JP2515453B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP2515453B2
JP2515453B2 JP3330464A JP33046491A JP2515453B2 JP 2515453 B2 JP2515453 B2 JP 2515453B2 JP 3330464 A JP3330464 A JP 3330464A JP 33046491 A JP33046491 A JP 33046491A JP 2515453 B2 JP2515453 B2 JP 2515453B2
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誠四郎 才田
雅之 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続鋳造方法、特に
筒状の冷却鋳型に溶融金属を連続的に供給し、湯面の下
方で凝固を開始させて鋳片を形成し、鋳片を鋳型より引
き抜く連続鋳造方法に関する。
【0002】この発明は炭素鋼、ステンレス鋼、その他
金属のビレットなどの連続鋳造に利用される。
【0003】
【従来の技術】筒状の冷却鋳型に溶融金属を連続的に供
給して湯面下で凝固させる連続鋳造の一形態として、水
平連続鋳造が知られている。水平連続鋳造は設備費、設
置面積および運転費が垂直連続鋳造に比べて少なくてす
み、また鋳片の曲げによる応力発生がなく、鋳片内圧が
小さいことからバルジングの発生も少ないし、特に、小
容量の鋳造設備では経済効率がよい。したがって、近
年、ビレットなどの鋳造に水平連続鋳造が実用化されて
いる。水平連続鋳造では、凝固開始点を安定化させるた
めに、ブレークリングを鋳型の入口に取り付けている。
ブレークリングは外径が鋳型の内径よりも小さく、鋳型
の内側に突出する、周方向に沿った段を形成している。
また、ブレークリングは鋳型と密接させるために、たと
えば両者の接合面をテーパ状にし、鋳型にブレークリン
グを圧接させる方法が採られる。鋳型に供給された溶融
金属はブレークリングの先端面(溶融金属の流れに関し
て下流側の面)の外周寄りの部分より凝固を開始し、生
成した凝固殻は鋳型出口側より間欠的に引き抜かれる間
に成長する。
【0004】しかし、この方法で製造された鋳片には、
その表層下にしばしば気泡が発生する。気泡の発生は、
次の理由による。上記のようにブレークリングを鋳型に
圧接させていても熱膨脹などにより両者の間に隙間が生
じる。また、ブレークリングを用い、湯面下で溶融金属
の凝固を開始させる鋳造法では、凝固開始位置つまりブ
レークリング周辺の溶融金属の静圧は大気圧よりも高い
ので、ブレークリング周辺に大気が侵入することはな
い。しかし、凝固殻が間欠的に引き抜かれる際にブレー
クリング先端面から凝固殻が離れ、このときブレークリ
ング先端面と凝固殻の後端面(ブレークリング先端面に
向かい合う面)との間に、僅かの時間であるが真空に近
い負圧状態の空隙が生じる。これらのことから、ブレー
クリングの外側から大気がブレークリングと鋳型との接
合面の隙間を通って前記空隙に至り、さらに溶融金属内
に侵入して気泡となる。また、場合によっては、大気が
鋳型の出口側から鋳型内に侵入して鋳片と鋳型の隙間を
通って前期空隙に至り、さらに溶融金属内に侵入して気
泡となることもある。
【0005】気泡は、鋳片表層下2〜3mmに発生する。
気泡が発生した鋳片を圧延し、製品化した場合、製品表
面に線状きず、縦割れなどの欠陥として残り、製品の品
質を損なう。特に、ステンレス鋼のように表面性状が重
視される場合は、重大な欠陥となる。このために、気泡
が発生した鋳片は、表層を研削などによって除去する表
面手入れが必要となる。鋳片の表面手入れは処理費用の
増加および歩留り低下を招く。
【0006】この大気の侵入を防止するために、実開昭
64−38136号公報で開示されたブレークリング取
付け構造がある。この技術では、ブレークリングと溶融
金属冷却部(鋳型)との接合部を耐熱性環状ガスケット
により気密にシールする。また、特開昭59−6695
9号公報は、溶融金属を鋳型に供給するノズルと鋳型の
入口を、溶融金属とは反応しない不活性ガスでシールす
る連続鋳造方法を開示している。この特開昭59−66
959号公報で開示れた技術の目的は、鋳型内に侵入し
て鋳造金属表面を酸化する大気中のガスを完全に防ぐこ
とである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記実開昭6
