JP2506903B2 - サ―モトロピツク液晶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

サ―モトロピツク液晶性ポリエステルの製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,サーモトロピツク液晶性ポリエステル(以
下液晶ポリエステルと略す。)の製造方法に関するもの
であり,さらに詳しくは耐熱性に優れ,溶融加工性の改
良された液晶ポリエステルの製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来より,ポリエステルは,一般成形品としての用途
を広く認められるに至っているが,多くのポリエステル
は曲げ強度,曲げ弾性率をはじめとする種々の機械的特
性が不十分であるため,高物性を要求される分野には適
していなかった。
近年,繊維,フイルムもしくは成形品のいずれかを問
わず,強度,剛性,耐熱性及び耐薬品性等に優れた素材
に対する要望が高まっている。
既に,かかる高性能の液晶ポリエステルの先鞭とし
て,W.J.Jackson等は,J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.14巻,
2043頁(1976)及び米国特許第3,804,805号明細書にポ
リエチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸と
のエステル結合のみからなる共重合ポリエステルを報告
しており,かかる液晶ポリエステルに注目が集まってい
る。この液晶ポリエステルは,液晶性を有しない通常の
ポリエステルに比べはるかに高い機械的特性を有してお
り,新しい高性能樹脂として期待されている。特に,パ
ラヒドロキシ安息香酸の組成比の高いものは耐熱性の優
れたエンジニアリングプラスチツクとして期待されてい
る。
この液晶ポリエステルの製造方法は,特公昭56-18016
号公報に記載されている。これによれば,液晶ポリエス
テルは,まずポリエチレンテレフタレートとパラアセト
キシ安息香酸とを不活性ガス雰囲気下,加熱溶融してア
シドリシス反応を行ってポリエステルフラグメントを形
成させたのち,次いで減圧し増粘させることによって製
造される。しかし,そこには具体例として,固形のポリ
エチレンテレフタレートと固形のパラアセトキシ安息香
酸とを混合し,しかるのち昇温して両者を溶融して反応
させることが記載されているのみである。上記公報に
は,両者を液状で混合して反応させてもよい旨記載され
ているものの,その場合の温度,混合速度等については
具体的な記載はなく,まして混合方法と得られる液晶ポ
リエステルの性能の関係については何ら触れられていな
い。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら,上記のように固形のポリエチレンテレ
フタレートと固形のパラアセトキシ安息香酸とを混合
し,しかるのち昇温して両者を溶融して反応させる方法
で液晶ポリエステルを製造する場合,パラヒドロキシ安
息香酸成分の割合が75モル%以上のときには,得られた
液晶ポリエステルには,パラヒドロキシ安息香酸がブロ
ツク的に重合することによって生じたブロツク性の高い
ポリマーが不溶不融の異物として発生し,その結果,得
られた液晶ポリエステルはあたかも有機フイラーを添加
したような状態となるため流動性が悪くなり,重合後の
払い出しが極めて困難となるなど実質的に溶融重合がで
きなくなったり,あるいは射出成形などの後工程での操
業性を損ねてしまったり,最終成形品の耐熱性や機械的
特性(特に熱変形温度やアイゾット衝撃強度)を損ねて
しまったり,さらには成形品の表面が粗れるという問題
点が残されていた。
異物の存在の有無は,このように得られる液晶ポリエ
ステルの物性の差となって現れ,一般に異物が発生する
ような従来の製造方法で製造した液晶ポリエステルは,
