JP6017522B2 - ワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用制御装置 - Google Patents

Description

本発明はワイヤ放電加工機を制御する制御装置に関し、特に、ワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用制御装置に関する。

ワイヤ放電加工機が製造工場の量産加工ラインに組込まれる際、生産性を向上させるために長時間の連続運転が求められる。このような場合、ワークの自動交換を行うワーク交換手段を伴ったワイヤ放電加工システムが採用されている。しかしながら、ワイヤ放電加工機の各種消耗品が寿命に達してこれらの交換が必要な場合には、連続運転を一旦停止し、人手で消耗品を交換して運転再開を行うという作業が必要になり、これが長時間連続自動運転の障害となり、生産性向上の足枷となっていた。

ワイヤ放電加工機のワイヤ電極が寿命に達したことを検出したり、ワイヤ電極の残寿命を検出したりする技術はこれまでにも考案されてきた。しかしながら、これらはワイヤ電極の交換時期が訪れたことを表示装置に表示するなどして作業者に交換を促す仕組みとなっていた。

特許文献１には、ワイヤ張力の検出値を基にしてワイヤ残量を検出するワイヤ放電加工機と、ワーク加工前に加工プログラムを解析し、その加工に必要なワイヤ長を求め、検出したワイヤ残量と比較してワイヤボビン交換の要否を判定し、判定結果を表示装置に表示するワイヤ放電加工機が開示されている。

特許文献２には、ワイヤの残量を算出し、加工プログラムを解析することによって加工条件単位毎のワイヤの消費量を算出し、残量と消費量を比較することによってワイヤ切れのポイントやワイヤ交換ポイントを報知するワイヤ放電加工機が開示されている。

特許文献３には、ワークや中子の取り出しを行うワークハンドリングロボットを装着した放電加工機が開示され、該放電加工機はロボットが加工槽の外側にあることを特徴としている。

特許文献４には、給電子（電極ピン）とワイヤガイドを有するヘッドを自動交換するワイヤ放電加工機が開示され、該ワイヤ放電加工機は、給電子の耐用時間を予め登録しておき、加工機の稼働時間が耐用時間を経過した場合、加工を一旦停止してヘッドを交換する。

特許文献５には、加工済みワークの乾燥手段、防錆手段を備えたワーク交換装置を有するワイヤ放電加工機が開示されている。

特開２０１０−１７９３７７号公報 特開２００３−２５１５５号公報 特開平９−２１６１２９号公報 特開平８−１１８１５１号公報 特開平７−２６６１３７号公報

自動運転の妨げとなっていたのは、ワイヤ放電加工の場合には放電加工中に加工を一時停止すると、加工再開時に加工面に筋目が発生し、加工面質が悪化するという問題である。これは、再開時にワイヤと被加工物との間で一時的に短絡が発生するなどして、放電状態が不連続となるために生じる問題であり、この問題のために、ワイヤ電極が交換時期に達しても、安易に交換することができなかった。そのため、作業者が前述した表示装置の表示などを参考にしながら、放電加工が中断するタイミングを見計らってワイヤ電極を交換するということが当たり前のこととして行われてきた。このように、ワイヤ電極の交換に人手を介する必要があり、これが長時間連続自動運転の障害となり、生産性向上の足枷となっていた。

特許文献１に開示される装置では、加工プログラムを解析してワイヤ長を求め、交換の要否を判定する仕組みとなっているが、作業員が交換する前提となっているために加工前に判定するようになっている。このようなタイミングで交換すると、１０時間以上要する加工も珍しくないワイヤ放電加工ではワイヤの廃棄ロスが多くなり、非効率である。また、作業員が交換するために長時間連続自動運転にも適さないので、生産性向上の効果はない。

特許文献２に開示される装置では、加工プログラムを解析してワイヤ交換ポイントを報知する仕組みとなっているが、加工条件単位毎に報知するようになっている。これに対して後述する本願発明は、放電加工区間毎にワイヤ電極の交換時期を判定する仕組みとなっているので、構成が異なる。また、特許文献２は作業者がワイヤを交換することを前提としているため、ワイヤ電極を交換する構成、交換後にプログラム運転を再開する構成にはなっていない。したがって、長時間連続自動運転にも適さないので、生産性向上の効果はそれほど期待できない。

