g〜1500gの範囲で設定するようにしたも
のである。
さらにまた、切断手段によりワイヤ電極の一部に通電
し、切断する際に、予め上記ワイヤ電極の一部に付着し
た加工液を除去する加工液除去手段を備えたものであ
る。
また、この発明にかかるワイヤカット放電加工におけ
るワイヤ電極の切断処理方法は、ワイヤ電極が破断され
ているか否かを判別する第1の工程と、この第1の工程
における判別結果に基づいて、ワイヤ電極が破断されて
いた場合には、上記ワイヤ電極の一部を一対のワイヤ電
極送りローラーにより上記ワイヤ電極に張力を付与する
と共に、切断手段による通電により上記ワイヤ電極を切
断する第2の工程と、この第2の工程の後、上記ワイヤ
電極送りローラにより上記ワイヤ電極を放電加工時のワ
イヤ電極送り方向とは逆方向に送出し、破断された先進
側の破片を取り除く第3の工程と、を備えたものであ
る。
〔作用〕
この発明におけるワイヤカット放電加工におけるワイ
ヤ電極の切断処理装置は、ローラーの動作によりワイヤ
電極にたいする張力付与と切断手段による通電とにより
ワイヤ電極を切断し、このワイヤ電極切断前のワイヤ電
極が張り渡されていた状態に基づいて選ばれた適切な方
向に、ローラの回転により切断されたワイヤ電極を送出
し、回収する。
さらにワイヤ電極の種類や線径に応じてワイヤ電極を
切断するために加える張力や加熱の条件を可変設定す
る。
さらにワイヤ電極に付着した液を除き切断条件を一定
に保つ。
〔実施例〕
以下この発明の実施例を図について説明する。第1図
はこの発明のワイヤカット放電加工装置の一実施例の構
成図,第2,3図は第1図の実施例の部分説明図,第4,5図
はこの装置の動作説明図である。
各図において,(1)はワイヤ電極,(1a)はワイヤ
の破片,(1b)はワイヤが走行する軸線,(2)は被加
工物,(3)は被加工物(2)にあらかじめ設けられた
加工開始穴,(4)はワイヤボビン,(5)(6)
(7)はワイヤ電極(1)を導くワイヤガイドローラ,
(8)は加工中のワイヤ電極(1)を走行させる一対の
ワイヤ走行ローラ,(9)は加工中の使用済みワイヤ電
極(1)を収納するワイヤ回収箱,(10a)(10b)は上
下ワイヤガイド,(11a)(11b)は上下加工ノズル,
(12a)(12b)は加工用電源(図示省略)に持続されて
加工部分に加工電力を供給するための上下給電子,(13
a)(13b)は上下ガイド,(14)はワイヤ送りローラ,
(15a)(15b)はワイヤ送りローラ(14)と上部ワイヤ
ガイド(10a)との間に設けられたワイヤ電極切断のた
めの通電子,(16)は通電子(15a)(15b)と上部ワイ
ドガイド(10a)とのワイヤ径路の軸線から離れた位置
に設けられ,ワイヤ電極切断時に用いられる張力付与ロ
ーラ,(17)は張力付与ローラ(16)に回転駆動力を与
えるモータ,(18)はワイヤ電極(1)を切断時にワイ
ヤをわん曲させつつ張力付与ローラ(16)との間にワイ
ヤ電極(1)をはさみ込む押さえローラ,(19)は押さ
えローラ(18)を並進可動させる押さえローラ移動機
構,(20)は加工中にワイヤ電極(1)に適正な張力を
加えるためにワイヤ走行ローラ(8)による引張力に対
する抵抗力を発生するブレーキ,(21)はワイヤ回収箱
(9)の内部に設けられ,ワイヤ電極(1)の存在およ
び電極の張架状態を検出する検出板,(22)は張力付与
ローラ(16)に直結されたモータ(17)の回転方向を正
逆両方向に切り換える駆動回路,(24)は上部給電子
(12a)とワイヤ回収箱(9)の中の検出板(21)の間
の導通を検出する検出回路である。第2図,第3図に示
されている(3a)はてこ部材,(40)(44)は圧縮バ
ネ,(42)(43)はエアシリンダである。
次にこの実施例の動作について説明する。
第1図において,放電加工中ワイヤ電極(1)はブレ
ーキ(20)により適正な張力を付与されつつワイヤ走行
ローラ(8)により引張られて走行し,別に設けられた
加工用の電源(図示していない)より加工エネルギーが
上下給電子(12a)(12b)を通してワイヤに供給され,
被加工物(2)との間の放電により被加工物(2)の放
電加工が行われる。この時第2図に示すように押さえロ
ーラ(18)は図中左方向に格納されたままであり,ワイ
ヤ電極(1)は各ローラ(18),(16)と接触しない状
態で本来の径路である軸線(1b)上を上から下へと走行
している。