樹脂温度300℃,金型温度90℃で成形した場合,ASTM-D-7
90に基づき測定した1/8インチ厚みの曲げ弾性率は約700
00kg/cm2以下となり,ASTM-D-256に基づき測定したノッ
チ付のアイゾット衝撃強度は約15kg・cm/cm以下とな
る。
また,異物の存在を示す指標の一つとして異物の溶媒
への溶解性をあげることができる。すなわち,異物が多
く存在する液晶ポリエステルは溶媒に不溶であるかある
いは白濁分散するのみである。例えば,先のW.J.Jackso
nなどの報告では,テレフタル酸の残基とパラヒドロキ
シ安息香酸の残基のモル比が20/80の液晶ポリエステル
は,フエノールと1,1,2,2−テトラクロルエタンの重量
比が1である混合溶媒(容量比では約60/40である。)
に不溶であるため極限粘度が測定されていない。このよ
うに,従来公知の方法では,パラヒドロキシ安息香酸成
分がこれほど多い液晶ポリエステルであって,しかも上
記の溶媒にほぼ透明に溶解するもの,すなわちパラヒド
ロキシ安息香酸がブロツク的に重合することによって生
じる異物を含有しないものは得られていなかったのであ
る。
本発明者らは,パラヒドロキシ安息香酸成分が多く,
かつ異物を含有しない液晶ポリエステルを製造する方法
について研究を重ねた結果,ポリエチレンテレフタレー
トと,パラアセトキシ安息香酸の一部を加熱溶融してア
シドリシスして,まずパラヒドロキシ安息香酸成分の含
有量が目的とする割合よりも少ないポリエステルフラグ
メント又はプレポリマーを形成させたのち,得られたポ
リエステルフラグメント又はプレポリマーに,目的とす
る液晶ポリエステルを得るに不足している量のパラアセ
トキシ安息香酸を加えてアシドリシスしたのち減圧し増
粘する方法を先に提案した(特願昭62-80454号)。この
方法によれば,上記の目的は達成しうるものの,パラア
セトキシ安息香酸を二段以上の段階に分けて添加する必
要がある等製造工程が多くなるという問題が残されてい
た。
本発明の目的は,耐熱性に優れた液晶ポリエステルの
製造方法を提供することにある。また,本発明の他の目
的は,異物のない液晶ポリエステルの製造方法を提供す
ることにある。また,本発明の他の目的は,このような
液晶ポリエステルの工業的に有利な製造方法を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記のごとき問題点のない液晶ポリエ
ステルの製造方法を提供すべく鋭意研究を重ねた結果,
特公昭56-18016号公報に記載されている重合方法におい
て,溶融したポリエチレンテレフタレートと溶融したパ
ラアセトキシ安息香酸とを特定の装置で混合することに
よって,パラヒドロキシ安息香酸成分のモル比の高い液
晶ポリエステルを製造する場合であってもパラアセトキ
シ安息香酸がランダムに重合し,その結果,異物状の粒
子を生じない液晶ポリエステルが得られ,上記の目的が
達成し得ることを見出し,本発明に到達した。
すなわち,本発明は,ポリエチレンテレフタレートと
パラアセトキシ安息香酸とを混合し,アシドリシス反応
を行ってポリエステルフラグメントを形成させ,しかる
のち減圧し増粘させることによって,本質的にエチレン
グリコールの残基とテレフタル酸の残基とパラヒドロキ
シ安息香酸の残基とから構成され,エチレングリコール
の残基とテレフタル酸の残基のモル比が実質的に等し
く,テレフタル酸の残基とパラヒドロキシ安息香酸の残
基のモル比が5/95〜25/75であるサーモトロピツク液晶
性ポリエステルを製造するに際し,ポリエチレンテレフ
タレートとパラアセトキシ安息香酸との混合を,溶融し
たポリエチレンテレフタレ−トと溶融したパラアセトキ
シ安息香酸とを高速剪断型ミキサーで混合することによ
って行うことを特徴とするサーモトロピツク液晶性ポリ
エステルの製造方法を要旨とするものである。
本発明の方法によって製造される液晶ポリエステル