4−38136号公報で開示された技術では、環状ガス
ケットがたとえば鋳型からの熱伝導によって耐熱温度以
上に加熱されて劣化する虞れがある。このような場合、
環状ガスケットはシール機能を失い、大気が鋳型内に侵
入して凝固殻に気泡が生じてしまう。また、上記特開昭
59−66959号公報の発明の連続鋳造方法にも、鋳
造金属内部に気泡が発生するという問題がある。
【0008】なお、特開昭61−71157号公報に
は、耐火物製板体(ブレークリング)により筒状鋳型の
内周面より内側に張り出した隅部を形成し、隅部の鋳型
軸心より下方の部分に窒素を導入する水平連続鋳造方法
が開示されている。この方法は、下側の鋳型内周面と溶
融金属との接触位置を下流側にずらして、凝固殻を全周
にわたって均一に冷却するものである。しかし、この方
法は隅部の下方部分にのみ窒素を導入するものである。
したがって、ブレークリングと鋳型内周面との接触面の
全周にわたって鋳型内への大気の侵入を防ぐことはでき
ない。
【0009】そこで、この発明は、大気を遮断して大気
中のアルゴンなど溶融金属に非可溶なガスが鋳型内に侵
入するのを防ぎ、鋳片に発生する気泡を防止し、鋳片の
品質向上を図ることができる連続鋳造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは、気泡発
生の原因を解明するために気泡内のガス分析を行った結
果、気泡内のガス成分はアルゴンが主体であること、お
よび気泡周辺の材料成分は窒素濃度が高いことを知っ
た。そして、大気中の窒素は溶融金属中に溶解するが、
アルゴンは溶融金属中に溶解しないために残存して気泡
となるものと推定した。これの確認のために、上記特開
昭59−66959号公報の方法と同様に不活性ガスで
あるアルゴンをブレークリングの外周を囲む遮断手段の
内側に供給して、鋳片を連続鋳造した。その結果、アル
ゴンを供給しない従来法よりも鋳片表層部に気泡が多発
することが明かとなった。また、溶融金属に非可溶のガ
スであるアルゴンに代えて、可溶ガスである窒素を供給
した場合、気泡はまったく発生しなかった。この発明は
これらの知見に基づくものである。
【0011】この発明の連続鋳造方法は、タンディッシ
ュから入口および出口を備えた冷却鋳型に、鋳型入口に
接するブレークリングを少なくとも介して溶融金属を連
続的に供給すること、鋳型において溶融金属を連続的に
冷却し、湯面よりも下方で溶融金属の凝固を開始させて
鋳片を形成すること、および前記鋳型出口側から鋳片を
鋳型に対して間欠的に引き抜くことよりなっている。
【0012】そして、第1の発明は、上記連続鋳造方法
において、前記鋳型入口側から鋳型と前記ブレークリン
グとの接触面に、全周にわたって大気圧を超えかつ溶融
金属に可溶なシールガスを常に供給すること、および直
径が鋳型内径よりも大きな閉曲線を境界とし、大気を遮
断する遮断空間を鋳型出口に隣接して設け、前記遮断空
間内を大気圧未満に保持することを特徴としている。
【0013】第2の発明は、上記連続鋳造方法におい
て、直径が鋳型とブレークリングとの接触面の最大径よ
りも大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮断空間
を鋳型入口に隣接して設け、前記遮断空間内に大気圧を
超えかつ溶融金属に可溶なシールガスを常に供給するこ
と、および直径が鋳型内径よりも大きな閉曲線を境界と
し、大気を遮断する遮断空間を鋳型出口に隣接して設
け、前記遮断空間内を大気圧未満に保持することを特徴
としている。
【0014】また、第3の発明は、上記連続鋳造方法に
おいて、直径が鋳型とブレークリングとの接触面の最大
径よりも大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮断
空間を鋳型入口に隣接して設けるとともに、直径が鋳型
内径よりも大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮
断空間を鋳型出口に隣接して設け、前記遮断空間内をそ
れぞれ大気圧未満に保持することを特徴としている。
【0015】溶融金属に可溶なシールガスとして窒素ガ
スが最も好ましいが、この他に一酸化炭素ガス、二酸化
炭素ガス、水素ガス、メタンガス、プロパンガスおよび
アンモニアガスの1種または2種以上の混合ガスを用い
ることもできる。
【0016】遮断空間内を大気圧未満に保持するには、
配管を介して遮断空間に接続された真空ポンプにより、
