JP2000319424A - ポリプロピレン系成形物 - Google Patents

ポリプロピレン系成形物

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JP2000319424A
JP2000319424A JP11133691A JP13369199A JP2000319424A JP 2000319424 A JP2000319424 A JP 2000319424A JP 11133691 A JP11133691 A JP 11133691A JP 13369199 A JP13369199 A JP 13369199A JP 2000319424 A JP2000319424 A JP 2000319424A
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resin
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Takashi Kuroda
高司 黒田
Kazuhiro Yamada
和宏 山田
Soichiro Hiraki
総一郎 平木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一般紙用オフセットインキを使用して印刷がで
きる印刷用ポリプロピレン系成形物を提供する。 【解決手段】結晶性ポリプロピレン樹脂を含有する組成
物から構成されたフィルムの表面に、バインダー、無機
フィラーおよびヒドロキシメチルアクリレート(メタク
リレートを含む)とビニル芳香族炭化水素スルホン酸金
属塩との共重合物を配合した塗料組成物からなる塗膜を
設けたポリプロピレン系成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷に適
したポリプロピレン系成形物に関し、詳しくは結晶性ポ
リプロピレン樹脂を基材とする、帯電防止性に優れ、紙
用の一般オフセット印刷インキを用いて印刷が可能なポ
リプロピレン系成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、紙状の外観および類似機能を
有するプラスチックフィルムが合成紙として用いられて
いる。これらの合成紙ではオフセット印刷が広く行われ
ている。しかし、これらの合成紙は紙と異なりインキ中
の溶剤を吸い込まないため通常の紙用のインキを使用す
るとインキのセット時間が長い(インキの乾燥性が悪
い)とか、溶剤により合成紙が膨潤し変形してしまうと
いった問題が有り、高価で、作業性の悪い合成紙用また
はプラスチック用のインキを用いて印刷しなければなら
なかった。そこで、インキの乾燥性、耐溶剤性を改善す
る目的でバインダーに無機フィラーを配合した塗布剤を
合成紙の表面に塗布する方法が従来行われてきたが、塗
布剤に帯電防止性を付与するために帯電防止剤を配合す
ると、塗布剤中の帯電防止剤が時間がたつと表面に移行
し印刷斑の原因となるため、帯電防止性が付与できず、
帯電防止性が不十分で静電気による給排紙トラブルが発
生しやすいという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、帯電防止性
に優れ、かつ、インキの転移斑が発生せず、一般紙用オ
フセットインキを使用して印刷してもインキの乾燥性及
び耐溶剤性が良好なポリプロピレン系成形物を提供する
ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、バインダーに無機フィラーを配合した塗布剤
に、ヒドロキシメチルアクリレート(メタクリレートを
含む)とビニル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩を共重
合してなる帯電防止剤を配合した塗料組成物から構成さ
れてなる塗膜を設けたポリプロピレン系成形物が前記課
題を解決することを見出し本発明を完成した。本発明
は、以下の構成を有する。 (1)結晶性ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物
から構成された基材フィルムの少なくとも片面に、バイ
ンダーと無機フィラーの合計量100重量部に対してヒ
ドロキシメチルアクリレート(メタクリレートを含む)
とビニル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩を共重合して
なる帯電防止剤を1〜50重量部配合した塗料組成物か
ら構成された塗膜を設けたポリプロピレン系成形物。 (2)基材フィルムが、結晶性ポリプロピレン樹脂10
0重量部に対して、軟化点(環球法)160〜200℃
のジシクロペンタジエン系石油樹脂および/または無機
充填剤粉末が5〜200重量部配合された樹脂組成物か
らなる未延伸フィルムシートを面積倍率5倍以上に延伸
した空洞含有単層延伸フィルムである前記第1項記載の
ポリプロピレン系成形物。 (3)基材フィルムが、結晶性ポリプロピレン樹脂10
0重量部に対して、軟化点(環球法)160〜200℃
のジシクロペンタジエン系石油樹脂および/または無機
充填剤粉末が5〜200重量部配合された樹脂組成物か
