JP4407383B2 - ポリプロピレン系積層体 - Google Patents
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Description
このような裏写りを防止するために、フィルムの厚さを厚くするといった方法もとられるが、コスト的に不利になるといった問題点や、曲面に貼るとはがれやすくなってしまうといった問題点があった。
(1)それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体。
(2)表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物を、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有単層延伸フィルムである前記(1)項記載のポリプロピレン系積層体。
(3)表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物からなる基層フィルムの少なくとも一方の面に、結晶性ポリプロピレン樹脂の組成物からなるスキン層フィルムを積層した後、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有積層延伸フィルムであることを特徴とする前記(1)項記載のポリプロピレン系積層体。
(4)隠蔽層(B)が、黒、濃色の青、濃色の緑、及び濃色の茶色から選ばれた少なくとも1色のグラビアインクのベタ印刷によって形成された前記(1)〜(3)項のいずれか1項記載のポリプロピレン系積層体。
本発明のポリプロピレン系積層体を構成する表層(A)及び表層(C)は、それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、不透明度(JIS P 8149に従って測定)が80%以上、好ましくは85%以上である。該不透明度が80%以上であることによって、本発明のポリプロピレン系積層体は、99%以上の不透明度、及び70%以上の白色度(JIS P 8123に従って測定)が達成されやすくなり、隠蔽性に優れ、両面印刷した場合や印刷したものを窓等に貼った場合の裏写りも解消されやすくなる。
尚、本発明において主成分とは、最も多い成分をいう。
尚、表層(A)、表層(C)及びスキン層に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂は、同一でも別々でもよい。
前記ジシクロペンタジエン系石油樹脂の軟化点(環球法)が上記の範囲であれば、結晶性ポリプロピレン樹脂への分散が良く、未延伸フィルムシートの延伸によって均一な空洞含有単層延伸フィルムが得られる。
延伸条件は使用する延伸機により異なるが、組成物中の石油樹脂の軟化点以下の温度にし、面積倍率5倍以上に延伸することが好ましい。尚、二軸延伸の場合は、面積倍率9倍以上が好ましい。
また、二軸延伸機の場合、同時延伸方式でも逐次延伸方式でもよい。
尚、本発明において濃色とは、ポリプロピレン系積層体に99%以上の不透明度を付与できる程度の濃い色であるが、マンセル明度が4以下の色が好ましい。
また、ポリプロピレン系積層体の表面に対して、印刷用インクの接着性を向上させるために、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の公知の表面処理やインク受像層の塗工等を行っても良い。
更に、ポリプロピレン系積層体には、必要に応じてラミネート、加飾のためのエンボス等の二次加工を施すことができる。
(1)不透明度(JIS P 8138)
デジタルハンター・白色度計((株)東洋精機製作所製)にて不透明度を測定した
(2)白色度(JIS P 8123)
デジタルハンター・白色度計((株)東洋精機製作所製)にて白色度を測定した。
(3)裏写り
片面印刷品の印刷面から蛍光灯をあてて、目視で状態を観察し下記の基準で評価した。
○ :裏面の模様がまったく見えない。
× :裏面の模様が見える。
[フィルム用組成物作成]
積層フィルムの基層フィルム用組成物として、n−ヘプタン不溶部を96%含有するMFRが2g/10分の結晶性ポリプロピレン粉末に対して、フェノール系酸化防止剤BHT(商品名)を0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%、軟化点172℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂(以下、DCPDという)4重量%、及び炭酸カルシウム(平均粒径1.5μm)4重量%を、ヘンシェルミキサー(商品名)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却カットしてペレット状の基層フィルム用組成物を得た。
積層フィルムのスキン層フィルム用組成物として、MFR1.5g/10分、エチレン濃度が8%でブロック指数が0.8%のプロピレン−エチレンブロック共重合体粉末に、フェノール系酸化防止剤BHT(商品名)を0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%を、ヘンシェルミキサー(商品名)に投入し攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状のスキン層フィルム用組成物を得た。
多層Tダイを備えた3種3層フィルム押出装置(押出機は、口径65mmφ中間層用単軸押出機が1台、口径50mmφの表層用単軸押出機が2台)及びテンター法二軸延伸機を用いて、前記の基層フィルム用組成物を中間層用単軸押出機に、前記のスキン層フィルム用組成物を表層用単軸押出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融して共押出を行い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、スキン層/基層/スキン層、の順に、厚さ比1:3:1で積層された、合計の厚さが3mmの2種3層の未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸した後、巻き取り、合計の厚さが70μmの空洞含有積層延伸フィルムを得た。
