JP2509088B2 - 被覆組成物 - Google Patents

被覆組成物

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JP2509088B2
JP2509088B2 JP61038030A JP3803086A JP2509088B2 JP 2509088 B2 JP2509088 B2 JP 2509088B2 JP 61038030 A JP61038030 A JP 61038030A JP 3803086 A JP3803086 A JP 3803086A JP 2509088 B2 JP2509088 B2 JP 2509088B2
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polymer
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fluorine
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俊一 中島
栗山  智
徹也 小山
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は含弗素ビニル系の被覆組成物に関する。
[従来の技術] 耐候性,撥水撥油性等の優れた性能を発揮するものと
して含弗素系塗料があり,特に溶剤型で且つ硬化型塗料
としては,アルキルビニルエーテルとフルオロオレフィ
ンとの共重体が知られている(特開昭55−25411号公
報)。しかしこのものはフルオロオレフィンの含有量が
多いために高価格となり,用途が限定されている。
これに対抗して低価格で弗素の性質を出そうとしたも
のに,塗料に含弗素系添加剤を加えるものがあり,その
主成分として含弗素系グラフトブロックポリマー(オリ
ゴマー)が用いられる(特開昭58−164656号公報)。
これは主体となる樹脂に1%程度の添加量で塗膜界面
に弗素の性質をもたせようとするものであり,塗膜の乾
燥中に含弗素グラフトブロックポリマー(オリゴマー)
が表面に移行し濃縮して,表面の耐候性,撥水撥油性,
耐薬品性等の性質を改善する。しかし,グラフトブロッ
クポリマー(オリゴマー)の合成法が複雑で面倒であ
る。耐洗浄性が不十分である等の問題点があって満足さ
れていない。
[発明が解決しようとする問題点] 少量添加で塗膜表面に弗素の効果を発現し,且つ耐洗
浄性の良いものを簡単に得るべく検討した結果,本発明
に到達した。
[問題を解決するための手段] 本発明は:重合体(I):少なくとも片末端に、一般
(式中、Sはイオウ原子であり、R1は2価の有機基で
あり、R2は水素または炭素数1〜4を有するアルキル基
であり、R3は炭素数1〜4を有するアルキル基であり、
aは1〜3の整数である。)で示される加水分解性シリ
ル基(c−1)を有するビニル重合体であって、 該重合体は、主鎖がパーフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル、パーフルオロアルキル基含有
ビニルエーテル、パーフルオロアルキル基含有アリルエ
ーテル、パーフルオロアルキル基含有ビニルスルホン酸
およびパーフルオロアルキル基含有マレイン酸エステル
から選ばれる含弗素ビニル系単量体単位(a−1)とそ
の他のビニル系単量体単位(b−1)とで構成され、 該単位(a−1)と(b−1)の重量比が1:0〜1:10
である末端シリル基型ビニル重合体、 および/または 重合体(II):パーフルオロアルキル基含有(メタ)
アクリル酸エステル、パーフルオロアルキル基含有ビニ
ルエーテル、パーフルオロアルキル基含有アリルエーテ
ル、パーフルオロアルキル基含有ビニルスルホン酸およ
びパーフルオロアルキル基含有マレイン酸エステルから
選ばれる含弗素ビニル系単量体単位 (a−2)10〜90重量%、加水分解性シリル基を含有
する単量体単位 (c−2)1〜90重量%およびその他のビニル系単量
体単位(b−2)0〜89重量%から構成される側鎖シリ
ル基型ビニル重合体 から選ばれる加水分解性シリル基を有する含弗素ビニ
ル重合体〔A〕を含有することを特徴とする被覆組成物
である。
本発明における重合体(I)を構成する含弗素ビニル
系単量体(a−1)単位となるモノマーとしては、 C7F15CH2OCO−CH=CH2, C8F17SO2N(Pr)CH2CH2OCO−CH=CH2, C8F17SO2N(Me)CH2CH2OCO−C(Me)=CH2C7F15CON(Et)CH2CH2OCO−C(Me)=CH2, CF3(CF2)9CH2CH2OCO−CH=CH2, C8F17(CH2)11OCO−C(Me)=CH2C8F17SO2N(CH2CH2OCO-CH=CH2)2, C8F17SO2N(Me)(CH2)10OCO−CH=CH2, C8F17SO2N(Et)CH2CH2OCO−CH=CH−COOEt, C6F13SO2N(Me)CH2CH2OCOCH=CH2, CF3(CF2)2CH2OCO−C(Me)=CH2, CF3(CF2)4CH2CH2OCO−C(Me)=CH2, HCF2(CF2)7CH2OCO−C(Me)=CH2 などのパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル
酸エステル;例えば C7CF15CH2O−CH=CH2,C7F15CH2O−CH2CH=CH2など
の上記と同様のパーフルオロアルキル基を有するビニル
エーテルまたはアリルエーテル;例えばC8F17(CH2)11
OCO−CH=CH−COOMe, C8F17(CH2)11−OCO−CH=CH−COOCH2C7F15などの上記
(メタ)アクリル酸エステルの場合と同様のパーフルオ
ロアルキル基を持つマレイン酸モノあるいはジエステ
ル;例えば C8F17SO2NHCH2CH2SO2CH=CH2などの上記パーフルオロ
