JP2512268Y2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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JP2512268Y2 JP1989100102U JP10010289U JP2512268Y2 JP 2512268 Y2 JP2512268 Y2 JP 2512268Y2 JP 1989100102 U JP1989100102 U JP 1989100102U JP 10010289 U JP10010289 U JP 10010289U JP 2512268 Y2 JP2512268 Y2 JP 2512268Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は自動車の前部車体構造に関し、特に、エンジ
ンルームのエンジン配置側側縁部のアッパフレーム後端
部の正面衝突時などにおける剛性強度対策に関する。
(従来の技術) 従来より、自動車の前部車体構造として、例えば実開
昭64-5875号公報に開示されるように、エンジンと、そ
のエンジンの回転数を走行条件に適した変速比でもって
変速する変速装置とがエンジンルーム内にそれぞれ配置
され、該エンジンルームの後縁部を左右方向へ延びるカ
ウルの左右両側端位置における各カウルサイド部に、エ
ンジンルームの側縁部で前後方向へ延びるアッパフレー
ムの後端部をそれぞれ連結したものは知られている。そ
して、この場合、変速装置に比して重量が重く大きさが
嵩さむエンジンの支持は、その前部および左右両側部が
エンジンルームの下端位置を前後方向へ延びる左右一対
のフロントフレームなどに、後部がエンジンルームの後
端部下端位置を左右方向へ延びるシャシメンバなどにそ
れぞれエンジンマウントを介してなされている。また、
シャシメンバは、車体部材(例えばダッシュパネルな
ど)を介してアッパフレームの後端部に連結されてい
る。
また、車体左右方向へクランクシャフトを延ばしたい
わゆる横置きエンジンと、変速装置とがエンジンルーム
内における左右両位置にそれぞれ配置されているものも
ある。その場合、エンジンは、エンジンルームのエンジ
ン配置側の側部をホイールエプロンおよびフロントフレ
ームなどで構成するエンジン配置側側部構成体に取り付
けられているとともに、上記変速装置は、エンジンルー
ムの変速装置配置側の側部を上記エンジン配置側側部構
成体と同様の部材で構成する変速装置配置側側部構成体
に取り付けられている。
(考案が解決しようとする課題) ところで、正面衝突時などに前方から衝突荷重が作用
すると、この衝突荷重によってエンジンおよび変速装置
がそれぞれ後方へ押されることになる。この場合、上記
の如くエンジンと変速装置とがエンジンルーム内におけ
る左右両位置にそれぞれ配置されているものでは、正面
衝突時の荷重がエンジン及び変速装置の前面側にそれぞ
れ作用し、大きさおよび重量がそれぞれ異なるエンジン
と変速装置との衝突荷重による後方への移動量に差が生
じることになる。つまり、大きさが勝るエンジンには衝
突荷重が変速装置よりも大きく作用するので、エンジン
配置側側部構成体及び変速装置配置側側部構成体の剛性
強度がほぼ同等のものであるときには、エンジンは重量
も変速装置より重く大きな衝突荷重が作用するためにエ
ンジン配置側側部構成体をかなり変形させながら後方ま
で移動するのに対し、小さな衝突荷重しか作用しない軽
い変速装置は変速装置配置側側部構成体をある程度変形
させればさほど後方へは移動せず、衝突荷重によるエン
ジンの後方への移動量が変速装置よりも大きくなって、
エンジン及び変速装置の後方への移動量に差が生じる。
このため、後方への移動量の大きなエンジンに、シャ
シメンバ(エンジンマウント)を下方へ押し下げるロー
リングが発生し、このローリングによって、エンジン配
置側のカウルサイド部がダッシュパネルなどを介してシ
ャシメンバと共に下方へ押し下げられたり、エンジン配
置側のアッパフレーム(エンジン側アッパフレーム)の