被加工物(2)に対し1つの形状加工が終了したのち
自動連続加工のためにワイヤ電極(1)を切断し次の加
工開始穴(3)と軸線(1b)とが一致するまでテーブル
移動をしたあと,開始穴(3)に対するワイヤ挿入を行
い再び放電加工が開始されることとなるが,この動作を
第1図〜第3図にて説明する。
先ず切断に先だち,ワイヤ電極(1)が途中で破断さ
れていない状態かどうか,すなわち,上部ガイド(13
a)から被加工物(2),ワイヤ走行ローラ(8)を通
し,ワイヤ回収箱(9)まで連続的に張り渡されている
かどうかを,検出回路(24)より検出する。上給電子
(12a)と検出板(21)との間に電圧を加え導通がある
かどうかで検出し,それによりリレーなどを動作させ
る。
次いで,エアシリンダ(42)が押さえローラ移動機構
(19)を第2図の状態から第3図の状態へ,すなわち図
中右方向へ駆動し,ワイヤ電極(1)を張力付与ローラ
(16)と押さえローラ(18)の間にはさみ込む。同時に
通電子(15a)(15b)はエアシリンダ(43)により同様
に第3図の如く図中右から左方向へ駆動されワイヤ電極
(1)に接触する。押さえローラ(18)はてこ部材(3
9)を介して移動機構(19)に連結され,圧縮バネ(4
0)によって図において時計方向に回動しようとする力
が付与され,ワイヤ電極(1)を張力付与ローラ(16)
に圧着せしめられるこのため,ワイヤ電極(1)と張力
付与ローラ(16)との間には十分な摩擦力が発生する。
次に,ブレーキ(20)の固定を行い,張力付与ローラ
(16)をモータ(17)により矢印A方向(第3図)に回
転しようとする力を発生させてワイヤ電極(1)に張力
を発生させる。一方通電回路(22)は通電子(15a)(1
5b)に通電電流を供給する。通電によるワイヤ発熱は通
電子(15a)(15b)に伝達されて若干逃げるため通電子
(15a)(15b)の中間位置のワイヤの温度上昇が最も高
くなり,加熱溶断はこの中間位置で行われる。
通電を開始してから一定時間後,タイマー等が動作し
通電回路(22),駆動回路(23)が開放状態となり通電
及び張力付与を停止する。
次に,押さえローラ移動機構(19)はエアシリンダ
(42)の後退動作により駆動が解除されワイヤ電極
(1)の張力付与ローラ(16)と押さえローラ(18)の
間のはさみ込みが解除される。又同時に通電子(15a)
(15b)も同様にエアシリンダ(43)の後退動作により
ワイヤ電極(1)との接触を解除される。
この切断が行われた後,ワイヤ走行ローラ(8)が駆
動されることにより切断されたワイヤの破片(1a)は下
方に回収されワイヤ回収箱(9)に収容される。これ
で,切断前にワイヤがつながった状態にある時の一連の
切断およびワイヤ電極の破片の回収動作は終了する。こ
の動作を第4図(a)〜(d)に示す。切断および回収
動作が終了すると,図示していないX,Yテーブルにより
次の加工開始穴に位置決めが行われた後,ワイヤ送りロ
ーラ(14)を駆動してワイヤ電極(1)を次の加工開始
穴(3)に送り出し,図示省略しているがワイヤのガイ
ド機構によりワイヤを走行ローラ(8),ワイヤ回収箱
(9)まで送給してワイヤの自動挿入が完了する。一
方,ワイヤ電極(1)が上ワイヤガイド(13a)からワ
イヤ走行ローラ(8)までつながっていない状態すなわ
ち放電加工中の異常発生などによりワイヤに断線が発生
したような場合はワイヤ電極(1)を上述し同様に切断
した場合には,異常による断線部から通電切断した部分
の間に残るワイヤ断片をワイヤ走行ローラ(8)でワイ
ヤ回収箱(9)に回収することができないため,別の動
作を行わせる必要がある。
以下,異常断線時の場合を第5図の動作説明図で説明
する。
電極ワイヤ(1)が放電加工中に異常断線したような
場合,検出回路(24)は,給電子(12a)と検出板(2
1)の間のワイヤがつながっていない状態のためこれら
の間に電気的導通がないことを検出することによって異
常断線検出を行える。この場合,まず,押さえローラ
(18)が張力付与ローラ(16)との間にワイヤ電極
(1)をはさみこんだあと{第5図(b)},前述と同
様にワイヤに張力付与と通電を行つて加熱し切断する
{第5図(c)}。
次に,張力付与ローラ(16)を駆動するモータ(17)
の駆動回路(23)の中の接点の接続を切り替え張力付与
ローラ(16)の回転方向を逆にしてタイマー等にて一定
時間逆方向回転させて,ワイヤ走行ローラ(8)で回収
