JP2512991Y2

JP2512991Y2 - 雨よけカバ―付シャトルクレ―ン

Info

Publication number: JP2512991Y2
Application number: JP1990014980U
Authority: JP
Inventors: 武義中尾
Original assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date: 1990-02-17
Filing date: 1990-02-17
Publication date: 1996-10-02
Anticipated expiration: 2005-02-17
Also published as: JPH03105185U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、滑り出し式橋形クレーン、いわゆるシャト
ルクレーンに用いられる雨よけカバーに関するものであ
る。

〔従来の技術とその課題〕

アンローダの一種にシャトルクレーンが知られている
が、これは第５図に示すように、橋形桁を一定の間隔を
置いて設けた２本のアーチ形脚2,2で地上高く支持し、
これらのアーチ形脚２の下端に車輪３を設け、地上に敷
設したレール４上を走行させるとともに、前記橋形桁上
で荷を取扱うマントロリ５を横行させて各種の荷役作業
を行う橋形クレーンにおいて、前記橋形桁を、滑り出し
桁（シャトルガータ）１で構成し、荷役範囲の拡大を図
ったものである。

かかるシャトルクレーンは屋外に設置されることから
雨雪より荷を保護する必要があって、そのため、従来は
岸壁に屋根を設置して、その屋根の下に船舶を停泊させ
荷役を行っていたので、この建屋は巨大な建物となる、
という問題があった。

〔課題を解決するための手段〕

そこで本考案は、従来技術のかかる問題点を解決しよ
うとして案出されたもので、その要旨とするところは、
複数のアーチ形脚（２）（２）と、これらのアーチ形脚
（２）に横設されたガーダ（６）に沿って滑り出すシャ
トルガーダ（１）と、該シャトルガーダ（１）に沿って
走行するトロリ（５）と、からなるシャトルクレーンに
おいて、前記複数のアーチ形脚（２）の各胴部（2a）に
亘り横設された左右１対の下レール（15）と、該下レー
ル（15）上を走行し、所定の間隔を置いて配置された少
なくとも３個の車輪（20）と、前記下レール（15）より
上方に設けられ、これらの車輪（20）の浮上がりを防止
し、かつ、前記複数のアーチ形脚（２）の各胴部（2a）
に横設された左右１対の上レール（14）と、前記車輪
（20）に支持され、前記シャトルガーダ（１）の滑り出
しに無関係で移動カバー端が上下レール（14）（15）の
端より以上に滑り出し、かつ、前記シャトルガーダ
（１）をトンネル状に覆う断面略逆Ｕ字形の移動カバー
（16）と、該移動カバー（16）に重なるよう形成され、
かつ、前記アーチ形脚（２）に固定された固定カバー
（17）と、を備えたことを特徴とする雨よけカバー付シ
ャトルクレーンにある。

〔実施例〕

本考案の構成を作用と共に、添付図面に示すアンロー
ダに適用した実施例により詳細に述べる。

第１図は本考案の実施例のクレーン休止時の概念図、
第２図はクレーン運転時の概念図、第３図は第１図のＡ
矢視側面図、第４図は第３図のＢ部詳細図であるが、第
５図で示した従来例と共通する部分には、同一符号を付
してある。

本実施例は、例えばシャトルガーダの全長を27m、シ
ャトル量を13m、シャトルガーダの設置高さを16m、トロ
リ移動範囲を35mとする15tonシャトルクレーンに適用さ
れるものである。

これらの図において、２本のアーチ形脚2,2には、そ
の両脚に亘りその上方内側にそれぞれプレートガーダ6,
6を横設して対面させている。これらのプレートガーダ
６の対面側に複数個の上下１対の車輪7,7を設け、これ
らの車輪７に挟まれてシャトルガーダ１が往復走行する
（滑り出す）ようにしている。このシャトルガーダ１に
は車輪８を設けたマントロリ５がシャトルガーダ１に沿
って走行するようになっている。

そして、図中９は船舶、10は倉庫で、この倉庫10はレ
ール４の方向に複数棟並列して建てられている。また、
倉庫10内には天井クレーン11が設けられている。

ここにおいて、本実施例では２本のアーチ形脚2,2の
各垂直部2aには、その各胴部に亘り、上ガーダ12および
下ガーダ13が平行に固着されている。これらの上および
下ガーダ12,13には対向して上レール14および下レール1
5が添設されており、これらの上および下レー14,15に
は、次のような移動カバー16が走行する（滑り出す）よ
うになっている。

すなわち、この移動カバー16は、アーチ形脚２の傾斜
部2bおよび水平部2cの形状に添って若干の隙間を介して
形成された複数個（例えば、３個）のラチス構造支持部
18と、その前面（海側の端面）がカバーされ、かつ、こ
れらのラチス構造支持部18の外周で支持・固着されて張
られてトンネル状に覆うようにした断面台形状のテント
19と、これらのラチス構造支持部18の下端内側に、所定
の間隔をおいて設けられた３個の車輪20と、これらの車
輪20のうち倉庫10側の車輪20に直結された駆動モータ21
とから構成されている。そして、このテント19の全長は
シャトルガーダ１の全長より大きくしている。すなわ
ち、シャトルガーダ１より以上に滑り出すようにしてい
る。また、この駆動モータ21は正逆転されるようになっ
ている。