後端部がエンジンと共に上方へ飛び上がったりして、カ
ウルサイドとエンジン側アッパフレームの後端部との連
結部に相対方向の荷重が著しく作用する。これによっ
て、カウルサイドとエンジン側アッパフレームの後端部
との連結部が、カウルサイドと変速装置配置側のアッパ
フレーム(変速装置側アッパフレーム)の後端部との連
結部よりも大きく変形するという問題がある。
本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、左右の各カウルサイドに対する各アッ
パフレーム後端部の各連結部における正面衝突時の変形
が略均一となるよう,エンジン側アッパフレームの後端
部に改良を加えて、左右の各連結部のつぶれを略均一化
させる適正なつぶれモードを確保せんとするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本考案の解決手段は、自動
車の前部車体構造として、エンジンルーム内にエンジン
と変速装置とが左右に配置された自動車を前提とする。
さらに、上記エンジンルームのエンジン配置側の側部
に、該エンジン配置側の側部を前後方向に延びる上下の
フレームを備えた複数の部材からなるエンジン配置側側
部構成体を設け、該エンジン配置側側部構成体に上記エ
ンジンを取り付ける。一方、上記エンジンルームの変速
装置配置側の側部に、該変速装置配置側の側部を前後方
向に延びる上下のフレームを備えた複数の部材からなる
変速装置配置側側部構成体を設け、該変速装置配置側側
部構成体に上記変速装置を取り付ける。上記エンジンル
ームの後部に、その後部を左右方向へ延びるカウルを設
け、該カウルの左右両側端位置の各カウルサイド部に、
上記エンジン配置側側部構成体上側のエンジン側アップ
フレームの後端部と、上記変速装置配置側側部構成体上
側の変速装置側アッパフレームの後端部とをそれぞれ連
結する。そして、上記エンジン側アッパフレームの後端
部の剛性強度を、変速装置からの衝突荷重が作用する変
速装置側アッパフレームとエンジンからの衝突荷重が作
用するエンジン側アップフレームとの互いの後端部同士
の変形度合いをほぼ均一化させるように、上記変速装置
側アッパフレームの後端部の剛性強度よりも高く設定す
る構成としたものである。
(作用) 上記の構成により、本考案では、エンジンルーム内に
おける左右両位置にそれぞれ配置された,クランクシャ
フトを車体左右方向へ延ばした横置きのエンジンと変速
装置とは、例えば正面衝突時、前方から作用する衝突荷
重が変速装置よりも大きさの勝るエンジンに大きく作用
してエンジンルーム両側部の各側部構成体を変形させな
がらそれぞれ後方へ押される。そして、エンジンが変速
装置より重く大きな衝突荷重が作用するために変速装置
よりも後方まで移動し、衝突荷重によるエンジンの後方
への移動量が変速装置よりも大きくなって、エンジン及
び変速装置の後方への移動量に差が生じようとする。
その場合、エンジン配置側側部構成体上側のエンジン
側アップフレームの後端部の剛性強度は、変速装置配置
側側部構成体上側の変速装置側アッパフレームの後端部
よりも高められて、変速装置からの衝突荷重が作用する
変速装置側アッパフレームと、エンジンからの衝突荷重
が作用するエンジン側アッパフレームとの互いの後端部
同士の変形度合いがほぼ均一化するようになっているの
で、衝突荷重によりエンジンにローリングが発生して
も、エンジン配置側のカウルサイド部の車体部材(例え
ばダッシュパネル)を介した下方への押し下げおよびエ
ンジン側アッパフレームの後端部の上方への飛び上がり
など、カウルサイドとエンジン側アッパフレームの後端
部との連結部に作用する相対方向の荷重が剛性強度の高
いエンジン側アッパフレームの後端部でもって確実に受
止められる。これによって、大きな衝突荷重による変形
量の大きなエンジン配置側側部構成体をエンジンごと受
け止める剛性強度の高いエンジン側アッパフレームの後
端部とカウルサイドとの連結部と、小さな衝突荷重によ
る変形量の小さな変速装置配置側側部構成体を変速装置
ごと受け止める剛性強度の低い変速装置側アッパフレー