は,本質的にエチレングリコールの残基とテレフタル酸
の残基とパラヒドロキシ安息香酸の残基とから構成さ
れ,エチレングリコールの残基とテレフタル酸の残基の
モル比は実質的に等しく,テレフタル酸の残基とパラヒ
ドロキシ安息香酸の残基のモル比は5/95〜25/75であ
る。本発明において,テレフタル酸の残基とパラヒドロ
キシ安息香酸の残基のモル比は5/95〜25/75であるが,
成形性及び耐熱性の面からは特に10/90〜22/78であるこ
とが好ましい。この比が5/95未満の場合は実質的に熱溶
融しなくなるし,一方,25/75を超えると耐熱性が低くな
ってしまう。
本発明の方法によれば,異物の少ない液晶ポリエステ
ルを得ることができる。
本発明によれば液晶ポリエステルは,次のような方法
で製造することができる。
まず,溶融したポリエチレンテレフタレートと溶融し
たパラアセトキシ安息香酸を高速剪定型ミキサーで混合
する。混合前のポリエチレンテレフタレートの温度は,
熱分解を抑えるために260〜300℃,特に270〜280℃であ
ることが好ましい。溶融したポリエチレンテレフタレー
トとしては,重合終了後の溶融状態のものであってもよ
いし,また固形のポリエチレンテレフタレートを再溶融
したものであってもよい。ミキサーへの供給は,定量的
に,かつ連続的に行うためにギアポンプ等を使用するの
が好ましい。溶融したポリエチレンテレフタレートと混
合するパラアセトキシ安息香酸も,ミキサーに溶融状態
で供給されるが,その温度は高過ぎるとホモポリマーが
発生し易くなり,一方,低過ぎるとポリエチレンテレフ
タレートの冷却固化による混合トルクの増加がおこるの
で,200℃以上,260℃以下,とくに220〜250℃であること
が好ましい。ミキサーへの供給の際,水分と酸素が混入
しないよう十分注意するのが好ましい。除去しきれない
水分が存在するとか,あるいはパラアセトキシ安息香酸
に未アセチル化物が不純物として残存している場合は,
パラアセトキシ安息香酸とともに少量の無水酢酸,好ま
しくは仕込原料に対し5重量%未満の無水酢酸を加える
ことが有効である。
本発明において,溶融したポリエチレンテレフタレー
トと溶融したパラアセトキシ安息香酸の混合に用いる高
速剪断型ミキサーとは,攪拌翼の周速が好ましくは15m/
sec以上,とくに好ましくは18m/sec以上さらに好ましく
は24m/sec以上であるような混合機を意味する。このよ
うな高速剪断型ミキサーの好ましい具体例としては,各
種の攪拌翼を有する1本の回転軸が筒の中で回転するパ
イプラインミキサー,ラインミル,槽の中のタービンが
回転するホモミキサー等があげられるが,混合を連続的
に行うためラインミキサー型のものが好ましく用いられ
る。
高速剪断型ミキサーで混合された混合物は,反応機に
移され,不活性ガス流下,アシドリシス反応を完遂す
る。アシドリシスの温度は,220〜285℃,特に250〜280
℃が好ましい。220℃未満ではアシドリシス反応の速度
が遅すぎるし,一方,285℃を超えるとポリマーの分解が
起こり,炭化物が生じ易くなる。適当な温度に保たれた
反応系は反応の進行と共に同時に相分離を起こすことが
あるので,適当な攪拌を行うことが好ましい。原料の混
合を連続式の混合機を使用して行った場合,アシドリシ
ス反応も連続式の反応機で行うのが好ましい。酢酸の発
生が少なくなり,事実上,アシドリシス反応が終了した
後,減圧し増粘して目的とする液晶ポリエステルを得る
ことができる。この際の最終減圧度は1torr以下,特に
0.5torr以下とすることが好ましい。反応温度は組成比
に合わせ適当に選択する必要がある。
本発明においては,本発明の目的を損なわない範囲内
で,例えば,エチレングリコール,1,2−プロパンジオー
ル,1,3−プロパンジオール,1,2−ブタンジオール,1,3−
ブタンジオール,1,4−ブタンジオール,2,3−ブタンジオ
ール,2−ブテン−1,4−ジオールなどの脂肪族ジオール