アルキル基を有するビニルスルホン酸が挙げられる。上
記および以下において、Me、Et、Prはそれぞれメチル、
エチル、プロピル基を示す。
これらのうちで好ましいのは炭素数3〜21のパーフル
オロアルキル基を含む(メタ)アクリル酸エステルであ
る。
その他のビニル系単量体(b−1)単位となるモノマ
ーとしては, (イ)アクリル酸,メタクリル酸およびこれらの誘導
体: アクリロニトリル,メタアクリロニトリル,アクリル
酸,メタアクリル酸およびそれらの塩,アクリル酸メチ
ル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸n−ブチル,ジ
メチルアミノエチルメタクリレート,アクリル酸アミ
ド,メタアクリル酸アミドなど,好ましくはメタクリル
酸メチル,メタクリル酸n−ブチルおよびアクリロニト
リル, (ロ)芳香族ビニル単量体:スチレン,α−メチルスチ
レンなど, (ハ)オレフィン系炭化水素単量体:エチレン,プロピ
レン,ブタジエン,イソブチレン,イソプレン,1.4-ペ
ンタジエンなど, (ニ)ビニルエステル単量体:酢酸ビニルなど, (ホ)ビニルハライド単量体:塩化ビニル,塩化ビニリ
デンなど, (ヘ)ビニルエーテル単量体:ビニルメチルエーテルな
ど, (ト)水酸基含有単量体:ヒドロキシアルキル(アルキ
ル基の炭素数2〜10) (メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒロドキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなど]、アリ
ルアルコール、多価アルコールのモノアリルエーテルな
どがあげられる。
これらのうちで好ましいのは,(メタ)アクリル酸の
誘導体,芳香族ビニル単量体であり,特に好ましいの
は,メタクリル酸メチル,メタクリル酸n−ブチル,ス
チレンである。
(a−1)と(b−1)との構成比は通常重量比で1:
0〜1:10であり,好ましくは1:0.5〜1:5である。重量比
が1:10以上になると重合体の弗素の効果がほとんど発現
しなくなる。
一般式(1)の加水分解性シリル基(c−1)は一般
式: (式中R1は2価の有機基,R2は水素または炭素数1〜
4を有するアルキル基,R3は炭素数1〜4を有するアル
キル基,aは1〜3の整数である。)で示されるシリルメ
ルカプタン化合物のHを除く残基であり、このシリルメ
ルカプタン化合物と(a−1)と(b−1)との共重合
体との反応で生成する。
一般式(2)のシリルメルカプタンの例としては, HSCH2CH2CH2Si(OMe)3,HSCH2CH2CH2Si(OEt)3HSCH2CH2CH2OCONH−CH2CH2CH2Si(OEt)3 などが挙げられる。好ましいのはHSCH2CH2CH2Si(OMe)
3およびHSCH2CH2CH2Si(OEt)3である。
重合体(I)における(c−1)の含有量は[((a
−1)+(b−1)]に対し通常1〜20重量%であり,
好ましくは2〜10重量%である。
重合体(I)の製造は,(a−1)と(b−1)の共
重合を前記シリルメルカプタン化合物の存在下で行えば
よく,熱重合,光重合または放射線重合などのラジカル
重合に従って塊状または溶液重合させることにより製造
できる。好ましい重合方法は,有機溶剤中ラジカル開始
剤を使用したラジカル重合法(溶液重合法)である。溶
液重合の場合,使用される有機溶剤としては芳香族炭化
水素(トルエン,キシレン,エチルベンゼンなど),脂
肪族炭化水素(ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサンな
ど)、脂肪族エステル(酢酸エチル,酢酸n−ブチルな
ど),脂肪族ケトン(アセトン,メチルエチルケトン,
メチルイソブチルケトン,ジブチルケトン,シクロヘキ
サノンなど),脂肪族エーテル(ジオキサン,テトラヒ
ドロフランなど),ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素,
二塩化エチレンなど)およびこれらの二種以上の混合物
があげられる。好ましいのはトルエン,キシレン,メチ
ルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,酢酸エチ
ル,酢酸n−ブチルおよび二塩化エチレンの単独または
これらの二種以上の混合物である。有機溶剤の単量体
(a−1)と(b−1)および前記シリルメルカプタン
化合物の総重量に対する割合は任意に選択できるが,通
常0.2:1〜20:1,好ましくは0.5:1〜5:1である。
ラジカル重合反応を行う場合,使用されるラジカル開
始剤としてはアゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリ
ル,アゾビスイソバレロニトリルなど),過酸化物(ベ
ンゾイルパーオキサイド,ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド,クメンハイドロパーオキサイド,ジクミルパーオキ
サイドなど),レドックス系化合物(ベンゾイルパーオ
キサイド,N,N−ジメチルアニリンなど)があげられる。
好ましいのはアゾ系化合物である。触媒の添加量は、単
量体(a−1)と(b−1)および前記シリルメルカプ
タン化合物の固形分重量に対し,通常0.001〜20%,好
ましくは0.1〜10%である。
ラジカル重合反応の温度は通常50〜150℃,好ましく
は70〜130℃である。溶液重合で行う場合,ラジカル重
合反応により生成した樹脂は有機溶剤中,溶液状態ある
いは溶剤から沈澱した状態で得られる。この樹脂は必要
により蒸発による溶剤の除去,濾過,洗浄,乾燥などの
方法により樹脂を単離することができる。
ラジカル重合において前記シリルメルカプタン化合物
は連鎖移動剤として働き重合反応を停止させると同時