らなるフィルムシートの少なくとも片面に、結晶性ポリ
プロピレン系樹脂からなる表層フィルムを積層した後、
面積倍率5倍以上に延伸した空洞含有積層延伸フィルム
である前記第1項記載のポリプロピレン系成形物。 (4)基材フィルムが、前記第2項記載の空洞含有単層
延伸フィルムを、50〜160℃の温度でかつ空洞が消
滅しない圧力で、加熱圧縮することにより得られる圧縮
処理済み空洞含有単層延伸フィルムである前記第2項記
載のポリプロピレン系成形物。 (5)基材フィルムが、前記第3項記載の空洞含有積層
延伸フィルムを、50〜160℃の温度でかつ空洞が消
滅しない圧力で、加熱圧縮することにより得られる圧縮
処理済み空洞含有積層延伸フィルムである前記第3項記
載のポリプロピレン系成形物。 (6)ビニル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩がスチレ
ンスルホン酸ナトリウムである前記第1項〜第5項のい
ずれか1項記載のポリプロピレン系成形物。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を説明
する。本発明のポリプロピレン系成形物において、基材
フィルムを構成する樹脂組成物に用いられる結晶性ポリ
プロピレン樹脂は、プロピレンの結晶性単独重合体、プ
ロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフ
ィンから選ばれる1種以上との二元以上の重合体、また
はそれらの混合物である。具体的には、沸騰n−ヘプタ
ン不溶部を70重量%以上、好ましくは80重量%以上
含有する結晶性ポリプロピレン、プロピレン成分を70
重量%以上含有する結晶性エチレン・プロピレン共重合
体、結晶性プロピレン・1−ブテン共重合体、結晶性プ
ロピレン・1−ヘキセン共重合体、結晶性エチレン.プ
ロピレン・1−ブテン共重合体などの結晶融点を有する
プロピレン系共重合体が挙げられる。
【0006】前記の結晶性ポリプロピレン系樹脂のメル
トフローレート(JIS K−7210「熱可塑性プラ
スチックの流れ試験方法」表1の条件14(試験温度2
30℃、試験荷重21.18N)により測定、以下MF
Rという)は、0.5〜20g/10分、好ましくは
0.5〜10g/10分である。
【0007】本発明のポリプロピレン系成形物におい
て、基材フィルムに紙状の外観や隠蔽性が必要とされる
場合、前記基材フィルムは、前記結晶性ポリプロピレン
樹脂100重量部に対して、軟化点(環球法)160〜
200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂および/ま
たは無機充填剤粉末が5〜200重量部、好ましくは3
0〜200重量部、さらに好ましくは50〜200重量
部が配合された樹脂組成物から得られた単層未延伸フィ
ルムシートを、もしくは前記単層未延伸フィルムシート
を基層としその少なくとも片面に結晶性ポリプロピレン
系樹脂からなる表層フィルムを積層した積層未延伸フィ
ルムシートを、面積倍率5倍以上に延伸して得られる空
洞(微細なボイド)含有単層延伸フィルムもしくは空洞
含有積層延伸フィルムであることが好ましい。
【0008】前記樹脂組成物において、ジシクロペンタ
ジエン系石油樹脂および/または無機充填剤粉末の配合
量が前記結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に対し
て、5重量部未満であると得られる前記空洞含有延伸フ
ィルムの隠蔽性が不十分になり、200重量部を越える
と未延伸フィルムシートを延伸する時に破断が起りやす
く加工性の点で劣る。なお、前記樹脂組成物において、
前記結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に対する、
軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジ
エン系石油樹脂の配合量は5〜180重量部が好まし
く、無機充填剤粉末の配合量は5〜170重量部が好ま
しい。また、空洞含有積層延伸フィルムは、基材フィル
ムに光沢が必要な場合などに好適であり、表層フィルム
に用いられる結晶性ポリプロピレン系樹脂は透明性の良
好なものが好適である。
【0009】前記の軟化点(環球法)160〜200℃
のジシクロペンタジエン系石油樹脂としては、石油ナフ
サなどのスチームクラッキングなどから得られるシクロ
ペンタジエン、ジシクロペンタジエン、それらのアルキ
ル置換体およびオリゴマーならびにそれらの混合物から
選ばれる1種以上(以下、シクロペンタジエン系成分と
いう)を主成分とする留分を重合させて得られる石油樹
脂(HR)の中で、シクロペンタジエン系成分を50重
量%以上含有し、その軟化点(環球法)が160〜20
0℃の範囲にある高分子で高軟化点の石油樹脂(HSH
R)、ならびに前記石油樹脂(HR)の中でシクロペン
タジエン系成分を50重量%以上含有するものを、バナ
ジウム、ニッケルもしくはコバルトなどの金属またはそ
の酸化物などの触媒を用いて、溶剤の存在下で、温度1
50〜300℃、水素圧10〜150kgf/cm2
条件下で水素化して得られる軟化点(環球法)160〜