特許文献３に開示される装置は、ワークを交換する手段を有しているが、ワイヤ電極を交換できるような構成ではない。
特許文献４に開示される装置は、加工機の稼働時間と予め登録されている給電子の耐用時間から交換時期を判断する仕組みとなっており、後述する本願発明とは構成が異なる。すなわち、特許文献４に開示されるような構成で交換を行うと、放電加工の最中に加工が一旦停止することになり、加工再開時に加工面に筋目が発生して面質が悪化するという課題を解決することができない。後述する本願発明の場合には、放電加工の最中には停止しないような仕組みとなっており、この課題を解決できる構成となっている。

特許文献５に開示される装置は、ワークの乾燥手段、防錆手段、交換手段を有しているが、ワイヤ電極を交換できるような構成ではない。

そこで本発明の目的は、ワイヤ放電加工機の消耗品の中でワイヤ電極に着目し、ワイヤ電極が交換時期に達した際に、連続運転を停止することなく、また、人手を介することなくワイヤ電極交換を行えるようにするために、ワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用の制御装置を提供することである。

前記本発明の目的を達成するために、本発明では、ワイヤ残寿命時間監視手段、放電加工時間算出手段、ワイヤ交換時期判定手段を有することにより、放電加工が中断するタイミングを認識することができるようにした。そして、そのタイミングに合わせて、プログラム運転の一時停止、ワイヤ電極の切断、ワイヤ交換手段によるワイヤ電極の自動交換を指令することができるような制御装置とし、また、ワイヤ電極の交換後には、ワイヤ電極の結線、プログラム運転の再開を指令することができるような制御装置とした。

そして、本願の請求項１に係る発明は、加工プログラムの軸移動指令に基づいて加工経路を作成し、前記加工プログラムにしたがってプログラム運転を行い、前記加工経路にしたがってワイヤ電極と被加工物を相対移動させるワイヤ放電加工機用制御装置であって、前記加工プログラムを実行するプログラム運転制御手段と、前記ワイヤ電極の残寿命時間を監視するワイヤ残寿命時間監視手段と、前記加工プログラムを解析し、放電を開始する前に前記放電を停止するまでの加工区間の放電加工時間を算出する放電加工時間算出手段と、前記残寿命時間と前記放電加工時間を比較して、前記残寿命時間が前記放電加工時間より短い場合、前記ワイヤ電極の交換時期と判定するワイヤ交換時期判定手段と、前記交換時期を迎えると、前記プログラム運転の停止指令を前記プログラム運転制御手段へ出力するプログラム運転停止指令手段と、前記ワイヤ電極の切断指令をワイヤ切断手段へ出力し、前記ワイヤ電極の切断完了を監視するワイヤ切断制御手段と、前記ワイヤ電極の交換指令を、該交換指令を受け取った際に自動的にワイヤ電極を交換するワイヤ交換手段へと出力し、前記ワイヤ電極の交換完了を監視するワイヤ交換制御手段と、前記ワイヤ電極の交換が完了すると、前記ワイヤ電極の結線指令をワイヤ結線手段へ出力し、前記ワイヤ電極の結線完了を監視するワイヤ結線制御手段と、前記ワイヤ電極の結線が完了すると、前記プログラム運転の再開指令を前記プログラム運転制御手段へ出力するプログラム運転再開指令手段と、を有することを特徴とするワイヤ放電加工機用制御装置である。

請求項２に係る発明は、前記ワイヤ交換時期判定手段は、前記残寿命時間と前記放電加工時間の比を求め、該比が所定の値よりも小さい場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、請求項１に記載のワイヤ放電加工機用制御装置である。
請求項３に係る発明は、前記ワイヤ交換時期判定手段は、前記残寿命時間と前記放電加工時間の差を求め、該差が所定の値よりも小さい場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、請求項１に記載のワイヤ放電加工機用制御装置である。
請求項４に係る発明は、前記ワイヤ交換手段は、ロボットであることを特徴とする請求項１乃至３の何れか一つに記載のワイヤ放電加工機用制御装置である。