できない切断後のワイヤの破片(1a)を上部ガイド(10
a)から上方に抜きとり回収する{第5図(d)}。
そのあと,押さえローラ(18)及び通電子(15)をも
との位置に戻して切断動作を終了する。
切断動作終了後は,その加工のための加工開始穴
(3)に位置決めを行ったのち,ワイヤ送りローラ(1
4)を駆動し,ワイヤの挿入を行い,異常発生地点ま
で,加工した軌跡をたどってワイヤ電極(1)と被加工
物(2)とを相対移動させてもどし,そこから加工を再
開する。
以上のように構成されたこの発明の実施例では張力を
加えることおよび通電加熱することによりワイヤのくせ
とりが可能でありワイヤ電極切断時の電流値と引張力を
適正に選択することにより,切断後のワイヤ電極(1)
の先端が適度な尖形となり,これにより開始穴(3)へ
のスムースな挿入が可能となり,しかも切断動作の前の
ワイヤの張り具合いがどういう状態にあるかを検出して
切断後のワイヤの破片を回収するための送り方向を選択
しており,断線等の場合も確実な破片回収およびその後
の挿入動作が行える。特に,従来困難であった厚い板の
加工途中での断線時に発生する長いワイヤの破片の回収
も確実に行えるようになる。
なお,上記実施例では,ワイヤ電極(1)の張架状態
の検出として上部給電子(12a)とワイヤ回収箱(9)
の中の検出板(21)との間の導通を検出回路(24)にて
検出したが,第6図に示す如くリミットスイッチ(25)
を用いても良い。つまり,ワイヤ電極(3)が,張力付
与ローラ(16)・押さえローラ(18)から走行ローラ
(8)に到る間,つながって張架されていれば,ワイヤ
電極の張力によりリミットスイッチ(25)がそれを検出
して,ワイヤ切断後両ローラ(16)(18)を順方向に回
転させるようにし,またワイヤが途中で断線していれば
ワイヤの張力が無いことからリミットスイッチ(25)の
接触子部分が突出動作して断線を検出して,ワイヤ切断
後両ローラ(16)(18)を逆方向に回転させてワイヤの
破片を回収する。このように,リミットスイッチ(25)
などにより加工中の断線を検出回路(24)で検出しこれ
を検出した時のみワイヤの破片(1a)を第5図(d)の
ように上方に回収するようにしてもよい。
又,前述の説明で切断後のワイヤの破片(1a)を第5
図(d)の如く上方に回収する手段として切断時に張力
を付与する手段を兼用したため,装置の構成が簡単なも
のとなっている。
次に,上方に回収した切断後のワイヤの破片(1a)を
収納する具体的な実施例及びその動作説明を第7図〜第
11図に示す。第7図において,(50)は張力付与ローラ
(16)の近傍に設けられたワイヤ破片収容箱であり,一
対のローラ(16)(18)から送り出されてくるワイヤ破
片を受容する位置に配設されている。その他の構成は前
述の構成と同一である。
図において,加工中の使用済みワイヤ電極(1)や下
方に回収されるワイヤ破片(1a)はワイヤ回収箱(9)
に収納される。加工中に断線を起こした場合第3図の如
くワイヤ電極(1)が通電加熱切断されその後第5図
(d)の如く張力付与ローラ(16)が逆方向に回転する
が,この状態を第8図,第9図に示す。第8図はワイヤ
電極(1)が通電加熱により切断された直後を示し,次
いで第9図の如く張力付与ローラ(16)は駆動回路(2
3)の切り替えによりモータ(17)が逆回転し,ローラ
(16)も一定時間逆方向に回転する。これによりワイヤ
破片(1a)はワイヤ破片収容箱(50)に送り出され,確
実に収納箱(50)に回収されることとなる。
第10図に示す実施例の如く,ワイヤ破片収容箱(50)
をらせん状にすることにより,長いワイヤ破片であって
も円滑に回収できるようになる。さらに,収容箱(50)
に収容補助エア噴出口(51)を設けて,回収されたワイ
ヤ破片を気流にのせて案内することにより,確実に収容
動作を行うことができる。第11図に示した他の実施例の
如く,吸引ダクト(52)と吸引装置(53)を設けてワイ
ヤ破片(1a)を収容するようにした構成でもよい。以上
のような収容箱を設けることにより,より確実な回収が
可能となる。
上述の実施例では,張力付与ローラ(16)を一定時間
逆方向に回し上方に回収する時,タイマーを使用する例
を述べたが,この代わりにワイヤ破片回収の完了を検出
する回路を設けてもよい。この具体例を第12図〜第14図
に示す。
第12図において,(26)はオフディレイ機能を有する