200℃、ヨウ素価20以下の水素化ジシクロペンタジ
エン系石油樹脂(HGHR)またはそれらの混合物が挙
げられる。
【0010】前記の無機充填剤粉末としては、平均粒径
が0.01〜20μm、好ましくは0.01〜10μ
m、さらに好ましくは0.1〜5μmの炭酸カルシウ
ム、タルク、酸化チタン、およびシリカなどが挙げられ
るが、コスト面から炭酸カルシウムが有利である。これ
らは単独でも2種類以上を併用してもよい。
【0011】前記の結晶性ポリプロピレン樹脂を含有す
る樹脂組成物には、必要に応じてポリプロピレンに添加
することが公知の各種添加剤、例えばフェノール系やチ
オエーテル系ないし燐系の加工安定剤・酸化防止剤、ス
テリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、脂肪酸ア
ミドなどの潤滑剤、顔料、発泡剤、添加ポリマーとして
ポリエチレン類やエチレン−プロピレンゴムなどを本発
明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0012】前記の結晶性ポリプロピレン樹脂を含有す
る樹脂組成物は、結晶性ポリプロピレン樹脂および添加
剤を通常のブレンダーまたはミキサーで攪拌混合し調合
することができる。また、一般的な押出機を用いて溶融
混練しペレットにすることもできる。
【0013】本発明において、結晶性ポリプロピレン樹
脂を含有する樹脂組成物から基材フィルムを得る方法、
また、前記の空洞含有単層延伸フィルム用の樹脂組成物
から未延伸単層フィルムシートを得る方法としては、T
ダイ押出成形法やインフレーション押出成形法などの公
知の方法が例示できる。また、空洞含有積層延伸フィル
ム用の樹脂組成物から未延伸の積層フィルムシートを得
る方法としては、ダイス内で溶融樹脂が複層化される共
押出成形法、押出成形された基層フィルムの上にさらに
表層フィルムを重ねる押出ラミネート成形法などの公知
の積層加工方法が用いられる。
【0014】前記の未延伸フィルムシートから延伸フィ
ルムを得るための延伸方法ならびに延伸条件は格別限定
されない。すなわち、一軸延伸でも二軸延伸でもよい
が、好ましくは二軸延伸である。また、公知の一軸もし
くは二軸延伸機のいずれも使用することができる。延伸
条件は使用する延伸機により異なるが、組成物中の石油
樹脂の軟化点以下の温度にし、面積倍率5倍以上に延伸
する。なお、二軸延伸の場合は、面積倍率9倍以上が好
ましい。また、二軸延伸機の場合、同時延伸方式でも逐
次延伸方式でもよい。
【0015】本発明において、基材フィルムである前記
空洞含有単層延伸フィルムもしくは空洞含有積層延伸フ
ィルムに腰の強さが求められる場合には、50〜160
℃の温度で、かつ、空洞が消滅しない圧力で、前記空洞
含有単層延伸フィルムもしくは空洞含有積層延伸フィル
ムを加熱圧縮することにより得られる圧縮処理済み空洞
含有単層延伸フィルムもしくは圧縮処理済み空洞含有積
層延伸フィルムであることが好ましい。
【0016】前記加熱圧縮は、加熱プレスもしくは加熱
圧縮ロールなどを用いておこなうことができる。加熱圧
縮の条件は、前記空洞含有単層延伸フィルムもしくは空
洞含有積層延伸フィルムが50〜160℃になるように
加熱し、さらに加熱圧縮ロールでは、50〜400kg
/cmの線圧で、加熱圧縮前の厚み100に対して50
〜90の厚みまで加熱圧縮する。ただし、加熱し過ぎる
と前記空洞が完全に消滅してしまうので、加熱圧縮温度
が、空洞が消滅する温度より低い温度で加熱圧縮しなけ
ればならない。また、圧力によっても空洞が消滅するこ
とがあるので、温度と圧力を調整しながら、厚み方向の
復元や空洞の消滅が起こらない条件で加熱圧縮を行わな
ければならない。
【0017】本発明のポリプロピレン系成形物におい
て、基材フィルムの少なくとも片面に塗膜を形成するた
めに用いられる塗料組成物は、ヒドロキシメチルアクリ
レート(メタクリレートを含む)とビニル芳香族炭化水
素スルホン酸金属塩を共重合して得られる帯電防止剤
が、バインダーと無機フィラーの合計量100重量部に
対して1〜50重量部、好ましくは5〜25重量部配合
されたものである。前記帯電防止剤の配合量が1重量部
未満であると帯電防止性能が十分でなく、50重量部を
越えると塗膜の密着性が悪化する。
【0018】前記帯電防止剤を得るためにヒドロキシメ
チルアクリレート(メタクリレートを含む)との共重合
に用いられるビニル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩に
おいて、ビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンなどが挙げ
られ中でもスチレンが好ましく、金属としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、アルミニウムなどが挙げられ中でもナトリウ
ム、カリウム、特にナトリウムが好ましい。従ってビニ
ル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩としては、スチレン
スルホン酸ナトリウムが特に好ましく用いられる。ヒド
ロキシメチルアクリレート(メタクリレートを含む)と