本発明により、加工面質の悪化を心配することなく、ワイヤ交換手段によるワイヤ自動交換が実現可能となり、ワイヤ交換を行う作業員が不要となる。また、ワイヤ交換後にはプログラム運転の再開も可能となるので、ワイヤ放電加工の生産性が飛躍的に向上すると期待できる。

ワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用制御装置を示すブロック図である。 図３に示される加工プログラムによるワークの加工を示す図である。 ３回加工を繰り返し行う加工プログラムの例を示す図である。 図５に示される加工プログラムによるワークの加工を示す図である。 ３回加工を繰り返し行う加工プログラムの他の例を示す図である。 ワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用制御装置の制御のフローを示す図である。

以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図１はワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用制御装置を示すブロック図である。ワイヤ放電加工機用制御装置１０は、加工プログラムの軸移動指令に基づいて加工経路を作成し、前記加工プログラムにしたがってプログラム運転を行い、前記加工経路にしたがってワイヤ電極と被加工物を相対移動させるワイヤ放電加工機を駆動制御する制御装置である。

ワイヤ放電加工機用制御装置１０は、加工プログラムを実行するプログラム運転制御手段１６と、前記ワイヤ電極の残寿命時間を監視するワイヤ残寿命時間監視手段１１と、前記加工プログラムを解析し、放電を開始する前に前記放電を停止するまでの加工区間の放電加工時間を算出する放電加工時間算出手段１２と、前記残寿命時間と前記放電加工時間を比較して、前記残寿命時間が前記放電加工時間より短い場合、前記ワイヤ電極の交換時期と判定するワイヤ交換時期判定手段１３と、前記交換時期を迎えると、前記プログラム運転の停止指令を前記プログラム運転制御手段１６へ出力するプログラム運転停止指令手段１４と、前記ワイヤ電極の切断指令をワイヤ切断手段２０へ出力し、前記ワイヤ電極の切断完了を監視するワイヤ切断制御手段１７と、前記ワイヤ電極の交換指令をワイヤ交換手段２１へ出力し、前記ワイヤ電極の交換完了を監視するワイヤ交換制御手段１８と、前記ワイヤ電極の交換が完了すると、前記ワイヤ電極の結線指令をワイヤ結線手段２２へ出力し、前記ワイヤ電極の結線完了を監視するワイヤ結線制御手段１９と、前記ワイヤ電極の結線が完了すると、前記プログラム運転の再開指令を前記プログラム運転制御手段１６へ出力するプログラム運転再開指令手段１５と、を有する。

ワイヤ交換時期判定手段１３は、前記残寿命時間と前記放電加工時間の比を求め、該比が所定の値よりも小さい場合にワイヤ電極の交換時期と判定する機能を有している。
これに替えて、ワイヤ交換時期判定手段１３は、前記残寿命時間と前記放電加工時間の差を求め、該差が所定の値よりも小さい場合にワイヤ電極の交換時期と判定する機能を有してもよい。また、ワイヤ交換手段は、ロボットを採用することができる。

以下、ワイヤ放電加工機用制御装置１０の各要素を説明する。
＜ワイヤ電極＞
ワイヤ放電加工機に用いられるワイヤ電極は、放電を発生させるために利用するワイヤ状の電極である。ワイヤ放電加工機に備わったボビンに巻かれているワイヤを引き出して放電させ、そのまま廃棄箱等に回収して使い捨てにする。機械の稼働時間からワイヤの残寿命時間を監視することができるが、ボビンに巻かれているワイヤの重さや長さ、径が決まっているので、これらと加工条件ごとに変化するワイヤの送り速度から、より厳密に残寿命時間を監視することもできる。
＜ワイヤ残寿命時間監視手段１１＞
ワイヤ電極の残寿命時間や残量を監視し、残寿命時間を出力する。監視方法としては、次のようなものが考えられる。
（１）予め設定されたワイヤ電極の寿命時間と新しいワイヤ電極に交換されてからの機械の稼働時間を比較する。
（２）ワイヤ放電加工機における各種設定値（ワイヤの重さや長さ、径、送り速度等）からワイヤ電極の消費量を測定し、消費しきるまでの時間を推定する。
また、先行技術文献の特許文献１、特許文献２に開示される手段を用いてワイヤ電極の残寿命時間や残量の監視を行ってもよい。
＜放電加工時間算出手段１２＞
加工プログラムを解析し、放電を開始する前に、次に放電を停止するまでの加工区間の放電加工時間を算出し、放電加工時間を出力する。加工プログラムの解析と放電加工時間の算出は以下のように行う。

