JP2515280Y2 - 貨物トラック用荷役装置 - Google Patents

貨物トラック用荷役装置

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JP2515280Y2
JP2515280Y2 JP2373793U JP2373793U JP2515280Y2 JP 2515280 Y2 JP2515280 Y2 JP 2515280Y2 JP 2373793 U JP2373793 U JP 2373793U JP 2373793 U JP2373793 U JP 2373793U JP 2515280 Y2 JP2515280 Y2 JP 2515280Y2
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田 謙 郎 元
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元田電子工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は荷台タイプの貨物トラッ
クに適用して特に有用な荷役装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】荷台タイプの貨物トラックに於て、クレ
−ン式の荷役装置を装備したものは公知である。このク
レ−ン式の荷役装置は、貨物トラックの荷台を運転席キ
ャビンから少し離隔させてシャ−シに取付けることによ
り、運転席キャビン後面と荷台の前面との間にクレ−ン
設置のための空間を形成し、この空間にクレ−ン本体、
その駆動系並びに操作系を設ける型式である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、この形式の荷
役装置には、次のような問題点がある。即ち、荷台を
キャビン後面から700〜1000mm以上程度離して取付けな
ければならないため、荷台のシャ−シへの取付けが特別
仕様となること、クレ−ンは油圧式であるため、圧油
駆動源やその配管系等を特別に装備しなければならない
こと、操作部がクレ−ンの取付部に固定的に設けられ
ているため、クレ−ンのオペレ−タと荷物をフック等に
掛けたり外したりするための荷物係の要員が必要とな
り、この者が居ない場合には、荷役作業のためオペレ−
タがいちいち荷物と操作部の間を何度も往復しなければ
ならないことになるなど、製造上や操作上の難点がある
のである。本考案は上記のような問題点のない貨物トラ
ック用の荷役装置を提供することをその課題とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本考案の構成は、貨物トラックの
荷台2における運転席キャビン1の後面一側に、ポ−ル
状に形成した取付部6を設け、この取付部6の上端部に
垂直な取付軸5の回りを旋回できるブラケット15を取付
けると共に、該ブラケット15に垂直ガイド15vを介して
後端側を上,下摺動可能に支持させた長さがキャビン1
の横幅より少し短かい杆部材16と、該ブラケット15に水
平ガイド15hを介して後端側を前後摺動可能に支持させ
た杆部材であって前記杆部材16と平行な杆部材17と、こ
れらの杆部材16,17の先端に枢着した縦向きの杆部材18
とからなるア−ム機構4を前記ブラケット15に架装し、
前記杆部材18の下端側に設けた荷物を昇降自在に支持す
るフック8等の支持部を設けて成ることを特徴とするも
のである。
【0005】
【作用】不使用時には荷役装置の主要メンバであるア−
ム機構4を運転席キャビン1に平行な姿勢で収納するこ
とができるようにして設けたことにより、荷役装置を設
けるために荷台2をキャビン1から離隔して設ける必要
はなく、また、不使用時に邪魔になることもない。
【0006】使用時には、ア−ム機構4をその取付部6
において旋回させると共に、荷物の支持部をこのア−ム
機構4に沿って移動させることにより、荷物の支持部を
荷台2の内外に亘る所望の位置に移動させることができ
る。
【0007】
【実施例】次に、本考案の実施例について図に拠り説明
する。図1は本考案装置の一例を装備した貨物トラック
の背面図、図2は図1に示す本考案装置の一例における
荷物の支持部の一例の側面図、図3は同じく別例の側面
図である。
【0008】これらの図に於て、1は小型乃至は軽貨物
トラックの運転席キャビン、2は荷台、3はこれらキャ
ビン1や荷台2等を取付けたシャ−シである。本考案荷
役装置は、図1示すように、キャビン1の後面上端側
に、当該キャビン1の後面と平行に配設されるア−ム機
構4を主要な構成部材として構成されている。