に,片末端に加水分解性シリル基としで導入され重合体
(I)が生成する。またこのとき加水分解性シリル基
(c−1)が入らない含弗素ビニル重合体も生成する
が,これは本発明のビニル重合体(I)ではないが,重
合体(I)中に含まれていてもかまわない。
重合体(I)の分子量は,通常500〜10,000,好ましく
は800〜5,000である。
重合体(I)は、少なくとも片末端に加水分解性シリ
ル基を有するので,大気中に暴露されると常温でシロキ
サン結合を生成し硬化する。硬化速度は大気温度,相対
湿度および加水分解性基の種類により変化する。具体的
には温度・湿度が高くなる程硬化速度が上昇し,又加水
分解性基の多い程またアルコキシ基の場合炭素数が少な
い程硬化速度が上昇する。片末端に一つの加水分解性シ
リル基しか有さないものは,通常の分子内に2コ以上の
加水分解性シリル基を有するビニル重合体に比較して硬
化速度は小さい。
本発明において,重合体(II)の含弗素ビニル系単量
体(a−2)としては,(a−1)として記載したもの
と同様のものがあげられる。重合体(II)の加水分解性
シリル基を含有する単量体単位(c−2)としては,一
般式 (式中R′1は2価の有機基または直接結合,R′2は水
素または炭素数1〜4を有するアルキル基,R′3は炭素
数1〜4を有するアルキル基である。)で示される加水
分解性シリル基を有するビニル単量体単位があげられ
る。
一般式(1′)で示される加水分解性シリル基を含有
する重合性単量体としては,ビニルシラン,たとえばビ
ニルメチルジメトキシシラン,ビニルトリメトキシシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シランおよび(メタ)アクリロキシア
ルキルシランたとえばγ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン,γ−アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン, などがあげられる。
重合体(II)のその他のビニル単量体(b−2)とし
ては、(b−1)と同様のものが挙げられる。
重合体(II)において,(a−2),(b−2)およ
び(c−2)の量は,重合体(II)の重量に基づいて、
(a−2)は通常10〜90%、好ましくは20〜70%、(b
−2)は通常1〜90%、好ましくは5〜50%、(c−
2)は通常0〜89%、好ましくは10〜50%である。(a
−2)が10%未満では重合体の弗素の効果がほとんど発
現しなくなる。90%を越えると相溶すべき樹脂との相溶
性が不良になる。
(c−2)が1%未満では弗素の効果の耐久性が不良
になる。90%を越えると弗素の効果が発現しなくなる。
89%を越えると弗素の効果および耐久性が不良となる。
(a−2)と[(b−2)+(c−2)]が0.1未満
であると重合体の硬化性が小さすぎるし,10を越えると
重合体の弗素の効果がほとんど発現しなくなる。
(c−2)と(b−2)の重量比は通常1:0〜1:100,
好ましくは1:0.5〜1:50である。該重量比が100を越える
と重合体の硬化性が悪い。
(a−2)、(b−2)および(c−2)からなる重
合体は、 (1)(a−2)、(b−2)および(c−2)を共重
合する方法、または (2)(c−2)の代りにその前駆体を用いて重合させ
た後、加水分解性シリル基を導入する方法により製造す
ることができる。
(1)および(2)の方法において重合は,重合体
(I)の場合と同様の方法,条件で行うことができる。
また場合によってはn−ドデシルメルカプタン,t−ドデ
シルメルカプタン,γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシランなどの連鎖移動剤を用いることにより分子量を
調節することができる。
また一般式(1′)で示される加水分解性シリル基を
重合体作製後に導入する方法としては、次の2つの方法
、があげられる。
1つは,ヒドロシランと、二重結合を有するビニル重
合体とを、VIII族遷移金属触媒の存在下に、反応させる
方法である。
ビニル重合体の製造については,使用する単量体は
(II),(b−2)の中の水酸基を含有する単量体を除
く以外特に限定はなく,(II)の(a−2)および(b
−2)と同様でよい。またビニル重合体中心の二重結合
の導入のために,たとえば少なくとも重合性二重結合を
2個有する化合物アクリル酸アリル,メタクリル酸アリ
ル,ジアリルフタレートなどを共重合させる。この方法
における各重合性単量体の配合比は任意でよいが,好ま
しくは最初の加水分解性シリル基を含有する単量体を用
いて重合する場合と同じでよい。即ち(c−2)の代り
にアクリル酸アリルやメタクリル酸アリルを使用すれば
よい。
ヒドロシランとしては一般式 [式中、R′2,R′3,bは一般式(1′)におけるもの
と同じである。〕示される化合物があげられる。
具体的にはアルコキシシラン(メチルジメトキシシラ
ン,トリメトキシシラン,トリエトキシシランなど),
アシロキシシラン(メチルジアセトキシシラン,トリア
セトキシシランなど),メチルジアミノキシシラン,ト
リアミノキシシラン,メチルジアミノシラン,ビス(ジ
メチルケトキシメート)メチルシラン,メチルジイソプ
ロペノオキシシランなどの各種シランがあげられる。
ヒドロシランの量は,ビニル重合体中に含まれる炭素
−炭素二重結合に対し,任意量ではよいが,好ましくは
0.5〜1.5倍モル量である。
VIII族遷移金属の触媒としては,白金,ロジウム,コ
バルト,パラジウム,ニッケルなどのVIII族遷移金属の
錯体化合物が使用できる。ヒドロシリル化反応温度は通
常50〜150℃であり,反応時間は通常1〜10時間であ
る。
2つ目の方法は,水酸基を含有する単量体と,他の単
量体とを共重合させた後,イソシアネートシランと反応
させる方法である。