ムの後端部とカウルサイドとの連結部とが略均一に変形
することになり、左右の各連結部のつぶれを略均一化さ
せる適正なつぶれモードが確保される。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第3図は本考案の実施例に係る前部車体構造を用いた
自動車の前部を示し、1は車体、2は車体1前部に形成
されたエンジンルームであって、該エンジンルーム2
は、その前壁部を形成するシャラウドパネル3と、該シ
ュラウドパネル3の左右両側端部に前端部が接合されて
左右両側壁部をそれぞれ形成する左右のホイールエプロ
ン4,4と、該各ホイールエプロン4の後端部に左右両側
端部が接合されて後壁部を形成するダッシュパネル5と
により仕切られてなる。
上記シュラウドパネル3の下端部は、エンジンルーム
2の前壁部下端位置を左右方向へ延びるフロントクロス
メンバ11に接合されているとともに、上記各ホイールエ
プロン4の下端部は、エンジンルーム2の左右両側壁部
下端位置を前後方向へ延びるフロントフレーム12,12に
それぞれ接合されており、該各フロントフレーム12の前
端部は上記フロントクロスメンバ11の左右両端部にそれ
ぞれ接合されている。また、上記ダッシュパネル5の下
端部は、エンジンルーム2の前壁部下端位置を左右方向
へ延びるシャシメンバ13に接合されており、該シャシメ
ンバ13の左右両端部は、上記各フロントフレーム12の後
部側に接合されている。さらに、上記各フロントフレー
ム12間には、前端部が上記フロントクロスメンバ11に、
後端部が上記シャシメンバ13にそれぞれ接合されて前後
方向へ延びるサブフレーム14が配設されている。そし
て、上記エンジンルーム2内には、該エンジンルーム2
内の左側部側に位置し且つクランクシャフト15を車体左
右方向に延ばしたエンジン16と、該エンジン16の左側部
側つまりエンジンルーム2内の左側部側に位置し且つ上
記クランクシャフト15からの回転数を走行条件に適した
変速比に変更する変速装置17とがそれぞれ横置きに配置
(搭載)されている。上記エンジン16および変速装置17
は一体的に形成されていて、該エンジン16および変速装
置17は、上記各フロントフレーム12,サブフレーム14お
よびシャシメンバ13の前後左右の4箇所に対してそれぞ
れエンジンマウント18,…により取付けられている。こ
の場合、エンジン16配置側のホイールエプロン4、フロ
ントフレーム12およびエンジン側アッパフレーム33(後
述する)などからなるエンジン配置側側部構成体19によ
ってエンジンルーム2の左側部が構成されている一方、
変速装置17配置側のホイールエプロン4、フロントフレ
ーム12および変速装置側アッパフレーム32(後述する)
などからなる変速装置側側部構成体20によってエンジン
ルーム2の右側部が構成されている。
また、第1図および第2図に示すように、上記ダッシ
ュパネル5は、下部側に位置する略垂直パネル状のダッ
シュロアパネル21と、上部側に位置する略水平パネル状
のダッシュアッパパネル22とからなる。また、上記ダッ
シュロアパネル21の上端部と、上記ダッシュアッパパネ
ル22の前端部との接合部には、略垂直パネル状のフロン
トパネル23の下端部が接合されているとともに、ダッシ
ュアッパパネル22の後端部には、略水平パネル状のカウ
ルプレート24の後端部が接合されている。そして、上記
カウルプレート24の前部左右両側端位置(図では車体左
側のみ示す)には、上記フロントパネル23の左右両側端
位置(図では車体左側のみ示す)に対応する部分を残し
て後方へ切り欠いた切欠部24aが設けられており、これ
らのフロントパネル23およびカウルプレート24と、上記
ダッシュアッパパネル22とによって、オープンカウルと
なるカウル25がエンジンルーム2の後縁部に設けられて
いる。また、上記カウルプレート24の前端部左右両側端
位置とフロントパネル23の上端部左右両側端位置とは接
合されているとともに、このフロントパネル23の左右両
側端部は、後述する変速装置側アッパフレーム32の後端
部32aおよびエンジン側アッパフレーム33の後端部33aの
