JPH07308999A - 皮革様積層延伸成型物 - Google Patents

皮革様積層延伸成型物

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JPH07308999A
JPH07308999A JP12968494A JP12968494A JPH07308999A JP H07308999 A JPH07308999 A JP H07308999A JP 12968494 A JP12968494 A JP 12968494A JP 12968494 A JP12968494 A JP 12968494A JP H07308999 A JPH07308999 A JP H07308999A
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JP12968494A
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Kazuhiro Yamada
和宏 山田
Takashi Kuroda
高司 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボイドを有する皮革調成型物の色相を高濃色
化することができ、擦れなどによる印刷の欠落や色落ち
がなく、柔軟で皮革様感触にも優れる皮革様積層延伸成
型物を提供することである。 【構成】 結晶性ポリプロピレン系樹脂、ジシクロペン
タジエン系石油樹脂および/または無機充填剤から成る
A層の片面もしくは両面に、結晶性ポリプロピレン系樹
脂を主成分とし、顔料を配合してなるB層を積層し、さ
らにその上にC層を積層し、該積層物のヤング率が30
〜180kg/mm2 の皮革様積層延伸成型物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮革様積層延伸成型物
に関する。さらに詳しくは、ボイドを有する皮革調成型
物の色相を高濃色化することができ、擦れなどによる印
刷の欠落や色落ちがなく、柔軟で皮革様感触にも優れる
皮革様積層延伸成型物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に合成樹脂シート形態の例では合成
樹脂材料中にフィラーを高配合したりジシクロペンタジ
エン系等の石油樹脂を高配合したりして樹脂内部にボイ
ドを発現させたシートを揉み加工やエンボス加工する延
伸成型物の製造方法が提案されている(特開昭49−6
1301号公報)。該延伸成型物は、皮革調に優れいる
ことから、高級感のある成型物として、表皮装飾用途に
好んで使用されている。また、各種用途によっては、該
延伸成型物に着色することが要求され、顔料を練り込ん
だり、該延伸成型物の表面を印刷する等の方法が一般に
行われている。
【0003】しかしながら、顔料を直接練り込んでも、
ボイドを有している該延伸成型物は、色相が淡くなって
しまい、濃い色を出すのが極めて困難であるため、濃い
色彩を必要とする皮革調成型物を得るには、通常、該延
伸成型物の表面に印刷を行う方法が採られている。しか
し、表面印刷を行った皮革調成型物は、印刷が擦れなど
によって欠落したり、色落ちし易いという問題点を抱え
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、前記した
従来技術の欠点を解消し、ボイドを有する皮革調成型物
の色相を高濃色化することができ、擦れなどによる印刷
の欠落や色落ちがなく、柔軟で皮革様感触にも優れる皮
革様積層延伸成型物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の皮革様積層延伸
成型物は、結晶性ポリプロピレン系樹脂、ジシクロペン
タジエン系石油樹脂および/または無機充填剤から成る
A層の片面もしくは両面に、結晶性ポリプロピレン系樹
脂を主成分とし、顔料を配合してなるB層を積層し、さ
らにその上にC層を積層し、該積層物のヤング率を30
〜180kg/mm2 にすることにより、得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0006】本発明は下記の構成を有する。 (1)結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、軟化点(環球法)160℃以上のジシクロペンタジ
エン系石油樹脂をα重量部、無機充填剤をβ重量部(但
し、200 > α + β > 40)配合した組成物から
なるA層の片面もしくは両面に、結晶性ポリプロピレン
系樹脂を主成分とし、該樹脂に顔料を配合した組成物か
らなるB層を積層し、さらにその上にC層を積層したヤ
ング率が30〜180kg/mm2 である皮革様積層延
伸成型物。 (2)積層構成が、C層/B層/A層/B層/C層の5
層構成、もしくはA層/B層/C層の3層構成からなる
前記第(1)項記載の皮革様積層延伸成型物。 (3)A層が少なくとも一方向に2倍以上延伸された前
記第(1)項もしくは前記第(2)項記載の皮革様積層
延伸成型物。 (4)無機充填剤が平均粒径10μm以下である前記第
(1)項ないし前記第(3)項記載の皮革様積層延伸成
型物。
【0007】本発明の皮革様積層延伸成型物は、少なく
