JP2515454B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP2515454B2
JP2515454B2 JP3344721A JP34472191A JP2515454B2 JP 2515454 B2 JP2515454 B2 JP 2515454B2 JP 3344721 A JP3344721 A JP 3344721A JP 34472191 A JP34472191 A JP 34472191A JP 2515454 B2 JP2515454 B2 JP 2515454B2
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浩之 河合
誠四郎 才田
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治男 大黒
龍三 繁沢
勉 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続鋳造方法、特に
筒状の冷却鋳型に溶融金属を連続的に供給し、湯面の下
方で凝固を開始させて鋳片を形成し、鋳片を鋳型より引
き抜く連続鋳造方法に関する。
【0002】この発明は炭素鋼、ステンレス鋼、その他
金属のビレットなどの連続鋳造に利用される。
【0003】
【従来の技術】筒状の冷却鋳型に溶融金属を連続的に供
給して湯面下で凝固させる連続鋳造の一形態として、水
平連続鋳造法が知られている。水平連続鋳造では、凝固
開始点を安定化させるために、ブレークリングを鋳型の
入口に取り付けている。ブレークリングは内径が鋳型の
内径よりも小さく、鋳型の内側に突出する、周方向に沿
った段を形成している。また、ブレークリングは鋳型と
密接させるために、たとえば両者の接合面をテーパ状に
し、鋳型にブレークリングを圧接させる方法が採られ
る。
【0004】鋳型に供給された溶融金属はブレークリン
グの先端面(溶融金属の流れに関して下流側の面)の外
周寄りの部分より凝固を開始し、生成した凝固殻は鋳型
出口側より間欠的に引き抜かれる間に成長する。
【0005】しかし、この方法で製造された鋳片には、
その表層下にしばしば気泡が発生する。気泡の発生は、
次の理由による。上記のようにブレークリングを鋳型に
圧接させていても熱膨脹などにより両者の間に隙間が生
じる。また、ブレークリングを用い、湯面下で溶融金属
の凝固を開始させる鋳造法では、凝固開始位置つまりブ
レークリングにおける溶融金属の静圧は大気圧よりも高
いので、ブレークリング周辺に大気が侵入することはな
い。しかし、凝固殻が引き抜かれる際にブレークリング
先端面から凝固殻が離れ、このときブレークリング先端
面と凝固殻の後端面(ブレークリング先端面に向かい合
う面)との間に、僅かの時間であるが真空に近い負圧状
態の空隙が生じる。これらのことから、ブレークリング
の外側から大気がブレークリングと鋳型との接合面の隙
間を通って前記空隙に至り、さらに溶融金属内に侵入し
て気泡となる。また、場合によっては、大気が鋳型の出
口側から鋳型内に侵入して鋳片と鋳型の隙間を通って前
期空隙に至り、さらに溶融金属内に侵入して気泡となる
こともある。
【0006】気泡は、鋳片表層下2〜3mmに発生する。
気泡が発生した鋳片を圧延し、製品化した場合、製品表
面に線状きず、縦割れなどの欠陥として残り、製品の品
質を損なう。特に、ステンレス鋼のように表面性状が重
視される場合は、重大な欠陥となる。このために、気泡
が発生した鋳片は、表層を研削などによって除去する表
面手入れが必要となる。鋳片の表面手入れは処理費用の
増加および歩留り低下を招く。
【0007】この大気の侵入を防止するために、実開昭
64−38136号公報で開示されたブレークリング取
付け構造がある。この技術では、ブレークリングと溶融
金属冷却部(鋳型)との接合部を耐熱性環状ガスケット
により気密にシールする。しかし、この技術では、環状
ガスケットがたとえば鋳型からの熱伝導によって耐熱温
度以上に加熱されて劣化する虞れがある。このような場
合、環状ガスケットはシール機能を失い、大気が鋳型内
に侵入して凝固殻に気泡が生じてしまう。
