JP2514549B2 - 積層ポリプロピレンシ−ト - Google Patents
積層ポリプロピレンシ−トInfo
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- JP2514549B2 JP2514549B2 JP4272398A JP27239892A JP2514549B2 JP 2514549 B2 JP2514549 B2 JP 2514549B2 JP 4272398 A JP4272398 A JP 4272398A JP 27239892 A JP27239892 A JP 27239892A JP 2514549 B2 JP2514549 B2 JP 2514549B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小物入れ箱やケ−ス等
を得るための装飾性に優れた積層ポリプロピレンシ−ト
に関する。さらに詳しくは、結晶性ポリプロピレンを主
体とする押出し成形シ−トに結晶性ポリプロピレンを素
材とする空洞含有延伸成形物を積層してなる小物入れ箱
やケ−ス等を得るのに適した装飾性に優れた積層ポリプ
ロピレンシ−トに関する。
を得るための装飾性に優れた積層ポリプロピレンシ−ト
に関する。さらに詳しくは、結晶性ポリプロピレンを主
体とする押出し成形シ−トに結晶性ポリプロピレンを素
材とする空洞含有延伸成形物を積層してなる小物入れ箱
やケ−ス等を得るのに適した装飾性に優れた積層ポリプ
ロピレンシ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、文具・家電用の樹脂製の小物入れ
箱、ケ−ス、饅頭の個包装体等に、美観、高級感を与え
る方法として、顔料を添加して押出し成形したシ−トを
用いたり、透明シ−トの上に多色印刷を施したりする方
法が用いられていた。しかし、このような従来技術で
は、パ−ル輝度、パステルカラ−調のシートは得られ
ず、得られるシートは、硬く冷たい感触のものであっ
た。また、従来の延伸シートや無機充填剤を多量に添加
した空洞含有延伸成形物等は、小物入れ箱、ケ−スを成
形する際に必要な筋押し加工性や折曲げ性に欠けるとい
う問題があった。
箱、ケ−ス、饅頭の個包装体等に、美観、高級感を与え
る方法として、顔料を添加して押出し成形したシ−トを
用いたり、透明シ−トの上に多色印刷を施したりする方
法が用いられていた。しかし、このような従来技術で
は、パ−ル輝度、パステルカラ−調のシートは得られ
ず、得られるシートは、硬く冷たい感触のものであっ
た。また、従来の延伸シートや無機充填剤を多量に添加
した空洞含有延伸成形物等は、小物入れ箱、ケ−スを成
形する際に必要な筋押し加工性や折曲げ性に欠けるとい
う問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、結晶性ポリプロピレンを素材として用い、
パ−ル輝度やパステルカラ−調を有する空洞含有延伸成
形物を得、さらにこれをベースに用いることにより、小
物入れ箱、ケ−ス等を得るのに必要な筋押し加工性や折
曲げ性に優れ、かつ装飾性に優れる積層ポリプロピレン
シ−トを提供することである。
する課題は、結晶性ポリプロピレンを素材として用い、
パ−ル輝度やパステルカラ−調を有する空洞含有延伸成
形物を得、さらにこれをベースに用いることにより、小
物入れ箱、ケ−ス等を得るのに必要な筋押し加工性や折
曲げ性に優れ、かつ装飾性に優れる積層ポリプロピレン
シ−トを提供することである。
【0004】本発明者らは上述の課題を解決するため鋭
意研究を行なった結果、結晶性ポリプロピレンを素材と
した空洞含有延伸成形物と結晶性ポリプロピレンを主体
とする押出し成形シートとを積層することにより、容易
に達成することを見いだし本発明を完成した。本発明で
用いる空洞含有延伸成形物は、製箱加工に必要な筋押し
加工性と折り曲げ加工性に優れ、風合いの異なる多様な
形態を有するフイルムおよびシ−トであり、この空洞含
有延伸成形物は、エンボス加工を施すことによって更に
加飾性を増すこともできる。