各内面(カウルサイドプレート35の内面)に接合されて
いる。
さらに、上記カウル25の左右両側端位置(エンジンル
ーム2の後縁部左右両側端位置)のカウルサイド部31,3
1(フロントパネル23,カウルプレート24およびダッシュ
アッパパネル22の左右両側端位置)には、上記エンジン
ルーム2の変速装置17配置側(第3図では右側)の側縁
部を前後方向へ延び且つ右側のホイールエプロン4の上
端部が接合されて閉断面形状となる変速装置側アッパプ
レーム32の後端部32aと、上記エンジンルーム2のエン
ジン16配置側(第3図では左側)の側縁部を前後方向へ
延び且つ左側のホイールエプロン4の上端部が接合され
て閉断面形状となるエンジン側アッパフレーム33の後端
部33aとがそれぞれ接合(連結)されている。また、上
記各カウルサイド部31の後部側には、図示しないサイド
ドアを開閉自在に支持するヒンジ部材34が取付けられた
閉断面形状のヒンジピラー35(図では左側のみ示す)が
略上下方向へ延びて設けられており、このヒンジピラー
35の略中間部には、カウルサイド部31の側端部およびエ
ンジン側アッパフレーム33の後端部33aがそれぞれ接合
されている。
そして、上記変速装置側およびエンジン側アッパフレ
ーム32,33の後端部32a,33a(異なる部分の説明を除き、
同一構造となる部分の説明のみエンジン側アッパフレー
ム33の後端部33aについて説明する。)は、エンジン側
アッパフレーム33の外面後部に接合されて後端部33aの
外面を構成する垂直パネル状のエプロンレインフォース
メント41と、エンジン側アッパフレーム33の上面および
内面の両後部に接合されて後端部33aの上面および内面
を構成する断面略コ字状のカウルサイドプレート42と、
エンジン側アッパフレーム33の内外面後部の両下端部に
接合され且つ上記エプロンレインフォースメント41の内
面下端部に接合された上記ダッシュアッパパネル22の側
端部22aとで閉断面状に形成されている。また、上記カ
ウルプレート24の側端部は、上記カウルサイドプレート
42の上面に接合されている。さらに、上記カウルサイド
プレート35の内方つまり下面側および底面側には、この
下面側および底面側の形状と略一致する断面略L字状の
カウルレインフォースメント43が接合されている。そし
て、上記カウルサイドプレート42下面の外端部は、上記
カウルレインフォースメント43の外端部を介して上記エ
プロンレインフォースメント41の上端部に接合されてい
る。この場合、エンジン側アッパフレーム33(後端部33
a)のカウルレインフォースメント43は、板厚の厚い鋼
板(例えば2.0mm)で形成されている一方、変速装置側
アッパフレーム32(後端部32a)のカウルレインフォー
スメントは板厚が上記カウルレインフォースメント43よ
りも薄い鋼板(例えば1.4mm)で形成されていて、エン
ジン側アッパフレーム33の後端部33aの剛性強度は、変
速装置17からの衝突荷重が作用する変速装置側アッパフ
レーム32とエンジン16からの衝突荷重が作用するエンジ
ン側アッパフレーム33との互いの後端部32a,33a同士の
変形度合いをほぼ均一化させるように、変速装置側アッ
パフレーム32の後端部の剛性強度よりも高く設定されて
いる。
また、上記カウルサイドプレート42およびカウルレイ
ンフォースメント43の前端部は、エンジン側アッパフレ
ーム33上面および内面の略中間部に接合された剛性強度
の高いサスペンションタワーアッパ51の後端部まで延設
されている。上記サスペンションタワーアッパ51上面の
外端部には、前後方向4箇所の略V字状の切欠51a,…が
設けられているとともに、該各切欠51aに各々対応する
エンジン側アッパフレーム33の上部側外端部および上部
側内端部には、凹部状のビード52,…がそれぞれ設けら
れている。また、上記ヒンジピラー35の直前方に位置す
るカウルプレート24には、カウルサイドプレート42およ
びカウルレインフォースメント43を共に貫通する孔部53
が設けられている。そして、上記カウルプレート24の上
