JP3633523B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体前部のエンジンルームの両側に配設されたフロントサイドメンバ及びこれに連結されたサブフレームを備える自動車の前部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の前部車体構造としては例えば図16に示したようなものが知られている(特開2000−16327号公報参照)。この車体構造は、車体前部のエンジンルームの両側に配設されたフロントサイドメンバ1と、このフロントサイドメンバ1の下方に配設されたサブフレーム2を備えている。尚、フロントサイドメンバ1の前端にはバンパー3が取り付けられる。
【0003】
そして、フロントサイドメンバ1の前端部1aには脆弱部4が形成されていてる。この脆弱部4は、衝突荷重がフロントサイドメンバ1の前端に作用したときに、フロントサイドメンバ1の前端部1aを最初に変形させるようになっている。また、サブフレーム2の後端部はフロントサイドメンバ1の後部に連結され、サブフレーム2の前端部はフロントサイドメンバ1の前端部1aの近傍にマウントブラケット5を介して固定されている。
【0004】
この様な構成において、自動車の前端部が障害物等に低速で衝突した場合、衝突荷重がバンパー3を介してフロントサイドメンバ1の前端部1aに入力されて、この衝突荷重によって前端部1aのみが脆弱部4の部分から変形させられ、衝突荷重が吸収される様になっていた。
【0005】
また、自動車の前端部が障害物等に高速で衝突した場合、衝突荷重がバンパー3を介してフロントサイドメンバ1の前端部1aに入力されて、この衝突荷重によって前端部1aのみが脆弱部4の部分から変形させられた後、フロントサイドメンバ1の前端部1aより後方側の部分が上方に折れ曲がる様に変形して、衝突荷重が吸収される様になっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この様に従来の前部車体構造では、自動車の低速衝突時にも衝突荷重の吸収を行うようにするために、フロントサイドメンバ1の前端部1aをサブフレーム2の前端よりも前側に突出させていると共に、前端部1aに脆弱部4を設けている。
【0007】
しかも、この様にフロントサイドメンバ1の前端部1aをサブフレーム2の前端よりも前側に突出させていたため、自動車の高速衝突時にフロントサイドメンバ1の前端部1aより後方側の部分にはマウントブラケット4の部分を中心に回転モーメントが発生して、フロントサイドメンバ1の前端部1aより後方側の部分が上述したように上方に折れ曲がるようになっていた。
【0008】
しかしながら、この様な回転モーメントが発生するため、自動車の高速衝突時における衝突荷重は衝突初期にサブフレームに効率よく分散入力されず大半がフロントサイドメンバ1に入力されてフロントサイドメンバを上方に変形させていた。このため、サブフレーム2を衝突荷重の吸収に効率よく利用していないものであった。
【0009】
そこで、この発明は、自動車の高速衝突時にサブフレームを衝突吸収に効率よく利用できる自動車の前部車体構造を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明の自動車の前部車体構造は、車両前部の左右側部にそれぞれ配設され且つ前後方向に延びる一対のフロントサイドメンバと、前記一対のフロントサイドメンバ間に渡架されたクロスメンバと、前記一対のフロントサイドメンバの前面にそれぞれ取り付けられた一対のバンパーステーと、前記一対のバンパーステーに両端部が取り付けられたバンパ本体と、少なくとも前後方向に延び且つ前記各フロントサイドメンバの下方に配設されると共に前記フロントサイドメンバに前後方向の複数箇所で連結されたサイドフレーム部を有するサブフレームを備える自動車の前部車体構造において、
前記各フロントサイドメンバの前端部とこの下方に位置する前記サイドフレーム部の前端部を連結する連結部材を備え、前記連結部材の上部に前記バンパーステーを固定するバンパーステー固定部が設けられ、前記バンパーステー固定部は前記連結部材の前端側部に設けられ且つ車幅方向及び上下方向に延びる第1の縦壁部を有し、前記第1の縦壁部の前面には前記バンパーステーが固定されていることを特徴とする。
【0012】