ともA層、B層、C層の3層を構成成分として有する積
層延伸成型物である。該成型物は、A層、B層、C層の
順に積層されているか、C層、B層、A層、B層、C層
の順に積層されていることが望ましいが、本発明の効果
を損なわない範囲であれば、積層順序や他の積層物が含
まれていても差し支えない。
【0008】本発明にかかるA層は、結晶性ポリプロピ
レン系樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂および/
または無機充填剤を必須成分として成る組成物により得
られる。該組成物は、結晶性ポリプロピレン系樹脂10
0重量部に対して、ジシクロペンタジエン系石油樹脂を
α重量部、無機充填剤をβ重量部(但し、200 > α
+ β > 40)配合することにより得られる。(α+
β)量が40重量部以下では、得られる皮革様積層延伸
成型物のヤング率が180kg/mm2 を大きく越えて
しまい、柔軟性が不足し、皮革様の感触が得られず、エ
ンボス加工性も低下する。一方、200重量部を越える
と、得られる皮革様積層延伸成型物のヤング率が30k
g/mm2 を大きく下回り、柔らかくなり過ぎ、延伸性
等の加工性などが著しく損なわれる。皮革様積層延伸成
型物を柔軟性に富み、しっとり感に優れるヤング率30
〜180kg/mm2 の範囲のものにするには、(α+
β)量を50〜160重量部の範囲にすることが好まし
い。
【0009】A層の成分である結晶性ポリプロピレン系
樹脂は、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分
とするエチレン、もしくは他のα−オレフィンとの共重
合体、またはそれらの混合物であり、具体的には、結晶
性ポリプロピレン、結晶性エチレン・プロピレン共重合
体、結晶性エチレン・ブテン−1共重合体、結晶性プロ
ピレン・ヘキセン−1共重合体、結晶性エチレン・プロ
ピレン・α−オレフィン三元共重合体等が例示される。
このうち、n−ヘプタンに不溶性の部分を70重量%以
上含有し、プロピレン成分を70重量%含有する結晶性
ポリプロピレンまたは共重合体が好ましい。
【0010】A層の成分であるジシクロペンタジエン系
石油樹脂は、石油ナフサなどのスチームクラッキング等
から得られるシクロペンタジエン成分を含有する留分を
重合して得られる石油樹脂、もしくは該石油樹脂の水素
化物、またはそれらの混合物であって、その軟化点(環
球法)の温度が160℃以上のものでなければならな
い。軟化点が160℃に達しないものは、柔軟性が不足
し、更に150℃以下の低軟化点では、特開昭61−2
03140号公報に記載されている水素化石油樹脂や従
来公知の水素化石油樹脂の様に、剛性の高い成型物とな
ってしまうため、本発明のような柔軟性に富む皮革様風
合いの積層延伸成型品を得ることができない。
【0011】上記シクロペンタジエン成分を含有する留
分は、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、お
よびシクロペンタジエン多量体、もしくはそれらのアル
キル置換体、またはそれらの混合体等を主成分とする留
分である。また、上記石油樹脂の水素化物は、該留分を
重合して得られる石油樹脂をパナジュウム、ニッケル、
コバルト等の金属もしくはその酸化物等の触媒を用い、
溶剤の存在下で水素化して得ることができる。
【0012】A層の成分である無機充填剤には、具体例
として炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、カオ
リン、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、マイ
カ、シラスバルーン、ゼオライト、ハイドロタルサイ
ト、酸化チタン、酸化アルミニウム等のポリオレフィン
を延伸加工する際、延伸成型物を多孔化するのに従来用
いられている公知の無機充填剤を挙げることが出来る。
中でも、平均粒径10μm以下の炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカおよび珪藻土等が好ましく、平均粒
径10μm以下の炭酸カルシウムが特に好ましい。ま
た、該無機充填剤は、脂肪酸またはその誘導体およびシ
ランカップリング剤等で表面処理されていても何等差し
支えなく。該無機充填剤を数種併用して用いても良い。
【0013】本発明にかかるB層は、結晶性ポリプロピ
レン系樹脂に、公知の顔料を配合した組成物により得ら
れる。該組成物の主成分である結晶性ポリプロピレン系
樹脂としては、A層に用いられる結晶性ポリプロピレン
系樹脂と同一のものを用いることができる。また、該組
成物に配合される顔料は、通常ポリプロピレン系樹脂の
着色材料として用いられている無機および有機系顔料を
挙げることができ、加工性を損なわない範囲で添加する
ことが出来る。
【0014】本発明にかかるC層は、本発明の皮革様積
層延伸成型物の外層を成しており、手触り感や外観に直
接影響を及ぼす層であるため、手触り感や外観に悪影響
を与えない範囲のフィルム状成型物を用いる。具体的に
は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂もしくはこれらの混合樹脂組成物をフィ
ルム状に加工した物を用いると良い。