【0008】また、米国特許4,817,701は、溶
融金属を鋳型に供給するノズルと鋳型の入口を、溶融金
属とは反応しない不活性ガスでシールする連続鋳造方法
を開示している。この米国特許の発明の目的は、鋳型内
に侵入して鋳造金属表面を酸化する大気中のガスを完全
に防ぐことである。しかし、上記米国特許の発明の連続
鋳造方法にも、鋳造金属内部に気泡が発生するという問
題がある。
【0009】本発明者たちは、気泡発生の原因を解明す
るために気泡内のガス分析を行った結果、気泡内のガス
成分はアルゴンが主体であること、および気泡周辺の材
料成分は窒素濃度が高いことを知った。そして、大気中
の窒素は溶融金属中に溶解するが、アルゴンは溶融金属
中に溶解しないために残存して気泡となるものと推定し
た。これの確認のために、上記米国特許の方法と同様に
不活性ガスであるアルゴンをブレークリングの外周を囲
む遮断手段の内側に供給して、鋳片を連続鋳造した。そ
の結果、アルゴンを供給しない従来法よりも鋳片表層部
に気泡が多発することが明かとなった。また、溶融金属
に非可溶のガスであるアルゴンに代えて、可溶ガスであ
る窒素を供給した場合、気泡はまったく発生しなかっ
た。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0010】なお、特開昭61−71157号公報に
は、耐火物製板体(ブレークリング)により筒状鋳型の
内周面より内側に張り出した隅部を形成し、隅部の鋳型
軸心より下方の部分に窒素を導入する水平連続鋳造方法
が開示されている。この方法は、下側の鋳型内周面と溶
融金属との接触位置を下流側にずらして、凝固殻を全周
にわたって均一に冷却するものである。しかし、この方
法は隅部の下方部分にのみ窒素を導入するものである。
したがって、ブレークリングと鋳型内周面との接触面の
全周にわたって鋳型内への大気の侵入を防ぐことはでき
ない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、大気を遮
断して大気中のアルゴンなど溶融金属に非可溶なガスが
鋳型内に侵入するのを防ぎ、鋳片に発生する気泡を防止
し、鋳片の品質向上を図ることができる連続鋳造方法を
提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、(a)少
なくともブレークリングを介して、タンディッシュから
入口および出口を備えた冷却鋳型に溶融金属を連続的に
供給すること、(b)鋳型において溶融金属を連続的に
冷却し、湯面よりも下方で溶融金属の凝固を開始させて
鋳片を形成すること、および(c)鋳型の出口側から鋳
片を鋳型に対して間欠的に引き抜くことよりなる連続鋳
造方法において、鋳型入口側から鋳型とブレークリング
との接触面および鋳型出口側から鋳型の内周面と鋳片の
外周面との隙間に、全周にわたって大気圧を超える、溶
融金属に可溶なシールガスを常に供給することを特徴と
している。
【0013】第2の発明は、前記第1の発明の(a),
(b)および(c)の構成要件に加えて、直径が鋳型と
ブレークリングとの接触面の最大径よりも大きな閉曲線
を境界とする遮断空間を鋳型入口に隣接して設け、前記
接触面を通って鋳型内に侵入する大気を遮断し、この遮
断空間内に大気圧を超える、溶融金属に可溶なシールガ
スを常に供給すること、さらに鋳型出口側にも遮断空間
を形成し、ここに大気圧を超える、前記溶融金属に可溶
なシールガスを常に供給することを特徴としている。
【0014】さらに第3の発明は、前記第1の発明の
(a),(b)および(c)の構成要件に加えて、鋳型
入口側および出口側にそれぞれ遮断空間を形成し、鋳型
入口側の遮断空間内を大気圧未満に保持するとともに、
鋳型出口側の遮断空間内に溶融金属に可溶なシールガス
を供給することを特徴としている。
【0015】
【作用】第1の発明では、鋳型入口側および出口側から
大気圧を超えかつ溶融金属に可溶シールガスを常に供給
する。鋳型入口側から供給されたシールガスは、鋳型入
口側から鋳型内への大気の侵入を防ぎ、鋳型出口側から
供給されたシールガスは、鋳型出口から鋳型内周面と凝
固殻との間の隙間に侵入する大気を防ぐ。この結果、溶