意研究を行なった結果、結晶性ポリプロピレンを素材と
した空洞含有延伸成形物と結晶性ポリプロピレンを主体
とする押出し成形シートとを積層することにより、容易
に達成することを見いだし本発明を完成した。本発明で
用いる空洞含有延伸成形物は、製箱加工に必要な筋押し
加工性と折り曲げ加工性に優れ、風合いの異なる多様な
形態を有するフイルムおよびシ−トであり、この空洞含
有延伸成形物は、エンボス加工を施すことによって更に
加飾性を増すこともできる。
【0005】すなわち本発明は、次記する積層ポリプロ
ピレンシートに関するものである: (1)結晶性ポリプロピレンを主体とする押出し成形シ
ートに、結晶性ポリプロピレン100重量部に対し、軟
化点(環球法)160〜200℃のシクロペンタジエン
系石油樹脂を10〜100重量部含有する空洞含有延伸
成形物が積層されていることを特徴とする装飾性に優れ
た積層ポリプロピレンシート。 (2)結晶性ポリプロピレンを主体とする押出し成形シ
ートに、結晶性ポリプロピレンを素材とする空洞含有延
伸成形物が積層され、かつ、空洞含有延伸成形物にはエ
ンボス加工が施されていることを特徴とする装飾性に優
れた積層ポリプロピレンシート。 (3)空洞含有延伸成形物の組成が、結晶性ポリプロピ
レン100重量部に対してシクロペタジエン系石油樹脂
の中で軟化点(環球法)160〜200℃のもの10〜
100重量部と無機系添加剤10〜100重量部含有す
ることを特徴とする(1)もしくは(2)に記載の積層
ポリプロピレンシート。 (4)空洞含有延伸成形物(A層)と押出し成形シート
(B層)の積層構成が、A/B、A/B/AもしくはB
/A/Bで、A層の厚みが20μm〜500μm、積層
シートの厚みが40μm〜2mmであることを特徴とす
る(1)もしくは(2)に記載の積層ポリプロピレンシ
ート。
ピレンシートに関するものである: (1)結晶性ポリプロピレンを主体とする押出し成形シ
ートに、結晶性ポリプロピレン100重量部に対し、軟
化点(環球法)160〜200℃のシクロペンタジエン
系石油樹脂を10〜100重量部含有する空洞含有延伸
成形物が積層されていることを特徴とする装飾性に優れ
た積層ポリプロピレンシート。 (2)結晶性ポリプロピレンを主体とする押出し成形シ
ートに、結晶性ポリプロピレンを素材とする空洞含有延
伸成形物が積層され、かつ、空洞含有延伸成形物にはエ
ンボス加工が施されていることを特徴とする装飾性に優
れた積層ポリプロピレンシート。 (3)空洞含有延伸成形物の組成が、結晶性ポリプロピ
レン100重量部に対してシクロペタジエン系石油樹脂
の中で軟化点(環球法)160〜200℃のもの10〜
100重量部と無機系添加剤10〜100重量部含有す
ることを特徴とする(1)もしくは(2)に記載の積層
ポリプロピレンシート。 (4)空洞含有延伸成形物(A層)と押出し成形シート
(B層)の積層構成が、A/B、A/B/AもしくはB
/A/Bで、A層の厚みが20μm〜500μm、積層
シートの厚みが40μm〜2mmであることを特徴とす
る(1)もしくは(2)に記載の積層ポリプロピレンシ
ート。
【0006】本発明において空洞含有延伸成形物に適し
た組成の一つとして、結晶性ポリプロピレン100重量
部に対してシクロペンタジエン系石油樹脂の中で軟化点
(環球法)が160〜200℃のものを10〜100重
量部配合したものがある。この組成物を少なくとも一方
向以上に延伸成形し、一段目の延伸温度は少なくとも該
石油樹脂の軟化温度以下で延伸加工することにより、高
剛性で高光沢のフィルムおよびシートが得られる。
た組成の一つとして、結晶性ポリプロピレン100重量
部に対してシクロペンタジエン系石油樹脂の中で軟化点
(環球法)が160〜200℃のものを10〜100重
量部配合したものがある。この組成物を少なくとも一方
向以上に延伸成形し、一段目の延伸温度は少なくとも該
石油樹脂の軟化温度以下で延伸加工することにより、高
剛性で高光沢のフィルムおよびシートが得られる。
【0007】本発明において空洞含有延伸成形物の素材
として使用される結晶性ポリプロピレンは、プロピレン