水酸基を含有するビニル重合体中の共重合性単量体と
しては(II)の(b−2)中の水酸基含有単量体および
その他の共重合性単量体と同じでよい。
この場合の単量体の配合比は任意でよいが好ましく
は,イソシアネートシランと反応させるべき水酸基含有
単量体が(c−2)と同じ重量比である。
過剰の水酸基含有単量体は(b−2)に含めて考えれ
ばよい。
イソシアネートシランとしては具体的にはγ−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシラン,γ−イソシアネ
ートプロピルメチルジエトキシシラン,γ−イソシアネ
ートプロピルトリメトキシシラン,γ−イソシアネート
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
ビニル重合体中の水酸基とイソシアネートシランとの
反応は,通常のウレタン化反応と同じであり,温度は通
常50〜150℃,反応時間は,通常1〜15時間程度であ
る。必要によりウレタン化反応の触媒,たとえば有機錫
化合物,アミンなどを添加して反応促進することも可能
である。
重合体(II)の分子量は特に限定されないが,樹脂と
の相溶性等より,分子量は低い方が好ましく,通常800
〜30,000,好ましくは1000〜10,000である。重合体(I
I)は,大気中に暴露されると常温で網状組織を形成し
硬化する。
本発明において、重合体(I)および/または(II)
から選ばれる該重合体[A]は,単独で用いて被膜とし
てもよいが,通常他の被膜樹脂に少量添加して用いる。
他の樹脂としては,現在塗料,コーティング剤として用
いられている種々の樹脂,たとえばラッカー系塗料,ア
クリルラッカー系塗料,熱硬化アクリル塗料,アルキッ
ド塗料,メラミン塗料,エポキシ塗料,シリコン系塗
料,本願発明の被覆組成物に属さないシリル基含有塗料
等に用いられている被膜樹脂があげられる。
本願発明の被膜組成物に属さない加水分解性シリル基
含有塗料等に用いられている被膜樹脂としては,末端あ
るいは側鎖に加水分解性シリル基を1分子中に1個以上
有し,パーフルオロアルキル基を有しない重合体[B]
が挙げられる。
この重合体[B]としては、加水分解性シリル基含有
ビニル重合体[B1],加水分解性シリル基含有ポリウレ
タン[B2]などがあげられる。
加水分解性シリル基含有ビニル重合体[B1]として
は,加水分解性シリル基を含有する単量体単位およびそ
の他のビニル単量体単位から構成される重合体があげら
れる。
加水分解性シリル基を含有する単量体単位およびその
他のビニル単量体単位は,それぞれ重合体(II)の場合
の(b−2)および(c−2)と同様のものを使用する
ことができる。重合体[B1]中の加水分解性シリル基含
有単量体の含量は,重合体の重量に基づいて通常4〜70
%,好ましくは7〜30%である。重合方法も重合体(I
I)の(a−2)を除く以外同様の方法で行うことがで
きる。分子量は組成物の保存安定性,外観等により低い
方が好ましく,通常1,000〜30,000,好ましくは3,000〜2
0,000である。
加水分解性シリル基含有ポリウレタン[B2]として
は,ポリオールとポリイソシアネートと活性水素含有シ
ランカップリング剤および/またはイソシアネート基含
有シランカップリング剤(イソシアネートシラン)から
形成されるポリウレタンがあげられる。
上記ポリウレタン製造に用いられるポリオールとして
は,高分子ポリオール[ポリエーテルポリオールたとえ
ばポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール
およびポリテトラメチレングリコール;ポリエステルポ
リオールたとえばポリカプロラクトンポリオール;ポリ
エーテルエステルポリオール;好ましいものはポリプロ
ピレングリコール,ポリテトラメチレングリコールおよ
びポリカプロラクトンポリオール,特に好ましいものは
ポリプロピレングリコールおよびポリカプロラクトンポ
リオール]および低分子ポリオール[低分子グリコール
および3官能以上の低分子ポリオール]である。
ポリオールのうち好ましいものは、高分子ポリオール
およびこれと低分子ポリオールとの併用(低分子ポリオ
ールの量は0.001〜30の重量%対高分子ポリオール)で
ある。
ポリオールの平均分子量は通常62〜4000,好ましくは2
00〜2000である。OH価は通常20〜1000,好ましくは30〜8
00である。
ポリイソシアネートとしては,炭素数(NCO基中の炭
素を除く)2〜12の脂肪族ポリイソシアネート,炭素数
4〜15の脂環式ポリイソシアネート,炭素数8〜12の芳
香脂肪族ポリイソシアネート,炭素数6〜20の芳香属ポ
リイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの
変性物(カーボジイミド基,ウレトジオン基,ウレトイ
ミン基,ウレア基,ビューレット基および/またはイソ
シアヌレート基含有変性物など)が使用できる。
このようなポリイソシアネートとしてはエチレンジイ
ソシアネート,テトラメチレンジイソシアネート,ヘキ
サメチレンジイソシアネート(HDI),ドデカメチレン
ジイソシアネート,1,6,11−ウンデカントリイソシアネ
ート,2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート,リ
ジンジイソシアネート,2,6−ジイソシアネートメチルカ
プロエート,ビス(2−イソシアネートエチル)フマレ
ート,ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネー
ト,2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネート
ヘキサノエート;イソホロンジイソシアネート(IPD
I),ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添M