融金属と大気が接触することはなく、また凝固殻が間欠
的に引き抜かれる際にシールガスが鋳型内に侵入したと
しても、可溶性のシールガスは溶融金属中に溶け込むの
で、気泡を発生することはない。
【0016】第2の発明では、鋳型の入口側および出口
側に遮断空間を設けているので、第1の発明の場合に比
べて一層高いシール性能によって、鋳型入口および出口
から鋳型内への大気の侵入を防止することができる。気
泡の発生防止の作用については、第1の発明と同様であ
る。
【0017】第3の発明では、鋳型の入口側の遮断空間
内に侵入したガスを排出し、出口側に遮断空間を設けて
いるので、鋳型内に大気が侵入し溶融金属中に気泡が発
生することはない。
【0018】
【実施例】図1および図2は第1の発明の実施例を示し
ており、丸ブルームの連続鋳造に関するものである。
【0019】図1は、丸ビレットを鋳造する水平連続鋳
造装置を示している。図面に示すように、タンディッシ
ュ10の底部に設けられたタンディッシュノズル12と
鋳型24とは中間リング18およびブレークリング22
を介して連絡している。タンディッシュノズル12と中
間リング18との間に、不定形耐火材13が挟み込まれ
ている。タンディッシュ10、タンディッシュノズル1
2、中間リング18は、それぞれジルコン質やアルミナ
質の通常の耐火物で作られている。ブレークリング22
は鋳型24の入口に押し込まれており、中間リング18
は連結金具20により鋳型24に固定されている。ブレ
ークリング22は、窒化ほう素、窒化けい素などの耐熱
性セラミックスで作られている。鋳型24は銅製であっ
て、固定リング28によりハウジング27に固定されて
いる。ハウジング27には冷却水供給管29および冷却
水排出管30がそれぞれ接続されており、冷却水がハウ
ジング27内を循環して鋳型24は冷却される。ハウジ
ング27の前端部および後端部にそれぞれ環状ガスケッ
ト溝31が設けられており、ここに環状ガスケット32
が挿入されている。環状ガスケット32は鋳型24とハ
ウジング27との間から冷却水が漏れるのを防ぐ。中間
リング18、ブレークリング22、鋳型24およびハウ
ジング27は一体となって、タンディッシュ10に押付
け可能である。
【0020】タンディッシュ10内の溶融金属Mは、タ
ンディッシュノズル12、中間リング18およびブレー
クリング22を経て鋳型24に供給される。鋳型24内
に供給された溶融金属Mは鋳型内周面により冷却され、
凝固殻Sを形成する。凝固殻Sの形成はブレークリング
22より開始される。ブレークリング22は、凝固殻S
が逆方向にすなわち中間リング18側に成長するのを防
ぐ。溶融金属Mが凝固して形成された鋳片Cは、鋳型2
4の出口側からピンチロール35により間欠的に引き抜
かれる。鋳片Cを鋳型に対して間欠的に引き抜くと、ブ
レークリング22と凝固殻Sの端との間に空隙が生じ、
その空隙に新たに溶融金属Mが流れ込み、新たな凝固殻
Sを生成する。なお、ピンチロール35を連続的に回転
駆動し、鋳型24を引抜き方向に振動させて鋳片Cを鋳
型24に対し間欠的に引き抜くようにしてもよい。
【0021】前述のように、ブレークリング22の外側
から大気がブレークリング22と鋳型24の接触面の隙
間を通って上記空隙に至り、または鋳型24の出口側か
ら大気が鋳片Cと鋳型24の隙間を通って上記空隙に至
り、さらに溶融金属M内に巻き込まれて気泡となる。そ
こで、この実施例では、図1および図2に示すシール装
置を備えている。
【0022】図2は、鋳型24の入口側のシール装置の
構造を示している。ブレークリング22と固定リング2
8との間に環状空間37が形成されている。なお、環状
空間37はOリングなどのガスケットによりシールされ
ていない。固定リング28には半径方向に貫通する窒素
ガス供給孔38が設けられており、窒素ガス供給孔38
の入口側に窒素ガス供給管39が接続されている。窒素
ガス供給管39には、圧力調節弁41を介して窒素ガス
ボンベ40が接続されている。窒素ガスボンベ40内の
高圧窒素ガスは、圧力調節弁41により減圧され、窒素
ガス供給孔38を経て環状空間37に供給される。
【0023】鋳型出口側のシール装置は、図1に示すよ