また、倉庫10側（陸側）のアーチ形脚２には次のよう
な固定カバー17が設けられている。

すなわち、固定カバー17は、倉庫10側のアーチ形脚２
の傾斜部2bおよび水平部2cに直接、固着されて張られて
シャトルガーダ１をトンネル状に覆うようにした断面台
形状のテント22で構成されている。

なお、第４図中、23は軸受部、24は歩道、25は手摺を
示す。なお又、移動カバー16を構成するテント19の海側
端面にはカバーを設けなくてもよい、また、移動カバー
および固定カバーの形状は断面半円弧状のものでもよい
が、これらの断面形状を本明細書では、略逆Ｕ字形と称
している。

次に、本実施例の作用を述べれば、アンローダの場
合、マントロリ５の運転室から信号を発し、シャトルガ
ーダ１を滑り出させてその外端を船舶９上に位置させ
る。そのとき、移動カバー16も駆動モータ21により、上
および下レール14,15に案内されて突出するので、特
に、車輪20は上レール15により浮上りを防止されている
ので、傾斜することなく、シャトルガーダ１の前面およ
び上方をカバーし雨よけを行う。次いで、マントロリ５
のフックにより船舶９に積込まれた荷（図示せず）を吊
り、シャトルガーダ１を倉庫10側に走行させるが、移動
カバー16はそのまま残留しておく。したがって、シャト
ルガーダ１は移動カバー16および、この移動カバーの一
部が上下に重ね合わされた固定カバー17の下を走行する
ことになる。その後、シャトルガーダ１およびマントロ
リ５は通常のシャトルクレーンの運転のように操作され
て倉庫10内に積卸を行う。

なお、前記テント19,22の材料はキャンバス、樹脂板
など軽量で、望ましくは透明なものとする。

また、本実施例は埠頭におけるアンローダで説明した
が、本考案はこれに限らず、倉庫よりトラック等へ積込
むローダにも適用できることはいう迄もない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、シャトルクレーンに、自走する移動カバーを設けた
ので、全天候形の建屋を構築することなく、荷を雨雪に
さらすことがない。

複数のアーチ形脚の各胴部に亘り横設した左右１対
の上、下レールを移動カバーが自走・滑り出すので、シ
ャトルガーダの滑りと無関係となって、移動カバーの移
動が円滑化すると共に、シャトルガーダに移動カバーの
重量がかからず、シャトルガーダの移動も円滑化でき
る。

複数のアーチ形脚に亘り、ガーダ（６）、上レール
（14）および下レール（15）がそれぞれ横設されている
ので、アーチ形脚を強固にし、ひいては、滑り出すシャ
トルガーダおよび移動カバーをそれぞれ円滑に自走させ
ることができる。

移動カバー車輪は、上レールによって浮上がりを防
止され、かつ、１つの車輪が下レールに支持されなくて
も、まだ２つ以上の車輪が下レールに支持されているの
で、下レール端より移動カバーが滑り出しても、この移
動カバーは傾くことがない。ひいては、移動カバーの後
退を円滑にできると共に、前記と相俟って、従来の建
屋と同様、ガーダと無関係となって、特に、シャトルク
レーンではトロリの荷役位置変動で、軽量化を望むシャ
トルガーダには、複雑なたわみ等歪が生じるが、このシ
ャトルガーダには移動カバーの重量がかからないので、
シャトルクレーンにおけるシャトルガーダの運動とトロ
リ横行による複合的な荷役作業に悪影響を及ぼさない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例のクレーン休止時の概念図、第
２図はクレーン運転時の概念図、第３図は第１図のＡ矢
視側面図、第４図は第３図のＢ部詳細図、第５図は従来
例の概念図である。１……シャトルガーダ、２……アーチ形脚、５……マン
トロリ、14……上レール、15……下レール、16……移動
カバー、17……固定カバー、19,22……テント。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】複数のアーチ形脚（２）（２）と、これら
のアーチ形脚（２）に横設されたガーダ（６）に沿って
滑り出すシャトルガーダ（１）と、該シャトルガーダ
（１）に沿って走行するトロリ（５）と、からなるシャ
トルクレーンにおいて、前記複数のアーチ形脚（２）の各胴部（2a）に亘り横設
された左右１対の下レール（15）と、該下レール（15）上を走行し、所定の間隔を置いて配置
された少なくとも３個の車輪（20）と、前記下レール（15）より上方に設けられ、これらの車輪
（20）の浮上がりを防止し、かつ、前記複数のアーチ形
脚（２）の各胴部（2a）に横設された左右１対の上レー
ル（14）と、前記車輪（20）に支持され、前記シャトルガーダ（１）
の滑り出しに無関係で移動カバー端が上下レール（14）
（15）の端より以上に滑り出し、かつ、前記シャトルガ
ーダ（１）をトンネル状に覆う断面略逆Ｕ字形の移動カ
バー（16）と、該移動カバー（16）に重なるよう形成され、かつ、前記
アーチ形脚（２）に固定された固定カバー（17）と、を備えたことを特徴とする雨よけカバー付シャトルクレ
ーン。