の結晶性単独重合体、プロピレンを主成分とするエチレ
ンもしくは炭素数4以上の他のα−オレフィン1種以上
との二元以上の共重合体またはそれらの混合物である。
具体的には例えば沸騰n−ヘプタン不溶部を70重量%
以上、好ましくは80重量%以上含有する結晶性ポリプ
ロピレン、プロピレン成分を70重量%以上含有する結
晶性エチレン・プロピレン共重合体、結晶性プロピレン
・1ーブテン共重合体、結晶性プロピレン・1ーヘキセ
ン共重合体、結晶性エチレン・プロピレン・1ーブテン
共重合体等の結晶融点を有するプロピレン系共重合体が
挙げられる。この結晶性ポリプロピレンは、JIS K7210-
1976で測定した溶融指数(以下、MFRという)が0.
5〜30g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の
範囲のものがよい。
として使用される結晶性ポリプロピレンは、プロピレン
の結晶性単独重合体、プロピレンを主成分とするエチレ
ンもしくは炭素数4以上の他のα−オレフィン1種以上
との二元以上の共重合体またはそれらの混合物である。
具体的には例えば沸騰n−ヘプタン不溶部を70重量%
以上、好ましくは80重量%以上含有する結晶性ポリプ
ロピレン、プロピレン成分を70重量%以上含有する結
晶性エチレン・プロピレン共重合体、結晶性プロピレン
・1ーブテン共重合体、結晶性プロピレン・1ーヘキセ
ン共重合体、結晶性エチレン・プロピレン・1ーブテン
共重合体等の結晶融点を有するプロピレン系共重合体が
挙げられる。この結晶性ポリプロピレンは、JIS K7210-
1976で測定した溶融指数(以下、MFRという)が0.
5〜30g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の
範囲のものがよい。
【0008】本発明において空洞含有延伸成形物に用い
られるシクロペンタジエン系石油樹脂としては、次のも
のを例示できる。石油ナフサなどのスチームクラッキン
グなどから得られるシクロペンタジエン、ジシクロペン
タジエン、それらのアルキル置換体およびオリゴマーな
らびにそれらの混合物から選ばれる1種以上(以下、シ
クロペンタジエン成分という)を主成分とする留分を重
合させて得られる石油樹脂(HR)の中で、シクロペン
タジエン系成分を50重量%以上含有し、その軟化点
(環球法)が160〜230℃、好ましくは160〜2
00℃の範囲で高分子量で高軟化点の石油樹脂(HSH
R)、ならびに上記石油樹脂(HR)の中でシクロペン
タジエン系成分を50重量%以上含有するものを従来公
知の方法、すなわち、パラジウム、ニッケルもしくはコ
バルトなどの金属またはその酸化物などの触媒を用い
て、溶剤の存在下に150〜300℃の温度、10〜1
50kgf/cm2の水素圧の条件下で水素化して得られる軟
化点(環球法)160〜230℃、好ましくは160〜
200℃のヨウ素価20以下の水素化シクペンタジエン
系石油樹脂(HGHR)またはそれらの混合物である。
られるシクロペンタジエン系石油樹脂としては、次のも
のを例示できる。石油ナフサなどのスチームクラッキン
グなどから得られるシクロペンタジエン、ジシクロペン
タジエン、それらのアルキル置換体およびオリゴマーな
らびにそれらの混合物から選ばれる1種以上(以下、シ
クロペンタジエン成分という)を主成分とする留分を重
合させて得られる石油樹脂(HR)の中で、シクロペン
タジエン系成分を50重量%以上含有し、その軟化点
(環球法)が160〜230℃、好ましくは160〜2
00℃の範囲で高分子量で高軟化点の石油樹脂(HSH
R)、ならびに上記石油樹脂(HR)の中でシクロペン
タジエン系成分を50重量%以上含有するものを従来公
知の方法、すなわち、パラジウム、ニッケルもしくはコ
バルトなどの金属またはその酸化物などの触媒を用い
て、溶剤の存在下に150〜300℃の温度、10〜1
50kgf/cm2の水素圧の条件下で水素化して得られる軟
化点(環球法)160〜230℃、好ましくは160〜
200℃のヨウ素価20以下の水素化シクペンタジエン
系石油樹脂(HGHR)またはそれらの混合物である。