【0015】本発明の皮革様積層延伸成型物を構成する
A層、B層、C層には、必要に応じてポリプロピレン系
樹脂やポリエチレン系樹脂の公知の添加剤、すなわち酸
化防止剤、スリップ剤、紫外線防止剤、核剤等を本発明
の目的を損なわない範囲で配合することが出来る。
【0016】本発明の皮革様積層延伸成型物を構成する
A層、B層、C層を得るための組成物は、A層、B層、
C層の各層の成分である上記配合物をブレンダーもしく
はミキサー等の一般的な混合機器に投入し、攪拌混合す
る事によって得られるが、押出機、バンバリーミキサー
等の一般的な溶融混合機器によって、ペレット状として
得るのが好ましい。
【0017】本発明の皮革様積層延伸成型物は、この様
にして得られたA層、B層、C層用の各組成物を使用し
て、以下の方法によって容易に得ることができる。 :3台以上の押出機を用いて、各層用の組成物を溶融
押出成型し、共押出し多層ダイ法を用いて溶融状態の各
層のフィルムもしくはシートをA層を芯層として、その
片面もしくは両面にB層を、更にB層の上にC層を重
ね、共押出し積層原反を作成した後、一軸延伸または二
軸延伸する方法。 :溶融押出成型によって得られたフィルム状もしくは
シート状のA層を冷却固化させた後、該A層上に、溶融
押出成型によって得られたフィルム状もしくはシート状
のB層を積層し、冷却固化させた後、さらにそのB層上
に、溶融押出成型によって得られたフィルム状もしくは
シート状のC層を積層し、ついで一軸または二軸延伸す
る方法。 :溶融押出成型によって得られたフィルムもしくはシ
ートを一軸または二軸延伸したA層に、溶融押出成型に
よって得られたフィルム状もしくはシート状のB層およ
びC層を冷却固化させた後、各層を接着剤を用いてラミ
ネートする方法。
【0018】一軸または二軸延伸処理における延伸方法
は、ロール延伸、オーブン延伸、熱板延伸等の一軸延伸
方法、またはチューブラー延伸、テンター法延伸等の同
時もしくは逐次二軸延伸等の公知の方法のいずれでも良
いが、その延伸時の積層原反の温度が、A層に用いられ
る結晶性ポリプロピレン系樹脂の結晶融点以下にするこ
とにより本発明の目的が達成される。該温度が該結晶性
ポリプロピレン系樹脂の結晶融点を越えると、A層が延
伸配向されないことから、延伸フィルム中に目的とする
微細な空隙が発生せず、目標とする柔軟性がでない。
【0019】また、延伸倍率は、一軸延伸法においては
2倍以上、面積倍率で4倍以上が望ましく、同時もしく
は逐次二軸延伸法においては、面積倍率で10〜60倍
前後の高倍率延伸が望ましい。延伸後に、通常公知の方
法で縦や横方向に数%前後弛緩しつつ熱処理してもよ
く、必要に応じて空気、酸素、窒素等の雰囲気下でコロ
ナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施すこともでき
る。本発明の皮革様延伸成型物には、必要に応じて表面
に所望の皮革状模様のエンボスロールにて種々模様に加
工しても良い。
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で実施した評
価方法は次の方法に準じた。なお、以下の実施例および
比較例で用いたシクロペンタジエン系石油樹脂と特性値
の評価方法を以下に示す。シクロペンタジエン系石油樹
脂(DCPDと略す。):石油ナフサのスチームクラッ
キングより得られたジシクロペンタジエン75重量%と
飽和炭化水素からなる留分を、公知の方法でキシレン中
で窒素雰囲気中で熱重合し、未反応材料、溶剤を除去
し、さらに2段目の重合として減圧下、200℃以上の
温度で一定時間保持し、その後冷却固化して得た。
【0021】1.軟化点(環球法):JIS K220
7に準拠。(単位;℃) 2.メルトフローレート(MFR;g/10分):JI
S K7210−1776に基づき、ポリプロピレン系
樹脂は試験条件230℃−荷重2.16kgf、ポリプ
ロピレン系樹脂を除くポリオレフィン樹脂の試験条件は
190℃−荷重2.16kgfで測定した。 3.ヤング率:ASTM.D882に準じ、試料の荷重
と伸長率曲線を求め立ち上がりの勾配より引っ張り弾性
率を求める。 4.消しゴム摩擦:消しゴムにて摩擦して表面が剥がれ
方を目視にて判定した。 ○ : 剥離しない × : 剥離する 5.色合い:延伸前の積層原反と延伸後のフィルムとの
色の差を目視にて判定した。 ○ : 原反と殆ど色が変わらない × : 原反に比べて色がかなり薄くなっている
【0022】(実施例1)A層用の組成物として、MF
R2.1g/10分、n−ヘプタンに不溶性の成分を9
6%含有する結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に
対し、BHT0.2重量部、ステアリン酸カルシウム
0.1重量部、軟化点(環球法)176℃のDCPD8
0重量部および平均粒径1.8μmの炭酸カルシウム8
0重量部を、ヘンシェルミキサーに投入し、攪拌混合し
た後、250℃に設定した押出機を用いて溶融混練して
得たペレットを用いた。B層用の組成物として、MFR
2.1g/10分、n−ヘプタンに不溶性の成分を96
%含有する結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に対
し、BHT0.2重量部、ステアリン酸カルシウム0.