リレー,(27)は電源であり張力付与ローラ(16)と上
部給電子(12a)との導通をこのリレー(26)にて検出
するようにしており,この導通がなくなったことを検出
してワイヤ破片(1a)の上部への回収の完了を検出する
ようにしている。リレー(26)が回収完了検出すると,
その後所定の短時間だけモータ(17)の駆動を継続さ
せ,ワイヤ破片(1a)の終端部まで確実に収容箱(50)
内に送り込まれるようにする。
第13図は光センサを用いてワイヤ破片(1a)の回収を
検出するようにした実施例であり,(28)は張力付与ロ
ーラ(16)の直下部に,ワイヤ電極と対向するように配
設された光センサであり,ワイヤ電極が存在する時とし
ない時との光の入射(反射)の変化により検出信号を発
するようになっている。(29)は光センサ(28)の出力
信号を増幅するアンプ(30)はアンプ(29)からのアナ
ログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器,(31)は
AD変換器(30)からのデジタル信号を入力してモータ
(17)の動作を制御する制御装置である。この制御装置
(31)では,ワイヤ電極の通電加熱切断後のワイヤ破片
の逆方向回収が行われる際に,ワイヤ電極の破片が張力
付与ローラ(16)と上部ガイド(13a)との間に存在し
ているか否かを表す信号を光センサ(28)より受け取
り,ワイヤ電極が存在しなくなったことを表す信号によ
り回収完了を識別する。なお,ワイヤ破片の終端部まで
確実に収容箱(50)に送り込まれるようにするために,
制御装置(31)の内部で遅延タイマ機能を実行させるな
どして,モータ(17)の停止制御を若干遅らせるように
すると良い。
第14図の実施例は光センサの代わりに磁気センサ(3
2)を設けたもので,磁気によりワイヤ破片の存在・不
存在を識別するようにしている。
以上のようにワイヤの破片(1a)の回収を検出するこ
とによりタイマーも使用するのに対して回収送り不足あ
るいは回収送り過多ということを防止できるようにな
る。又,厚板加工の様に非常に長いワイヤ破片に対して
も回収のためにタイマーをワイヤの破片長さに合わせて
設定しなおすことが不要となる。
次に,ワイヤ電極に電流を流す通電手段と張力を付与
する張力付与手段のさらに改良された構造について第15
図〜第19図に示す。
第15図において,(33)は押さえローラ駆動機構(1
9)に装着され,通電子(15a)に対向する位置に配設さ
れたワイヤ電極押圧子であり,一端がローラ駆動機構
(19)に固定されたU字状ばねと,このばねの他端の自
由端に設けられワイヤ電極を通電子(15a)に押圧する
押圧部材とを有している。ワイヤ電極の通電子に対する
接触圧力は,図から分かるように,押圧ローラ(18)の
存在により下部の通電子(15b)のほうが大きく,上部
の通電子(15a)に対するそれのほうが小さくなり,そ
のためワイヤ電極が通電子(15a)から浮き上がりやす
くなってしまう。そこで,押圧子(33)を設けたもの
で,ローラ駆動機構(19)の進出動作により押圧子(3
3)も進出し,それによりワイヤ電極を上部の通電子(1
5a)に押圧して,確実にワイヤへの通電が行われること
を可能にしている。
第16図の実施例は,通電子(15a)(15b)を円筒形状
としてワイヤ電極(1)に対する上部ガイド(13a)の
役割を兼ねさせるようにしたものである。このような構
成により,上部ガイド(13a)を不要とすることがで
き,構造を簡素化することが可能となる以上によりより
確実な通電切断が可能である。
第17図(a)(b)(c)に示すように,張力付与ロ
ーラ(16)又は押さえローラ(18)の上下近傍にワイヤ
電極径よりも若干大きく,かつ張力付与ローラ(16)押
さえローラ(18)の幅よりも十分小さな幅のスリットを
有する脱輪防止スリット(34)(35)を設けることによ
り,切断時及びワイヤ破片回収時におけるワイヤの脱輪
を防止することができる。脱輪防止スリット(34)(3
5)のかわりに第18図に示すように脱輪防止ピン(36)
(37)を上下に設けてもよく,又第19図のように,ワイ
ヤ受け溝を外周に有する脱輪防止ローラ(38)を設ける
ような構成にしても良い。
これらの構造の採用によりワイヤ電極をより確実に切
断でき,またワイヤ破片の回収ができる。
なお,前述までの説明では,異常により電極ワイヤ