スチレンスルホン酸ナトリウムを共重合して得られる帯
電防止剤としては、例えば、松本油脂製薬(株)のSP
P−3などの市販品を利用することができる。
【0019】前記塗料組成物に配合されるバインダーと
しては、エチレンブタジエンラテックス、アクリル系エ
マルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、ウレタン系エ
マルジョンおよび溶液、エポキシ系溶液などが例示で
き、これらは単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0020】前記塗料組成物に配合される無機フィラー
としては、平均粒径が0.01〜20μm、好ましくは
0.1〜10μm、さらに好ましくは0.1〜7μmの
炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、酸化チタ
ン、シリカ、サチンホワイトなどが例示でき、これらは
単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0021】前記の帯電防止剤、バインダーおよび無機
フィラーを用いて前記塗料組成物を作成する方法として
は、一般の分散機等を用いて混合すればよく、その製造
方法自体は特に限定されない。
【0022】本発明のポリプロピレン系成形物におい
て、基材フィルムの少なくとも片面に前記塗料組成物を
塗布して塗膜を形成させるには、塗布後適当な温度で乾
燥・硬化させる必要がある。塗工方法は、格別限定され
ず、加熱・乾燥設備を備えたグラビアコーターなどの公
知の設備と方法を使用することができる。前記塗料組成
物塗布剤の塗布量は特に限定されないが0.5〜20g
/m2(固形分)が好ましい。
【0023】本発明のポリプロピレン系成形物において
は、基材フィルムの塗布面に対して前記塗膜が十分に接
着することが必要である。そのため、基材フィルムの塗
布面の濡れ性改良の方法として、コロナ処理、プラズマ
処理、フレーム処理などの公知の処理を行なうことがで
きる。本発明のポリプロピレン系成形物においては、必
要に応じて印刷適性改良のための塗布やラミネート、加
飾のためのエンボスなどの二次加工を施すことができ
る。
【0024】本発明のポリプロピレン系成形物の中で、
基材フィルムとして単層延伸フィルムを用いたものは、
商品包装用に適しており、洋菓子の個包装、おみやげな
どの贈答品の包装などに好適である。また、基材フィル
ムとして積層延伸フィルムを用いたものは、加飾用シー
トに好適である。本発明のポリプロピレン系成形物の中
で、基材フィルムとして圧縮処理済み積層延伸フィルム
を用いたものは、ポスターやパンフレットなどの印刷
物、ラベル、ダイレクトメール、棚札、のれん、袋物、
静止画像記録用紙などの用途に好適である。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定される
べきものではない。なお、以下実施例および比較例で用
いた評価方法は下記の通りである。 (1)帯電防止性 基材フィルムに塗料組成物を塗布後24時間、23℃、
湿度50%の室内に放置した後、塗布面の表面抵抗率を
測定した。表面抵抗率は絶縁抵抗測定器(アドバンテス
ト(株)製、R8340A型)と検出器(安藤電気
(株)、SE−1000型)を用いて、JIS−K−6
911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」により測
定した。表面抵抗率が小さいほど帯電防止性が優れる。
【0026】(2)塗膜の密着性 基材フィルムに塗料組成物を塗布後24時間、23℃、
湿度50%の室内に放置した後、ニチバンセロテープ
(幅25mm)を印刷面に貼り合わせ、指にて2回こす
り、セロテープを引き剥がして塗膜の残存割合(面積
%)を観察し、以下の基準で塗膜の密着性を判定した。 ○:95%以上残存(実用性十分) △:75%〜95%未満残存(実用性あり) ×:75%未満残存(実用性不満足)
【0027】(3)オフセット印刷適性 印刷適性試験器(石川島産業機械(株)製、RI−2
型)を用いて、ポリプロピレン系成形物サンプルの塗料
組成物塗布面に紙用の汎用酸化重合型オフセットインキ
(東洋インキ製造(株)製、TKハイエコー)をインキ
盛り量0.3ccにてインキを転色し以下の評価を行っ
た。 インキの転移斑 転色後のサンプルを観察し、以下の基準で判定した。 ○:転色斑がない(実用性満足) ×:転色斑がある(実用性不満足) インキセット時間 インキ転色後、印刷面に紙を重ねて指で2回擦りインキ
が紙に付かなくなるまでの時間を分単位で測定した。 印刷後の変形 インキ転色後、サンプルを温度23℃、湿度50%の状
態で24hr放置し、変形の有無を観察し、以下の基準
で判定した。 ○:変形がない(実用性満足) ×:変形がある(実用性不満足)
【0028】実施例1 [基材フィルム用樹脂組成物作成]基材フィルム用樹脂
組成物として、n−ヘプタン不溶部を96重量%含有す
るMFRが2g/10分の結晶性ポリプロピレン粉末1
00重量部に対して、フェノール系酸化防止剤BHTを
0.2重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、