1重量部および顔料MB(住化カラー(株)製:SEM
D−817)10重量部をタンブラー混合機に投入し、
攪拌混合した後、250℃に設定した押出機を用いて溶
融混練して得たペレットを用いた。C層用の組成物とし
て、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=1.8g/1
0分)を用いた。次に、3台の押出機からの溶融樹脂流
がダイ内で接合する型の3種5層共押出ダイの下流側に
設置されたテンター法逐次延伸装置を用いて、芯層用押
出機のホッパーにA層用組成物を供給し、中間層用押出
機にB層用組成物を供給し、表層用押出機にC層用組成
物を供給し、層構成がC層/B層/A層/B層/C層と
なるように各組成物を溶融押出し、50℃の冷却ロール
で急冷して、5層構成の未延伸積層原反を得た。次に、
該積層原反を二軸延伸装置(東洋精機(株)製)にて1
50℃で縦、横各々5倍になるように同時延伸してA層
の厚みが300μm、B層の厚みが8μm、C層の厚み
が8μmの皮革様積層延伸成型物を得た。得られた成型
物を上述した評価試験に使用し、その結果を表1に記載
した。
【0023】(実施例2)C層用の組成物として使用す
る直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=1.8g/10
分)の代わりに、低密度ポリエチレン(MFR=1.9
g/10分)を用いた以外は、実施例1に準拠して皮革
様積層延伸成型物を得た。得られた成型物を上述した評
価試験に使用し、その結果を表1に記載した。
【0024】(実施例3)C層用の組成物として使用す
る直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=1.8g/10
分)の代わりに、結晶性ポリプロピレン(MFR=2.
1g/10分)を用いた以外は、実施例1に準拠して皮
革様積層延伸成型物を得た。得られた成型物を上述した
評価試験に使用し、その結果を表1に記載した。
【0025】(実施例4〜6)A層用の組成物として使
用するDCPDと炭酸カルシウムの配合量を表1に示す
量に代えた以外は、実施例1に準拠して皮革様積層延伸
成型物を得た。得られた成型物を上述した評価試験に使
用し、その結果を表1に記載した。
【0026】(比較例1)A層用の組成物として、MF
R2.1g/10分、n−ヘプタンに不溶性の成分を9
6%含有する結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に
対し、BHT0.2重量部、ステアリン酸カルシウム
0.1重量部、軟化点(環球法)176℃のDCPD8
0重量部、平均粒径1.8μmの炭酸カルシウム80重
量部および顔料MB(住化カラー(株)製:SEMD−
817)10重量部を、ヘンシェルミキサーに投入し、
攪拌混合した後、250℃に設定した押出機を用いて溶
融混練して得たペレットを用いた。次に、3台の押出機
からの溶融樹脂流がダイ内で接合する型の3種5層共押
出ダイの下流側に設置されたテンター法逐次延伸装置を
用いて、芯層用押出機のホッパーにA層用組成物を供給
し、中間層用押出機と表層用押出機は使用せず、A層用
の組成物を溶融押出し、50℃の冷却ロールで急冷し
て、単層構成の未延伸原反を得た。次に、該原反を二軸
延伸装置(東洋精機(株)製)にて150℃で縦、横各
々5倍になるように同時延伸してA層の厚みが300μ
mの単層延伸成型物を得た。得られた成型物を上述した
評価試験に使用し、その結果を表1に記載した。
【0027】(比較例2)A層用の組成物として、MF
R2.1g/10分、n−ヘプタンに不溶性の成分を9
6%含有する結晶性ポリプロピレン粉末100重量部に
対し、BHT0.2重量部、ステアリン酸カルシウム
0.1重量部、軟化点(環球法)176℃のDCPD8
0重量部、平均粒径1.8μmの炭酸カルシウム80重
量部および顔料MB(住化カラー(株)製:SEMD−
817)10重量部を、ヘンシェルミキサーに投入し、
攪拌混合した後、250℃に設定した押出機を用いて溶
融混練して得たペレットを用いた。C層用の組成物とし
