JP2511226B2 - モ―タグレ―ダの振動抑制装置 - Google Patents

モ―タグレ―ダの振動抑制装置

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JP2511226B2
JP2511226B2 JP14583892A JP14583892A JP2511226B2 JP 2511226 B2 JP2511226 B2 JP 2511226B2 JP 14583892 A JP14583892 A JP 14583892A JP 14583892 A JP14583892 A JP 14583892A JP 2511226 B2 JP2511226 B2 JP 2511226B2
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広光 関野
孝一 松本
正浩 須田
渉 水沼
卓哉 多田
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KENSETSUSHO TOHOKU CHIHO KENSETSU KYOKUCHO
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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KENSETSUSHO TOHOKU CHIHO KENSETSU KYOKUCHO
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータグレーダの振動
抑制装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のモータグレーダを図4により説明
する。図1の1が車体、2がブレード(作業機)、3が
前輪、4が後輪、7が車体1の前部に固定したフロント
ウエイト、10が右側のブレード操作弁、11が左側の
ブレード操作弁、12が右側のブレードリフトシリン
ダ、13が左側のブレードリフトシリンダで、ブレート
操作弁11、12を操作し、ブレードリフトシリンダ1
2,13を作動して、ブレード2を昇降させるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記図4に示す従来の
モータグレーダには、次の問題があった。即ち、 (1)モータグレーダには、サスペンシヨンがない上
に、前輪3及び後輪4のタイヤが中空ゴム輪のため、前
後輪3、4のタイヤがばね系になって、車両回送時、車
体1には、図5に示すように、A、Bの2箇所にピーク
振動(共振)が発生する。このうち、低速側のAがバウ
ンシング領域、高速側のBがピツチング領域であること
が試験的に確認されている。
【0004】このピーク振動は、モータグレーダの固有
振動であり、車両回送時、オペレータの疲労を増大させ
るだけでなく、走行安定性にも支障を来す場合がある。 (2)ブレード(作業機)2を接地させて行う整地作業
時や除雪作業時、車体1には、図6に示すようにピツチ
ング振動が発生することが試験的に確認されている。こ
の場合、整地路面が波打つことになる。 (3)このように車体振動のモードが車速や作業の種類
により異なるので、それぞれに対応して、車体1の振動
を抑制する必要がある。
【0005】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、異なる振動モードに対応
して車体振動を抑制できるモータグレーダの振動抑制装
置を提供しようとする点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、サスペンシヨンを持たないモータグレ
ーダにおいて、ピツチング振動領域で作動するピツチン
グ振動抑制装置と、バウンシング領域で作動するバウン
シング振動抑制装置とを有し、上記ピツチング振動抑制
装置を、フロントウエイトと、同フローントウエイトを
車体の前部に懸垂支持するばね及びダンパと、同ダンパ
とアキユムレータとの間の流体圧回路に介装した電磁切
換弁とにより構成し、上記バウンシング振動抑制装置
を、作業機と、同作業機を前輪と後輪との間の車体に懸
垂支持するばね及びダンパと、同ダンパとアキユムレー
タとの間の流体圧回路に介装した電磁切換弁とにより構
成している。
【0007】
【作用】本発明のモータグレーダの振動抑制装置は前記
のように構成されており、低速の車両回送時には、バウ
ンシング振動抑制装置の電磁切換弁を開き、同バウンシ
ング振動抑制装置のアキユムレータとダンパとを連通さ
せて、同アキユムレータの緩衝作用により車体振動を抑
制する。また高速の車両回送時及び作業時には、ピツチ
ング振動抑制装置の電磁切換弁を開き、同ピツチング振
動抑制装置のアキユムレータとダンパとを連通させて、
同アキユムレータの緩衝作用により車体振動を抑制す
る。
【0008】
【実施例】次に本発明のモータグレーダの振動抑制装置
を図1、2、3に示す一実施例により説明すると、図1
の1が車体、2がブレード(作業機)、3が前輪、4が