類,4,4′−ビフエノールや1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールなどの全芳香族あるいは脂環式ジオール,あるい
はアジピン酸やセバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸,
シクロヘキサンジカルボン酸や2,6−ナフタリンジカル
ボン酸などの脂環式あるいは芳香族ジカルボン酸,さら
には2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸などのヒドロキシ
カルボン酸を共重合させることができる。
(実施例) 次に,実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明す
る。
なお,例中,極限粘度〔η〕は,フエノールと1,1,2,
2−テトラクロルエタンの重量比が1である混合溶媒を
用いて20℃で測定した。
透過率は,液晶ポリエステルを38メッシュの金網を通
るように粉砕してから,その0.08gを精秤し,これをフ
エノールと1,1,2,2−テトラクロルエタンの重量比が1
である混合溶媒19.92gに投入し,攪拌しながら140〜155
℃に加熱し,0.5〜2時間かけて溶解して得た溶液を,10m
mの光路長の石英ガラス製セルに入れ,混合溶媒をブラ
ンクとして分光光度計(島津製作所製,UV-150-02)を用
い,530nmの光で測定して,次式により求めたものであ
る。
融点(Tm)は,パーキンエルマー社製示差熱量計DSC-
2型を用い,昇温速度20℃/分で測定した。
流動開始温度(Tf)は,島津製作所製のフローテスタ
ーCFT-500型を用い,荷重100kg/cm2,ノズル径0.5mmの
条件で,200℃から10℃/分の割合で昇温して行き,ポリ
マーが流動し始める温度として求めた。
アイゾット衝撃強度(IZ)は,ASTM D-256規格に準拠
して,1/8インチの厚みで,ノッチ付で測定した。
曲げ弾性率(Ef)は,ASTM-D-790規格に準拠して,1/8
インチの厚みで測定した。
熱変形温度(HDT)は,ASTM D-648規格に準拠して1/8
インチの厚みで測定した。
表面粗さは,三次元粗さ測定器(株式会社小坂研究所
製SE-3AK)を用いて,アイゾット衝撃強度測定に用いた
ものと同じテストバーの中央部について測定し最大山高
さで示した。
サーモトロピツク液晶性は,ホットステージ付Leitz
偏光顕微鏡で確認した。
また,例中,ポリエチレンテレフタレートをPETと略
記し,このエチレンテレフタレート最小繰り返し単位を
1モルとした。
また,原料として用いたPETやパラアセトキシ安息香
酸は十分乾燥して用いた。
実施例1 40mm径の単軸エクストルダーを用いて275℃で溶融さ
せた極限粘度〔η〕0.71のPETと,窒素置換したジャケ
ット付タンクを用いて210℃で溶解させたパラアセトキ
シ安息香酸とを,3600r.p.m.で回転する回転翼を有し,
その回転翼の周速が1枚目が約36m/sec,2枚目が約30m/s
ecであり,275℃の熱媒を循環したジャケット付ラインミ
キサー(特殊機化工業製,PL-2S型)に供給し,両者を混
合した。この場合,溶融したPETの供給量は20kg/hr,溶
解したパラアセトキシ安息香酸の供給量は75kg/hrであ
った(PETとパラアセトキシ安息香酸のモル比は20/8
0)。ラインミキサーから吐出された混合物は均一な液
体であり,混合熱も加わりその温度は275℃に保たれて
いた。この混合物を,275℃の熱媒を循環したジャケット
付の30l容の反応機に攪拌下に10分間かけて送液したの
ち,さらに50分間275℃に保ってアシドリシス反応を行
った。その後,減圧を開始し,順次昇温して最終的に30
0℃の温度で,0.3torrの減圧下に3時間,溶融相で重縮
合反応させた結果,極限粘度〔η〕が0.70,透過率が96.