(1)が破断されてしまった状態の切断後のワイヤ破片
(1a)の回収を張力付与ローラ(16)を逆方向に回転さ
せて上の方向へ送って行う動作例を示したが,これに限
られないことは当然である。例えば,加工開始穴(3)
からワイヤ破片(1a)を横へ押し出し加工ノズル(11
a)から噴出する加工液でこの切りかす(1a)を押し流
す方法等も可能である。
この発明の他の実施例の構成を第20図に,又切断され
たワイヤ電極の性状を第21〜23図に示す。
図において,(22)は通電子(15a)(15b)に異なる
通電電流を供給する通電回路,(23)は張力付与ローラ
(16)に直結されたモータ(17)に異なる駆動力を発生
させるよう切り換え制御する駆動回路,(31)は加工お
よび挿入動作などの制御を行う制御装置(45)は制御装
置内部に設けられワイヤ電極の種類線径に関する情報を
記憶するメモリである。
第20図のワイヤカット放電加工装置における加工,切
断の動作はほぼ第1図について述べた動作と同様であ
る。その際,あらかじめ制御装置(31)内部のメモリ
(45)に格納されたワイヤ電極種類,線径などの情報に
もとづき,制御装置(31)は駆動回路(23)内部のリレ
ーを切り換え,そのワイヤ電極に対して最適な切断張力
が加わるように制御される。次に同様に,制御装置(3
1)は通電回路(22)内部のリレーを切り換えそのワイ
ヤ電極に対して最適な通電電流を供給して通電子(15
a)(15b)の間でワイヤ電極(1)を切断する。ワイヤ
電極を切断するのは挿入を円滑に行うためであるが,挿
入時に円滑な挿入動作を行うためには,(1)先端形状
が適度は尖形を程していること,(2)先端部での曲が
りが発生しないこと,(3)通電発熱により先端部にば
りが発生しないこと,(4)先端部が変質して極度に軟
化しないこと,などを満足するような切断を行う必要が
ある。第21図は線径の異なるワイヤ電極(黄銅ワイヤ)
について通電々流に対する尖形部長さと先端での曲がり
量を測定したものである。
第21図(a)より,φ0.3黄銅ワイヤの場合,通電電
流が8〜9A以下となると切断不能となるため最低でも10
A以上の電流を流す必要があるが,通電々流が高くなり
すぎると,切断部形状が尖形とならずにひきちぎられた
ような形状となってしまうとともに,先端部曲がり量が
急激に増大してしまうため,挿入成功率は著しく低下す
る。よってφ0.3黄銅ワイヤの場合は10〜18Aが適正通電
々流範囲となる。同様にφ0.2黄銅ワイヤ,φ0.1黄銅ワ
イヤの場合にも適正通電々流範囲が存在しφ0.2黄銅ワ
イヤで5〜10A,φ0.1黄銅ワイヤで3〜7A程度とそれぞ
れ異なった範囲となる。
一方,切断張力についてもワイヤ種類・線径により最
適な張力値が存在する。第22図は,種類・線径の異なる
ワイヤ電極について,切断張力と切断時ばり(熱変質に
よる)の発生量を測定したものである。第22図より黄銅
ワイヤの場合,φ0.1,0.2線径とも切断張力にかかわら
ず切断時ばり発生量は少ないが,亜鉛コーディングワイ
ヤの場合,切断時の張力により切断時ばり発生量は大き
く異なり,大きな張力を付加した状態できわめて短時間
に切断を行わないと切断時ばり量が増大し,ひいては挿
入成功率が著しく低下してしまう。こうした傾向は他の
被覆ワイヤにもあらわれ,亜鉛コーティングワイヤの場
合にはφ0.2線径で1200g以上の張力を加えることにより
切断時のばりが少なく良好な切断形状が得られる。こう
した高い張力を加えるためには張力機構で十分な摩擦引
張力を得ることが必要であるが,本実施例のように押し
つけローラ(18)によりワイヤ電極(1)をわん曲させ
つつ張力付与ローラ(16)との間にはさみこむ構成とす
ることにより,接触面積が増大するため,十分な摩擦力
が得られる。黄銅ワイヤについても線径がφ0.2以上の
ワイヤの場合には800g以上の張力を加えて切断した方が
通電時にワイヤが赤熱してしまうこともなく,短時間で
切断できるため先端部の変質による軟化が少なく良好な
先端形状が得られるが,φ0.1以下の線径の場合はもと
もとの抗張力が低いため,張力は500g以下に押さえる必
要がある。
以上,通電々流および切断張力値はワイヤ種類線径に
より切り換える必要があるが,現在使用されている各種
ワイヤ電極について実験を行った結果,通電々流を3〜
20A,切断張力を100〜1500gの範囲で切り換え,それぞれ