【0009】本発明において空洞含有延伸成形物に適し
たもう一つの組成として、結晶性ポリプロピレン100
重量部に対してシクロペタジエン系石油樹脂の中で軟化
点(環球法)が160〜200℃のもの10〜100重
量部と無機系添加剤10〜100重量部配合したものが
ある。この組成物を少なくとも一方向以上に延伸成形す
ることによって、高クッション性でソフトなシートもし
くはフィルムが得られる。なお、延伸温度は、石油樹脂
と無機系添加剤の配合比によって適宜調節すればよい
が、出来るだけ低温で延伸させるほうが望ましい。しか
し、実質的には無機系添加剤を用いると、用いていない
組成物よりも若干高めの温度設定となる。
たもう一つの組成として、結晶性ポリプロピレン100
重量部に対してシクロペタジエン系石油樹脂の中で軟化
点(環球法)が160〜200℃のもの10〜100重
量部と無機系添加剤10〜100重量部配合したものが
ある。この組成物を少なくとも一方向以上に延伸成形す
ることによって、高クッション性でソフトなシートもし
くはフィルムが得られる。なお、延伸温度は、石油樹脂
と無機系添加剤の配合比によって適宜調節すればよい
が、出来るだけ低温で延伸させるほうが望ましい。しか
し、実質的には無機系添加剤を用いると、用いていない
組成物よりも若干高めの温度設定となる。
【0010】本発明において空洞含有延伸成形物に配合
される無機系添加剤は、平均粒径が0.01〜30μ
m、好ましくは0.01〜10μmのタルク、チタン、
シリカ等ポリプロピレンに添加される公知の無機系添加
剤で良く、特に制限はないがコスト面から炭酸カルシウ
ムの使用が有利である。また、無機系添加剤は、単独で
も、複数の無機系添加剤を混合したものを使用してもど
ちらでもよい。
される無機系添加剤は、平均粒径が0.01〜30μ
m、好ましくは0.01〜10μmのタルク、チタン、
シリカ等ポリプロピレンに添加される公知の無機系添加
剤で良く、特に制限はないがコスト面から炭酸カルシウ
ムの使用が有利である。また、無機系添加剤は、単独で
も、複数の無機系添加剤を混合したものを使用してもど
ちらでもよい。
【0011】本発明において押出し成形シートの素材と
して使用される結晶性ポリプロピレンは、空洞含有延伸
成形物に用いられる結晶性ポリプロピレンと同じもので
よいが、MFRが0.5〜20g/10分、好ましくは
0.5〜10g/10分の範囲のものがよい。
して使用される結晶性ポリプロピレンは、空洞含有延伸
成形物に用いられる結晶性ポリプロピレンと同じもので
よいが、MFRが0.5〜20g/10分、好ましくは
0.5〜10g/10分の範囲のものがよい。
【0012】本発明における押出し成形シ−トや空洞含
有延伸成形物には、必要に応じて、ポリプロピレンに添
加することが公知な各種添加剤、例えば公知のフェノー
ル系ないしチオエーテル系などの加工安定剤・酸化防止
剤、高級脂肪酸ないしステアリン酸カルシウムなどの高
級脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド系などの滑剤、帯電防
止剤、顔料、紫外線吸収剤、各種ポリマー類などを目的
を損なわない範囲で添加することができる。特に、顔料
が添加された空洞含有延伸成形物は、パステルカラー調
の発色を呈するので美観を増すのに有利である。
有延伸成形物には、必要に応じて、ポリプロピレンに添
加することが公知な各種添加剤、例えば公知のフェノー
ル系ないしチオエーテル系などの加工安定剤・酸化防止
剤、高級脂肪酸ないしステアリン酸カルシウムなどの高
級脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド系などの滑剤、帯電防
止剤、顔料、紫外線吸収剤、各種ポリマー類などを目的
を損なわない範囲で添加することができる。特に、顔料
が添加された空洞含有延伸成形物は、パステルカラー調
の発色を呈するので美観を増すのに有利である。
【0013】これらの組成物を製造する方法としては、
通常のブレンダーまたはミキサーなど各成分を攪拌混合
する方法を採用できる。また、一般的な押出機、バンバ