5%,融点(Tm〕が279℃,流動開始温度(Tf)が249
℃,曲げ弾性率(Ef)が85000kg/cm2,アイゾット衝撃
強度(IZ)が30kgcm/cm,熱変形温度(HDT)が179℃の液
晶ポリエステルが得られた。また,これから得られた成
形品の表面の粗さも0.4μと滑らかなものであった。
比較例1 実施例1で用いた〔η〕が0.71のPETのチップ3.4kg
と,パラアセトキシ安息香酸の粉末12.75kg(PETとパラ
アセトキシ安息香酸のモル比は20/80)とを,実施例1
において用いた30l容の反応機に仕込み,減圧下,110℃
で原料を十分乾燥したのち,窒素ガスを流して常圧に戻
した。次いで,攪拌下窒素ガスを微量流しながら60分間
かけて275℃に昇温した。その際,原料の一部が溶融し
はじめてから系が均一な溶液となるまでに40分間を要し
た。275℃に昇温後,さらに30分間アシドリシス反応を
続け,酢酸の流出がほぼ止まってから減圧を開始し,し
かるのち,順次昇温して,最終的に300℃の温度で,0.3t
orrの減圧下に4.5時間,溶融相で重縮合反応させた結
果,融点(Tm)が274℃,流動開始温度(Tf)が239℃,
曲げ弾性率(Ef)が62000kg/cm2,アイゾット衝撃強度
(IZ)が9kgcm/cmの液晶ポリエステルが得られた。この
ものはホモポリマーの含有量が多いもので,熱変形温度
(HDT)も145℃と実施例1の液晶ポリエステルに比べて
明らかに劣るものであった。また,これから得られた成
形品の表面の粗さも4.5μと滑らかではなかった。
なお,この液晶ポリエステルは不溶分が多く,正しい
極限粘度が測定できなかった。
実施例2 融解したパラアセトキシ安息香酸の供給量を75kg/hr
から106.25kg/hrに変え(PETとパラアセトキシ安息香酸
のモル比は15/85),溶融相での重縮合反応の最終温度
を300℃から310℃に変えた以外は実施例1と同様にして
液晶ポリエステルを得た。
得られた液晶ポリエステルについては,粘度測定のた
めの溶液がやや白濁し,正確な極限粘度は測定できなか
ったが,このものは透過率が85.0%,融点(Tm)が298
℃,流動開始温度(Tf)が270℃,曲げ弾性率(Ef)が9
0000kg/cm2,アイゾット衝撃強度(IZ)が23kgcm/cm,熱
変形温度(HDT)が216℃のものであった。また,これか
ら得られた成形品の表面の粗さも0.5μと滑らかなもの
であった。
実施例3 融解したパラアセトキシ安息香酸の供給量を75kg/hr
から59.4kg/hr(PETとパラアセトキシ安息香酸のモル比
は24/76)に変えた以外は実施例1と同様にして液晶ポ
リエステルを得た。
得られた液晶ポリエステルは,極限粘度〔η〕が0.7
2,透過率が96.0%,融点(Tm)が274℃,流動開始温度
(Tf)が243℃,曲げ弾性率(Ef)が87000kg/cm2,アイ
ゾット衝撃強度(IZ)が28kgcm/cm,熱変形温度(HDT)
が143℃のものであった。また,これから得られた成形
品の表面の粗さも0.3μと滑らかなものであった。
(発明の効果) 本発明によれば,耐熱性に優れるとともに高強力,高
弾性で,しかも溶融加工性の改良された液晶ポリエステ
ルを工業的に有利に,しかも容易に製造することができ
る。とくに本発明によれば,その全工程を連続化するこ
とが可能となるので工業的に極めて有効である。
本発明の方法によって得られた液晶ポリエステルは,
射出成形などの後工程での操業性が優れ,最終成形品の
耐熱性や機械的特性も優れるとともに,さらに成形品の
表面が粗れるという問題点がないような液晶ポリエステ
ルであるので,高性能樹脂として,各種射出成形用途に
用いられることは勿論,フイルム,シート,繊維,パイ
プなどの各種押し出し用途にも使用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレートとパラアセト
    キシ安息香酸とを混合し,アシドリシス反応を行ってポ
    リエステルフラグメントを形成させ,しかるのち減圧し
    増粘させることによって,本質的にエチレングリコール
    の残基とテレフタル酸の残基とパラヒドロキシ安息香酸
    の残基とから構成され,エチレングリコールの残基とテ
    レフタル酸の残基のモル比が実質的に等しく,テレフタ
    ル酸の残基とパラヒドロキシ安息香酸の残基のモル比が
    5/95〜25/75であるサーモトロピツク液晶性ポリエステ
    ルを製造するに際し,ポリエチレンテレフタレートとパ
    ラアセトキシ安息香酸との混合を,溶融したポリエチレ
    ンテレフタレートと溶融したパラアセトキシ安息香酸と
    を高速剪断型ミキサーで混合することによって行うこと
    を特徴とするサーモトロピツク液晶性ポリエステルの製
    造方法。
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