を最適に組み合わせることにより,ほぼすべてのワイヤ
電極の切断を良好に行うことができる。
さらに,通電切断に際して通電子(15a)(15b)のス
パンも先端曲がり量および先端部の変質に大きな影響を
およぼす。これは通電子スパンか変わるとワイヤ通電長
さが変化し,抵抗値も変化するためである。第23図に通
電子スパンと先端曲がり量の関係を示す。図より,スパ
ンが短かすぎるとワイヤ部の抵抗が低くなるため切断不
能となり,逆にスパンが長すぎると,全体の発熱量は増
大するもののワイヤ電極は広い範囲で発熱し,溶断にい
たるまでにより時間がかかるようになる。
この結果,ワイヤ先端部の剛性が失なわれる範囲も拡
大し,先端曲がり量が大巾に増大する。
各種ワイヤについて実験を行った結果,第23図から分
かるように通電子(15a)(15b)の間のスパンは5〜20
mmの範囲が最も良好な切断形状が得られる。
以上の通り,ワイヤ電極切断時のワイヤ電極に加える
張力値や電流値は,ワイヤの種類や線径によって切断時
の良好な先端を得られる範囲が異なつている。これらを
自由に選択できるようにすることにより最適な形状が得
られる。但し,もし使用するワイヤの種類が一定等の場
合には張力値もしくは電流値の一方のみを可変にしても
良いし,上述の通り電流値の変わりに通電子間のワイヤ
長さを変えワイヤ抵抗値に基づくワイヤの温度を変化さ
せても良いことは当然である。上述した第21図の実施例
においては,ワイヤ種類線径に応じて最適な切断条件を
選択することができるため,常に最適な切断部の形状を
得ることができ,ひいてはワイヤ電極挿入の信頼性を著
るしく高めることが可能となる。
第20図の実施例のように切断時の通電電流や引張力を
変化させるための他の実施例の構成を第24図に示す。図
において(46)(47)はD/A変換器,(48)(49)はト
ランジスタである。第20図では通電回路(22),駆動回
路(23)の切り換えをリレーにより行う例を示したが,
第24図のようにトランジスタの如き電流可変素子(48)
(49)とD/A変換器(46)(47)を設け,制御素子(3
1)の指令によりトランジスタ(48)(49)を制御し電
流を変えることにより,よりきめのこまかい切り換えを
行うことが可能である。
又,リレー等の代わりにロータリースイッチを使用さ
せる等の種々の構成が採用可能である。
ワイヤ電極の切断完了を検出することのできるこの発
明の他の実施例を第25図に示す。図において,(15a)
(15b)は通電子,(22)は通電子(15a)(15b)に通
電電流を供給する通電回路,(31)は加工,挿入あるい
は切断などを制御する制御装置,(56)は通電回路(2
2)と並列に設けられた切断検出回路,(54)はフォト
カプラ,(55)はリレーである。
第25図のワイヤカット放電加工装置における加工,切
断の動作はほぼ第1図について述べた動作と同様であ
る。その際,ワイヤ電極(1)が張力付与ローラ(16)
により加えられた張力と通電子(15)により流された電
流により切断されるまでは,ワイヤ電極(1)を介して
通電回路(22)は短絡状態にあるため,切断検出回路
(56)への入力電圧はほぼゼロ(ワイヤ抵抗による電圧
降下分のみ)である。通電子(15a)(15b)の間でワイ
ヤが切断した瞬間,通電回路(22)はオープン状態とな
るため,切断検出回路(56)への入力電圧は通電回路
(22)の電源電圧まで上昇し,フォトカプラ(54)を介
してリレー(55)がオンされ,制御装置(31)に切断検
出信号が送られる。切断時での検出遅れは数十μsec程
度と極めて小さな値となる。この切断検出回路(56)か
らの切断検出信号により通電回路(22)およびモータ
(17)の張力付与のための駆動を制御装置(31)がオフ
し,これによってワイヤ電極(1)への通電及び張力付
与が停止される。
第25図の実施例のように切断完了検出を行うことので
きる他の実施例の構成を第26,27図に示す第26図の実施
例では,通電回路(22)に直列に挿入された抵抗の両端
の電圧の有無により切断を検出するものであり,切断に
より通電がなくなったことを検出し,切断完了信号を制
御装置(31)へ送る 第27図の実施例では,光センサ(28)を通電子(15
a)(15b)の間に設け,アンプ(29),A/D変換器(30)
を通して切断完了検出の信号を制御装置(31)へ送る。
第25〜27図の構成を採用することにより,すなわち通
