JP2515198Y2

JP2515198Y2 - 容器の注出栓

Info

Publication number: JP2515198Y2
Application number: JP1990030450U
Authority: JP
Inventors: 英親岩本
Original assignee: ヤマト・インダストリー株式会社
Priority date: 1990-03-23
Filing date: 1990-03-23
Publication date: 1996-10-30
Anticipated expiration: 2005-03-23
Also published as: US5147070A; JPH03120426U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、紙板の表裏に合成樹脂フィルムをラミネ
ートした板体で構成した容器に取付ける注出栓に関す
る。

（従来の技術）従来、前記の如くの板体で構成した、ブリック型又は
ゲーブルトップ型などと称する容器が、ジュース、牛
乳、茶等の包装容器として用いられ、このような容器の
開口予定部に取付けられる注出栓が種々、提案されてい
る。

前記注出栓は、通常容器壁に取付けられる筒体と、該
筒体内に昇降可能に装着された筒状刃と、筒体に被冠し
たキャップとで構成され、容器を開封する際には、前記
筒状刃を筒体内で降下させることにより、下端縁に形成
した刃部で、容器の開口予定部の透孔に張設された合成
樹脂フィルムやアルミニウムホイルなどの封口板を破断
開口する構造となっていた。

そして、このような構造の注出栓においては、筒体内
に装着した筒状刃は、筒体内で最も上昇した位置（筒体
と筒状刃の上端縁が略一致した位置）、即ちセット位置
と、筒体内で最も下降した位置（筒状刃の上端縁が筒体
の下端縁に近接した位置）、即ち開封位置とで、夫々仮
固定された状態とできるようにしていた。

前記筒体を容器壁に取付けるには、筒体の下端に連設
した環状鍔を容器壁へ熱溶着するようにしており、この
とき、筒体の下端より筒状刃が突出すると、作業が困難
となる為である。

また、筒状刃を下降させて、前記封口板を破断開口し
た時に、筒状刃全体が透孔を通過して容器内へ落下する
と、衛生上好ましくない為である。

筒状刃を筒体内で所定の位置に仮固定できるようにし
た注出栓としては、従来、筒状刃の外壁に環状突条を設
ける一方、筒体の内壁には、前記環状突条と係止する環
状凹溝又は環状突条を設けた構造（実開昭62−58333
号、実開昭62−58334号）や筒体の下部内径を順次小径
に形成する一方、筒状刃の上部外径を順次大径として、
通過を制限する構造（実開昭62−58335号）としたも
の、更には、筒体内壁に縦溝を設け、筒状刃の上部外側
に前記縦溝と嵌合する突片を設け、縦溝の下部段部に突
片を係止させる構造としたもの（実開昭63−156928号）
などが知られていた。

（考案が解決しようとする課題）前記の如くの従来の注出栓の構造において、筒体の内
壁に環状凹溝や環状突条を設ける構造は、筒体の製造に
用いられる成形型が複雑化する問題があった。

また、筒体の内壁に縦溝を設け、筒状刃の上部外側に
突片を設ける構造は、筒体に筒状刃をセットする際に縦
溝と突片との位置を正確に合わせる必要があり、自動組
立を難しくする問題があった。

この考案は前記従来の構造の注出栓と同様に、筒状刃
がセットした位置と下降した位置において、夫々仮固定
が可能としたものを提案するものであって、更に上記の
ような問題点を解決することを目的としている。

（課題を解決するための手段）この考案の容器の注出栓は、容器壁に取付けられる筒
体と、該筒体内に昇降可能に装着された筒状刃と、筒体
に被冠したキャップとからなる。そして、そしてこのよ
うな注出栓において、前記筒状刃の外側面に縦突条が設
けられ、かつ該縦突条の上部に外向き突片が設けられて
いると共に、前記筒体の内側面に、全周に亘り、前記外
向き突片の昇降を案内する凹溝が並設され、該凹溝の上
部溝壁を、筒体の開口端側で巾広となるようなテーパー
壁とすると共に、隣接する凹溝の上部溝壁が互いに一致
するように形成してあり、かつ該凹溝の下部に前記外向
き凸片と対向する段部が設けられ、該段部は、筒状刃の
セット時には前記縦突条の下端面とも対向するように形
成すると共に、前記段部には前記縦突条と対向する切欠
部が形成され、筒状刃のセット時には切欠縁と縦突条の
下端縁とが係合し、容器の開口時には、切欠部に沿って
縦突条が下降可能となるように形成したことを特徴とし
ている。