更に、請求項2の発明は、請求項1に記載の自動車の前部車体構造において、前記第1の縦壁部は前記フロントサイドメンバの前面と略面一に設けられ、前記第1の縦壁部の前面と前記フロントサイドメンバの前面にはこれらに跨って連結プレートが固定されていると共に、前記バンパーステーは前記プレートを介して前記第1の縦壁部と前記フロントサイドメンバの前端に跨って固定されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の自動車の前部車体構造において、前記連結部材の下部には車幅方向及び上下に延びる第2の縦壁部が設けられていると共に、前記第2の縦壁部の前面には前記クロスメンバの少なくとも一部が固定されていることを特徴とする。
【0014】
更に、請求項4の発明は、請求項3に記載の自動車の前部車体構造において、前記第2の縦壁部の前面は前記フロントサイドメンバの前面と略面一に設けられ、前記連結プレートは前記第2の縦壁部の前面と前記フロントサイドメンバの前面に跨って固定されていると共に、前記クロスメンバは前記連結プレートを介して前記フロントサイドメンバの前端と前記第2の縦壁部の前面に跨って固定されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図15に基づいて説明する。
[構成]
図1は前部車体の部分斜視図、図2は図1に示した前部車体を下側から見た面図である。この図1において、10は自動車の前部車体、11は前部車体10のエンジンルームである。
【0016】
また、前部車体10は、図2に示したようにエンジンルーム11の左右側部にそれぞれ配設された一対のフロントサイドメンバ12,12と、フロントサイドメンバ12の下方に配設されたサブフレーム13と、各フロントサイドメンバ12,12の前側にそれぞれ配設されたバンパーステー14,14と、バンパーステー14,14の前側に両端部が配設されたバンパ本体15、バンパ本体15の下方に配設されたクロスメンバ16を有する。
【0017】
左右のフロントサイドメンバ12,12は図2に示したようにエンジンルーム11の左右側部に沿って前後に延設されている。このフロントサイドメンバの前端部12aは、図4,図9,図10に示した様に、底壁(下壁部)17,側壁(縦壁)18,上壁19から断面形状(正面形状)がコ字状に形成されている。そして、底壁17,側壁18,上壁19の前縁部には内側に向けて突出する前側下当接壁(フランジ)17a,前側横当接壁(フランジ)18a,前側上当接壁(フランジ)19aがそれぞれ一体に形成されている。また、底壁17aの前縁部近傍には軸挿通孔17bが形成され、底壁17aの側縁には下方に突出する横側下取付壁部17cが一体に形成されている。
【0018】
また、サブフレーム13は、図2,図8に示したように、フロントサイドメンバ12,12に沿って前後に向けて延び且つ一部がフロントサイドメンバ12,12の略真下又はその近傍に配設されるサイドフレーム部13a,13aと、フロントサイドメンバ12,12の前端部同士を連結しているフロントクロスフレーム(幅方向フレーム)13bと、フロントサイドメンバ12,12の後部同士を連結しているリヤクロスフレーム(幅方向フレーム)13cから概略方形状に形成されている。このサブフレーム13には図示しないエンジンが支持される。尚、本実施例では、サブフレーム13は、方形状に形成されているが、必ずしもこの形状に限定されるものではない。即ち、少なくとも上述したサイドフレーム部13a,13aが設けられていれば他の形状でも良い。
【0019】
また、サイドフレーム部13a,13aの前端部には上下に向けた外筒(外筒部)20,20が一体に設けられ、外筒20内には内筒21が同心に配設されている。そして、この外筒20と内筒21との間にはゴム等からなる筒状の弾性部材22が図3,図4,図9の如く介装されている。
【0020】
尚、弾性部材22は外筒20及び内筒21に焼き付け固着されている。また、内筒21は図3,図4の如く上下端部が外筒20から上下に突出している。しかし、図9では、外筒20及び内筒21と弾性部材22との関係を説明するために、上部を除いた状態で内筒21を図示している。
【0021】