うに鋳型24の出口にカバー42が取り付けられてい
る。カバー42には環状空間43が設けられており、こ
こに窒素ガス供給管54が接続されている。窒素ガス供
給管54には、圧力調節弁55を介して前記窒素ガスボ
ンベ40が接続されている。
【0024】上記のように構成されたシール装置におい
て、圧力調節弁41により減圧した窒素ガスを、ブレー
クリング22と固定リング28との間の環状空間37に
窒素ガスボンベ40より供給する。環状空間37は大気
に対して十分に遮断されていないので、ここに供給する
窒素ガスの供給圧力は6〜10kgf/cm2 ゲージ圧程度で
ある。上記のように窒素ガスの供給圧力は大気圧よりも
高い圧力となっているが、窒素ガスが鋳型24内のブレ
ークリング22近傍に至るまでに流路抵抗により窒素ガ
スの圧力はかなり低下する。上記窒素ガスの供給圧力
は、鋳型24内のブレークリング22近傍における溶融
金属Mの静圧未満となるように設定されている。供給さ
れた窒素ガスは、鋳型24に向かい、鋳型24内周面と
凝固殻Sとの空隙に侵入する。窒素ガスの圧力は大気圧
よりも高いので、上記空隙に空気が侵入することはな
い。窒素ガスは溶融金属M中に溶け込むので、鋳片C中
に気泡となって残存することはない。鋳片C中に固溶
し、または鋳型24の入口から外部に流出して消費され
た窒素ガスは、窒素ガスボンベ40から自動的に補給さ
れるので、常に環状空間37内は窒素ガスが充満してい
る。なお、鋳型24内のブレークリング22近傍におけ
る窒素ガスの圧力は溶融金属Mの静圧未満であるから、
窒素ガスがタンディッシュ側に逆流してタンディッシュ
10から噴出することはない。
【0025】また、鋳型24の出口側にも入口側と同様
に、圧力調節弁55により減圧された窒素ガスがカバー
42の環状空間43に供給される。鋳片C中に固溶し、
または鋳型24の出口から外部に流出して消費された窒
素ガスは、窒素ガスボンベ40から自動的に補給される
ので、常に環状空間43内は窒素ガスが充満している。
【0026】図3は鋳型出口側のシール装置の他の構造
例を示している。この実施例では第1鋳型25と第2鋳
型44とを備えており、第2鋳型44の入口寄りに環状
空間51が形成されている。環状空間51もOリングな
どのガスケットによりシールされていない。また、第2
鋳型44には半径方向に貫通する窒素ガス供給孔45が
設けられており、窒素ガス供給孔45の入口側に窒素ガ
ス供給管54が接続されている。この窒素ガス供給管5
4は鋳型入口側と同様に圧力調節弁41を介して窒素ガ
スボンベ40に接続されている。
【0027】上記のように構成されたシール装置におい
て、圧力調節弁41により減圧した窒素ガスを第2鋳型
44の環状空間51に窒素ガスボンベ40より供給す
る。環状空間51は大気に対して十分に遮断されていな
いため窒素ガスの供給圧力は6〜10kgf/cm2 ゲージ圧
程度である。環状空間51内の窒素ガス圧力は大気圧よ
りも高いので空気の侵入を防止することができる。
【0028】図4および図5は、第2の発明の実施例を
示している。図4に示すように、中間リング18の出口
側端面と第1鋳型25の入口側端面との間にシリコンゴ
ム製のOリング56が挟み込まれている。これにより、
ブレークリング22外周面の外側に、大気を遮断する環
状の遮断空間57が形成されている。遮断空間57に
は、第1の発明と同様に固定リング28および第1鋳型
25に設けられた窒素ガス供給孔58を通じて窒素ガス
が供給される。第1鋳型25の出口側のシール構造は、
図5に示すように第1鋳型25と第2鋳型44との間
に、シリコンゴム製のOリング61が鋳片Cを取り囲む
ようにして挿入され、両鋳型間25、44に挟み込まれ
ている。これにより、Oリング61と鋳片Cとの間に環
状の遮断空間63が形成されている。この発明では、第
1鋳型25の入口側遮断空間57および第2鋳型44の
出口側にも遮断空間63を設けているので、シール性を
一層高めることができる。
【0029】図6は、第3の発明の実施例を示してい
る。中間リング18の出口側端面と第1鋳型25の入口
側端面との間に、上記第2の実施例と同様に遮断空間5