軟化点172℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂(以
下、DCPDという)8重量部、及び炭酸カルシウム
(平均粒径1.0μm)8重量部をヘンシェルミキサー
(商標)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型回転二
軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドと
して押出し、これを冷却しカットしてペレット状の樹脂
組成物を得た。
【0029】[空洞含有単層延伸フィルム作成] [単層延伸フィルム作成]Tダイを備えたフィルム押出
機(押出機は、口径65mmφ単軸押出機)及びテンタ
ー法逐次二軸延伸機を用いて、前記の樹脂組成物を各押
出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融押出を行な
い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、未延
伸シートを得た。作成した未延伸シートを縦延伸機に導
き加熱ロール間で140℃の温度で5倍延伸し、次にテ
ンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸した
後、巻取り、厚みが140μmの空洞含有単層延伸フィ
ルムサンプルを得た。
【0030】[塗料組成物の塗布]このフィルムの片面
に、SBRラテックス(JSR0696、固形分50重
量%、日本合成ゴム(株))100重量部に対して、ク
レー(UW−90、菱三商事(株))35重量部、炭酸
カルシウム(カルシーズ(商標)、神島化学工業
(株))15重量部、ヒドロキシメチルアクリレート
(メタクリレートを含む)とスチレンスルホン酸ナトリ
ウムを共重合してなる帯電防止剤(SPP−3(固形分
25重量%)、松本油脂製薬(株))20重量部、水5
0重量部をホモジナイザー((株)SMT製)を用いて
混合し塗料組成物を調合した。この塗料組成物をバーコ
ーターで塗布量が固形分として5g/m2になるように
塗布し、100℃で5分間乾燥・硬化させて塗膜を有す
るポリプロピレン系成形物サンプルを得た。 [評価試験]このサンプルを、24時間23℃、湿度5
0%の室内で状態調節した後、帯電防止性、密着性およ
びオフセット印刷性を評価した。評価結果を表1に示
す。
【0031】実施例2 [基材フィルム用樹脂組成物作成]基材フィルムである
積層フィルムの基層フィルム用樹脂組成物として、n−
ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFRが2g/1
0分の結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に対し
て、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウムを0.1重量部、およびDCPD
50重量部を、ヘンシェルミキサー(商標)に投入し混
合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240
℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却
しカットしてペレット状の基層フィルム用樹脂組成物を
得た。
【0032】積層フィルムの表層フィルム用組成物とし
て、n−ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFR2
g/10分の結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に
対して、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量
部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部を、ヘンシェ
ルミキサー(商標)に投入し混合攪拌した後、同方向回
転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストラ
ンドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状
の表層フィルム用組成物を得た。
【0033】[空洞含有積層延伸フィルム作成]多層T
ダイを備えた3種3層フィルム押出機(押出機は、口径
65mmφ中間層用単軸押出機が1台、口径50mmφ
の表層用単軸押出機が2台)およびテンター法二軸延伸
機を用いて、前記の基層フィルム用樹脂組成物を中間層
用押出機に、前記の表層フィルム用組成物を表層用単軸
押出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融し共押出を
行い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、表
層/基層/表層の構成の(厚み構成比1:3:1)2種
3層の未延伸積層シートを得た。得られた未延伸シート
を縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で5倍
延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向
に8倍延伸した後、巻取り、合計厚みが140μmの空
洞含有積層延伸フィルムを得た。引き続き前記の空洞含
有積層延伸フィルムを、110℃に加熱された一対の金
属ロールを用いて、線圧100kg/cmにて加熱圧縮
し、厚みが110μmの圧縮処理済み空洞含有積層延伸
フィルムを得た。
【0034】[塗料組成物の塗布]このフィルムの片面
に、SBRラテックス(JSR0696、固形分50重
量%、日本合成ゴム(株))100重量部に対して、ク
レー(UW−90、菱三商事(株))35重量部、炭酸
カルシウム(カルシーズ(商標)、神島化学工業
(株))15重量部、ヒドロキシメチルアクリレート
(メタクリレートを含む)とスチレンスルホン酸ナトリ
ウムを共重合してなる帯電防止剤(SPP−3(固形分
25重量%)、松本油脂製薬(株))160重量部、水
50重量部をホモジナイザー((株)SMT製)を用い
て混合し塗料組成物を調合した。この塗料組成物をバー
コーターで塗工量が固形分として5g/m2になるよう
に塗布し、100℃で5分間乾燥・硬化させて塗膜を有
するポリプロピレン系成形物サンプルを得た。評価結果
を表1に示した。
【0035】実施例3 [基材フィルム用樹脂組成物作成]基材フィルムである
積層フィルムの基層フィルム用樹脂組成物として、n−
ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFRが2g/1
0分の結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に対し
て、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウムを0.1重量部、および炭酸カル
シウム(平均粒径1.0μm)50重量部を、ヘンシェ
ルミキサー(商標)に投入し混合攪拌した後、同方向回
転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストラ
ンドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状
の基層フィルム用樹脂組成物を得た。上記以外は実施例
2と同様にして、塗膜を有するポリプロピレン系成形物
サンプルを得た。評価結果を表1に示した。
【0036】実施例4 [基材フィルム用樹脂組成物作成]基材フィルムである
積層フィルムの基層フィルム用樹脂組成物として、n−
ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFRが2g/1
0分の結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に対し
て、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウムを0.1重量部、DCPDを50
重量部、および炭酸カルシウム(平均粒径1.0μm)
50重量部を、ヘンシェルミキサー(商標)に投入し混
合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240
℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却
しカットしてペレット状の基層フィルム用樹脂組成物を
得た。上記以外は実施例2と同様にして、塗膜を有する
ポリプロピレン系成形物サンプルを得た。評価結果を表
1に示した。
【0037】比較例1 [塗料組成物の塗布]実施例4に記載の方法に従って作
成した圧縮処理済み空洞含有積層延伸フィルムの片面
に、SBRラテックス(JSR0696、固形分50重
量%、日本合成ゴム(株))100重量部に対して、ク
レー(UW−90、菱三商事(株))35重量部、炭酸
カルシウム(カルシーズ(商標)、神島化学工業
(株))15重量部、水50重量部をホモジナイザー
((株)SMT製)を用いて混合し塗料組成物を調合し
た。この塗料組成物をバーコーターで塗布量が固形分と
して5g/m 2になるように塗布し、100℃で5分間
乾燥・硬化させて塗膜を有するポリプロピレン系成形物
サンプルを得た。評価結果を表1に示した。
【0038】比較例2 [塗料組成物の塗布]実施例4に記載の方法に従って作
成した圧縮処理済み空洞含有積層延伸フィルムの片面
に、SBRラテックス(JSR0696、固形分50重
量%、日本合成ゴム(株))100重量部に対して、ク
レー(UW−90、菱三商事(株))35重量部、炭酸
カルシウム(カルシーズ(商標)、神島化学工業
(株))15重量部、グリセリンモノステアレート8重
量部、水50重量部をホモジナイザー((株)SMT
製)を用いて混合し塗料組成物を調合した。この塗料組
成物をバーコーターで塗布量が固形分として5g/m2
になるように塗布し、100℃で5分間乾燥・硬化させ
て塗膜を有するポリプロピレン系成形物サンプルを得
た。評価結果を表1に示した。
【0039】比較例3 [塗料組成物の塗布]実施例4に記載の方法に従って作
成した圧縮処理済み空洞含有積層延伸フィルムの片面
