JP2513623Y2 - 空調換気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、熱交換素子を通じて室内空気の排気と外
気の室内への給気を行う空調換気装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 第５図と第６図は例えば実開昭58−137935号公報に示
された従来の空調換気装置の断面図である。この種の換
気装置は周知のように熱交換素子を通じて室内空気の排
気と外気の室内への給気を行うことに特徴があり、熱交
換換気装置とも称されている。図示の換気装置は、部屋
の内外を隔てる建物の壁Ｗに設けた取付孔に対して本体
１が取付けられる。本体１には室内空気の流路と、外気
の流路が独立して構成され、室内空気の流路である排気
流路２には排気送風機３が、また外気の流路である給気
流路４には給気送風機５がそれぞれ組込まれている。排
気送風機３と給気送風機５とは共通のモータ６で駆動さ
れ、それらの室内側には熱交換素子12が組込まれてい
る。熱交換素子12は積層式の交差流型が多く採用され、
その独立した流路はそれぞれ排気流路２と給気流路４の
一部を構成している。この熱交換素子12は枠体20に納め
られ、枠体20ごと本体１に対して係脱しうるようになっ
ている。

上記構成の空調換気装置は、通常よく知られているよ
うに熱交換素子の働きで室内の温度及び湿度といった状
態量を少ない変動で室内の換気を行うことができること
を特徴としている。熱交換機能を持つ場合に問題となる
結露は、ドレン受皿を設けた排水構造を備えるか、図示
のもののように排気流により排気口に押し出すようにし
ている。前者は構成が複雑になる点で歓迎されず、比較
的小型のものでは後者の簡易なドレン処理方式が多く採
用されている。

［考案が解決しようとする課題］ ドレンの排水に係る専用の排水構造を持たない上記し
た従来の空調換気装置においては、熱交換素子12に生ず
る結露による水が具合良く排水されず、本体１の外に漏
れ出し室内側の壁面等を汚すといった解決すべき課題を
含んでいる。

この考案はかかる従来の課題を解決するためになされ
たもので、結露による水を排水するための特別な排水構
造を付加することなく機能部品により結露による水を装
置外へ排水することができる空調換気装置を得ることを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る空調換気装置は、室内空気を排気する
ための排気流路と外気を室内へ供給する給気流路の一部
をそれぞれ形成し、排気流と給気流間での熱交換を行な
わせる熱交換素子を備えたものであり、その熱交換素子
を、排気流を通す通路が下流側ほど下位になるように枠
体に組込み、熱交換素子の排気流を通す通路の入口側の
下部を保持する部分の枠体に対して、熱交換素子の排気
流を通す通路により排気流を通す通路の出口側に連絡す
るドレン受容部を一体に形成したものである。

［作用］ この考案においては、熱交換素子の排気流を通す通路
内に生じるドレンは、当該通路の勾配に沿って空気の流
れに押されながら通路の出口側へ排出される。また、通
路の入口部分に生じるドレンは表面張力や水の凝集力の
作用で通路内へは流下せず熱交換素子の端面を伝って下
方へ流下することになるが、枠体にはドレン受容部が形
成されているので下方へ流下したドレンはドレン受容部
に受容される。さらに、ドレン受容部に溜ったドレン
は、ドレン受容部が熱交換素子の勾配を持つ排気流を通
す通路により当該通路の出口側に連通しているので、通
路内に生じたドレンと同様に熱交換素子の外部に排出さ
れることになる。