遮断空間内の大気を吸引する。遮断空間内の圧力は、真
空に近いほどよいが、少なくとも200Torr以下とする
ことが好ましい。
【0017】
【作用】第1の発明では、鋳型入口側から大気圧を超え
かつ溶融金属に可溶なシールガスを常に供給するととも
に、鋳型出側の遮断空間内を大気圧未満に保持する。鋳
型入口側から供給されたシールガスは、鋳型入口側から
鋳型内への大気の侵入を防ぐとともに、鋳型内周面と凝
固殻との間の空隙を通って鋳型出口側から排出される。
この結果、溶融金属と空気とが接触することはなく、ま
たシールガスは溶融金属中に溶け込むので、気泡を発生
することはない。
【0018】第2の発明では、遮断空間を鋳型入口にも
設けているので、第1の発明の場合に比べて一層高いシ
ール性能によって、鋳型入口から鋳型内への大気の侵入
を防止することができる。気泡の発生防止の作用につい
ては、第1の発明と同様である。
【0019】第3の発明では、鋳型入口および出口の遮
断空間内に、大気は捕集される。したがって、鋳型内周
面と凝固殻との間の空隙は大気が希薄になるので、溶融
金属中に気泡が発生することはない。
【0020】
【実施例】図1および図2はこの発明の第1の実施例を
示しており、角ビレットを連続鋳造するものである。
【0021】鋳型は、第1鋳型16およびこれに接続さ
れた第2鋳型25とからなっている。タンディッシュ
(図示しない)と第1鋳型16とはスライディングノズ
ル11、中間リング13およびブレークリング14を介
して連絡している。スライディングノズル11と中間リ
ング13との間に、不定形耐火材12が挟み込まれてい
る。タンディッシュ、スライディングノズル11、中間
リング13は、それぞれジルコン質やアルミナ質の通常
の耐火物で作られている。ブレークリング14は第1鋳
型16入口に押し込まれており、中間リング13は連結
金具23により第1鋳型16に固定されている。ブレー
クリング14は、窒化ほう素、窒化けい素などの耐熱性
セラミックスで作られている。第1鋳型16は銅製であ
って、固定リング21によりハウジング18に固定され
ている。ハウジング18には冷却水供給管および冷却水
排出管(いずれも図示しない)がそれぞれ接続されてお
り、冷却水Wがハウジング18内を循環して第1鋳型1
6は冷却される。
【0022】第2鋳型25の一例を図3に示す。第2鋳
型25はグラファイト26を保持する4個の周壁ブロッ
ク28および隣り合う周壁ブロック28の間に配置され
たコーナーブロック31により構成されている。周壁ブ
ロック28およびコーナーブロック31はそれぞれ鋼製
である。周壁ブロック28およびコーナーブロック31
には、それぞれ冷却水流路33が設けられている。
【0023】タンディッシュ内の溶融金属Mは、スライ
ディングノズル11、中間リング13およびブレークリ
ング14を経て第1鋳型16に供給される。第1鋳型1
6内に供給された溶融金属Mは第1鋳型16内周面によ
り冷却され、凝固殻を形成する。凝固殻の形成はブレー
クリング14より開始される。ブレークリング14は、
凝固殻が逆方向にすなわち中間リング13側に成長する
のを防ぐ。溶融金属Mが凝固して形成された鋳片Cは、
鋳型の出口側からピンチロール(図示しない)により間
欠的に引き抜かれる。鋳片Cを第1鋳型16に対して間
欠的に引き抜くと、ブレークリング14と凝固殻の端と
の間に空隙が生じ、その空隙に新たに溶融金属Mが流れ
込み、新たな凝固殻を生成する。なお、ピンチロールを
連続的に回転駆動し、鋳型を引抜き方向に振動させて鋳
片を鋳型に対し間欠的に引き抜くようにしてもよい。
【0024】前述のように、ブレークリング14の外側
から大気がブレークリング14と第1鋳型16の接触面
の隙間を通って上記空隙に至り、または第1鋳型16出
口側から大気が第1鋳型16内周面と凝固殻と間の隙間
gを通って上記空隙に至り、さらに溶融金属M内に巻き
込まれて気泡となる。そこで、この実施例では、図1、
図2および図3に示すシール装置を備えている。
【0025】図2は、第1鋳型16入口側のシール装置
の構造を示している。ブレークリング14と固定リング
21との間に環状空間41が形成されている。なお、環
状空間41はOリングなどのガスケットによりシールさ
れていない。固定リング21には半径方向に貫通する窒
素ガス供給孔22が設けられており、窒素ガス供給孔2
2の入口側に窒素ガス供給管43が接続されている。窒
素ガス供給管43には、圧力調節弁44を介して窒素ガ