に、SBRラテックス(JSR0696、固形分50重
量%、日本合成ゴム(株))100重量部に対して、ク
レー(UW−90、菱三商事(株))35重量部、炭酸
カルシウム(カルシーズ(商標)、神島化学工業
(株))15重量部、ヒドロキシメチルアクリレート
(メタクリレートを含む)とスチレンスルホン酸ナトリ
ウムを共重合してなる帯電防止剤(SPP−3(固形分
25重量%)、松本油脂製薬(株))280重量部、水
50重量部をホモジナイザー((株)SMT製)を用い
て混合し塗料組成物を調合した。この塗料組成物をバー
コーターで塗布量が固形分として5g/m2になるよう
に塗布し、100℃で5分間乾燥・硬化させて塗膜を有
するポリプロピレン系成形物サンプルを得た。評価結果
を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明のポリ
プロピレン系成形物は、優れた帯電防止性を維持しなが
ら、一般紙用酸化重合型インキで印刷してもインキ斑や
溶剤による変形が発生せず、ポスター、パンフレット、
ラベル等の印刷用途に好適に使用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F073 AA01 BA08 BA34 BB01 GA01 HA02 HA04 4F100 AA01B AA08H AH08B AK01B AK07A AK08A AK11B AK25B AK74 AL01B AL05A BA02 CA22B CA23B DE01A DJ06A EH46B EJ37A GB90 HB31 JA04A JA11A JG03 YY00A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂
    組成物から構成された基材フィルムの少なくとも片面
    に、バインダーと無機フィラーの合計量100重量部に
    対してヒドロキシメチルアクリレート(メタクリレート
    を含む)とビニル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩を共
    重合してなる帯電防止剤を1〜50重量部配合した塗料
    組成物から構成された塗膜を設けたポリプロピレン系成
    形物。
  2. 【請求項2】基材フィルムが、結晶性ポリプロピレン樹
    脂100重量部に対して、軟化点(環球法)160〜2
    00℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂および/また
    は無機充填剤粉末が5〜200重量部配合された樹脂組
    成物からなる未延伸フィルムシートを面積倍率5倍以上
    に延伸した空洞含有単層延伸フィルムである請求項1記
    載のポリプロピレン系成形物。
  3. 【請求項3】基材フィルムが、結晶性ポリプロピレン樹
    脂100重量部に対して、軟化点(環球法)160〜2
    00℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂および/また
    は無機充填剤粉末が5〜200重量部配合された樹脂組
    成物からなるフィルムシートの少なくとも片面に、結晶
    性ポリプロピレン系樹脂からなる表層フィルムを積層し
    た後、面積倍率5倍以上に延伸した空洞含有積層延伸フ
    ィルムである請求項1記載のポリプロピレン系成形物。
  4. 【請求項4】基材フィルムが、請求項2に記載の空洞含
    有単層延伸フィルムを、50〜160℃の温度でかつ空
    洞が消滅しない圧力で、加熱圧縮することにより得られ
    る圧縮処理済み空洞含有単層延伸フィルムである請求項
    2記載のポリプロピレン系成形物。
  5. 【請求項5】基材フィルムが、請求項3に記載の空洞含
    有積層延伸フィルムを、50〜160℃の温度でかつ空
    洞が消滅しない圧力で、加熱圧縮することにより得られ
    る圧縮処理済み空洞含有積層延伸フィルムである請求項
    3記載のポリプロピレン系成形物。
  6. 【請求項6】ビニル芳香族炭化水素スルホン酸金属塩が
    スチレンスルホン酸ナトリウムである請求項1〜5のい
    ずれか1項記載のポリプロピレン系成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002028949A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-11 Yupo Corporation Film de resine etire
JP2008168607A (ja) * 2006-03-22 2008-07-24 Hs Planning:Kk カット用下敷きフィルム

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JP2008168607A (ja) * 2006-03-22 2008-07-24 Hs Planning:Kk カット用下敷きフィルム

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