JP3275447B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステル組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル組成物の
製造方法に関し、さらに詳しくは粒子を含有するポリエ
ステル組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステルは、耐熱性、耐薬品性などの特性に優れ
ているため、繊維、フィルムおよびその他の成形品用途
に広く利用されている。それらの用途における性能を高
度化したり新しい機能性を発現させるために、また、成
形品を得る成形工程および高次加工工程における工程通
過性を高めるために、一般にポリエステルには種々の改
質剤が添加されている。改質剤としては、酸化チタン、
シリカ、アルミナなどの粒子が広く使用されている(特
公昭41−15252号公報、特開平1−192820
号公報等)。
【0003】これらの粒子は、粉体状態、あるいはグリ
コール等の分散媒に分散したスラリー状態としてポリエ
ステルに単に配合したのみでは、粒子原末に起因する粗
大粒子の混入やポリエステル中における粒子の再凝集な
どにより、成形工程等の工程通過性が低下したり、使用
用途における商品価値が低下してしまう。
【0004】そのため、粒子をスラリー状態でポリエス
テルの合成時添加する場合は、粒子をスラリー状態で粉
砕・分級したり(特開昭55−9606号公報、特開昭
55−65222号公報等)、粒子スラリーに分散安定
剤を添加すること(例えば特開昭52−139192号
公報、特開昭63−304022号公報等)が提案され
ている。しかしながら、これらの方法では、その操作に
多大な費用や作業時間がかかってしまうという欠点があ
り、またその操作を行なったとしても得られる製品の耐
熱性や色調が低下することがあった。また、近年、例え
ば回分式重合に比べてコスト面で有利な連続重合で製造
した一種のベースポリエステルから多品種の改質剤を配
合したポリエステルを製造する際に、ポリエステル合成
反応時に粒子を添加していたのでは、その品種切り替え
において多量の洗浄ロスを生じてしまう。
【0005】一方、単軸押出機や二軸混練機を用いて粒
子を粉体状態でポリエステルと混練することにより粒子
の分散性が良好なポリエステルを得る試みが行なわれて
いる。特開平1−157806号公報には、二軸混練機
を用いて粒子を粉体状態でポリエステルと混練する際の
混練ゾーンの条件を特定することが提案されている。し
かしながら、この方法でも、溶融状態のポリエステルに
強力な剪断を加えるため、剪断発熱によるポリエステル
の分解、すなわち極限粘度や色調の低下が避けられなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記の問題点がなく粒子分散性に優れたポリエステ
ル組成物が得られる方法について鋭意検討した結果、剪
断発熱を利用して粒子含有ポリエステルを溶融しながら
混練することにより、従来技術では達し得なかった粒子
分散性が優れたポリエステルが得られることを知り、さ
らに種々検討することにより本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ベント
孔付き混練機において、溶融状態の粒子含有ポリエステ
ルに水および/または沸点が該ポリエステルの融点未満
である有機化合物を添加することを特徴とするポリエス
テル組成物の製造方法により達成される。
【0008】第2の発明は、粒子を含有するポリエステ
ル組成物を製造する際、ベント孔付き混練機において、
ポリエステルに粒子を添加した後、さらに水および/ま
たは沸点が該ポリエステルの融点未満である有機化合物
を添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造
方法であり、第3の発明は、粒子を含有するポリエステ
ル組成物を連続的に製造する際、ベント孔付き混練機に
おいて、連続重合で製造した溶融状態のポリエステルに
粒子を添加した後、さらに水および/または沸点が該ポ
リエステルの融点未満である有機化合物を添加すること
を特徴とするポリエステル組成物の製造方法である。
【0009】本発明におけるポリエステルとは、ジカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールま
たはそのエステル形成性誘導体を主たる出発原料として
得られたものである。ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体として、具体的には、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸お
よびその低級エステル化合物、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂環式ジカルボン酸およびその低級エステル化合
物、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸
およびその低級エステル化合物などを挙げることができ
る。これらの2種以上を併用していても良いが、テレフ
タル酸およびそのエステル形成性誘導体を、得られるポ
リエステルにおける全ジカルボン酸成分に対して80モ
ル%以上がテレフタル酸成分となる量を用いることが耐
熱性の点から好ましい。
【0010】ジオールおよびそのエステル形成性誘導体
として、具体的には、エチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪
族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど
の脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノール
Sおよびそれらのエチレンオキサイド付加物などの芳香
族ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどの線状エー
テル化合物、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドなどの環状エーテル化合物などを挙げることができ
る。これらの2種以上を併用していても良いが、エチレ
ングリコールを、得られるポリエステルにおける全ジオ
ール成分に対して80モル%以上がエチレングリコール
成分となる量を用いることが耐熱性の点から好ましい。