後輪、aがピツチング振動抑制装置で、同ピツチング振
動抑制装置aは、ばね5とダンパ6とフロントウエイト
7とを有し、同フロントウエイト7がばね5とダンパ6
とにより車体1の前部に懸垂支持されている。
【0009】図1のbがバウンシング振動抑制装置で,
同バウンシング振動抑制装置bは、ばね8とダンパ9と
ブレード(作業機)2とを有し、同ブレード(作業機)
2がばね8とダンパ9とにより前輪3と後輪4との間の
車体1に昇降可能に支持されている。図2は、振動系の
モデル図である。また図3は、ダンパ6,9の油圧回路
図である。図3において、15がシリンダ(ピツチング
振動抑制装置aのダンパ6)、12が右側のブレードリ
フトシリンダ(バウンシング振動抑制装置bのダンパ
9)、13が左側のブレードリフトシリンダ(バウンシ
ング振動抑制装置bのダンパ9)、17aがピツチング
振動抑制装置aのアキユムレータ、17b、17cがバ
ウンシング振動抑制装置bのアキユムレータ、16aが
アキユムレータ17aとシリンダ15との間の油圧回路
に介装した電磁切換弁、16bがアキユムレータ17b
と右側のブレードリフトシリンダ12との間の油圧回路
に介装した電磁切換弁、16cがアキユムレータ17c
と左側のブレードリフトシリンダ13との間の油圧回路
に介装した電磁切換弁である。
【0010】10がポンプと右側のブレードリフトシリ
ンダ12との間の油圧回路に介装した操作弁、11がポ
ンプと左側のブレードリフトシリンダ13との間の油圧
回路に介装した操作弁、18がポンプとシリンダ6との
間の油圧回路に介装した操作弁である。21aがアキユ
ムレータ17aと電磁切換弁16aとの間の油圧回路に
介装した流量調整弁、21bがアキユムレータ17bと
電磁切換弁16bとの間の油圧回路に介装した流量調整
弁、21cがアキユムレータ17cと電磁切換弁16c
との間の油圧回路に介装した流量調整弁である。
【0011】19が電磁切換弁16b、16cを操作す
る切換スイツチ、20が電磁切換弁16aを操作する切
換スイツチである。次に前記図1、2、3に示すモータ
グレーダの振動抑制装置の作用を具体的に説明する。フ
ロントウエイト7をばね5とともに懸垂支持しているシ
リンダ15(ダンパ6)は、操作弁18により操作され
る。このシリンダ15のロツド側(ボトム側)は、電磁
切換弁16aを介してアキユムレータ17aに連結され
ている。この電磁切換弁16aは、切換スイツチ20が
OFFのとき、ブロツクされた状態になっており、高速
の車両回送時と作業時、フロントウエイト7をピツチン
グ振動抑制装置として作用させるときには、切換スイツ
チ20を入れて、電磁切換弁16aを切り換え、アキユ
ムレータ17aとシリンダ15とを連通させて、アキユ
ムレータ17aの緩衝作用(ばね定数に相当)と、アキ
ユムレータ17aの手前に設けた流量調整弁21aの減
衰作用(減衰係数に相当)とにより、車体1の振動を抑
制する。
【0012】なおアキユムレータ17a及び流量調整弁
21aは、制振の最適値を得られるように予め調整され
ている。一方、ブレード(作業機)2をばね8とともに
懸垂支持しているブレードリフトシリンダ12、13
は、操作弁10、11により操作される。このブレード
リフトシリンダ12、13のロツド側(ボトム側)は、
電磁切換弁16b、16cを介してアキユムレータ17
b、17cに連結されている。これらの電磁切換弁16
b、16cは、切換スイツチ19がOFFのとき、ブロ
ツクされた状態になっており、車両の低速回送時、ブレ
ード(作業機)2をバウンシング振動抑制装置として作
用させるときには、切換スイツチ19を入れて、電磁切
換弁16b、16cを切り換え、アキユムレータ17
b、17cとブレードリフトシリンダ12、13とを連
通させて、アキユムレータ17b、17cの緩衝作用
(ばね定数に相当)と、アキユムレータ17b、17c
の手前に設けた流量調整弁21b、21cの減衰作用
(減衰係数に相当)とにより、車体1の振動を抑制す
る。
【0013】なおアキユムレータ17b、17c及び流
量調整弁21b、21cは、制振の最適値を得られるよ
うに予め調整されている。上記作用を図2の振動系のモ
デル図によりさらに具体的に説明する。モータグレーダ
は、サスペンシヨンがないので、車体1を主振動系、前
輪3及び後輪4を車体1支持のばね系と考える。またフ
ロントウエイト7をばね5とダンパ6とにより車体1に
振動可能に支持し、ブレード(作業機)2をばね8とダ
ンパ9とにより車体1に振動可能に支持しており、これ
らを主振動系に対する副振動系と考える。これをモデル
化したのが図2である。
【0014】図2において、Mが車体1の質量で主振動
系、K、K’が前後輪のばね定数、C、C’が前後輪の
減衰係数である。またm1 が副振動系(フロントウエイ
ト)の質量、m2 が副振動系(ブレード)の質量で副振
動系、K1 、K2 が副振動系(フロントウエイト)及び
副振動系(ブレード)のばね定数、C1 、C2 が副振動
系(フロントウエイト)及び副振動系(ブレード)の減
衰係数である。
【0015】この振動モデルを振動解析し、車両に最適