スボンベ45が接続されている。窒素ガスボンベ45内
の高圧窒素ガスは、圧力調節弁44により減圧され、窒
素ガス供給管43および窒素ガス供給孔22を経て環状
空間41に供給される。
【0026】第1鋳型16と第2鋳型25との間に、シ
リコンゴム製のOリング48が鋳片Cを取り囲むように
して挿入され、両鋳型間16,25に挟み込まれてい
る。これにより、Oリング48と鋳片Cとの間に環状の
遮断空間49が形成されている。
【0027】第2鋳型25は、図3に示すように冷却水
流路33に直角にガス吸引孔35がコーナーブロック3
1を貫通している。ガス吸引孔35は入口にガス吸引管
51が取り付けられている。ガス吸引管51には、真空
ポンプ52が接続されている。また、周壁ブロック28
およびコーナーブロック31の接合部はシリコンシール
材54によりシールされている。
【0028】図3に示した第2鋳型は鋳片を冷却する機
能を有した8分割構造の一例であるが、ガス吸引孔を取
り付けたブロックであれば、鋳片の冷却機能をもたない
一体構造鋳型であってもよい。
【0029】上記のように構成されたシール装置におい
て、圧力調節弁44により減圧した窒素ガスを、ブレー
クリング14と固定リング21との間の環状空間41に
窒素ガスボンベ45より供給する。環状空間41は大気
に対して十分に遮断されていないので、ここに供給する
窒素ガスの供給圧力は6〜10kgf/cm2 ゲージ圧程度で
ある。上記のように窒素ガスの供給圧力は大気圧よりも
高い圧力となっているが、窒素ガスが第1鋳型16内の
ブレークリング14近傍に至るまでに流路抵抗により窒
素ガスの圧力はかなり低下する。上記窒素ガスの供給圧
力は、第1鋳型16内のブレークリング14近傍におけ
る溶融金属Mの静圧未満となるように設定されている。
供給された窒素ガスは、第1鋳型16に向かい、第1鋳
型16内周面と凝固殻との空隙gに侵入する。窒素ガス
の圧力は大気圧よりも高いので、上記空隙gに空気が侵
入することはない。窒素ガスは溶融金属M中に溶け込む
ので、鋳片C中に気泡となって残存することはない。鋳
片C中に固溶し、または第1鋳型16の入口からまたは
第2鋳型25の出口から外部に流出して消費された窒素
ガスは、窒素ガスボンベ45から自動的に補給されるの
で、常に環状空間41内は窒素ガスが充満している。な
お、第1鋳型16内のブレークリング14近傍における
窒素ガスの圧力は溶融金属Mの静圧未満であるから、窒
素ガスがタンディッシュ側に逆流してタンディッシュか
ら噴出することはない。
【0030】また、真空ポンプ52の駆動により第2鋳
型25のコーナーブロック31のガス吸引孔35および
第2鋳型25内周面と凝固殻との間の空隙gを通じて、
遮断空間49内はガスが吸引、排出されて200Torr以
下に減圧される。この結果、第1鋳型16内周面と凝固
殻との間の空隙gにある大気は、遮断空間49内に捕集
され、さらに排出される。したがって、第1鋳型16内
周面と凝固殻との間の空隙gは大気が希薄になるので、
溶融金M属中に気泡が発生することはない。
【0031】図4は、第2の発明の実施例を示してい
る。図に示すように、中間リング13の出口側端面と第
1鋳型16の入口側端面との間にシリコンゴム製のOリ
ング56が挟み込まれている。これにより、ブレークリ
ング14外周面の外側に、大気を遮断する環状の遮断空
間57が形成されている。遮断空間57には、第1の発
明と同様に固定リング21および第1鋳型16に設けら
れた窒素ガス供給孔58を通じて窒素ガスが供給され
る。第1鋳型16出口側のシール構造は、上記第1の実
施例と同じである。この発明では、第1鋳型16入口側
にも遮断空間57を設けているので、シール性を一層高
めることができる。
【0032】図5は、第3の発明の実施例を示してい
る。中間リング13の出口側端面と第1鋳型16の入口
側端面との間に、上記第2の実施例と同様に遮断空間5
7が設けられている。また、第1鋳型16と固定リング
21にガス吸引孔59が設けられている。ガス吸引孔5
9の入口にガス吸引管51が取り付けられており、吸引
管51には前記真空ポンプ52が接続されている。真空
ポンプ52を駆動すると、第1鋳型16の入口および出
口側の遮断空間57,49内は残留空気が排出され、負
圧に維持される。したがって、第1鋳型16内周面と凝
固殻との間の空隙gは大気が希薄になるので、溶融金属
M中に気泡が発生することはない。なお、前記遮断空間
57内に窒素ガスを供給した場合、第1鋳型16の内周