また、上記ポリエステルは、ε−カプロラクトン、オキ
シ安息香酸などのオキシカルボン酸化合物、トリメリッ
ト酸、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物およ
びそれらのエステル形成性誘導体を出発原料として併用
していても良い。
【0011】また、本発明で用いるポリエステルには、
エステル交換触媒、重縮合触媒、エーテル結合生成抑制
剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、結晶化促進剤
などが添加されていても良い。
【0012】本発明は、ベント孔付き混練機において、
溶融状態の粒子含有ポリエステルに水および/または沸
点がポリエステルの融点未満である有機化合物を添加す
る。粒子含有ポリエステルは、チップ等の固体状態ある
いは溶融状態でベント孔付き混練機に供給され、水およ
び/または有機化合物を添加する直前においては溶融状
態にある。
【0013】本発明の第2の発明では、ベント孔付き混
練機において、ポリエステルに粒子を添加した後、さら
に水および/または沸点がポリエステルの融点未満であ
る有機化合物を添加する。ベント孔付き混練機に供給さ
れるポリエステルは、チップ等の固体状態あるいは溶融
状態でベント孔付き混練機に供給される。粒子は、粉体
状態、水や有機化合物を分散媒としたスラリー状態、あ
るいはマスターポリマーなどの状態で供給される。この
ポリエステルにおける粒子の配合方法は、特に制限され
ず、ポリエステルの合成反応が完結するまでの段階で粒
子をスラリー状態等の状態で添加し得られたものであっ
ても、ポリエステルの合成反応が完結した後に粒子を粉
体状態あるいはスラリー状態などの状態で添加し得られ
たものであっても良い。この場合、ポリエステルと粒子
は、ベント孔付き混練機において同一の添加孔から同時
に供給してもよく、いずれか一方を供給した後に他方を
別の添加孔から供給しても良い。
【0014】本発明の第3の発明では、ベント孔付き混
練機において、連続重合で製造した溶融状態のポリエス
テルに粒子を添加した後、さらに水および/または沸点
がポリエステルの融点未満である有機化合物を添加す
る。ベント孔付き混練機に供給されるポリエステルは、
連続重合で製造したポリエステルを溶融状態のままでベ
ント孔付き混練機に供給される。粒子は、粉体状態、水
や有機化合物を分散媒としたスラリー状態、あるいはマ
スターポリマーなどの状態で供給される。この場合、ポ
リエステルと粒子は、ベント孔付き混練機において同一
の添加孔から同時に供給してもよく、いずれか一方を供
給した後に他方を別の添加孔から供給しても良い。
【0015】本発明におけるポリエステルは、例えば、
ジカルボン酸とジオールを主たる出発原料とする場合は
これらの原料をエステル化し、または、ジカルボン酸の
低級エステル化合物とジオールを主たる出発原料とする
場合はエステル交換して、低重合体を合成した後、その
低重合体をさらに高温減圧下で重縮合反応することによ
って得られたものである。
【0016】本発明において使用するポリエステルの極
限粘度は、特に制限されないが、得られる成形物の機械
的物性が良好であることから、0.5以上であることが
好ましく、0.6以上であることが更に好ましい。
【0017】本発明における粒子は、酸化チタン、シリ
カ、アルミナなどの酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸
塩、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、硫酸バリウムな
どの硫酸塩などの無機粒子、ポリスチレン、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、架橋シリコーンなどの有機
粒子を挙げることができる。なかでも、酸化チタンが好
ましい。また、これらの粒子の平均粒子径は、特に制限
されないが、通常、0.01〜5μmである。本発明に
おいて得られる粒子含有ポリエステル組成物の粒子含有
量は、特に制限されず、通常、0.01〜70重量%で
あるが、粒子分散性がより優れるポリエステル組成物を
得られることから、5〜70重量%であることが好まし
い。
【0018】本発明において粒子を含有するポリエステ
ル組成物を製造する際に使用するベント孔付き混練機
は、少なくとも1つのベント孔を設けた溶融混練機であ
り、押出機であっても射出成形機であっても良く、連続
式であっても回分式であっても良い。ただし、本発明に
おける第3の発明において使用するベント付き混練機は
連続式である。また、本発明において使用するベント孔
付き混練機は、スクリューが1軸であっても2軸以上で
あっても良い。さらに、2軸以上の混練機である場合に
は隣接するスクリュー軸は、同方向回転であっても異方
向回転であっても良い。水および/または沸点がポリエ
ステルの融点未満である有機化合物を除去するためにベ
ント孔付き混練機に設けたベント孔の少なくとも1つは
減圧下に保持する必要がある。また、ベント孔の真空度
は、通常、50Torr以下に保持されるが、添加した
水および/または有機化合物などがポリエステル中に長
時間滞留すると、ポリエステルの分解反応などが進行し
てしまうことがあるので、それらを速やかにポリエステ
ルから除去するため、10Torr以下に保持すること
が好ましい。また、ポリエステル組成物を製造するベン
ト付き混練機へは、複数の粒子含有ポリエステルのみの
添加や粒子無添加のポリエステルとの混合添加が可能で
ある。
【0019】本発明においては、ベント孔付き混練機に
おいて、ポリエステルに水および/または沸点がポリエ
ステルの融点未満である有機化合物を添加することが必
要である。沸点がポリエステルの融点未満である有機化
合物としては、例えばポリエステルとして融点が256
℃であるポリエチレンテレフタレートを用いる場合、メ
タノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコ
ールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの炭化水素類、エステル類、ケトン類、アミン類
などを挙げることができ、2種以上を併用しても良い。
なかでも、ハンドリング性、除去性などの点から、水を
用いることが好ましい。水および/または沸点がポリエ
ステルの融点未満である有機化合物の粒子含有ポリエス
テルに対する添加量は特に制限されないが、通常、0.