【0009】而して、図1に示す実施例の装置に於て、
4はキャビン1の正面幅より稍短かい長さの杆部材16〜
18により構成したア−ム機構で、このア−ム機構4につ
いては後に詳述するが垂直な取付軸5を介して平面内で
旋回自在に取付けられている。
【0010】而して、図1に示す本考案荷役装置のア−
ム機構4は、垂直な取付軸5を介して取付部6に旋回自
在に取付けられたブラケット15に杆部材16〜18を取付け
て成る。即ち、横向きでキャビン1の正面幅より短かい
杆部材16と、これと平行な杆部材17と両杆部材16,17の
先端に枢着された縦向きの杆部材18、及び、前記杆部材
16,17の後端側を連結するリンクア−ム19を平行四辺形
のパントグラフ状をなすように形成し、前記横向きの杆
部材16,17の後端16a,17aをそれぞれにブラケット15に
設けた垂直ガイド15vと水平ガイド15hとに摺動可能にし
て支持させることにより形成されている。
【0011】ここで、前記平行な横向きの杆部材16,17
の各後端16a,17aと、縦向きの杆部材18の下端18aと
は、これらの端部を結ぶ仮想直線L上にあり、故に、こ
れらの杆部材16,17,18とリンクア−ム19によるア−ム
機構4は、横向きの杆部材17の後端17aを支点とする仮
想槓杆とみることが出来る。従って、この図には示さな
いが、例えば巻上機構の巻上げ,巻戻し力、又は、シリ
ンダ−の進退力を、前記杆部材16の後端16aに伝達し、
この部16aをガイド15vに沿って上下動させるようにする
ことにより、フック8が設けられる杆部材18の下端18a
を昇降させることができる。
【0012】また、縦向きの杆部材18を左右動させると
横向きの杆部材17の後端17aがガイド15hに沿って摺動す
るから、前記縦向きの杆部材18の下端18aをキャビン1
の幅方向に沿って任意に移動させることができる。従っ
て、上記縦向きの杆部材18の下端18aに設けられた荷物
の支持部、即ち、フック8は荷台2の内外においての荷
物の昇降,水平移動の荷役作業をきわめて省力的に行う
ことが出来る。
【0013】図1に於て、6は上記取付軸5を上端に有
して荷台2の前方右隅に立設したポ−ル状の取付部で、
この実施例では荷台2のデッキ2aに立設したポ−ル6aと
その上端に被嵌された筒状ブラケット部6bとにより形成
されており、前記ポ−ル6aに対し筒状ブラケット6bはガ
イド6cや図示しない適宜駆動機構、例えば、ラック,ピ
ニオンやモ−タシリンダ等により、上下方向で移動,固
定可能に形成されている。6dはポ−ル6aの取付部材、6e
は補強部材である。図2に示す7は巻上機構で、図示し
ないが電動機,減速機、巻上胴などにより形成され、巻
上胴には、ベルト7aなどによる索部材が巻取られてお
り、このベルト7aの下端に荷物の支持部として、ここで
はフック8が取付けられている。
【0014】図1に於て、9はアウトリ−ガで、支脚9a
が地面側へ伸長させられ、プレ−ト9bを着地させ、荷役
作業時におけるトラックを安定に支え、揺動等を防ぐた
めのものである。尚、アウトリ−ガ9のうち、荷台2の
左側のものは上記取付部6のポ−ル6aを利用し、このポ
−ル6aの下端側に支脚9aを内装するようにする。また、
支脚9aの進退は、ラック,ピニオン、或は、ウォ−ム,
ウォ−ムラックやモ−タシリンダ等を駆動機構として行
うようにする。
【0015】縦向きの杆部材18に形成する荷物の支持部
の形態としては、図2,図3に示すように、前記杆部材
18の下端18aに、巻上機構7を取付け、この機構7から
下端にフック8等による荷物の支持部を有するベルト7a
等による索部材を巻取り、巻戻し自在に吊下げたり、或
は、杆部材18の下端18aに、荷物の掴み手段8'等による
荷物の支持部を直接取付けてもよい。
【0016】尚、図2,図3に示す荷物の支持部がア−
ム機構の姿勢の如何に拘らず一定の向きを保持すること
にできるように、縦向きの杆部材18と、横向きの杆部材
16,17とにそれぞれ平行な副ア−ム18'を、それぞれに
設けることが望ましい。
【0017】上記の実施例に於ける本考案荷役装置の巻
上機構7の駆動源モ−タは、車載バッテリ、或は、その
バッテリに他のバッテリを付加した電源により駆動する
ようにする。また、荷物の支持部の水平方向の移動に、
適宜モ−タの駆動力を利用するようにしてもよい。この
点は、取付部6における筒状ブラケット6bを昇降させる
ための駆動源、或は、ア−ム機構4を旋回させるための
駆動源についても同様である。これらの場合、いずれも
その電源は上記巻上機構と共通の電源を使用することが
望ましい。
【0018】次に、本考案荷役装置の操作部は、図示し