面と凝固殻との空隙gに窒素ガスが侵入しても窒素ガス
は鋼種がSUS304などの場合鋳片C中に固溶しやす
いために、鋳片Cにブローホールなどの鋳造欠陥を生じ
ることはない。しかし、鋼種がSUS303の場合、窒
素ガスは鋳片中に固溶しにくいためブローホールとな
る。したがって、この様な鋼種の場合は本発明を用いて
減圧しなければならない。
【0033】図6はこの発明の更に他の実施例を示して
いる。この実施例では第1鋳型入口側に2重の遮断空間
を設けている。すなわち、中間リング13と第1鋳型1
6との間に2個のOリング61および62が同心に挿入
されている。Oリング61および62は、それぞれ第1
遮断空間64および第2遮断空間65を形成している。
第1鋳型16およびハウジング18には、半径方向に延
びるガス吸引孔67および窒素ガス供給孔68が円周方
向に間隔をおいて設けられており、これらの一端はそれ
ぞれ第1遮断空間64および第2遮断空間65に開口し
ている。ガス吸引孔67の入口にガス吸引管51が取り
付けられており、吸引管51には前記実施例と同様に真
空ポンプ52が接続されている。真空ポンプ52を駆動
すると、第1遮断空間64内は残留空気が排出され、負
圧に維持される。また、窒素ガス供給孔68の入口側に
窒素ガス供給管43が接続されている。窒素ガス供給管
43には、圧力調節弁44を介して窒素ガスボンベ45
が接続されている。窒素ガスボンベ45内の高圧窒素ガ
スは、圧力調節弁44により減圧され、窒素ガス供給管
43および窒素ガス供給孔68を経て第2遮断空間65
に供給される。この実施例では遮断空間が2重に設けら
れているので、一層高いシール性能を得ることができ
る。
【0034】水平連続鋳造装置を用い、鋳片材質および
鋳造条件を種々変えて鋳片を鋳造した。図1、図4、図
5および図6にそれぞれ示すシール装置を用い、鋳型出
側の環状ガスケットの内側を減圧した本発明例および減
圧を実施しなかった場合の比較例を、表1に示してい
る。鋳片はステンレス鋼ビレット(150mm角)および
直径170mmの丸ビレットである。鋳片を間欠的に引き
抜き、その引抜き周期は0.5sec 、振幅は15mm、平
均引抜き速度は1.8m/min であった。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、この発明の方法
による気泡発生個数は従来法による個数の1.0%以下
であり、著しく気泡発生個数が減少している。この発明
の方法による気泡発生個数は500cm2 当たり3個以下
であり、この程度の気泡数であれば、鋳片の気泡除去処
理を施す必要はない。
【0037】
【発明の効果】第1の発明では、鋳型入口側から供給さ
れたシールガスは、鋳型入口側から鋳型内への大気の侵
入を防ぐとともに、鋳型内周面と凝固殻との間の空隙を
通って鋳型出口側から排出される。この結果、溶融金属
と空気とが接触することはなく、またシールガスは溶融
金属中に溶け込むので、気泡を発生することはない。
【0038】第2の発明では、遮断空間を鋳型入口にも
設けているので、第1の発明の場合に比べて一層高いシ
ール性能によって、鋳型入口から鋳型内への大気の侵入
を防止することができる。
【0039】第3の発明では、鋳型入口および出口の遮
断空間内に、大気は捕集され、排出されるので、鋳型内
周面と凝固殻との間の空隙は大気が希薄になる。
【0040】したがって、第1〜第3の発明のいずれに
おいても、圧延しても表面きずが発生しない良好な品質
の鋳片を供給することができこと、歩留りが向上するこ
と、きず取り作業を省略することができることなどの格
別の効果を奏し、ひいては製品価格を低減することがで
きる。また、シール装置は簡単であり、既存の設備にも
この発明を容易に実施することができるという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施に用いられる連続鋳造装置の例
を示す断面図である。
【図2】第1の発明の実施に用いられる、第1鋳型入口
側のシール装置の断面図である。
【図3】第1鋳型の下流側に接続される第2鋳型の断面
図である。
【図4】第2の発明の実施に用いられる、第1鋳型入口
側のシール装置の断面図である。
【図5】第3の発明の実施に用いられる、第1鋳型入口
側のシール装置の断面図である。
【図6】この発明の更に他の実施例に用いられる、第1
鋳型入口側のシール装置の断面図である。
【符号の説明】