［例１］
図２は図３に示される加工プログラムによるワークの加工を示す図である。図３は３回加工を繰り返し行う加工プログラムの例を示す図である。ワイヤ電極を加工開始点３０からワークに対して加工経路３１に沿って相対的に移動させながら加工を行う。ワイヤ電極が加工開始点３０に戻ると、ワイヤを切断し、ワークとワイヤ電極を支持するワイヤガイドとを早送り３２で相対的に移動させ、次の加工点に位置決めし、加工が開始される。

図２，図３のような３回加工を繰り返し行う場合を例にすると、この場合、放電加工が行われるのは加工プログラムでＧ０１が指令される切削送りの区間である。この区間で放電を一時停止すると加工面質が悪化するという問題が発生する。このため、Ｇ０１が指令される前にこの区間の加工時間を算出する。

具体的には、Ｇ０１による移動指令からこの区間の区間長を求め、Ｓコード指令で指令される加工条件に含まれる設定加工速度と区間長から、この区間の加工時間を算出することができるので、このような加工区間が呼び出される度にこの処理を繰り返し行えばよい。

また、ここではＧ０１指令を監視して加工時間を算出する例を示したが、専用のＭコードを設けてその後の放電加工区間の加工時間を算出するようにしても構わない。

なお、従来は、作業者がワイヤ電極の残寿命時間を監視しながら、Ｍ０１のオプショナルストップ指令を使うことで放電加工区間終了後にプログラム運転を一時停止し、ワイヤ電極を交換していた。

［例２］
別の例として、図４，図５のように加工プログラムを組んだ３回加工を繰り返し行う場合を例にする。加工形状は例１と同じであるが、加工内容によってはこのような加工プログラムの組み方が選ばれる場合もある。ワイヤ電極を加工開始点３０からワークに対して加工経路３１に沿って相対的に移動させながら加工を行う。ワイヤ電極が加工開始点３０に戻ると、ワイヤを切断し、ワークとワイヤ電極を支持するワイヤガイドとを相対的に早送り３２で移動させ、次の加工点に位置決めし、加工が開始される。最後の部位の加工が終わると一番最初の加工開始点３０に早送り３３で戻る。

この場合も、放電加工が行われるのは加工プログラムでＧ０１が指令される切削送りの区間である。この区間で放電を一時停止すると加工面質が悪化するという問題が発生するので、Ｇ０１が指令される前にこの区間の加工時間を算出する。

具体的には、Ｇ０１による移動指令からこの区間の区間長を求め、Ｓコード指令で指令される加工条件に含まれる設定加工速度と区間長から、この区間の加工時間を算出することができるので、この区間が呼び出される度にこの処理を繰り返し行えばよい。また、ここではＧ０１指令を監視して加工時間を算出する例を示したが、例１と同様に専用のＭコードを設けてその後の放電加工区間の加工時間を算出するようにしても構わない。

この場合も、従来は、作業者がワイヤ電極の残寿命時間を監視しながら、Ｍ０１のオプショナルストップ指令を使うことで放電加工区間終了後にプログラム運転を一時停止し、ワイヤ電極を交換していた。
＜ワイヤ交換時期判定手段１３＞
ワイヤ残寿命時間監視手段１１から受取った残寿命時間と放電加工時間算出手段１２から受取った放電加工時間を比較してワイヤ電極の交換時期を判定し、判定結果を出力する。具体的には、（残寿命時間）／（放電加工時間）＜ａ（ただし、ａは定数）となった場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、あるいは、（残寿命時間）／（放電加工時間）＞ａとなった場合にはワイヤ電極の交換時期でないと判定するようにしてもよい。ここで、ａは通常１であるが、安全率を掛けた所定の値であっても構わない。