な値を設定することにより、車両回送時の共振(ピツチ
ング、バウンシング)、作業時の振動(ピツチング)を
抑制する。フロントウエイト7を有するピツチング振動
抑制装置aは、車体1の前部に位置するため、ピツチン
グ振動に特に効果が大きく、バウンシング振動には抑制
効果が小さい。一方、ブレード(作業機)2を有するバ
ウンシング振動抑制装置bは、車体1の略中央に位置す
るため、バウンシング振動に特に効果が大きく、ピツチ
ング振動には抑制効果が小さい。
【0016】作業時には、ブレード(作業機)2を有す
るバウンシング振動抑制装置bを使用できない。その場
合には、スイツチ20を入れて、フロントウエイト7を
有するピツチング振動抑制装置aを作用させる。また作
業が終われば、スイツチ20を切り、フロントウエイト
7を車体1に固定して、フロントウエイト7を有するピ
ツチング振動抑制装置aを作用させないようにする。
【0017】また低速の車両回送時には、スイツチ19
を入れ、ブレード(作業機)2を車体1に固定して、バ
ウンシング振動抑制装置bを作用させないようにする。
なおピツチング及びバウンシングの振動モードは車速に
より決まっているので、車速を電気的に検出して、スイ
ツチ19、20を自動的にスイツチングしてもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明のモータグレーダの振動抑制装置
は前記のように低速の車両回送時には、バウンシング振
動抑制装置の電磁切換弁を開き、同バウンシング振動抑
制装置のアキユムレータとダンパとを連通させて、同ア
キユムレータの緩衝作用により車体振動を抑制する。ま
た高速の車両回送時及び作業時には、ピツチング振動抑
制装置の電磁切換弁を開き、同ピツチング振動抑制装置
のアキユムレータとダンパとを連通させて、同アキユム
レータの緩衝作用により車体振動を抑制するので、異な
る振動モードに対応して車体振動を抑制できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータグレーダの振動抑制装置の一実
施例を示すモデル図である。
【図2】同振動抑制装置の振動系を示すモデル図であ
る。
【図3】同振動抑制装置のピツチング振動抑制装置及び
バウンシング振動抑制装置の流体圧回路図である。
【図4】従来のモータグレーダのリフトシリンダの流体
圧回路図である。
【図5】モータグレーダ回送時における回送車速と振動
レベルとの関係を示す説明図である。
【図6】モータグレーダ作業時における作業車速と振動
レベルとの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車体 2 作業機(ブレード) 3 前輪 4 後輪 5(15) ピツチング振動抑制装置のばね 6 〃 のダンパ 7 〃 のフロント
ウエイト 16a 〃 の電磁切換
弁 17a 〃 のアキユム
レータ 8 バウンシング振動抑制装置のばね 9(12、13) 〃 のダンパ 16b、16c 〃 の電磁切
換弁 17b、17c 〃 のアキユ
ムレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 孝一 福島県郡山市安積町荒井字丈部内28番1 号 建設省 東北地方建設局 郡山国道 工事事務所内 (72)発明者 須田 正浩 宮城県多賀城市桜木三丁目6番1号 建 設省 東北地方建設局 東北技術事務所 内 (72)発明者 水沼 渉 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重 工業株式会社 相模原製作所内 (72)発明者 多田 卓哉 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重 工業株式会社 相模原製作所内 審査官 安藤 勝治 (56)参考文献 実開 平2−132754(JP,U) 実開 平3−51251(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サスペンシヨンを持たないモータグレー
    ダにおいて、ピツチング振動領域で作動するピツチング
    振動抑制装置と、バウンシング領域で作動するバウンシ
    ング振動抑制装置とを有し、上記ピツチング振動抑制装
    置を、フロントウエイトと、同フローントウエイトを車
    体の前部に懸垂支持するばね及びダンパと、同ダンパと
    アキユムレータとの間の流体圧回路に介装した電磁切換
    弁とにより構成し、上記バウンシング振動抑制装置を、
    作業機と、同作業機を前輪と後輪との間の車体に懸垂支
    持するばね及びダンパと、同ダンパとアキユムレータと
    の間の流体圧回路に介装した電磁切換弁とにより構成し
    たことを特徴とするモータグレーダの振動抑制装置。
JP14583892A 1992-06-05 1992-06-05 モ―タグレ―ダの振動抑制装置 Expired - Lifetime JP2511226B2 (ja)

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