更に、上述した前部車体10は、フロントサイドメンバ12とサイドフレーム部13aとを連結する連結手段23を有する。この連結手段23は、連結部材24と、前後方向及び上下方向に延びるクロージングプレート25と、左右方向及び上下方向に延びる連結プレート26と、上下に延びる連結軸27を有する。
【0022】
連結部材24は、底壁24a,側壁24b,後壁24cを有する。そして、底壁24aの前縁部には下方に突出する前側下当接壁(フランジ)24a1が一体に形成され底壁24aの中央には軸挿通孔24a2が形成されている。また、側壁24bの前縁には上下に延び外方に突出する前側縦壁(前側横取付壁)24b1が一体に形成され、側壁24bの前部には上方に突出する突出壁部24b2が形成されている。この前側縦壁24b1は、図10,図11に示したように上半分を第1の縦壁部(バンパーステー固定部)Uaとし、下半分を第2の縦壁部Laとして以下説明する。
【0023】
更に、側壁24bには外方に膨出する膨出部24b3が形成されいて、この膨出部24b3は側壁24bの剛性を高くしている。また、側壁24bの後縁部には後下方に向けて傾斜する傾斜部24b4が形成されていて、連結部材24の軽量化を図っている。更に、後壁24cは後方に傾斜させられていると共に、後壁24cの上縁には傾斜部24b4の下端の位置から後方に向けて水平に突出する取付壁24c1が一体に形成され、底壁24a,後壁24c,取付壁24c1の側縁にはこれらに跨る横側取付壁(フランジ)28が一体に形成されている。
【0024】
また、クロージングプレート25の上縁には前後に向けて延び且つ外側方に突出する上取付壁(フランジ)25aが形成され、クロージングプレート25の前縁には上下に向けて延び且つ外側方に突出する横取付壁(縦壁、フランジ)25bが形成されている。更に、連結軸27の上下方向の中間部にはフランジ27aが一体に形成され、連結軸27の下端部にはネジ部27bが一体に形成されている。
【0025】
そして、連結軸27は、下部が図3,図4に示したように連結部材24の軸挿通孔24a2に挿通されていると共に、フランジ27aが連結部材24の底壁24a上面に当接させられている。このフランジ27aは、底壁24aに溶接固定されている。また、連結軸27の上端部は図3,図4に示したようにフロントサイドメンバ12の底壁17に設けた軸挿通孔17bに挿通されて上方に突出している。この連結軸27の上端部は底壁17に溶接固定されている。また、連結部材24の取付壁24c1上には図3に示したようにフロントサイドメンバ12の底壁17が当接させられている。この底壁17は取付壁24c1に溶接固定されている。更に、連結部材24の側壁24bに設けた突出壁部24b2にはフロントサイドメンバ12の側壁18が溶接固定されている(図10参照)。
【0026】
しかも、図10に示したように、フロントサイドメンバ17に設けた当接壁17a,18a.19aの前面と連結部材24の前側下当接壁24a1及び前側縦壁24b1の前面は略面一に設けられている。
【0027】
また、クロージングプレート25は、フロントサイドメンバ12の側方への開口を閉成すると共に、連結部材24の側部を閉成している。しかも、クロージングプレート25は、フロントサイドメンバ12の横側下取付壁(フランジ)17c,横側取付壁(フランジ)28に溶接固定されている。更に、クロージングプレート25の上縁に設けた取付壁25aはフロントサイドメンバ12の上壁19の側縁下面に溶接固定されている。そして、クロージングプレート25の横取付壁(縦壁、フランジ)25bの前面は、フロントサイドメンバ17に設けた当接壁17a,18a.19aの前面,連結部材24の前側下当接壁24a1の前面及び前側縦壁24b1の前面と略面一に設けられている。
【0028】
このクロージングプレート25の外側面下部にはタイダンフック29が当接させられると共に、クロージングプレート25の内側面下部には補強プレート30が当接させられる。そして、このタイダンフック29,クロージングプレート25,補強プレート30は、これらを貫通する複数のボルト(図示略)で互いに固定されている。
【0029】
更に、フロントサイドメンバ12,連結部材24及びクロージングプレート25の前端間には図11の如く前側開口31が形成され、この前側開口31は図5〜図7に示した如く連結プレート26で閉成されている(図12参照)。しかも、連結プレート26は、クロージングプレート25に設けた横取付壁(縦壁、フランジ)25bの前面,フロントサイドメンバ17に設けた当接壁17a,18a.19aの前面,連結部材24の前側下当接壁24a1の前面及び前側縦壁24b1の前面に跨って当接している。