また、（残寿命時間）＜（放電加工時間）となった場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、あるいは、（残寿命時間）＞（放電加工時間）となった場合にはワイヤ電極の交換時期でないと判定するようにしてもよいし、（残寿命時間）−（放電加工時間）＜ｂ（ただし、ｂは定数）となった場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、あるいは、（残寿命時間）−（放電加工時間）＞ｂとなった場合にはワイヤ電極の交換時期でないと判定するようにしてもよい。ここで、ｂは通常０であるが、安全定数とした所定の値であっても構わない。

＜プログラム運転停止指令手段１４＞
ワイヤ交換時期判定手段１３から受取った判定結果が交換時期と判定されると、プログラム運転の停止指令をプログラム運転制御手段１６に出力する。
＜プログラム運転再開指令手段１５＞
ワイヤ電極の結線が完了したあと、プログラム運転の再開指令をプログラム運転制御手段１６に出力する。
＜プログラム運転制御手段１６＞
加工プログラムを実行して、プログラム運転を制御する。プログラム運転停止指令手段１４からプログラム運転の停止指令を受取った場合、プログラム運転を停止し、プログラム運転再開指令手段１５からプログラム運転の再開指令を受取った場合、プログラム運転を再開する。

＜ワイヤ切断制御手段１７＞
ワイヤ交換時期判定手段１３から受取った判定結果が交換時期と判定されると、ワイヤ電極の切断指令をワイヤ電極切断手段２０に出力し、ワイヤ電極の切断が完了することを確認する。なお、切断指令の出力は、プログラム運転が停止したことを確認してから実行するようにしてもよい。
＜ワイヤ交換制御手段１８＞
ワイヤ交換時期判定手段１３から受取った判定結果が交換時期と判定されると、ワイヤ電極の交換指令をワイヤ交換手段２１に出力し、ワイヤ電極の交換が完了することを確認する。
なお、交換指令の出力は、ワイヤ電極の切断が完了したことを確認してから実行するようにしてもよい。

＜ワイヤ結線制御手段１９＞
ワイヤ電極の交換が完了したあと、ワイヤ電極の結線指令をワイヤ電極結線手段２２に出力し、ワイヤ電極の結線が完了することを確認する。
＜ワイヤ切断手段２０＞
ワイヤ切断制御手段１７からワイヤ電極の切断指令を受取った場合、ワイヤ電極を切断する。
＜ワイヤ交換手段２１＞
ワイヤ交換制御手段１８からワイヤ電極の交換指令を受取った場合、ワイヤ電極を交換する。ワイヤ交換手段２１には、産業用ロボットを用いてもよい。
＜ワイヤ結線手段２２＞
ワイヤ結線制御手段１９からワイヤ電極の結線指令を受取った場合、ワイヤ電極を結線する。

図６はワイヤ交換機能を有するワイヤ放電加工機用制御装置の制御のフローを示す図である。以下、各ステップにしたがって説明する。
●［ステップｓａ０１］残寿命時間の監視を開始する。
●［ステップｓａ０２］加工プログラムの解析と実行を行う。
●［ステップｓａ０３］放電加工の開始ブロックか否かを判断し、放電加工の開始ブロックの場合には（ＹＥＳ）ステップｓａ０４へ移行し、放電加工の開始ブロックではない場合には（ＮＯ）ステップｓａ１４へ移行する。

●［ステップｓａ０４］放電加工時間を算出する。
●［ステップｓａ０５］ワイヤ電極の交換時期か否かを判断し、交換時期の場合（ＹＥＳ）ステップｓａ０６へ移行し、交換時期ではない場合（ＮＯ）ステップｓａ１４へ移行する。

●［ステップｓａ０６］プログラム運転を休止する。
●［ステップｓａ０７］ワイヤ切断指令を出力する。
●［ステップｓａ０８］ワイヤ電極の切断が完了したか否かを判断し、完了した場合（ＹＥＳ）ステップｓａ０９へ移行し、完了していない場合（ＮＯ）完了するのを待ってステップｓａ０９へ移行する。