電子(15a)(15b)の中間部分でのワイヤ電極(1)の
切断を検出する切断検出回路(56)やセンサ(28)等の
切断検出手段を設けることによりワイヤ電極の切断を瞬
時に検出することができ,ワイヤの径が異なり切断時間
が変わったり,ワイヤに水などが付着し長い切断時間が
必要になったとしても,切断を確実に検出できることか
ら,必要以上に通電時間が長くなったり,また逆に通電
不足になってしまったりすることがなくなる。なお,切
断検出手段により所定の時間経過しても切断を検出しな
い場合は動作を停止させ,警報を発するようにすれば,
切断不能のまま放置されるという問題もなくなる。切断
後のワイヤ電極先端の案内が行われ,確実な自動挿入を
可能とする。
この発明の他の実施例の構成を第28図に,その詳細説
明を第29,30図に示す。
図において,(57)(58)は案内パイプ昇降エア導入
口,(59)は案内パイプ(64)を下降方向に駆動する時
にエアを供給するためのエア配管,(60)は案内パイプ
(64)を上昇方向に駆動する時にエアを供給するための
エア配管,(61)はOリング,(62)はエア噴出口,
(63)は噴出エア,(65)は案内パイプ(64)を収納す
ると共にシリンダとしての機能を兼ねる昇降案内機構,
(66)はワイヤ挿入送りローラ(14)の下に設けられた
送り出しガイド,(67)は送り出しガイド(66)に固定
されたパイプ,(68)はシリンダの蓋である。
第28図のワイヤカット放電加工装置における加工,切
断の動作はほぼ第1図について述べた動作と同様であ
る。ここでは,ワイヤ挿入送りローラ(14)と上部ガイ
ド(13a)の間に設けたワイヤ電極を案内する機構の動
作について第29図,第30図により説明する。ワイヤを案
内するための送り出しガイド(66),シリンダ(65),
案内パイプ(64)などがワイヤ挿入送りローラ(14)と
通電手段(15a)(15b)との間に設けられている。
放電加工中,ワイヤ電極はその走行する軸線(1b)上
を走行しており,第29図の如く押さえローラ(18)及び
通電子(15)はそれぞれ軸線(1b)付近からずらして所
定の位置に格納された状態である。案内パイプ(64)は
この軸線に沿って降ろされておりこの中をワイヤが走行
することになる。
第29図に示された状態からエア配管(60)及び案内パ
イプ昇降エア導入口(58)を通してエアをシリンダ(6
5)の中へ供給するとシリンダは蓋(68)により閉じら
れているため案内パイプ(64)を上へ持ち上げる。この
結果第30図の如く,ワイヤを切断する通電手段等の部分
におけるワイヤ電極(1)は露出し,前述の如く切断動
作が可能となる。案内パイプ(64)が上昇する際,シリ
ンダ(65)内のエアはパイプ(67)と案内パイプ(64)
の間のすきまを抜けて案内パイプ先端からの噴出エア
(63)となる。又エア配管(60)からのエアも同様にエ
ア噴出口(62)を抜けて噴出エア(63)となる。この噴
出エアにより切断部ワイヤに付着した水滴等を取り除く
ことができ,これにより切断条件を一定に保つことが可
能となる。
切断動作他が終了するとエア配管(59)及びエア導入
口(57)を介してエアをシリンダ(65)の内部に供給す
ることにより,案内パイプ(64)を下降させて第29図の
状態にもどる。この時シリンダ(65)内のエアは案内パ
イプ(64)と蓋(68)との間等から抜ける。
以上の如く昇降可能な案内パイプ(64)を上部ガイド
(13a)に近接する部位まで降ろすことによりワイヤ電
極の送り出しの時にこのワイヤを確実に案内することが
可能となる。
なお,上述の例で切断前に案内パイプ(64)を数回昇
降を繰り返すことにより切断部でのワイヤ電極(1)の
曲がり等を修正することも可能である。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば、判別手段によりワイ
ヤ電極が破断されていると判別された際に、ローラーに
より張力を与えながら通電により切断することにより、
切断後のワイヤ電極の先端が適度な尖形とし、ワイヤ電
極の挿入動作の支障を防止することができるとともに、
破断時に発生する切断されたワイヤ電極の長さにかかわ
らず、確実にワイヤ電極破片の回収を自動的に行うこと
ができる。
さらに、ワイヤ電極の先端側の一部を挟持して張力を
与える手段と、ワイヤ電極破片を自動的に回収する手段
とを、一対のローラーにより兼用して形成したので、装