【0030】
また、この連結プレート26の前面には図13に示したような取付プレート32が当接させられる。このプレート26,32は連結部材24の前側縦壁24b1及びクロージングプレート25の横取付壁25bに固定ボルト(図示略)で固定さている。
【0031】
この取付プレート32の上部には図3に示したようにバンパーステー14の車幅方向の端部に一体に取り付けられ、取付プレート32の下部にはクロスメンバ16車幅方向の端部が図15に示したように取り付けられている。従って、取付プレート32,32を上述のようにしてフロントサイドメンバ12,12の前端部に図2の如く取り付けることにより、バンパー本体15の両端部及びクロスメンバ16の両端部がフロントサイドメンバ12,12の前端部に取り付けられる。これにより、バンパー本体15及びクロスメンバ16が車幅方向に延びると共にフロントサイドメンバ12,12の前端を連結して、前部車体10の上部側の剛性を向上させている。
【0032】
また、連結軸27の下部は上述したサブフレーム13の内筒21内に上部から挿通され、この連結軸27の下端に設けられたネジ部27bはリング板状のストッパー33に挿通されている。しかも、ネジ部27bには固定ナット34が螺着されて、固定ナット34とフランジ27aとの間で内筒21が挟持固定されている。
[作用]
次に、この様な構成の自動車の前部車体構造の作用を説明する。
(1)低速衝突時の荷重吸収
上述した前部車体10を有する自動車が例えば障害物等に低速衝突した場合、自動車のバンパ本体15には比較的に小さな衝突荷重が作用(入力)する。この衝突荷重がバンパ本体15作用すると、この衝突荷重によりバンパーステー14が後方に変形させられて、この変形により衝突荷重の大半が吸収される。
【0033】
そして、衝突荷重の残りの一部は、取付プレート32及び連結プレート26を介してフロントサイドメンバ12の当接壁17a,18a,19aに作用して、フロントサイドメンバ12に後方への変形力として作用する。この際、衝突荷重の残りの一部は、連結部材24の前側縦壁24b2の上部すなわち第1の縦壁Uaに作用する。しかも、この衝突荷重は、連結部材24及びフロントサイドメンバ12に保持された連結軸27を介してサブフレーム13側の内筒21に作用した後、弾性部材22,外筒20を介してサブフレーム13のサイドフレーム部13aに作用する。従って、衝突荷重のうちバンパーステー14の変形により吸収されなかった残りの一部は、連結部材24や連結軸27を介してフロントサイドメンバ12及びサブフレーム13に効果的に分散して作用することになる。
【0034】
しかし、衝突荷重の大半はバンパーステー14の変形により吸収されていることに加えて、衝突加重の一部がフロントサイドメンバ12やサブフレーム13に作用しても、衝突加重はフロントサイドメンバ12とサブフレーム13に効果的に分散して作用するので、フロントサイドメンバ12やサブフレーム13が変形することはない。
(2)高速衝突時の荷重吸収
また、前部車体10を有する自動車が例えば障害物等に高速衝突した場合、自動車のバンパ本体15には大きな衝突荷重が作用(入力)する。この衝突荷重がバンパ本体15に作用すると、この衝突荷重によりバンパーステー14が後方に大きく変形させられて、この変形により衝突荷重の極一部が吸収される。
【0035】
そして、衝突荷重の残りの大半の一部は、取付プレート32及び連結プレート26を介してフロントサイドメンバ12の当接壁17a,18a,19aに作用して、フロントサイドメンバ12に後方への変形力として作用する。この際、衝突荷重の残りの大半の残りは、連結部材24の前側縦壁24b2の上部すなわち第1の縦壁Uaに作用する。しかも、この衝突荷重は、連結部材24及びフロントサイドメンバ12に保持された連結軸27を介してサブフレーム13側の内筒21に作用した後、弾性部材22,外筒20を介してサブフレーム13のサイドフレーム部13aに作用する。従って、衝突荷重のうちバンパーステー14の変形により吸収されなかった残りの大半は、連結部材24や連結軸27を介してフロントサイドメンバ12及びサブフレーム13に効果的に分散して作用することになる。
【0036】