面(孔部53の周縁部)には、図示しないボンネットを開
閉自在に支持するためのボンネットヒンジ54が、このボ
ンネットヒンジ54に設けられたボルト穴54aを介して上
方から孔部53内(カウルプレート24,カウルサイドプレ
ート42およびカウルレインフォースメント43)に挿通し
たボルト55の締結により取付けられている。
したがって、上記実施例では、エンジンルーム2内に
おける左右両位置にそれぞれ配置された,クランクシャ
フト15を車体左右方向へ延ばした横置きのエンジン16と
変速装置17とは、例えば正面衝突時、前方から作用する
衝突荷重が変速装置17よりも大きさの勝るエンジン16に
大きく作用してエンジンルーム2両側部の各側部構成体
19,20を変形させながらそれぞれ後方へ押される。そし
て、エンジン16が変速装置17より重いために変速装置17
よりも後方まで移動し、衝突荷重によるエンジン16の後
方への移動量が変速装置17よりも大きくなって、エンジ
ン16及び変速装置17の後方への移動量に差が生じようと
する。
その場合、エンジン配置側側部構成体19上縁部のエン
ジン側アッパフレーム33のカウルレインフォースメント
43の板厚を変速装置配置側側部構成体20上縁部の変速装
置側アッパフレーム32のカウルレインフォースメントの
板厚よりも厚く形成することで、エンジン側アッパフレ
ーム33の後端部33aの剛性強度は、変速装置側アッパフ
レーム32の後端部32aよりも高められて、変速装置17か
らの衝突荷重が作用する変速装置側アッパフレーム32
と、エンジン16からの衝突荷重が作用するエンジン側ア
ッパフレーム33との互いの後端部同士の変形度合いがほ
ぼ均一化するようになっている。このため、正面衝突時
の前方からの衝突荷重による後方への移動量の大きなエ
ンジン16に、シャシメンバ13(エンジンマウント18)を
下方へ押し下げるローリングが発生しても、エンジン16
配置側のカウルサイド部31のダッシュパネル5(ダッシ
ュロアパネル21およびダッシュアッパパネル22)を介し
た下方への押し下げおよびエンジン側アッパフレーム33
の後端部33aの上方への飛び上がりなど、カウルサイド
部31とエンジン側アッパフレーム33の後端部33aとの連
結部に作用する相対方向の荷重が剛性強度の高いエンジ
ン側アッパフレーム33の後端部33aでもって確実に受止
められる。これにより、大きな衝突荷重による変形量の
大きなエンジン配置側側部構成体19をエンジン16ごと受
け止める剛性強度の高いエンジン側アッパフレーム33の
後端部33aとカウルサイド部31との連結部と、小さな衝
突荷重による変形量の小さな変速装置配置側側部構成体
20を変速装置17ごと受け止める剛性強度の低い変速装置
側アッパフレーム32の後端部32aとカウルサイド31との
連結部とが略均一に変形することになり、左右の各連結
部のつぶれを略均一化させる適正なつぶれモードを確保
することができる。
また、エンジン側アッパフレーム33の後端部33aの構
成部材としてのカウルサイドプレート42およびカウルレ
インフオースメント43の前端部がサスペンションタワー
アッパ51の後端部まで延設され、該サスペンションタワ
ーアッパ51上面の外端部に略V字状の切欠51a,…が設け
られているとともに、該各切欠51aに各々対応するエン
ジン側アッパフレーム33の上部側外端部および上部側内
端部に凹部状のビード52,…がそれぞれ設けられてい
る。これにより、サスペンションタワーアッパ51および
この付近のエンジン側アッパフレーム33(略中間部)に
つぶれを集中させて、衝突荷重をエンジン側アッパフレ
ーム33の略中間部付近において効果的に吸収しつつ剛性
強度の高いサスペンションタワーアッパ51によってエン
ジン側アッパフレーム33の後端部33aの剛性強度をさら
に高めることができる。
さらに、ヒンジピラー35の直前方のカウルプレート24
の上面に、カウルサイドプレート42およびカウルレイン
フォースメント43を共に貫通する孔部53内に挿通したボ
ルト55によりボンネットヒンジ54が取付けられているの
