JP2510465Y2 - 組合せ合体構造のコネクタハウジング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、ワイヤハーネス等に使用するコネクタハウ
ジングに関するものである。

「従来の技術」 コネクタハウジングには、挿着した端子の抜けを防止
する端子係止機構が設けられており、それを類別すると
下記の二様のものがある。

即ち、その一つは、コネクタハウジングにヒンジを介
して連設した係止片を設け、その係止片を端子の係止部
に係合させて端子の後退を防止する係止片構造のもの
と、他の一つは別体のスペーサをコネクタハウジングの
後方から挿着して端子の後退を防止するスペーサ構造の
ものがある。

一方、自動車用ワイヤハーネスは電装品の増加に伴っ
て回路数が増加し、近年は数百回路に及ぶものがあり、
この膨大な回路を満す電線群を所要形態に布線してコネ
クタを接続するワイヤハーネスの組立て成形作業は、品
質と作業能率の点から困難性が高いため、単一のワイヤ
ハーネスを数個にグループ分けした分割ワイヤハーネス
群を組立て成形し、しかるのち、その個々の分割ワイヤ
ハーネスから引き出されているグループ間接続電線の端
子を収容したハーフタイフコネクタハウジングと、対と
なる分割ワイヤハーネスのハーフタイプコネクタハウジ
ングとを合体して単一のコネクタハウジングとなし、分
割ワイヤハーネス群を相互連結して集成し、所要回路数
の単一のワイヤハーネスになす組合せ合体構造のコネク
タハウジングが使用されている。

「考案が解決しようとする課題」 以上の従来手段の端子係止機構のうち、前者の係止片
構造のものは、端子挿入後に係止片を操作して端子に係
合させる作業が必要になると共に、薄肉弱質のヒンジ部
が取扱い中に損傷・折損する危険があり、後者のスペー
サ構造のものは、別体のスペーサを準備してコネクタハ
ウジングに後入れ装着する作業が必要になり、いずれも
高能率作業が要求される自動車用ワイヤハーネスのコネ
クタとして適正に欠ける不具合がある。

また、前記の組合せ合体構造のコネクタハウジング
は、前記の端子係止機構と同様に、高能率作業が不可欠
条件となるので、一段と作業性を向上するものが求めら
れている。

本考案は、以上の従来技術の不具合を解消し、かつ、
当該分野の技術要求に応えるコネクタハウジングを提供
するものである。

「課題を解決するための手段」 以上の技術課題を解決する本考案のコネクタハウジン
グは 端子収容室を横一列に有し、端子収容室の前後方向を
揃えて複数段に組合せ合体するハウジング素体群からな
る組合せ合体構造のコネクタハウジングにおいて、前記
合体姿勢の上側の前記ハウジング素体に、収容した端子
の係止部の後方に位置する係止口を設けると共に、前記
合体姿勢の下側の前記ハウジング素体に、前記係止口を
貫通して前記係止部に係合する係止突起を隆設し、組合
せ合体と同時に、前記係止突起が前記上側ハウジング素
体の端子係止機構を構成する組合せ合体構造」になって
いる。

そして、その構成の態様として、ハウジング素体群の
組合せ合体姿勢に覆着係止するケース体を設けたり、同
形同大のハウジング素体の組合せにすることがある。

「作用」 以上の構成の組合せ合体構造の本考案のコネクタハウ
ジングは、例えば下段のハウジング素体に突設した係止
突起を、上段のハウジング素体内の端子の係止部の後方
に係合させる上下隣接相互連携の端子係止機構を有し、
さらに、その係止突起はハウジング周壁の隆設物のた
め、構造的に堅牢なものに形成し得るので、端子抜け防
止の端子係止機構として、特段の高係止力作用がある。

そして、その係止突起はハウジング素体群の組合せ合
体の位置決め突起として機能すると共に、その組合せ合
体と同時に、上側ハウジングの端子係止機構が自動的に
有効に機能するので、端子係止のためのスペーサ挿着
や、端子が係止されたかどうかの確認が無用になり、端
子係止機構の構造が簡素化されると共に、端子係止のた
めの操作が一段と簡便化し、組合せ合体コネクタハウジ
ングの合体組合せと端子係止を含む一連のプロセスが簡
素化できる。