前記筒状刃は筒体内に挿入して組立てられることか
ら、前記凹溝は、筒体の内側面全周に亘って並設してあ
る。

前記段部は、縦突条の下端面や外向き突片を係止させ
て、筒状刃の下降を規制するものであるが、縦突条の下
端面との係止は、容器を開口する際には解除する必要が
あるので、段部には切欠部を形成して、その切欠縁と縦
突条の下端面を係合させて、係止の解除を容易としてあ
る。前記切欠部の断面形状は、縦突条の横断面形状と異
なる形状としてある。

（作用）この考案の容器の注出栓においては、筒状刃の外側面
に設けた縦突条の下端面および外向き突片が夫々筒体の
内側面に設けた凹溝の下部の段部と係止し、筒状刃がセ
ットした位置と下降した位置の夫々で仮固定される。

そして、筒体内側面および筒状刃の外側面には環状凹
溝や環状突条を無くし、筒体および筒状刃の長手方向に
沿う突条や凹溝を設ける構造としたので、成形型の複雑
化を避けることができる。

また、筒状刃の外向き突片と係合する凹溝の巾を筒体
の開口端側で巾広としたので、外向き突片と凹溝の位置
合せを正確にしなくても、筒体内へ筒状刃を容易に組立
てることができる。

（実施例）以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は実施例の容器の注出栓を分解して表わしたも
ので、１が筒体、２が筒状刃、３がキャップである。

前記筒体１は下端縁外側に、容器（図示していない）
壁と熱溶着される取付鍔４が設けてある一方、筒壁1aの
外側面にはキャップ３と螺合する螺糸５が設けてあると
共に、筒壁1aの内側面には凹溝６、６が、内側面全周に
亘って等間隔に設けてある。

前記凹溝６は、上部溝壁をテーパー壁6aとして筒壁1a
の開口端側（図中上側）の溝巾が巾広となるようにして
あり、かつ隣接する凹溝６の上部溝壁が互いに一致する
ようにしてある。また、凹溝６の下部には段部７を設け
てある。

前記筒状刃２は、筒体１の内径と略等しい外径の筒壁
2aを有し、筒壁2aの下端縁を鋸歯状縁2bとしたもので、
筒壁2aの内側には仕切壁８が設けてあると共に、筒壁2a
の外側面には、直径対称的位置に、縦突条９が設けてあ
り、該縦突条９の上部に外向き突片10が設けてある。

前記段部７は、筒状刃２を筒体１内に嵌装した場合、
縦突条９の下端面9aおよび外向き突片10と対向させる為
に設けられたもので、この段部７の略中央に三角形状の
切欠部11が設けてある。そして、前記縦突条９の横断面
形状も略三角形状としてあり、切欠部11と縦突条９とは
第４図に示したように、切欠部11の切欠縁11aと縦突条
９の下端縁9bが係合できるようにしてある。

上記実施例の容器の注出口は、筒体１の内側に筒状刃
２を嵌装してセットし、次いで筒体１の外側にキャップ
３を螺合して組立てられる。

筒状刃２を筒体１の内側に嵌装する場合、先ず縦突条
９が筒壁1aの内側面に設けた凹溝６、６の何れかに案内
され乍ら嵌入して行くので、筒状刃２と筒体１の円周方
向における位置合せを不要とできる。筒状刃２の嵌入が
進み、縦突条９の下端面9aが凹溝６の下端に設けた段部
７に至ると、下端縁9bと段部７内に形成した切欠部11の
切欠縁11aが第２図に示したように係合して、筒状刃２
の嵌入が止まることになる。この状態でキャップ３を被
冠すれば、セットを完了することができる。筒状刃２は
上記のようにして仮固定されているので、下端の鋸歯状
縁2bが筒体１の下端より突出するのを防止し、取付鍔４
と容器壁との溶着を円滑に行うことかできる。