一方、バンパーステー14が後方に大きく変形させられて、クロスメンバ16が障害物に衝突すると、この際の衝突荷重は取付プレート32及び連結プレート24を介して連結部材24の前側縦壁24b2の下部すなわち第2の縦壁La及び当接壁24a1に作用する。しかも、この衝突荷重は、連結部材24及びフロントサイドメンバ12に保持された連結軸27を介してサブフレーム13側の内筒21に作用した後、弾性部材22,外筒20を介してサブフレーム13のサイドフレーム部13aに作用する。また、この連結部材24の下部に入力される衝突荷重は連結部材24及び連結軸27を介してフロントサイドメンバ12に作用することになる。従って、クロスメンバ16に作用する衝突荷重は、連結部材24や連結軸27を介してフロントサイドメンバ12及びサブフレーム13に効果的に分散して作用することになる。
【0037】
この様にバンパ本体15やクロスメンバ16からフロントサイドメンバ12及びサブフレーム13に効果的に分散して作用する衝突荷重は、フロントサイドメンバ12及びサブフレーム13を後方に変形させて吸収されることになる。
(3)その他
この様にバンパ本体15に作用した衝突荷重は衝突初期からフロントサイドメンバ12とサブフレーム13で分担できるので、フロントサイドメンバ12の補強を図ることができる。また、バンパ本体15の両端部に取り付けたバンパーステー14が左右のフロントサイドメンバ12の連結部材24にそれぞれ取り付けられているので、前部車体10の車幅方向の剛性を容易に確保できると共に、補強部品を効率化できる。尚、サブフレーム13自体は、少なくとも車両の前後方向に延びるサイドフレーム部13aを有していれば良いが、サイドフレーム部13aに車幅方向に延びる幅方向フレーム部が本実施例の如く結合されている構成としても良い。この場合、サブフレーム13は、サイドフレーム部13aと幅方向フレーム部から概略方形状に形成することもできる。
【0038】
また、バンパーステー固定部としての縦壁24b1は連結部材24の前端側部に設けられ且つ車幅方向及び上下方向に延びる第1の縦壁部Uaを有すると共に、第1の縦壁部Uaの前面にはバンパーステー14が固定されている構成としたので、バンパ本体15に作用した衝突荷重はバンパーステー14を介して連結部材24の第1の縦壁部Uaで受圧されて連結部材24を介してサブフレーム13に直接伝達(直接入力)される。また、この様に構成することで、バンパーステー14と第1の縦壁部Uaとの固定構造(溶接部やボルト締結部)への荷重集中を防止でき、固定構造(溶接部やボルト締結部)の補強を効率化できる。
【0039】
更に、第1の縦壁部Uaはフロントサイドメンバ12の前面と略面一に設けられ、第1の縦壁部Uaの前面とフロントサイドメンバ12の前面にはこれらに跨って連結プレート26が固定されていると共に、バンパーステー14はプレート26を介して第1の縦壁部Uaとフロントサイドメンバ12の前端に跨って固定されているので、第1の縦壁部Uaの強度を容易に向上させることができると共に、バンパ本体15に作用した衝突荷重をバンパーステー14及び連結プレート26を介して連結部材24の第1の縦壁部Uaの前面とフロントサイドメンバ12の前面に同時に伝達させることができる。
【0040】
また、連結部材24の下部には車幅方向及び上下に延びる第2の縦壁部Laが設けられていると共に、第2の縦壁部Laの前面にはクロスメンバ16の少なくとも一部が固定されているので、連結部材24の下部を利用して前部車体10の車幅方向の剛性を容易に向上させることができる。しかも、クロスメンバ16から連結プレート26を介して連結部材24に伝達(入力)される衝突荷重は連結部材24の第2の縦壁部Laで受圧されるため、クロスメンバ16と第2の縦壁部Laとの固定構造(溶接部やボルト締結部)への荷重集中を防止でき、固定構造(溶接部やボルト締結部)の補強を効率化できる。
【0041】