11 スライディングノズル 13 中間リング 14 ブレークリング 16 鋳型 18 ハウジング 21 固定リング 25 鋳型 28 周壁ブロック 31 コーナーブロック 33 冷却水流路 35 ガス吸引孔 44 圧力調節弁 45 窒素ガスボンベ 52 真空ポンプ 48 Oリング 49 遮断空間 56 Oリング 57 遮断空間 58 窒素ガス供給孔 59 ガス吸引孔 61 Oリング 62 Oリング 64 第1遮断空間 65 第2遮断空間 67 ガス吸引孔 68 窒素ガス供給孔 g 空隙 C 鋳片 M 溶融金属 W 冷却水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 浩之 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 才田 誠四郎 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 井上 雅之 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 河本 克彦 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭64−27749(JP,A) 実開 昭62−67644(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュから入口および出口を備
    えた冷却鋳型に、鋳型入口に接するブレークリングを少
    なくとも介して溶融金属を連続的に供給すること、鋳型
    において溶融金属を連続的に冷却し、湯面よりも下方で
    溶融金属の凝固を開始させて鋳片を形成すること、およ
    び前記鋳型出口側から鋳片を鋳型に対して間欠的に引き
    抜くことよりなる鋳造方法において、 前記鋳型入口側から鋳型と前記ブレークリングとの接触
    面に、全周にわたって大気圧を超えかつ溶融金属に可溶
    なシールガスを常に供給すること、および直径が鋳型内
    径よりも大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮断
    空間を鋳型出口に隣接して設け、前記遮断空間内を大気
    圧未満に保持することを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 タンディッシュから入口および出口を備
    えた冷却鋳型に、鋳型入口に接するブレークリングを少
    なくとも介して溶融金属を連続的に供給すること、鋳型
    において溶融金属を連続的に冷却し、湯面よりも下方で
    溶融金属の凝固を開始させて鋳片を形成すること、およ
    び前記鋳型出口側から鋳片を鋳型に対して間欠的に引き
    抜くことよりなる鋳造方法において、 直径が鋳型とブレークリングとの接触面の最大径よりも
    大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮断空間を鋳
    型入口に隣接して設け、前記遮断空間内に大気圧を超え
    かつ溶融金属に可溶なシールガスを常に供給すること、
    および直径が鋳型内径よりも大きな閉曲線を境界とし、
    大気を遮断する遮断空間を鋳型出口に隣接して設け、前
    記遮断空間内を大気圧未満に保持することを特徴とする
    連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 タンディッシュから入口および出口を備
    えた冷却鋳型に、鋳型入口に接するブレークリングを少
    なくとも介して溶融金属を連続的に供給すること、鋳型
    において溶融金属を連続的に冷却し、湯面よりも下方で
    溶融金属の凝固を開始させて鋳片を形成すること、およ
    び前記鋳型出口側から鋳片を鋳型に対して間欠的に引き
    抜くことよりなる鋳造方法において、 直径が鋳型とブレークリングとの接触面の最大径よりも
    大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮断空間を鋳
    型入口に隣接して設けるとともに、直径が鋳型内径より
    も大きな閉曲線を境界とし、大気を遮断する遮断空間を
    鋳型出口に隣接して設け、前記遮断空間内をそれぞれ大
    気圧未満に保持することを特徴とする連続鋳造方法。
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