DI),シクロヘキシレンジイソシアネート,メチルシク
ロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI),ビス(2
−イソシアネートエチル)4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボキシレート;キシリレンジイソシアネート、ジ
エチルベンゼンジイソシアネート;HDIの水変性物,IPDI
の三量化物など;トリレンジイソシアネート(TDI),
粗製TDI,ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),
ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI;粗製MD
I),変性MDI(カーボジイミド変性など),ナフチレン
ジイソシアネート;およびこれらの2種以上の混合物が
あげられる。
これらのうちで耐候性の点で好ましいものは脂肪族ジ
イソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートであり,
とくに好ましいものはヘキサメチレンジイソシアネート
およびイソホロンジイソシアネートである。耐候性が問
題とならない用途ではTDIが好ましい。
活性水素含有シランカップリング剤としては,ヒドロ
キシル基,アミノ基およびメルカプト基からなる群より
選ばれる活性水素含有基とアルコキシシリル基およびハ
ロシリル基からなる群より選ばれる加水分解性シリル基
を有する化合物があげられる。具体的には下記化合物が
あげられる。
(1)アミノ基含有シランカップリング剤: アミノアルキルトリアルコキシシラン(γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン,アミノメチルトリエトキシシランな
ど);N−(アミノアルキル)アミノアルキルトリアルコ
キシシラン[N−(β−アミノエチル)アミノメチルト
リメトキシシラン,N−(β−アミノエチル)アミノメチ
ルトリエトキシシラン,N−(β−アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシランなど];アミノアル
キル,アルキルジアルコキシシラン(アミノメチルメチ
ルジエトキシシラン,γ−アミノプロピルメチルジエト
キシシランなど);N−(アミノアルキル)アミノアルキ
ルアルキルジアルコキシシラン[N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランな
ど]など;およびアミノ基含有シランカップリング剤と
加水分解性シリル基を含有する化合物の部分加水分解
物,たとえば上記アミノ基含有シランカップリング剤と
加水分解性シリル基を含む化合物(エチルシリケート,
メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン
など)と水に,必要であれば酸性又はアルカリ性触媒を
加え,部分加水分解することにより得られる反応物な
ど。
(2)メルカプト基を含むシランカップリング剤: メルカプトアルキルアルコキシシラン(γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシランなど)など。
(3)ヒドロキシル基含有シランカップリング剤: (1)のアミノ基含有シランカップリング剤とエポキシ
基を含む化合物(エチレンオキシド,ブチレンオキシ
ド,エピクロルヒドリン,エポキシ化大豆油,その他シ
エル製のエピコート828,エピコート1001等)との反応
物;エポキシ基含有シランカップリング剤[グリシドキ
シアルキルトリアルコキシシラン(γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランなど);グリシドキシアルキ
ルアルキルジアルコキシシラン(γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシランなど)など]とアミン類た
とえば脂肪族アミン類(エチルアミン,ジエチルアミ
ン,トリエチルアミン,エチレンジアミン,ヘキサメチ
レンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテ
トラミン,テトラエチレンペンタミンなど),芳香族ア
ミン類(アニリン,ジフェニルアミン類),脂環式アミ
ン類(シクロペンチルアミン,シクロヘキシルアミンな
ど);アルカノールアミン類(エタノールアミン類)と
の反応物など。
イソシアネートシランとしてはNCO基とシリル基を有
するものならとくに限定されない。イソシアネートアル
キルアルコキシシランたとえばγ−イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシラン,γ−イソシアネートプロピル
メチルジエトキシシラン,γ−イソシアネートプロピル
トリメトキシシラン,γ−イソシアネートプロピルメチ
ルジメトキシシランなどがあげられる。
シリル基含有ポリウレタンを形成する方法としては次
の2通りの方法があげられる。
[1]はポリオールとポリイソシアネートからのNCO末
端ウレタンプレポリマーとNCOと反応する活性水素を有
するシランカップリング剤を反応させる方法であり, [2]ポリオールとポリイソシアネートからのOH末端ウ
レタンプレポリマーとOHと反応するイソシアネートシラ
ンを反応させる方法である。
[1]の方法においてポリオールとポリイソシアネート
からNCO末端ウレタンプレポリマーを得るに当り、ポリ
イソシアネートのNCO基とポリオールおよび必要により
他の活性水素含有化合物の活性水素含有基の当量比は、
通常1:0.9〜1:0.1好ましくは1:0.7〜1:0.3である。
NCO末端ウレタンプレポリマーの末端NCO基は1分子当