更に、第2の縦壁部Laの前面はフロントサイドメンバ12の前面と略面一に設けられ、連結プレート26は第2の縦壁部Laの前面とフロントサイドメンバ12の前面に跨って固定されていると共に、クロスメンバ16は連結プレート26を介してフロントサイドメンバ12の前端と第2の縦壁部Laの前面に跨って固定されているので、第2の縦壁部Laの強度を容易に向上させることができると共に、クロスメンバ16に作用した衝突荷重を連結プレート26を介して連結部材24の第2の縦壁部Laの前面とフロントサイドメンバ12の前面に同時に伝達させることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明の自動車の前部車体構造は、フロントサイドメンバの前端部とこの下方に位置する前記サイドフレーム部の前端部を連結する連結部材を備え、前記連結部材の上部に前記バンパーステーを固定するバンパーステー固定部が設けられ、前記バンパーステー固定部は前記連結部材の前端側部に設けられ且つ車幅方向及び上下方向に延びる第1の縦壁部を有し、前記第1の縦壁部の前面には前記バンパーステーが固定されている構成としたので、バンパ本体に作用した衝突荷重は衝突後すぐに(衝突初期)に連結部材を介してフロントサイドメンバとサブフレームとに分散入力されて、フロントサイドメンバとサブフレームにより衝突荷重を効果的に吸収するように変形させることが可能となる。
【0043】
この様にバンパ本体に作用した衝突荷重は衝突初期からフロントサイドメンバとサブフレームで分担できるので、フロントサイドメンバの補強を図ることができる。また、バンパ本体の両端部に取り付けたバンパーステーが左右のフロントサイドメンバの連結部材にそれぞれ取り付けられているので、前部車体の車幅方向の剛性を容易に確保できると共に、補強部品を効率化できる。尚、サブフレーム自体は、少なくとも車両の前後方向に延びるサイドフレーム部を有していれば良いが、サイドフレーム部に車幅方向に延びる幅方向フレーム部が結合されている構成としても良い。この場合、サブフレームは、サイドフレーム部と幅方向フレーム部から概略方形状に形成することもできる。
【0044】
即ち、バンパ本体に作用した衝突荷重はバンパーステーを介して連結部材の第1の縦壁部で受圧されて連結部材を介してフロントサイドメンバ及びサブフレームに直接伝達(直接入力)される。また、この様に構成することで、バンパーステーと第1の縦壁部との固定構造(溶接部やボルト締結部)への荷重集中を防止でき、固定構造(溶接部やボルト締結部)の補強を効率化できる。
【0045】
更に、請求項2の発明は、請求項1に記載の自動車の前部車体構造において、前記第1の縦壁部は前記フロントサイドメンバの前面と略面一に設けられ、前記第1の縦壁部の前面と前記フロントサイドメンバの前面にはこれらに跨って連結プレートが固定されていると共に、前記バンパーステーは前記プレートを介して前記第1の縦壁部と前記フロントサイドメンバの前端に跨って固定されている構成としたので、第1の縦壁部の強度を容易に向上させることができると共に、バンパ本体に作用した衝突荷重をバンパーステー及び連結プレートを介して連結部材の第1の縦壁部の前面とフロントサイドメンバの前面に同時に伝達させることができる。
【0046】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の自動車の前部車体構造において、前記連結部材の下部には車幅方向及び上下に延びる第2の縦壁部が設けられていると共に、前記第2の縦壁部の前面には前記クロスメンバの少なくとも一部が固定されている構成としたので、連結部材の下部を利用して前部車体の車幅方向の剛性を容易に向上させることができる。しかも、クロスメンバから連結プレートを介して連結部材に伝達(入力)される衝突荷重は連結部材の第2の縦壁部で受圧されるため、クロスメンバと第2の縦壁部との固定構造(溶接部やボルト締結部)への荷重集中を防止でき、固定構造(溶接部やボルト締結部)の補強を効率化できる。
【0047】
更に、請求項4の発明は、請求項3に記載の自動車の前部車体構造において、前記第2の縦壁部の前面は前記フロントサイドメンバの前面と略面一に設けられ、前記連結プレートは前記第2の縦壁部の前面と前記フロントサイドメンバの前面に跨って固定されていると共に、前記クロスメンバは前記連結プレートを介して前記フロントサイドメンバの前端と前記第2の縦壁部の前面に跨って固定されている構成としたので、第2の縦壁部の強度を容易に向上させることができると共に、クロスメンバに作用した衝突荷重を連結プレートを介して連結部材の第2の縦壁部の前面とフロントサイドメンバの前面に同時に伝達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自動車の前部車体の要部を示す概略斜視図である。