リーミキサーなどを用いて溶融混合しペレット状の組成
物として用いることもできる。
通常のブレンダーまたはミキサーなど各成分を攪拌混合
する方法を採用できる。また、一般的な押出機、バンバ
リーミキサーなどを用いて溶融混合しペレット状の組成
物として用いることもできる。
【0014】本発明で用いる空洞含有延伸成形物は、通
常単層で押出し成形シートに積層されるが、市場のニ−
ズに応じて多層化構造にしてから押出し成形シ−トと積
層されることも出来る。例えば、空洞含有延伸成形物表
面の耐スクラッチ性、高輝度性という性能とこれとは逆
の性能であるダル化、シ−ル性等の性能を同時に付与さ
せるために多層化構造にすることもできる。
常単層で押出し成形シートに積層されるが、市場のニ−
ズに応じて多層化構造にしてから押出し成形シ−トと積
層されることも出来る。例えば、空洞含有延伸成形物表
面の耐スクラッチ性、高輝度性という性能とこれとは逆
の性能であるダル化、シ−ル性等の性能を同時に付与さ
せるために多層化構造にすることもできる。
【0015】本発明の積層ポリプロピレンシ−トは、押
出し成形シ−トを成形する際、ダイスより押出された溶
融樹脂が冷却ロ−ルで固化される時、同冷却ロ−ル上に
事前に製造した空洞含有延伸成形物を重ねることにより
積層ポリプロピレンシートを作成することが出来る。ま
た、2枚の空洞含有延伸成形物で押出し成形シートを挟
んだサンドイッチ状に積層することや逆に空洞含有延伸
成形物を芯層として2枚の押出し成形シートで挟んだ積
層シートとすることもできる。シートの厚みは、特に制
限はないが、空洞含有延伸成形物の厚みが20μm〜5
00mμ、積層ポリプロピレンシートの厚みが40μm
〜2mmのものが好ましい。
出し成形シ−トを成形する際、ダイスより押出された溶
融樹脂が冷却ロ−ルで固化される時、同冷却ロ−ル上に
事前に製造した空洞含有延伸成形物を重ねることにより
積層ポリプロピレンシートを作成することが出来る。ま
た、2枚の空洞含有延伸成形物で押出し成形シートを挟
んだサンドイッチ状に積層することや逆に空洞含有延伸
成形物を芯層として2枚の押出し成形シートで挟んだ積
層シートとすることもできる。シートの厚みは、特に制
限はないが、空洞含有延伸成形物の厚みが20μm〜5
00mμ、積層ポリプロピレンシートの厚みが40μm
〜2mmのものが好ましい。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って制約されるものではない。なお、以下の実施例およ
び比較例で用いた特性値の評価を以下に示す。実施例、
比較例に示す軟化点、メルトフローレートは下記の方法
で測定した。 (1)軟化点(℃;環球法):JIS K2207に準
拠。 (2)メルトフローレート(MFR;g/10分):J
IS K7210−1776の試験条件14に準拠(2
30℃、2.16kgf)。
更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って制約されるものではない。なお、以下の実施例およ
び比較例で用いた特性値の評価を以下に示す。実施例、
比較例に示す軟化点、メルトフローレートは下記の方法
で測定した。 (1)軟化点(℃;環球法):JIS K2207に準
拠。 (2)メルトフローレート(MFR;g/10分):J
IS K7210−1776の試験条件14に準拠(2
30℃、2.16kgf)。
【0017】(実施例1〜3) n−ヘプタン不溶部を96%含有するMFR2の結晶性
ポリプロピレン粉末100重量部に対して、フェノール
系酸化防止剤BHT(商品名)を0.2重量部、ステア
リン酸カルシウム0.1重量部、グリセリンモノステア
レート0.1重量部および表1に示すシクロペンタジエ
ン系石油樹脂(以下、DCPDという)および炭酸カル
シウム(平均粒径2μm)を表1に示す量ヘンシェルミキ
サー(商品名)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型
二軸スクリューを有する押出機に該組成物を通して24