置構成が簡単となる。さらに,ワイヤ電極を通電加熱に
より切断するための張力や加熱の条件を設定できるよう
にしたのでワイヤを自動挿入するに適した良好な切断形
状が得られるという効果がある。さらにワイヤ電極に付
着した液を除き,切断条件を一定に保つようにしたので
確実で信頼性の高い切断処理が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるワイヤカット放電加
工装置の構成図,第2,3図は第1図の実施例の要部拡大
図,第4,5図は第1図実施例の動作説明図,第6,7図はこ
の発明の他の実施例を示す構成図,第8,9図は第7図実
施例の動作説明図,第10〜19図はこの発明の他の例の部
分説明図,第20図はこの発明の更に他の実施例による装
置の構成図,第21〜23図は切断されたワイヤ電極の切断
部の性状を説明するためのグラフ図,第24〜28図はこの
発明の更に他の実施例による装置の構成図第29,30図は
第28図の実施例の部分拡大説明図である。 (1)はワイヤ電極,(8)はワイヤ走行ローラ,(1
5)は通電子,(16)は張力付与ローラ,(18)は押さ
えローラ,(20)はブレーキ,(22)は通電回路,(2
3)は駆動回路を示す。 なお,図中,同一符号は同一,又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−62614(JP,A) 特公 昭61−54529(JP,B2) 実公 昭63−25120(JP,Y2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ電極が破断されているか否かを判別
    する判別手段と、 上記ワイヤ電極の一部を固定するワイヤ固定手段と、 このワイヤ固定手段により固定された上記ワイヤ電極の
    一部に通電し、切断する切断手段と、 上記判別手段により上記ワイヤ電極が破断されていると
    判別され、上記切断手段により上記ワイヤ電極に通電が
    なされている際に、上記固定手段により固定された上記
    ワイヤ電極の先端側の一部を挟持して張力を与え、上記
    切断手段による上記ワイヤ電極切断後に、上記切断手段
    により切断された上記ワイヤ電極破片を放電加工時のワ
    イヤ電極送り方向とは逆方向に送出する一対のワイヤ電
    極送りローラーと、を備えたことを特徴とするワイヤカ
    ット放電加工におけるワイヤ電極の切断処理装置。
  2. 【請求項2】ワイヤ電極の一部に通電し、切断する切断
    手段は、上記ワイヤ電極の一部に電力を供給する際に、
    上記ワイヤ電極にあわせて適切な通電条件を3〜20Aの
    範囲で設定することを特徴とする請求項第1項記載のワ
    イヤカット放電加工におけるワイヤ電極の切断処理装
    置。
  3. 【請求項3】ワイヤ電極の先端側の一部を挟持して張力
    を与えるワイヤ電極送りローラーは、上記ワイヤ電極送
    りローラーの回転により、上記ワイヤ電極にあわせて適
    切な張力を100g〜1500gの範囲で設定することを特徴と
    する請求項第1項記載のワイヤカット放電加工における
    ワイヤ電極の切断処理装置。
  4. 【請求項4】切断手段によりワイヤ電極の一部に通電
    し、切断する際に、予め上記ワイヤ電極の一部に付着し
    た加工液を除去する加工液除去手段を備えたことを特徴
    とする請求項第1項記載のワイヤカット放電加工におけ
    るワイヤ電極の切断処理装置。
  5. 【請求項5】ワイヤ電極が破断されているか否かを判別
    する第1の工程と、 この第1の工程における判別結果に基づいて、ワイヤ電
    極が破断されていた場合には、上記ワイヤ電極の一部を
    一対のワイヤ電極送りローラーにより上記ワイヤ電極に
    張力を付与すると共に、切断手段による通電により上記
    ワイヤ電極を切断する第2の工程と、 この第2の工程の後、上記ワイヤ電極送りローラにより
    上記ワイヤ電極を放電加工時のワイヤ電極送り方向とは
    逆方向に送出し、破断された先進側の破片を取り除く第
    3の工程と、 を備えたことを特徴とするワイヤカット放電加工におけ
    るワイヤ電極の切断処理方法。
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