JP2510047Y2 - 壁パネルの側端固定金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は壁パネルの側端固定金具
に係り、特にセメント押出板などの押出成形板の表面に
タイルを貼着してなる壁パネルの側端に装着され、壁パ
ネルを防水パンに固定させる用途に好適に用いられるジ
ョイント金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】ユニットバスルーム等のユニットルーム
の構築に用いられる壁パネルとして、第７図に示す如
く、セメントや珪酸カルシウムなどの押出板１の表面に
タイル２を貼着した壁パネル７の利用が検討されてい
る。このような押出板１は、例えば窓孔あけ等の現場加
工がきわめて容易であるという利点を有する。なお、３
はタイル２を接着するための接着剤層、４はタイル目地
である。また、５はタイル裏面に上下方向に設けられた
アリ状の溝であり、押出板１の軽量化のためのものであ
る。６は、押出板１の側端面に上下方向に延設された溝
であり、壁パネル２を防水パンに係止するための金具が
挿入される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記の如きタイル張り
押出板よりなる壁パネル７を建て込んでユニットルーム
を構築する場合、壁パネルの一部として、ＦＲＰなどよ
りなる棚を配置することがある。この場合、上記の壁パ
ネルの一方の側辺部分は、他の壁パネルに接続されない
自由端となるため、ぐらつき易い。

【０００４】本考案は、かかる壁パネルの自由端側を防
水パンに強固に固定できる金具を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】壁パネルの背面に沿設さ
れる平板状の主板部と、該主板部の一方の側辺部から起
立されており、壁パネル背面の溝に係入される側板部
と、該主板部の他方の側辺部から該側板部と同方向に起
立されており、壁パネルの側端に当接される端板部と、
該端板部から該側板部に向って起立されており、壁パネ
ルの側端面の溝に挿入される挿入片と、前記主板部に設
けられた、該固定金具を防水パンに係止するためのフッ
ク部と、を備えてなるものである。

【０００６】

【作用】本考案の壁パネルの側端固定金具は、第７図の
如き壁パネルが建て込まれた際に、壁パネルの側端を防
水パンに固定する用途に用いられる。この固定金具の主
板部は、壁パネルの背面のうち側辺部の近傍に沿うよう
に配置される。そして、この固定金具の側板部は、壁パ
ネルの背面の溝に挿入される。また、この固定金具の端
板部は、壁パネルの側端に当接され、端板部から起立す
る挿入片が、壁パネルの側端の溝に挿入される。

【０００７】上記の如く、側板部と端板部とで壁パネル
の側端部を挟み付けると共に、壁パネルの側端の溝に挿
入片が挿入されることにより、該固定金具が壁パネルに
しっかりと保持される。

【０００８】この壁パネルの側端固定金具の主板部に設
けられたフック部が防水パンの上縁に係止されることに
より、この固定金具を介して、壁パネルを防水パンの縁
部に固定させることができる。

【０００９】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は本考案の実施例に係る固定金具の斜視図、
第２図はその使用方法を示す斜視図、第３図は同使用状
態を示す第４図の−線に沿う水平断面図、第４図は
第３図の−線に沿う縦断面図である。

【００１０】第１図に示す固定金具１０は、壁パネル７
の背面に沿うように配設される平板状の主板部１２と、
該主板部１２の対向する側辺部からそれぞれ同方向に起
立されている側板部１４及び端板部１６等を備えてい
る。この端板部１６の先端には、壁パネル７の側端面の
溝６に挿入される挿入片１８が切り起こされている。ま
た、前記側板部１４には、端板部１６に接近する方向に
爪部２０が設けられている。この爪部２０は、正面から
見た形状が直角三角形のくさび状のものとなっている。
なお、本実施例では前記主板部１２にフック部２２が設
けられている。２３は壁パネルが載置されるスペーサ片
である。

【００１１】このように構成された固定金具１０は、ユ
ニットルームを囲むように建て込まれた壁パネル７の端
面にＦＲＰ製の棚３０を固定する場合に用いられる。な
お、本実施例においては、壁パネル７の溝６の内面には
コ字形断面形状のランナ８が装着されている。