前記空洞含有積層延伸フィルムの片面に、格子型の175線、版深24μmのグラビアロールを使用してラミオールマークIII 黒(サカタインクス(株)製)を5g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥して隠蔽層を設けた。
セイカボンドA−154−21(大日精化(株)製)とセイカボンドC−88(大日精化(株)製)を1:1(重量比)に混合し、更にその混合液と酢酸エチルを3:7(重量比)に混合して張り合わせ用接着剤を調合した。この接着剤を格子型の110線、版深95μmのグラビアロールを使用して、前記空洞含有積層延伸フィルムの片面に11g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥した後、圧着ロールを用いて前記の隠蔽層を設けた空洞含有積層延伸フィルムの隠蔽層面と張り合わせ、得られたポリプロピレン系積層体サンプルを評価試験に供した。評価結果を表1に示した。
[単層フィルム用樹脂組成物作成]
単層フィルム用樹脂組成物として、n−ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFRが2g/10分の結晶性ポリプロピレン粉末に、フェノール系酸化防止剤BHTを0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%、軟化点172℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂(以下、DCPDという)4重量%、及び炭酸カルシウム(平均粒径1.0μm)4重量%をヘンシェルミキサー(商標)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状の組成物を得た。
Tダイを備えたフィルム押出機(押出機は、口径65mmφ単軸押出機)及びテンター法逐次二軸延伸機を用いて、前記の組成物を各押出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融押出を行ない、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向に8倍延伸した後、巻取り、厚さが80μmの空洞含有延伸フィルムサンプルを得た。
前記空洞含有単層延伸フィルムの片面に、格子型の175線、版深24μmのグラビアロールを使用してラミオールマークIII 黒(サカタインクス(株)製)を5g/m2(ウェット)塗工した後、乾燥炉で乾燥して隠蔽層を設けた。
隠蔽層のグラビアインクの色を表1のように変えた以外は実施例1に記載の方法に従ってポリプロピレン系積層体を作成した。評価結果を表1に示した。グラビアインクとしては、ダークブルーはマンセル明度3のラミオールマークIII ダークブルー(サカタインクス(株)製)を、また、ダークグリーンはマンセル明度3のラミオールマークIII ダークグリーン(サカタインクス(株)製)を使用した。
表層(A)及び(C)用の組成物の配合及び厚さを表1のごとく変更した以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体を作成した。
表層(A)及び(C)用の組成物の配合を表1のごとく変更した以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体を作成した。
表層(A)及び(C)用の組成物の配合を表1のごとく変更し、隠蔽層を設けなかったこと以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体を作成した。
表層(A)及び(C)用の組成物の配合とグラビアインクの色を表1のごとく変更した以外は実施例1に記載の方法に従って、ポリプロピレン系積層体を作成した。
以 上
Claims (2)
- それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体であり、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物を、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有単層延伸フィルムであり、隠蔽層(B)が、黒、濃色の青、濃色の緑、及び濃色の茶色から選ばれた少なくとも1色のグラビアインクのベタ印刷によって形成されたポリプロピレン系積層体。
- それぞれ結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とする組成物からなり、80%以上の不透明度を有する表層(A)及び表層(C)が、隠蔽層(B)を介して(A)、(B)、(C)の順に貼り合せられた、少なくとも3層からなり、不透明度が99%以上であり、かつ少なくとも片面の白色度が70%以上であるポリプロピレン系積層体であり、表層(A)及び表層(C)の少なくとも一方が、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160℃〜200℃のジシクロペンタジエン系石油樹脂及び/または無機充填剤粉末が4〜70重量%配合された組成物からなる基層フィルムの少なくとも一方の面に、結晶性ポリプロピレン樹脂の組成物からなるスキン層フィルムを積層した後、面積倍率5倍以上に延伸して得られた空洞含有積層延伸フィルムであり、隠蔽層(B)が、黒、濃色の青、濃色の緑、及び濃色の茶色から選ばれた少なくとも1色のグラビアインクのベタ印刷によって形成されたポリプロピレン系積層体。
以 上
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