ないが、荷物の支持部の近傍にペンダントタイプで形成
し、ジョイステック式、或は、押しボタン式などの操作
スイッチにより荷物の昇降を始めとする荷役作業の各動
作を行うようにすることが望ましい。支持すべき荷物と
操作部とが近くにあれば、荷物にフック等を掛け外しな
がら、或は、荷物を手で支持し乍ら、この操作部を操作
することができて便利だからである。なお、このこと
は、操作部を他の型式で構成することを排除する趣旨で
はない。
【0019】本考案装置の一例は、上記のように構成さ
れ、不使用時には、図1の実線に示す位置に収納される
が、使用時には、ア−ム機構4を旋回させたり、杆部材
18の先端側を持ち上げたりして、フック8を荷物の位置
に位置付け、荷物の積卸しに使用するものである。
【0020】従って、本考案装置は、使用時には筒状ブ
ラケット6bを上位にしてブラケット15をキャビン1より
上方へ突出させてその旋回性を確保し、不使用時には、
筒状ブラケット6bをポ−ル6aの上において低位にして、
ア−ム機構4の上面側をキャビン1の天井外面とほぼ同
位に位置付け、且つ、ア−ム機構4を運転席キャビン1
の背面においてそれと平行にして収納するから、本考案
荷役装置を装備した貨物トラックは、この装置を装備し
ないトラックと正面投影形状が殆んど変らず、従って、
トラックの通常走行や車庫入れ等において、荷役装置が
運転に影響を及ぼすことは全くない。
【0021】
【考案の効果】本考案荷役置は以上の通りであって、こ
の装置の主要構成部材であるア−ム機構の大きさとその
配設位置を工夫したことにより、不使用時のスペ−ス効
率がよく、しかも、荷役作業時には荷台の内,外に亘る
所要範囲に荷物の支持部を移動させることができるの
で、荷役効率も大型の貨物トラック用クレ−ンに殆んど
遜色ないという格別の効果を得ることができる。従っ
て、本考案装置は、特に、小型、或は、軽貨物トラック
用の車載荷役装置としてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案装置の一例を装備した貨物トラックの背
面図。
【図2】図1に示す本考案装置の一例における荷物の支
持部の一例の側面図。
【図3】図1に示す本考案装置の一例における荷物の支
持部の別例の側面図。
【符号の説明】
1 運転席キャビン 2 荷台 3 シャ−シ 4 ア−ム機構 5 取付軸 6 取付部 6a ポ−ル 6b 筒状ブラケット 6c ガイド 7 巻上機構 7a ベルト 8 フック 9 アウトリ−ガ 15 ブラケット 15h 水平ガイド 15v 垂直ガイド 16 横向きの杆部材 17 横向きの杆部材 18 縦向きの杆部材 18a 下端 19 縦向きのリンクア−ム

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貨物トラックの荷台2における運転席キ
    ャビン1の後面一側に、ポ−ル状に形成した取付部6を
    設け、この取付部6の上端部に垂直な取付軸5の回りを
    旋回できるブラケット15を取付けると共に、該ブラケッ
    ト15に垂直ガイド15vを介して後端側を上,下摺動可能
    に支持させた長さがキャビン1の横幅より少し短かい杆
    部材16と、該ブラケット15に水平ガイド15hを介して後
    端側を前後摺動可能に支持させた杆部材であって前記杆
    部材16と平行な杆部材17と、これらの杆部材16,17の先
    端に枢着した縦向きの杆部材18とからなるア−ム機構4
    を前記ブラケット15に架装し、前記杆部材18の下端側に
    設けた荷物を昇降自在に支持するフック8等の支持部を
    設けて成ることを特徴とする貨物トラック用荷役装置。
  2. 【請求項2】 取付部6を伸縮自在に形成し、使用時に
    ブラケット15をキャビン1より上側に位置付け、不使用
    時にはキャビン1の後面に位置付けるようにした請求項
    1の貨物トラック用荷役装置。
  3. 【請求項3】 フック8等の支持部は、縦向きの杆部材
    18の下端に巻上機構7を設け、この巻上機構7から吊下
    げられたベルト7a等による索部材の下端に取付けた請求
    項1又は2の貨物トラック用荷役装置。
  4. 【請求項4】 フック8等の支持部は、縦向きの杆部材
    18の下端に設けた挟具である請求項1〜3のいずれかの
    貨物トラック用荷役装置。
  5. 【請求項5】 取付部6は、その下端側に同軸上でアウ
    トリ−ガ9を設けた請求項1〜4のいずれかの貨物トラ
    ック用荷役装置。
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