【図2】図1の前部車体の面図である。
【図3】図1のバンパーステー,フロントサイドメンバ及びサイドフレーム部の関係を示す要部断面図である。
【図4】図3のD−D線に沿う断面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図7】図4のC−C線に沿う断面図である。
【図8】図1に示したサブフレームの斜視図である。
【図9】図3に示したフロントサイドメンバとサブフレームの連結部の分解斜視図である。
【図10】図9の連結部材にフロントサイドメンバ及び連結軸を組み込んだ斜視図である。
【図11】図10の連結部材及びフロントサイドメンバの側方への開口をクロージングプレートで閉成した状態の斜視図である。
【図12】図11の連結部材,フロントサイドメンバ及びクロージングプレートで形成される前側開口を連結プレートで閉成した状態の斜視図である。
【図13】図12のクロージングプレートにタイダンフックを取り付けた斜視図である。
【図14】図13の連結プレートに取付プレートを介してバンパーステー及びバンパ本体を取り付けた斜視図である。
【図15】図1のクロスメンバと取付プレートとの関係を示す斜視図である。
【図16】従来のフロントサイドメンバとサブフレームの連結構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・前部車体
12・・・フロントサイドメンバ
13・・・サブフレーム
13a・・・サイドフレーム部
14・・・バンパーステー
15・・・バンパ本体
16・・・クロスメンバ
24・・・連結部材
26・・・連結プレート
Ua・・・第1の縦壁(バンパーステー固定部)
La・・・第2の縦壁
Claims (4)
- 車両前部の左右側部にそれぞれ配設され且つ前後方向に延びる一対のフロントサイドメンバと、前記一対のフロントサイドメンバ間に渡架されたクロスメンバと、前記一対のフロントサイドメンバの前面にそれぞれ取り付けられた一対のバンパーステーと、前記一対のバンパーステーに両端部が取り付けられたバンパ本体と、少なくとも前後方向に延び且つ前記各フロントサイドメンバの下方に配設されると共に前記フロントサイドメンバに前後方向の複数箇所で連結されたサイドフレーム部を有するサブフレームを備える自動車の前部車体構造において、
前記各フロントサイドメンバの前端部とこの下方に位置する前記サイドフレーム部の前端部を連結する連結部材を備え、前記連結部材の上部に前記バンパーステーを固定するバンパーステー固定部が設けられ、前記バンパーステー固定部は前記連結部材の前端側部に設けられ且つ車幅方向及び上下方向に延びる第1の縦壁部を有し、前記第1の縦壁部の前面には前記バンパーステーが固定されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。 - 請求項1に記載の自動車の前部車体構造において、前記第1の縦壁部は前記フロントサイドメンバの前面と略面一に設けられ、前記第1の縦壁部の前面と前記フロントサイドメンバの前面にはこれらに跨って連結プレートが固定されていると共に、前記バンパーステーは前記プレートを介して前記第1の縦壁部と前記フロントサイドメンバの前端に跨って固定されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。
- 請求項1又は2に記載の自動車の前部車体構造において、前記連結部材の下部には車幅方向及び上下に延びる第2の縦壁部が設けられていると共に、前記第2の縦壁部の前面には前記クロスメンバの少なくとも一部が固定されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。
- 請求項3に記載の自動車の前部車体構造において、前記第2の縦壁部の前面は前記フロントサイドメンバの前面と略面一に設けられ、前記連結プレートは前記第2の縦壁部の前面と前記フロントサイドメンバの前面に跨って固定されていると共に、前記クロスメンバは前記連結プレートを介して前記フロントサイドメンバの前端と前記第2の縦壁部の前面に跨って固定されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。
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