て、直鎖状低密度ポリエチレン(MFR=1.8g/1
0分)を用いた。次に、3台の押出機からの溶融樹脂流
がダイ内で接合する型の3種5層共押出ダイの下流側に
設置されたテンター法逐次延伸装置を用いて、芯層用押
出機のホッパーにA層用組成物を供給し、中間層用押出
機は使用せず、表層用押出機にC層用組成物を供給し、
層構成がC層/A層/C層となるように各組成物を溶融
押出し、50℃の冷却ロールで急冷して、3層構成の未
延伸積層原反を得た。次に、該積層原反を二軸延伸装置
(東洋精機(株)製)にて150℃で縦、横各々5倍に
なるように同時延伸してA層の厚みが300μm、C層
の厚みが8μmの積層延伸成型物を得た。得られた成型
物を上述した評価試験に使用し、その結果を表1に記載
した。
【0028】(比較例3)A層用の組成物として使用す
るDCPDの配合量を80重量部から10重量部に、炭
酸カルシウムの配合量を80重量部から10重量部に代
えた以外は、実施例1に準拠して積層延伸成型物を得
た。得られた成型物を上述した評価試験に使用し、その
結果を表1に記載した。
【0029】
【発明の効果】表1から明らかな様に、単層延伸成型物
である比較例1は、擦れによる色落ちが起こり、皮革様
の濃色がでないものであった。また、B層の存在しない
積層延伸成型物である比較例2は、皮革様の濃色がでな
いものであった。さらに、A層用の組成物として使用す
るDCPDと炭酸カルシウムの配合量が本発明の範囲外
の積層延伸成型物である比較例3は、ヤング率が大き
く、本発明の範囲を外れるため、本発明の目的とする皮
革様風合いの柔軟な延伸成型物とならなかった。これら
に対し、実施例1〜6の皮革様積層延伸成型物は、ヤン
グ率30〜180kg/mm2 の柔軟で皮革様感触に優
れた皮革調成型物であり、擦れによる印刷の欠落や色落
ちがなく、高濃色化が可能なものであり、かつC層の組
成内容を変えることにより、簡単に手触り感を変えるこ
とのできるものであった。このような性能を有する皮革
様積層延伸成型物は、高級感を要するブックカバー、各
種インテリア、バッグの表皮装飾用等の広範囲の用途に
有用なものある。
【0030】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部
    に対して、軟化点(環球法)160℃以上のジシクロペ
    ンタジエン系石油樹脂をα重量部、無機充填剤をβ重量
    部(但し、200 > α + β > 40)配合した組成
    物からなるA層の片面もしくは両面に、結晶性ポリプロ
    ピレン系樹脂を主成分とし、該樹脂に顔料を配合した組
    成物からなるB層を積層し、さらにその上にC層を積層
    したヤング率が30〜180kg/mm2 であることを
    特徴とする皮革様積層延伸成型物。
  2. 【請求項2】積層構成が、C層/B層/A層/B層/C
    層の5層構成、もしくはA層/B層/C層の3層構成か
    らなることを特徴とする請求項1記載の皮革様積層延伸
    成型物。
  3. 【請求項3】A層が少なくとも一方向に2倍以上延伸さ
    れることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の
    皮革様積層延伸成型物。
  4. 【請求項4】無機充填剤が平均粒径10μm以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の皮革様
    積層延伸成型物。
JP12968494A 1994-05-19 1994-05-19 皮革様積層延伸成型物 Pending JPH07308999A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11661488B2 (en) 2012-06-27 2023-05-30 Dow Global Technologies Llc Article comprising a flame retardant polymeric foam

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