●［ステップｓａ０９］ワイヤ交換指令を出力する。
●［ステップｓａ１０］ワイヤ電極の交換が完了したか否かを判断し、完了した場合（ＹＥＳ）ステップｓａ１１へ移行し、完了していない場合（ＮＯ）ワイヤ電極の交換が完了するのを待ってステップｓａ１１へ移行する。
●［ステップｓａ１１］ワイヤ結線指令を出力する。

●［ステップｓａ１２］ワイヤ電極の結線が完了したか否かを判断し、結線が完了した場合（ＹＥＳ）ステップｓａ１３へ移行し、結線が完了していない場合（ＮＯ）ワイヤ電極の結線が完了するのを待ってステップｓａ１３へ移行する。
●［ステップｓａ１３］プログラム運転を再開する。
●［ステップｓａ１４］加工プログラムが終了か否かを判断し、終了の場合（ＹＥＳ）処理を終了し、終了ではない場合（ＮＯ）ステップｓａ０１へ戻り、処理を継続する。

１０ ワイヤ放電加工機用制御装置
１１ ワイヤ残寿命時間監視手段
１２ 放電加工時間算出手段
１３ ワイヤ交換時期判定手段
１４ プログラム運転停止指令手段
１５ プログラム運転再開指令手段
１６ プログラム運転制御手段
１７ ワイヤ切断制御手段
１８ ワイヤ交換制御手段
１９ ワイヤ結線制御手段
２０ ワイヤ切断手段
２１ ワイヤ交換手段
２２ ワイヤ結線手段

３０ 加工開始点
３１ 加工経路
３２ 早送り
３３ 早送り

Claims (4)

1. 加工プログラムの軸移動指令に基づいて加工経路を作成し、
   前記加工プログラムにしたがってプログラム運転を行い、
   前記加工経路にしたがってワイヤ電極と被加工物を相対移動させるワイヤ放電加工機用制御装置であって、
   前記加工プログラムを実行するプログラム運転制御手段と、
   前記ワイヤ電極の残寿命時間を監視するワイヤ残寿命時間監視手段と、
   前記加工プログラムを解析し、放電を開始する前に前記放電を停止するまでの加工区間の放電加工時間を算出する放電加工時間算出手段と、
   前記残寿命時間と前記放電加工時間を比較して、前記残寿命時間が前記放電加工時間より短い場合、前記ワイヤ電極の交換時期と判定するワイヤ交換時期判定手段と、
   前記交換時期を迎えると、
   前記プログラム運転の停止指令を前記プログラム運転制御手段へ出力するプログラム運転停止指令手段と、
   前記ワイヤ電極の切断指令をワイヤ切断手段へ出力し、前記ワイヤ電極の切断完了を監視するワイヤ切断制御手段と、
   前記ワイヤ電極の交換指令を、該交換指令を受け取った際に自動的にワイヤ電極を交換するワイヤ交換手段へと出力し、前記ワイヤ電極の交換完了を監視するワイヤ交換制御手段と、
   前記ワイヤ電極の交換が完了すると、
   前記ワイヤ電極の結線指令をワイヤ結線手段へ出力し、前記ワイヤ電極の結線完了を監視するワイヤ結線制御手段と、
   前記ワイヤ電極の結線が完了すると、
   前記プログラム運転の再開指令を前記プログラム運転制御手段へ出力するプログラム運転再開指令手段と、
   を有することを特徴とするワイヤ放電加工機用制御装置。
2. 前記ワイヤ交換時期判定手段は、前記残寿命時間と前記放電加工時間の比を求め、該比が所定の値よりも小さい場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、
   請求項１に記載のワイヤ放電加工機用制御装置。
3. 前記ワイヤ交換時期判定手段は、前記残寿命時間と前記放電加工時間の差を求め、該差が所定の値よりも小さい場合にワイヤ電極の交換時期と判定する、
   請求項１に記載のワイヤ放電加工機用制御装置。
4. 前記ワイヤ交換手段は、ロボットであることを特徴とする請求項１乃至３の何れか一つに記載のワイヤ放電加工機用制御装置。

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