0℃で溶融混練して押出し、冷却およびカットしてペレ
ット状の組成物を得た。次に、得られた組成物をそれぞ
れ直径40mmの押出機に接続された30cm幅のT型
ダイを用いて240℃の温度で溶融押出し、50℃に保
たれた一対の鏡面冷却ロールで急冷して、実施例1は
1.2mm、実施例2は2.1mm、実施例3は4.0
mmの厚みの未延伸原反シートを得た。さらに、これら
各々のシートを100mm×100mmの正方形に切断
し、パンダグラフ型二軸延伸試験装置を用いて150〜
160℃の温度で70〜120秒間予熱した後、同温度
で原反のタテ方向に5.0倍延伸し、直ちに同温度でヨ
コ方向に(一段目の延伸と直角方向)に7.0倍延伸
し、同温度で5%弛緩しつつ30秒間熱処理して逐次二
軸延伸して表1に示す厚みの空洞含有延伸成形物(A
層)を作成した。n−ヘプタンに不溶部が96%含有す
るMFR3.5の結晶性ポリプロピレン粉末100重量
部、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウムを0.1重量部、グリセリンモノ
ステアレートを0.1重量部からなる組成物を、上記の
空洞含有延伸成形物の製造条件と同条件でペレット化し
た後、得られたペレットをそれぞれ直径65mmの押出
機に接続された45cm幅のT型ダイを用いて240℃
の温度で溶融押出し、50℃に保たれた一方のロールが
皮革模様に彫刻され、他方のロールが鏡面の一対のポリ
シングロ−ル上で冷却固化して押出し成形シート(B
層)を作成した。押出し成形シ−ト(B層)をポリシン
グロールで冷却固化する際、空洞含有延伸成形物(A
層)を押出し成形シ−ト(B層)に重ねながら冷却固化
し、かつ皮革模様に彫刻されたロールでA層をエンボス
加工しながら積層し、表1に示す厚みの積層ポリプロピ
レンシ−トを作成した。
ポリプロピレン粉末100重量部に対して、フェノール
系酸化防止剤BHT(商品名)を0.2重量部、ステア
リン酸カルシウム0.1重量部、グリセリンモノステア
レート0.1重量部および表1に示すシクロペンタジエ
ン系石油樹脂(以下、DCPDという)および炭酸カル
シウム(平均粒径2μm)を表1に示す量ヘンシェルミキ
サー(商品名)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型
二軸スクリューを有する押出機に該組成物を通して24
0℃で溶融混練して押出し、冷却およびカットしてペレ
ット状の組成物を得た。次に、得られた組成物をそれぞ
れ直径40mmの押出機に接続された30cm幅のT型
ダイを用いて240℃の温度で溶融押出し、50℃に保
たれた一対の鏡面冷却ロールで急冷して、実施例1は
1.2mm、実施例2は2.1mm、実施例3は4.0
mmの厚みの未延伸原反シートを得た。さらに、これら
各々のシートを100mm×100mmの正方形に切断
し、パンダグラフ型二軸延伸試験装置を用いて150〜
160℃の温度で70〜120秒間予熱した後、同温度
で原反のタテ方向に5.0倍延伸し、直ちに同温度でヨ
コ方向に(一段目の延伸と直角方向)に7.0倍延伸
し、同温度で5%弛緩しつつ30秒間熱処理して逐次二
軸延伸して表1に示す厚みの空洞含有延伸成形物(A
層)を作成した。n−ヘプタンに不溶部が96%含有す
るMFR3.5の結晶性ポリプロピレン粉末100重量
部、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウムを0.1重量部、グリセリンモノ
ステアレートを0.1重量部からなる組成物を、上記の
空洞含有延伸成形物の製造条件と同条件でペレット化し
た後、得られたペレットをそれぞれ直径65mmの押出
機に接続された45cm幅のT型ダイを用いて240℃
の温度で溶融押出し、50℃に保たれた一方のロールが
皮革模様に彫刻され、他方のロールが鏡面の一対のポリ
シングロ−ル上で冷却固化して押出し成形シート(B
層)を作成した。押出し成形シ−ト(B層)をポリシン
グロールで冷却固化する際、空洞含有延伸成形物(A
層)を押出し成形シ−ト(B層)に重ねながら冷却固化
し、かつ皮革模様に彫刻されたロールでA層をエンボス