「実施例」 以下、実施例に基づいて詳しく説明する。まず、一実
施例の圧接端子１を収容するワイヤハーネス用コネクタ
ハウジング２を示す第１図を参照して、このコネクタハ
ウジング２は同形同大二個のハウジング素体３の二段積
み構成になっており、ハウジング素体３は端子収容室４
を横一列配列並設した平形をなし、個々の端子収容室４
の底になるハウジング周壁９には、周壁９を貫設した係
止口６が形成されており、この係止口６は正常姿勢に装
着した圧接端子１の底板５の中間部分に側方突設した板
状係止部８の後方に位置している。

そして、この係止口６の近傍にはハウジング周壁９に
突設した角柱状の係止突起10が一体に隆設されており、
一対のハウジング素体３を端子収容室４の前後方向と前
後端を揃えて、背合せ状に組合せると、下側のハウジン
グ素体３″の係止突起10が上側のハウジング素体３′の
係止口６を貫通して端子収容室４に入り、その端子収容
室４の圧接端子１の係止部８の後方に突設して端子を本
格係止する端子係止機構を構成している。

そして、以上の一対のハウジング素体３が背合せ状に
組合せた合体物を密に覆着収納する有底覆体のケース体
12が設けられており、このカバー体12の覆着によって組
合せ合体姿勢を固定し、単一のコネクタハウジングとし
て機能する構造になっている。

なお、端子収容室４内の圧接端子１は、端子側の金属
ランス13を収容室４側の係止溝14に嵌着して挿入姿勢が
一次係止される。また、ケース体12の底には相手側端子
の挿入孔15が設けてある。

つぎに、第２・３図を参照して他の実施例を説明す
る。この第２・３図示のものは、第１図実施例と同一の
係止突起10と係止口６を有するハウジング素体３の組合
せからなるコネクタハウジングにおいて、第２図示のも
のは、同形同大の一対のハウジング素体３が上下前後方
向を揃えた平行姿勢で二段に組合せられており、これに
覆着するカバー体12は、底面を開放した二方枠囲いの形
状を有し、上段のハウジング素体３の係止口６′に挿入
する係止突起10′が上面内側に設けられ、上段のハウジ
ング素体３用の係止突起10を補充している。

また、第３図示のものは第１図実施例と同一のハウジ
ング素体３において、係止突起10の上端に係止爪16を付
設し、この係止爪16を相手側ハウジング素体の係止口６
の縁部にかみ合せ、組合せ結合姿勢の安定を図る構造に
なっている。この、第３図示実施例のものは、係止爪16
が、上下組合せ合体したハウジング素体の姿勢を係止す
るので、前記のカバー体12が不要になる。

「考案の効果」 以上の説明のとおり、本考案のコネクタハウジング
は、ハウジング素体群を組合せ合体して単一のコネクタ
ハウジングとなす合体コネクタハウジングの端子係止性
能を向上すると共に、その組合せ合体によって端子係止
機能が自動的に確保される優れた組合せ性能を有するの
で、コネクタハウジングの合体作業性が良く、当該分野
の技術ニーズに応える効果がある。

さらに、前記実施態様の同形同大ハウジング素体の組
合せによると、ハウジング素体の統一化による量産効果
と管理の簡素化を図る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案一実施例のコネクタハウジングを示し、
（Ａ）はその斜視図、（Ｂ）はそのハウジング素体を示
す斜視図、第２・３図：本考案の他の実施例のコネクタ
ハウジングの斜視図 主な符号、1:圧接端子、2:コネクタハウジング、3:ハウ
ジング素体、4:端子収容室、6:係止孔、8:係止部、9:ハ
ウジング周壁、10:係止突起、12:カバー体

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】端子収容室を横一列に有し、端子収容室の
   前後方向を揃えて複数段に組合せ合体するハウジング素
   体群からなる組合せ合体構造のコネクタハウジングにお
   いて、前記合体姿勢の上側の前記ハウジング素体に、収
   容した端子の係止部の後方に位置する係止口を設けると
   共に、前記合体姿勢の下側の前記ハウジング素体に、前
   記係止口を貫通して前記係止部に係合する係止突起を隆
   設し、組合せ合体と同時に、前記係止突起が前記上側ハ
   ウジング素体の端子係止機構を構成する組合せ合体構造
   のコネクタハウジング。
2. 【請求項２】ハウジング素体群の組合せ合体姿勢に覆着
   係止するケース体を設けた実用新案登録請求の範囲第
   （１）項記載の組合せ合体構造のコネクタハウジング。
3. 【請求項３】同形同大のハウジング素体群からなる実用
   新案登録請求の範囲第（１）項または第（２）項記載の
   組合せ合体構造のコネクタハウジング。