り平均して通常2〜6個,好ましくは2〜4個,とくに
好ましくは2〜3個である。NCO末端ウレタンプレポリ
マーの平均分子量は、通常200〜40,000,好ましくは500
〜20,000である。その遊離NCO基は通常0.5〜42重量%,
好ましくは1〜20重量%,とくに好ましくは2〜8重量
%である。当量は通常100〜8,400、好ましくは210〜4,2
00,とくに好ましくは525〜2,100である。
活性水素を有するシランカップリング剤の量は,NCO末
端ウレタンプレポリマーのイソシアネート基に対して,
モル比で通常0.25〜1.5,好ましくは0.8〜1.2である。シ
ランカップリング剤が0.25未満の場合は硬化速度が遅く
また硬化後の物性が弱く,また1.5を越えるとこれ以上
加えても物性の向上が得られなく薬剤が無駄である。
[2]の場合のポリオールとポリイソシアネートとのモ
ル比は通常1:0.9〜1:0.1,好ましくは1:0.7〜1:0.3であ
る。OH末端ウレタンプレポリマーの末端はOHは1分子当
り平均して通常2〜6個,好ましくは2〜4個,とくに
好ましくは2〜3個である。OH末端ウレタンプレポリマ
ーの平均分子量は通常200〜40,000,好ましくは500〜20,
000である。
イソシアネートシランの量は,OH末端ウレタンプレポ
リマーのOHに対して,モル比で通常0.25〜1.5,好ましく
は0.8〜1.2である。モル比が0.25未満の場合は硬化速度
が遅くまた硬化後の物性が弱く,また1.5を越えるとこ
れ以上加えても物性の向上が得られなく薬剤が無駄であ
る。
前記[1]、[2]の方法のほか、 [3]ポリオールとポリイソシアネートと活性水素含有
シランカップリング剤もしくはイソシアネートシランと
を同時に反応させる方法, [4]ポリオールとイソシアネートシランを反応させた
のちポリイソシアネートを反応させる方法, [5]ポリイソシアネートと活性水素含有シランカップ
リング剤を反応させたのちポリオールを反応させる方法
や,[1]〜[5]の2つ以上の組合わせた方法で,ポ
リウレタンを形成することもできる。
ポリウレタン形成反応(ポリオールとポリイソシアネ
ートとのウレタン化,およびこれらまたはプレポリマー
とシランカップリング剤との反応において反応温度は通
常0〜150℃,好ましくは25〜90℃である。
反応は必要によりイソシアネート基に不活性な有機溶
剤の存在下で行うことができる。この有機溶剤としては
芳香族炭化水素(トルエン,キシレンなど),ケトン
(メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトンな
ど),エステル(酢酸エチル,酢酸n−ブチルなど)お
よびこれらの二種以上の混合物があげられる。
また,必要に応じて触媒たとえば金属系触媒(ジブチ
ル錫ジラウレート,スタナス−2−エチルエキソエー
ト,鉄−アセチルアセトネートなど)およびアミン系触
媒(トリエチレンジアミン,N−メチルモルホリンなど)
を使用することもでき,その使用量はポリウレタン(ま
たはその薬剤)に対して通常0.005〜0.2重量%である。
反応の終点はイソシアネート基が赤外分析(〜2,250cm
-1〜)で検出出来なくなる時点でチェックすることがで
きる。
この様にして得られた加水分解性シリル基含有ポリウ
レタン[B2]の平均分子量は,通常300〜45,000,好まし
くは600〜25,000である。この加水分解性シリル基含有
ポリウレタン[B2]は,大気中に暴露されると常温で網
状組織を形成し硬化する。
以上例示した他の被膜樹脂のうち特に好ましいもの
は,末端あるいは側鎖にシリル基を1分子中に1個以上
有し、パーフルオロアルキル基を有しない重合体[B]
である。
重合体[A]を他の被膜樹脂に0.01〜50重量%,好ま
しくは,0.1〜10重量%配合すれば,塗膜形成時に本ビニ
ル重合体が表面に移行し,表面に弗素の界面特性が発揮
される。
他の被膜樹脂として,重合体[B]を用いる場合の
[A]と[B]の配合割合は,重量比で1:1,000〜1:1,
好ましくは1:500〜1:5,とくに好ましくは1:100〜1:10で
ある。[B]の値が1,000を超えると,弗素の効果が発
現しなくなり,また1未満であっても弗素の効果はそれ
以上向上せず,価格のみ上がるので無駄となる。
本発明の被膜組成物は必要により硬化触媒,安定剤,
溶剤,充填剤,顔料,添加剤(紫外線吸収剤,耐熱性向
上剤,レベリング剤,たれ防止剤等)を混入併用するこ
とが可能である。具体的には特開昭58−19361号公報に
記載のものが使用できる。
硬化触媒としては,従来からシラノール縮合触媒とし
て使用されているものでよく,カルボン酸型錫化合物
(ジオクチル酸錫,ジブチル錫ジラウレート,ジブチル
錫マレエートなど),スルフィド型,メルカプチド型の
含硫黄系有機錫化合物(ジブチル錫サルファイド,ジブ
チル錫ジオクチルメ ルカプチドなど),酸性リン酸エ
ステル(モノメチル酸性チン酸エステル,ジメチル酸性
リン酸エステル,ジエチル酸性リン酸エステル,モノブ
チルリン酸エステルなど),カルボン酸およびその酸無
水物(アジピン酸,マレイン酸,クエン酸,コハク酸,
フタル酸,トリメリット酸など),アミノシラン(γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなど),アミンおよびその塩(ト
リエチルアミン,ジブチルアミン−2−ヘキソエートな
ど),有機チタネート系化合物〔イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート,イソプロピルトリ(ジオクチ
ルピロホスフェート)チタネート,テトライソプロピル
ジ(ラウリルホスファイト)チタネートなど〕その他特
開昭58−19361号公報に記載の硬化触媒があげられる。
硬化触媒の添加量は全シリル基含有重合体に対し通常0.