加工しながら積層し、表1に示す厚みの積層ポリプロピ
レンシ−トを作成した。
【0018】(実施例4) DCPDと炭酸カルシウムを表1に示す量配合し、厚み
3.2mmの未延伸原反シートを得たこと以外は、実施
例1に準拠し空洞含有延伸成形物(A層)を得、結晶性ポ
リプロピレン粉末にn−ヘプタン不溶部96%含有する
MFR4のものを使用した以外は、実施例1に準拠して
押出し成形シート(B層)を得た。そして、A層を芯層と
し、その両面にB層を重ね合わせて、一対のポリシング
ロ−ルでエンボス加工を実施しないで冷却固化したこと
以外は、実施例1に準拠し積層ポリプロピレンシ−トを
作成した。
3.2mmの未延伸原反シートを得たこと以外は、実施
例1に準拠し空洞含有延伸成形物(A層)を得、結晶性ポ
リプロピレン粉末にn−ヘプタン不溶部96%含有する
MFR4のものを使用した以外は、実施例1に準拠して
押出し成形シート(B層)を得た。そして、A層を芯層と
し、その両面にB層を重ね合わせて、一対のポリシング
ロ−ルでエンボス加工を実施しないで冷却固化したこと
以外は、実施例1に準拠し積層ポリプロピレンシ−トを
作成した。
【0019】(比較例1)押出し成形シートのみを一対
のポリシングロ−ルで冷却固化したこと以外は、実施例
1に準拠して、厚み0.6mmの単層ポリプロピレンシ
ートを成形した。
のポリシングロ−ルで冷却固化したこと以外は、実施例
1に準拠して、厚み0.6mmの単層ポリプロピレンシ
ートを成形した。
【0020】
【発明の効果】本発明に関する実施及び比較例を表1に
示す。本発明によれば、実施例1〜4に示すごとく延伸
成形用樹脂組成物の配合比を変えることによって、得ら
れる空洞含有延伸成形物の形態が多様化し、パール様輝
度、不織布様、皮革様のソフトで暖かい感触のシートが
得られる。また、印刷も可能なので、印刷によってさら
に加飾することもできる。用途例としては、文具用バイ
ンダ−、書類入れバッグケ−ス、化粧箱、手帳の表紙、
菓子個包装体、等用途での活用が有効である。技術的な
応用例としては、前述の用途の他に、壁紙代替用途、射
出成型時のインサート加工などによる成形品の装飾性や
感触の改良も可能である。
示す。本発明によれば、実施例1〜4に示すごとく延伸
成形用樹脂組成物の配合比を変えることによって、得ら
れる空洞含有延伸成形物の形態が多様化し、パール様輝
度、不織布様、皮革様のソフトで暖かい感触のシートが
得られる。また、印刷も可能なので、印刷によってさら
に加飾することもできる。用途例としては、文具用バイ
ンダ−、書類入れバッグケ−ス、化粧箱、手帳の表紙、
菓子個包装体、等用途での活用が有効である。技術的な
応用例としては、前述の用途の他に、壁紙代替用途、射
出成型時のインサート加工などによる成形品の装飾性や
感触の改良も可能である。
【0021】
【表1】
Claims (4)
- 【請求項1】 結晶性ポリプロピレンを主体とする押出
し成形シートに、結晶性ポリプロピレン100重量部に
対し、軟化点(環球法)160〜200℃のシクロペン
タジエン系石油樹脂を10〜100重量部含有する空洞
含有延伸成形物が積層されていることを特徴とする装飾
性に優れた積層ポリプロピレンシート。 - 【請求項2】 結晶性ポリプロピレンを主体とする押出
し成形シートに、結晶性ポリプロピレンを素材とする空
洞含有延伸成形物が積層され、かつ、空洞含有延伸成形
物にはエンボス加工が施されていることを特徴とする装
飾性に優れた積層ポリプロピレンシート。 - 【請求項3】 空洞含有延伸成形物の組成が、結晶性ポ
リプロピレン100重量部に対してシクロペタジエン系
石油樹脂の中で軟化点(環球法)160〜200℃のも
の10〜100重量部と無機系添加剤10〜100重量
部含有することを特徴とする請求項1もしくは2に記載
の積層ポリプロピレンシート。 - 【請求項4】 空胴含有延伸成形物(A層)と押出し成
形シート(B層)の積層構成が、A/B、A/B/Aも
しくはB/A/Bで、A層の厚みが20μm〜500μ
m、積層シートの厚みが40μm〜2mmであることを