容器壁に取付けた注出栓によって、容器の開口を行う
場合には、前記キャップ３を筒体１より取外した後、筒
状刃２を筒体１内で下降させ、鋸歯状縁2bを介して容器
壁の開口予定部を破断することにより行なわれる。

筒状刃２を筒体１内で下降させるには、指先等により
筒状刃２を押下げて行う。この場合、前記縦突条９の下
端縁9bと段部７における切欠部11の切欠縁11aの係合
は、前記押下力によって切欠縁11aが変形して解除され
る。押下力によって筒状刃２が下降すると、容器壁が開
口する。筒状刃２の下降は、外向き突片10が第３図に示
したように段部７と当接、係合して停止する。筒状刃２
は、この状態から下降は不能となるので、この位置で仮
固定状態となり、筒状刃２が容器内まで落下するのを防
止することができる。

尚、縦突条９の横断面形状と切欠部11の形状は実施例
に限るものではなく、夫々半円形状とするなど、切欠縁
と縦突条の下端縁が係合できるものであれば、他の形状
とすることもできる。

（考案の効果）以上に説明したように、この考案によれば、筒状刃を
筒体内において、セットした位置と最も下降した位置で
仮固定でき、注出栓の容器壁への取付け時の障害を無く
すと共に、筒状刃を容器内に落下しなくできる効果があ
る。

また、凹溝の上部が巾広となるように上部溝壁にテー
パー壁を形成し、隣接する凹溝の上部溝壁が互いに一致
するように形成したので、筒体へ筒状刃を嵌入させる組
立て時に、筒体や筒状刃を回転させるなど正確な位置合
せ作業を不要にでき、自動組立てを容易にできる効果が
ある。

また、筒体の凹溝の段部に筒状刃の縦突条と対向する
切欠部を設けると共に、切欠部と縦突条との横断面形状
を違えて形成したので、容器の開口時には、筒状刃の押
下げにより、仮固定状態の係合を解除し、筒状刃を容易
に下降させることができる効果がある。

更に、筒体の内側壁及び筒状刃の外側壁には、長手方
向の溝や突条を設けたので、成形型を簡単にできる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の分解斜視図、第２図は同じ
く実施例の組立て状態の一部破断斜視図、第３図は同じ
く実施例の筒状刃を下降させた時の一部破断斜視図、第
４図は同じく実施例の筒体と筒状刃の係合する説明図で
ある。１……筒体、２……筒状刃３……キャップ、６……凹溝 6a……テーパー壁、７……段部９……縦突条、9a……下端面 9b……下端縁、10……外向き突片 11……切欠部、11a……切欠縁

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】容器壁に取付けられる筒体と、該筒体内に
昇降可能に装着された筒状刃と、筒体に被冠したキャッ
プとからなる容器の注出栓において、前記筒状刃の外側
面に縦突条が設けられ、かつ該縦突条の上部に外向き突
片が設けられていると共に、前記筒体の内側面に、全周
に亘り、前記外向き突片の昇降を案内する凹溝が並設さ
れ、該凹溝の上部溝壁を、筒体の開口端側で巾広となる
ようなテーパー壁とすると共に、隣接する凹溝の上部溝
壁が互いに一致するように形成してあり、かつ該凹溝の
下部に前記外向き凸片と対向する段部が設けられ、該段
部は、筒状刃のセット時には前記縦突条の下端面とも対
向するように形成すると共に、前記段部には前記縦突条
と対向する切欠部が形成され、筒状刃のセット時には切
欠縁と縦突条の下端縁とが係合し、容器の開口時には、
切欠部に沿って縦突条が、下降可能となるように形成
し、前記切欠部の横断面形状は、前縦突条の横断面形状
と異なる形状としたことを特徴とする容器の注出栓。