［実施例］ 第１図〜第４図はいずれも本考案の一実施例を示した
もので、第１図は空調換気装置の縦断面図、第２図は同
じくその熱交換器の斜視図、第３図と第４図はそれぞれ
熱交換器の断面図である。この空調換気装置も、熱交換
器に関する構成を除けば先に説明した従来のものと基本
的には同じ構成である。即ち、本体１は部屋の内外を隔
てる建物の壁Ｗに設けた取付孔に対して取付けられる。
本体１には室内空気の流路と、外気の流路が独立して構
成され、室内空気の流路である排気流路２には排気送風
機３が、また外気の流路である給気流路４には給気送風
機５がそれぞれ組込まれている。排気送風機３と給気送
風機５とは共通のモータ６で駆動され、それらの室内側
には熱交換器７が組込まれている。排気流路２は本体１
の室内側前面中央部を入口８とし、熱交換器７の一方の
通路を経て排気送風機３に連絡し、本体１の室外側下部
を出口９とする一連の通路として構成され、給気流路４
は本体１の室外側中央部を入口10とし、給気送風機５か
ら熱交換器７の他方の通路を経て本体１の前面上部を出
口11とする一連の通路として構成されている。熱交換器
７は積層式の交差流型の熱交換素子12とこれを保持する
枠体13とから構成され、本体１の前面部に排気流を通す
通路が下流側ほど下位になるように枠体13により本体１
に係脱可能に取付けられている。熱交換素子12は６面体
をなし、その母材は吸湿性のある材料で形成されてい
る。枠体13は第３図又は第４図に示すように熱交換素子
12の両側面に密着する側板13aと、熱交換素子12の稜角
に添って側板13a間に差し渡されたアングル型の枠部分1
3bとから構成され、第３図のものでは熱交換素子12の排
気流を通す通路の開口する前面より前面側の枠部分13b
が前方に位置している。また第４図のものでは熱交換素
子12の排気流を通す通路の開口する前面及び背面より前
面側の枠部分13b及び背面側の枠部分13bが前方及び後方
に位置している。熱交換素子12の給気流を通す通路の開
口した上下の面については各枠部分13bはそれらの一部
にそれぞれ密着している。即ち、熱交換器７には熱交換
素子12と枠体13とにより熱交換素子12の前面下部又は前
面と背面との双方の下部にドレン受容部14としての隙間
が形成されている。

上記構成の空調換気装置は、通常よく知られているよ
うに熱交換素子12の働きで室内の温度及び湿度といった
状態量を変動させずに室内の換気を行うことができる。
給排気間での熱交換に伴って熱交換素子12の排気流の通
る通路の入口側に生ずる結露は、表面張力や水の凝集力
の作用で通路内へは流下しないが、熱交換素子12の当該
面において凝集し水滴となって流下する。流した結露水
は熱交換素子12と枠体13とにより形成されたドレン受容
部14に受容される。熱交換素子12の前側にのみドレン受
容部14を形成した第３図のものでは、ドレン受容部14に
溜った結露水は、熱交換素子12の最下段の通路を下流側
に流下し、排気流路２の室外側において排気流路２の出
口９から室外へ排水される。熱交換素子12の前後双方に
ドレン受容部14がある第４図のものも基本的には同様の
排水機能を果たす。従って、本体１内にそのまま結露水
が滴下し、本体１の外に漏れ出して室内の壁面を汚すよ
うなことはなくなる。

［考案の効果］ 以上、実施例による説明からも明らかなように本考案
によれば、熱交換素子の排気流を通す通路内に生じるド
レンは、当該通路の勾配と空気の流れとにより通路の出
口側へ排出することができ、また、通路の入口部分に生
じ熱交換素子の端面を伝って下方へ流下するドレンは、
枠体のドレン受容部に受容させ、ドレン受容部から熱交
換素子の勾配を持つ排気流を通す通路により当該通路の
出口側に排出させることができ、いずれの箇所に生じた
ドレンも排気流路を使って室外へ排出させることができ
る。即ち、ドレン皿や排水管等の特別な排水構造を設け
ることなく、熱交換機能部品によりドレンの円滑な排水
が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す空調換気装置の縦断面
図、第２図は同じくその熱交換器の斜視図、第３図と第
４図はそれぞれ熱交換器の断面図、第５図は従来例とし
ての空調換気装置の縦断面図、第６図は同じく従来例の
空調換気装置の斜視図である。図において、１は本体、
２は排気流路、４は給気流路、７は熱交換器、12は熱交
換素子、13は枠体、13bは枠部分、14はドレン受容部で
ある。なお、図中同一符号は、同一又は相当部分を示
す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】室内空気を排気するための排気流路と外気
   を室内へ供給する給気流路の一部をそれぞれ形成し、排
   気流と給気流間での熱交換を行わせる熱交換素子を備
   え、上記熱交換素子を、その排気流を通す通路が下流側
   ほど下位になるように枠体に組込むとともに、上記熱交
   換素子の排気流を通す通路の入口側の下部を保持する部
   分の上記枠体に、上記熱交換素子の排気流を通す通路に
   より排気流を通す通路の出口側に連絡するドレン受容部
   を一体に形成したことを特徴とする空調換気装置。