001〜20重量%である。
安定剤としては加水分解性エステル,アルコール等な
どがよく,加水分解性エステルとしてはオルトギ酸トリ
アルキル(オルトギ酸トリメチル,オルトギ酸トリエチ
ルなど),シラン類(メチルトリメトキシシラン,テト
ラメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシラン,γ−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン,シリケートなど)があげられ
る。アルコールとしては炭素数1〜10のアルコールが好
ましくメタノール,エタノール,イソプロパノール,イ
ソブチルアルコール,オクチルアルコール,セロソルブ
等などがあげられる。安定剤の量は全シリル基含有重合
体に対して好ましくは1〜30重量%である。
溶剤としては加水分解性シリル基含有重合体を合成す
る際の溶剤と同じでよく,加水分解性シリル基含有重合
体に対して不活性なものが用いられる。更に溶剤で希釈
することも可能である。溶剤の量は加水分解性シリル基
含有重合体に対して,通常0〜600重量%である。
また充填剤および顔料としては、体質顔料(炭酸カル
シウム,カオリン,タルク,ケイ酸アルミ,アエロジル
など),無機顔料(酸化チタン,酸化鉄,黄鉛,酸化カ
ドミウム,カーボンブラック,アルミ燐片など),有機
顔料(アゾ系,アーゾレーキ系,フタロシアニン系,キ
ナクリドン系,イソインドリノン系の有機顔料など)が
あげられる。また通常用いられる紫外線吸収剤,耐熱性
向上剤,レベリング剤,たれ防止剤等も混入可能であ
る。顔料の量はシリル基含有重合体に対して通常0〜20
0重量%であり,紫外線吸収剤等の添加剤の添加量は通
常0〜10重量%である。
本発明の被覆組成物は種々の無機物および有機物の被
覆に使用可能である。この使用対象,使用方法などの詳
細は特開昭58−19361号公報に記載のものを用いればよ
い。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明は
これに限定されるものではない。実施例中の部および%
は重量基準である。
製造例1 コルベンにトルエン100部を入れ,100℃に昇温し,メ
タクリル酸メチル35部,CH2=C(Me)COOCH2(CF2)6CF3
55部,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン7
部,アゾビスイソブチロニトリル3部,トルエン5部の
混合溶液を2時間で滴下し,その後同温度で2時間反応
させた。更にアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し
た後2時間同温度で反応させて重合体A1を得た。重合体
A1のIR(赤外吸収スペクトル)には,炭素−炭素二重結
合による1648cm-1の吸収はなかった。GPCで分子量を測
定すると約1300であった。
製造例2 コルベンにトルエン100部を入れ100℃に昇温し,メタ
クリル酸n−ブチル30部,スチレン20部,CH2=C(M
e)COOCH2(CF2)8CF2H50部,γ−メルカプトプロピルト
リエトキシシラン5部,アゾビスイソブチロニトリル2
部の混合溶液を2時間で滴下し,その後同温度で2時間
反応させた。更にアゾビスイソブチロニトリル1部を添
加した後2時間同温度で反応させて重合体A2を得た。重
合体A2のIRには炭素−炭素二重結合による1648cm-1の吸
収はなかった。GPCで分子量を測定すると約3,000であっ
た。
製造例3 メタクリル酸メチルの代りにアクリル酸n−ブチル, CH2=C(Me)COOCH2(CF2)6CF3の代りに CH2=CH−COOCH2(CF2)6CF3,γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシランの代りにγ−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシランを用い,製造例1と同様にして重合
体A3を得た。GPCで分子量を測定すると約1,700であっ
た。
製造例4 コルベンにトルエン100部を入れ,100℃に昇温し,メ
タクリル酸メチル90部,CH2=C(Me)COOCH2(CF2)6CF3
75部,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
37部,アゾビスイソブチロニトリル20部およびトルエン
100部の混合溶液を3時間で滴下し,その後同温度で30
分反応させた。更にアゾビスイソブチロニトリル1部を
30分おきに3回追加した。そして更に,1時間同温度で反
応させ重合体A4を得た。重合体A4のIRには炭素−炭素二
重結合による1648cm-1の吸収はなかった。GPCで分子量
を測定すると約2,600であった。
製造例5 コルベンにトルエン100部を入れ,100℃に昇温し,ス
チレン80部,CH2=C(Me)COOCH2(CF2)8CF370部,γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン35部,アゾ
ビスイソブチロニトリル20部およびトルエン100部の混
合溶液を3時間で滴下し,その後同温度で30分反応させ
た。更にアゾビスイソブチロニトリル1部を30分おきに
3回追加する。そして更に1時間同温度で反応させ重号
体A5を得た。重合体A5のIRには炭素−炭素二重結合によ
る1648cm-1の吸収はなかった。GPCで分子量を測定する
と,約2,300であった。
製造例6 コルベンにトルエン100部を入れ,100℃に昇温し,ア
クリル酸ブチル90部,CH2=C(Me)COOCH2(CF2)6CF350
部,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40
部,2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部,アゾビス
イソブチロニトリル2部およびトルエン100部の混合溶
液を3時間で滴下し,その後同温度で30分反応させた。
更にアゾビスイソブチロニトリル1部を30分おきに3回
追加した。そして更に1時間同温度で反応させ重合体A6
を得た。重合体A6のIRには炭素−炭素二重結合による16
48cm-1の吸収はなかった。GPCで分子量を測定すると約
2,500であった。
製造例7 コルベンにトルエン100部を入れ,100℃に昇温し,メ
タクリル酸ブチル50部,スチレン10部,2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート5部,メタクリル酸メチル20部,メ
タクリル酸グリシジル3.5部,γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン10部,ドテカンチオール0.5部
およびアゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を3
時間で滴下し,その後同温度で30分反応させた。更にア
ゾビスイソブチロニトリル0.2部を30分おきに3回追加
し,そして更に1時間同温度で反応させ重合体B1を得
た。重合体B1のIRには炭素−炭素二重結合による1648cm
-1の吸収はなかった。GPCで分子量を測定すると約5,600
であった。
製造例8 コルベンにトルエン100部を入れ,100℃に昇温し,メ
タクリル酸ブチル60部,スチレン10部,メタクリル酸メ
チル15部,アクリルアミド5部,γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン10部,ドテカンチオール0.5
部およびアゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を
3時間で滴下し,その後同温度で30分反応させた。更に
アゾビスイソブチロニトリル0.2部を30分おきに3回追
加し,そして更に1時間同温度で反応させ重合体B2を得
た。得られた重合体B2のIRには炭素−炭素二重結合によ
る1648cm-1の吸収はなかった。GPCで分子量を測定する
と約5,500であった。
製造例9 コルベンに、トルエン100部,ポリプロピレングリコ
ール(分子量400)49部,イソホロンジイソシアネート3
6部およびジブチル錫ジラウレート0.1部を入れ75℃の昇
温した。7時間反応した後、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン14.6部を入れ1時間反応させて重合体B3
得た。重合体B3の赤外線吸収スペクトルには,NCOによ
る,2,250-1の吸収はなかった。分子量は約2,400であっ
た。
製造例1〜9で得られた重合体A1〜A6およびB1〜B3
市販塗料C1(溶剤型アクリル樹脂),市販塗料C2(二液
型アクリルウレタン樹脂)を用いて、本発明の被覆組成
物を調製した。
また、比較のため重合体A1〜A6を含まない,またはA1
〜A6に代えて市販添加剤D(含弗素グラフトブロックポ
リマー)を用いた被覆組成物を調製した。それらの配合
処方を表1に示す。
これらの組成物を,トルエンで洗浄したみがき軟鋼板
上に(撥水性,撥油性,耐洗浄性用),またはその上に
市販アクリルウレタン塗料白色を塗布した上に(光沢,
耐候性,試験用)50μになる様にスプレー塗布し,室温
5日間放置した後60℃で30分間加熱した。その後,下記
の項目について測定した。その結果を表2に示す。
光沢 :60℃鏡面反射率 撥水性 :水に対する接触角。
撥油性 :n−デカンに対する接触角。
耐洗浄性:市販粉体洗剤1g/1の水溶性に40℃×4時間浸
漬後の水に対する接触角。
耐候性 :サンシャインエザーオメーター1,000時間後
水に対する接触角。
[発明の効果] 本発明の被覆組成物は,次の効果を奏する。
(1)本発明における該重合体[A]は,従来の含弗素
グラフトブロックポリマーより合成法が非常に簡単であ
る。
従来の含弗素グラフトブロックポリマーの合成にはマ
クロモノマーの合成に2段階以上の反応工程が必要であ
り,更にグラフトブロックポリマーの重合工程があるの
で3段階以上の工程が必要となる。本発明における該重
合体[A]は重合の1工程だけでよいので,合成法が非
常に簡単である。
(2)低価格で弗素の界面特性が発現できる。
従来のアクリル,メラミン,ウレタン,シリコン系樹
脂に少量添加して弗素の界面特性が発現するので従来の
樹脂の特性が改良でき,且つ従来のフルオロオレフィン
系主体の弗素系塗料に比較して弗素の含有量を非常に低
くすることができる(重合体[A]の使用量が1〜5重
量%程度でも)ので,低価格で弗素の界面特性が発現で
きる。弗素の界面特性としては撥水撥油性,耐候性,耐
薬品性,防汚性等があげられる。
(3)耐洗浄性が良好である。
湿気硬化型のシリル基を有するので,表面で反応して
耐久性のある塗膜を形成する。とくに重合体[A]と重
合体[B]を併用した場合は,双方の加水分解性シリル
基が反応して強固に結合するので,耐久性が増す。従来
の含弗素グラフトブロックポリマーと比較して,特に耐
洗浄性が良好である。
上記効果を奏することから本発明の被覆組成物は塗
料,コーティング材,シーリング材,注型材料等に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−151259(JP,A) 特開 昭61−141713(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体(I):少なくとも片末端に、一般
    (式中、Sはイオウ原子であり、R1は2価の有機基であ
    り、R2は水素または炭素数1〜4を有するアルキル基で
    あり、R3は炭素数1〜4を有するアルキル基であり、a
    は1〜3の整数である。)で示される加水分解性シリル
    基(c−1)を有するビニル重合体であって、 該重合体は、主鎖がパーフルオロアルキル基含有(メ
    タ)アクリル酸エステル、パーフルオロアルキル基含有
    ビニルエーテル、パーフルオロアルキル基含有アリルエ
    ーテル、パーフルオロアルキル基含有ビニルスルホン酸
    およびパーフルオロアルキル基含有マレイン酸エステル
    から選ばれる含弗素ビニル系単量体単位(a−1)とそ
    の他のビニル系単量体単位(b−1)とで構成され、 該単位(a−1)と(b−1)の重量比が1:0〜1:10で
    ある末端シリル基型ビニル重合体、 および/または 重合体(II):パーフルオロアルキル基含有(メタ)ア
    クリル酸エステル、パーフルオロアルキル基含有ビニル
    エーテル、パーフルオロアルキル基含有アリルエーテ
    ル、パーフルオロアルキル基含有ビニルスルホン酸およ
    びパーフルオロアルキル基含有マレイン酸エステルから
    選ばれる含弗素ビニル系単量体単位(a−2)10〜90重
    量%、加水分解性シリル基を含有する単量体単位(c−
    2)1〜90重量%およびその他のビニル系単量体単位
    (b−2)0〜89重量%から構成される側鎖シリル基型
    ビニル重合体 から選ばれる加水分解性シリル基を有する含弗素ビニル
    重合体〔A〕を含有することを特徴とする被覆組成物。
  2. 【請求項2】末端あるいは側鎖に加水分解性シリル基を
    1分子中に1個以上有し、パーフルオロアルキル基を有
    しない重合体〔B〕を〔A〕:〔B〕=1:1,000〜1:1の
    重量比で含有する請求項1記載の被覆組成物。
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