で、ボンネットヒンジ54を取付けるためのレインフォー
スメントを別途に設ける必要がなく、部品点数の削減化
を図ることができる。
尚、本考案は上記実地例に限定されるものではなく、
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、エンジン側アッパフレーム33の後端部33
aの剛性強度を高めるためにその構成部材としてのカウ
ルレインフォースメント43の板厚を変速装置側アッパフ
レーム33の後端部33aのものよりも厚くしたが、第2図
の仮想線(二点鎖線)で示すように、エンジン側アッパ
フレーム(後端部)のカウルレインフォースメント43の
断面形状を直角部の面取りによりこの後端部の断面形状
を2つに分割して剛性強度を高めるようにしても良いの
は勿論である。
(考案の効果) 以上の如く、本考案における自動車の前部車体構造に
よれば、エンジン配置側のカウルサイド部に連結したエ
ンジン側アッパフレームの後端部の剛性強度を、変速装
置配置側のカウルサイド部に連結した変速装置側アッパ
フレームの後端部よりも高めて、変速装置側アッパフレ
ームとエンジン側アッパフレームとの互いの後端部同士
の変形度合いをほぼ均一化させるようにしたので、正面
衝突時などの衝突荷重により後方への移動量が大きいエ
ンジンにローリングが発生してもカウルサイドとエンジ
ン側アッパフレームの後端部との連結部に作用する相対
方向の荷重が効果的に抑制され、左右のカウルサイドに
対するエンジン側アッパフレームおよび変速装置側アッ
パフレームの各連結部の変形を略均一化させて左右の各
連結部の適正なつぶれモードを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示すもので、第1図はエンジン
側アッパフレームの後端部付近の斜視図、第2図はエン
ジン側アッパフレームの後端部の縦断正面図、第3図は
ボンネットを取外した状態の自動車前部の平面図であ
る。 1……車体 2……エンジンルーム 12……フロントフレーム 15……クランクシャフト 16……エンジン 17……変速装置 19……エンジン配置側側部構成体 20……変速装置配置側側部構成体 25……カウル 31……カウルサイド部 32……変速装置側アッパフレーム 32a……後端部 33……エンジン側アッパフレーム 33a……後端部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンルーム内にエンジンと変速装置と
    が左右に配置された自動車において、 上記エンジンルームのエンジン配置側の側部には、該エ
    ンジン配置側の側部を前後方向に延びる上下のフレーム
    を備えた複数の部材からなるエンジン配置側側部構成体
    が設けられ、該エンジン配置側側部構成体には上記エン
    ジンが取り付けられている一方、 上記エンジンルームの変速装置配置側の側部には、該変
    速装置配置側の側部を前後方向に延びる上下のフレーム
    を備えた複数の部材からなる変速装置配置側側部構成体
    が設けられ、該変速装置配置側側部構成体には上記変速
    装置が取り付けられており、 上記エンジンルームの後部には、その後部を左右方向へ
    延びるカウルが設けられ、該カウルの左右両側端位置の
    各カウルサイド部には、上記エンジン配置側側部構成体
    上側のエンジン側アッパフレームの後端部と、上記変速
    装置配置側側部構成体上側の変速装置側アッパフレーム
    の後端部とがそれぞれ連結されており、 上記エンジン側アッパフレームの後端部の剛性強度は、
    変速装置からの衝突荷重が作用する変速装置側アッパフ
    レームとエンジンからの衝突荷重が作用するエンジン側
    アッパフレームとの互いの後端部同士の変形度合いをほ
    ぼ均一化させるように、上記変速装置側アッパフレーム
    の後端部の剛性強度よりも高く設定されていることを特
    徴とする自動車の前部車体構造。
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