7が設けられている。また、第1鋳型25と固定リング
28にガス吸引孔59が設けられている。ガス吸引孔5
9の入口にガス吸引管51が取り付けられており、吸引
管51には真空ポンプ52が接続されている。第1鋳型
25の出口側シール構造は、上記第2の発明の実施例と
同じである。真空ポンプ52を駆動すると、第1鋳型2
5の入口の遮断空間57内は残留空気が排出され、負圧
に維持される。したがって、第1鋳型25内周面と凝固
殻Sとの間の空隙gは大気が希薄になるので、溶融金属
M中に気泡が発生することはない。なお、前記図4に示
す遮断空間57内に窒素ガスを供給した場合、第1鋳型
25の内周面と凝固殻Sとの空隙gに窒素ガスが侵入し
ても窒素ガスは鋼種がSUS304などの場合鋳片C中
に固溶しやすいために、鋳片Cにブローホールなどの鋳
造欠陥を生じることはない。しかし、鋼種がSUS30
3の場合、窒素ガスは鋳片中に固溶しにくいためブロー
ホールとなる。したがって、この様な鋼種の場合は本発
明を用いて減圧しなければならない。
【0030】図1に示す水平連続鋳造装置を用い、鋳片
材質、鋳片サイズ等の鋳造条件を種々変えて鋳造した結
果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1から明らかなように、この発明の方法
による気泡発生個数は従来法による個数の1.0%以下
であり、著しく気泡発生個数が減少している。この発明
の方法による気泡発生個数は500cm2 辺り3個であ
り、この程度の気泡数であれば、鋳片の気泡除去処理を
施す必要はない。
【0034】
【発明の効果】第1の発明では、鋳型入口側および出口
側から供給されたシールガスは、鋳型入口側から鋳型内
への大気の侵入を防ぐ。。この結果、溶融金属と空気と
が接触することはなく、またシールガスは溶融金属中に
溶け込むので、気泡を発生することはなく、またシール
ガスは溶融金属中に溶け込むので、気泡を発生すること
はない。
【0035】第2の発明では、遮断空間を鋳型入口およ
び出口側にも設けているので、第1の発明の場合に比べ
て一層高いシール性能によって、鋳型入口および出口か
ら鋳型内への大気の侵入を防止することができる。
【0036】第3の発明では、鋳型入口および出口側の
遮断空間内に、大気は捕集され、排出されるので、鋳型
内周面と凝固殻との間の空隙は大気が希薄になる。
【0037】したがって、第1〜第3の発明のいずれに
おいても、圧延しても表面きずが発生しない良好な品質
の鋳片を供給することができること、歩留りが向上する
こと、きず取り作業を省略することができることなどの
格別の効果を奏し、ひいては製品価格を低減することが
できる。また、シール装置は簡単であり、既存の設備に
もこの発明を容易に実施することができるという利点も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施例に用いられる連続鋳造装置
を示す断面図である。
【図2】図1に示す装置の入口側シール装置の断面図で
ある。
【図3】第1の発明の他の実施例であって、第1鋳型お
よびこれの下流側に接続される第2鋳型の断面図であ
る。
【図4】第2の発明の実施に用いられる、第1鋳型の入
口側シール装置の断面図である。
【図5】第2の発明の実施に用いられる、第1鋳型の出
口側シール装置の断面図である。
【図6】第3の発明の実施に用いられる、第1鋳型の入
口側シール装置の断面図である。
【符号の説明】
10 タンディッシュ 42 カバー 18 中間ノズル 43 環状空間 22 ブレークリング 44 第2鋳型 24 鋳型 45 窒素ガス供給孔 25 第1鋳型 54 窒素ガス供給管 27 ハウジング 55 圧力調節弁 28 固定リング 56 Oリング 35 ピンチロール 57 遮断空間 37 環状空間 58 窒素ガス供給孔 38 窒素ガス供給孔 59 ガス吸引孔 39 窒素ガス供給管 61 Oリング 40 窒素ガスボンベ 63 遮断空間 41 圧力調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 浩之 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 