【００１２】このジョイント金具１０は、第４図の如
く、予め防水パン２４の上縁部２６にフック部２２を引
っ掛けるようにして装着されて使用される。なお、第４
図の２８は壁パネル載置部を示す。

【００１３】第４図の如く防水パン２４に装着されたジ
ョイント金具１０に対し、上方から壁パネル７を嵌合さ
せる。この際、主板部１２が壁パネル７の背面のうち側
辺部近傍に沿うように配置される。端板部１６は、壁パ
ネル７の側端に当接され、挿入片１８が壁パネル７の側
端の溝６に挿入される。また、側板部１４は壁パネル７
の側辺の近傍の溝５に挿入される。前記した通り、爪部
２０は上向きに尖るくさび形状であるため、壁パネル７
をジョイント金具１０に嵌合させるように徐々に下に降
ろしていくと、壁パネル７の側部７Ａが側板部１４と端
板部１６とで弾性的に挟持される。

【００１４】ところで、壁パネル７の側端面の溝６に前
記挿入片１８が挿入される。この挿入片１８に対し、溝
６の内面のうち壁パネル７の背後側を指向する面６Ａが
当接され、これにより壁パネル７の面出入りが正確に揃
うようになる。なお、３０はこの壁パネル７に隣接され
たＦＲＰ製の棚であり、ユニットルームの室内側から壁
パネル７の側方部分に押し込まれている。この棚３０の
後退片３０ａから端板部１６を通して壁パネル７へビス
を打っても良い。

【００１５】なお、壁パネル７と棚３０間隙にはコーキ
ングを施す。

【００１６】上記実施例は本考案の一例であって、本考
案は図示以外の構成としても良い。例えば、上記実施例
ではスペーサ部１６の先端の挿入片１８が上向き板状の
ものとされているが、本考案では第５図の如く２片の挿
入片１８ａ、１８ｂを設けても良い。また、第６図の如
く、側板部１４を主板部１２から鋭角的に折り立てても
良い。この場合、爪部２０を省略しても良い。

【００１７】

【効果】以上の通り、本考案の壁パネルの側端固定金具
によると、セメント押出板などの押出板の前面にタイル
を貼着した壁パネルの自由端となる側端部を防水パンに
強固に連結することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係るジョイント金具の斜視図である。

【図２】実施例に係るジョイント金具の使用例を示す分
解斜視図である。

【図３】実施例に係るジョイント金具の使用例を示す水
平断面図である。

【図４】実施例に係るジョイント金具の使用例を示す縦
断面図である。

【図５】別の実施例を示す斜視図である。

【図６】さらに別の実施例を示す斜視図である。

【図７】壁パネルの斜視図である。

【符号の説明】

１ 押出板 ２ タイル ４ 目地 ５ 壁パネル背面の溝 ６ 壁パネル側端面の溝 ７ 壁パネル １０、１０Ａ、１０Ｂ 固定金具 １２ 主板部 １４ 側板部 １６ 端板部 １８ 挿入片 ２０ 爪部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岩井 克巳 愛知県常滑市鯉江本町３丁目６番地 株 式会社イナックス内 (72)考案者 高田 利博 愛知県常滑市鯉江本町３丁目６番地 株 式会社イナックス内 (72)考案者 西田 純康 愛知県常滑市鯉江本町３丁目６番地 株 式会社イナックス内 (56)参考文献 実公 平１−22043（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭52−37167（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁パネルの背面に沿設される平板状の主
   板部と、該主板部の一方の側辺部から起立されており、
   壁パネル背面の溝に係入される側板部と、該主板部の他
   方の側辺部から該側板部と同方向に起立されており、壁
   パネルの側端に当接される端板部と、該端板部から該側
   板部に向って起立されており、壁パネルの側端面の溝に
   挿入される挿入片と、前記主板部に設けられた、該固定
   金具を防水パンに係止するためのフック部と、を備えて
   なる壁パネルの側端固定金具。