特徴とする請求項1もしくは2に記載の積層ポリプロピ
レンシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4272398A JP2514549B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 積層ポリプロピレンシ−ト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4272398A JP2514549B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 積層ポリプロピレンシ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06134908A JPH06134908A (ja) | 1994-05-17 |
JP2514549B2 true JP2514549B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=17513348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4272398A Expired - Fee Related JP2514549B2 (ja) | 1992-09-16 | 1992-09-16 | 積層ポリプロピレンシ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2514549B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6048608A (en) * | 1997-12-24 | 2000-04-11 | Mobil Oil Corporation | Opaque oriented polypropylene film |
JP4659163B2 (ja) * | 1999-06-15 | 2011-03-30 | 凸版印刷株式会社 | アルミニウム転写蒸着薄葉体 |
JP2013052567A (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Mitsubishi Plastics Inc | 化粧シート用隠蔽性フィルム、及び化粧シート |
US20140271754A1 (en) * | 2013-03-15 | 2014-09-18 | Clopay Plastic Products Company, Inc. | Polymeric materials providing improved infrared emissivity |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6044139B2 (ja) * | 1979-03-24 | 1985-10-02 | 東洋紡績株式会社 | 断熱性の包装材料 |
US4758462A (en) * | 1986-08-29 | 1988-07-19 | Mobil Oil Corporation | Opaque film composites and method of preparing same |
JPH0637076B2 (ja) * | 1989-03-29 | 1994-05-18 | チッソ株式会社 | 不透明化した延伸成形物およびその製造方法 |
JPH0649790B2 (ja) * | 1990-01-09 | 1994-06-29 | チッソ株式会社 | 不透明化した延伸成形物およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-09-16 JP JP4272398A patent/JP2514549B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06134908A (ja) | 1994-05-17 |
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