才田 誠四郎 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 井上 雅之 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 大黒 治男 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 繁沢 龍三 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 藤井 勉 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭64−27749(JP,A) 実開 昭62−67644(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュから入口および出口を備
    えた冷却鋳型に該鋳型の入口に接するブレークリングを
    少なくとも介して溶融金属を連続的に供給すること、前
    記鋳型において溶融金属を連続的に冷却し湯面よりも下
    方で溶融金属の凝固を開始させて鋳片を形成すること、
    前記鋳型の出口側から鋳片を該鋳型に対して間欠的に引
    き抜くこと、ならびに前記鋳型の入口側から該鋳型と前
    記ブレークリングとの接触面および前記鋳型の出口側か
    ら該鋳型の内周面と鋳片外周面との間の空隙にそれぞれ
    全周にわたって大気圧を超えかつ前記溶融金属に可溶な
    シールガスを常に供給することを特徴とする連続鋳造方
    法。
  2. 【請求項2】 タンディッシュから入口および出口を備
    えた冷却鋳型に該鋳型の入口に接するブレークリングを
    少なくとも介して溶融金属を連続的に供給すること、前
    記鋳型において溶融金属を連続的に冷却し湯面よりも下
    方で溶融金属の凝固を開始させて鋳片を形成すること、
    前記鋳型の出口側から鋳片を該鋳型に対して間欠的に引
    き抜くこと、直径が前記鋳型とブレークリングとの接触
    面の最大径よりも大きな閉曲線を境界とする遮断空間を
    該鋳型の入口に隣接して設け前記接触面を通って鋳型内
    に侵入する大気を遮断すること、直径が前記鋳型の内径
    よりも大きな閉曲線を境界とする遮断空間を該鋳型の出
    口に隣接して設け該鋳型の出口より該鋳型内に侵入する
    大気を遮断すること、ならびに前記鋳型の入口側および
    出口側の遮断空間内にそれぞれ大気圧を超えかつ前記溶
    融金属に可溶なシールガスを常に供給することを特徴と
    する連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 タンディッシュから入口および出口を備
    えた冷却鋳型に該鋳型の入口に接するブレークリングを
    少なくとも介して溶融金属を連続的に供給すること、前
    記鋳型において溶融金属を連続的に冷却し湯面よりも下
    方で溶融金属の凝固を開始させて鋳片を形成すること、
    前記鋳型の出口側から鋳片を該鋳型に対して間欠的に引
    き抜くこと、直径が前記鋳型とブレークリングとの接触
    面の最大径よりも大きな閉曲線を境界とする遮断空間を
    該鋳型の入口に隣接して設け前記接触面を通って鋳型内
    に侵入する大気を遮断すること、直径が前記鋳型の内径
    よりも大きな閉曲線を境界とする遮断空間を該鋳型の出
    口に隣接して設け、該鋳型の出口より該鋳型内に侵入す
    る大気を遮断すること、ならびに前記鋳型の入口側の遮
    断空間を大気圧未満に保持するとともに該鋳型の出口側
    の遮断空間内に大気圧を超えかつ溶融金属に可溶なシー
    ルガスを常に供給すること、これにより前記鋳型の内周
    面と鋳片外周面との間の空隙を通じて該鋳型の出口側の
    遮断空間内から、前記鋳型入口側の遮断空間内に前記シ
    ールガスを供給することを特徴とする連続鋳造方法。
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