1〜100重量%程度であり、添加量が少なすぎると粒
子分散性が向上する効果が小さく、また添加量が多すぎ
ると粒子分散性が向上する効果が頭打ちとなるために経
済性が低下するとともにポリエステルの分解反応などが
進行してしまうことがあるので、1〜50重量%である
ことが好ましい。さらに、粒子含有ポリエステルに対す
る水および/または有機化合物の添加は、ベント付き混
練機から粒子含有ポリエステルを吐出するまでの間に、
1回のみであっても、複数回であっても良い。
【0020】本発明においては、ベント孔付き混練機に
おいて、粒子含有ポリエステルに水および/または沸点
がポリエステルの融点未満である有機化合物を添加する
ことにより、ポリエステル中における粒子の分散性が向
上する理由は明らかではないが、溶融状態のポリエステ
ルに添加した水や有機化合物が気化する際に奪う蒸発潜
熱によりポリエステルの温度が急速に低下し、場合によ
ってはポリエステルが溶融状態から半溶融状態あるいは
固体状態となる。この状態のポリエステルは、高温の溶
融ポリエステルの場合に比べ同一剪断速度における溶融
粘度が高いために剪断応力が大きいので、強固に凝集し
た粒子の分散が可能となり、ポリエステル中における粒
子の分散性が向上すると考える。また、大きな剪断応力
をポリエステルの融点付近で加えるので、高温の溶融ポ
リエステルの場合に比べ剪断発熱によるポリエステルの
温度上昇が低く、その結果、ポリエステルの極限粘度や
色調の低下をほとんど抑制できるものと考える。
【0021】本発明により得られたポリエステル組成物
は、そのまま成形に使用しても良く、さらに他の工程な
どで得たポリエステルで希釈したり各種の添加剤を添加
した後成形に使用しても良い。
【0022】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
する。なお、実施例における各特性値は、次の方法によ
って求めた。
【0023】(A) ポリエステル組成物の極限粘度:オル
トクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0024】(B) ポリエステルの粒子含有量:粒子含有
ポリエステルを過剰のナトリウムメチラートでアルカリ
分解して得た粒子分散液から、遠心分離−水洗を5回繰
り返して分離した粒子の重量から求めた。
【0025】(C) ポリエステルの色調:ポリエステルを
スガ試験機株式会社製直読式色差コンピューターで測定
した。b値が高い程ポリエステルの黄味が強いことを示
す。
【0026】(D) ポリエステルの粒子分散性:試料10
mgを2枚のカバーグラスに挟み、約280℃のホット
プレート上で熱圧着して作成したフィルムを位相差顕微
鏡(200倍)で観察し、最大直径10μm以上の粗大
粒子数を測定した。1水準当たり10回測定し、その平
均値をポリエステル中の粒子含有量(重量%)で除した
値を粗大粒子度とした。粒子分散性の判定は、次の通り
とした。 粗大粒子度が0.4未満の場合 : 非常に
良好 粗大粒子度が0.4以上0.8未満の場合 : 良好 粗大粒子度が0.8以上1.2未満の場合 : やや良
好 粗大粒子度が1.2を超える場合 : 劣る
【0027】(E) 粒子の平均粒子径:透過型電子顕微鏡
写真により粒子100個の面積を求め、その平均面積と
同じ面積を有する円の直径として求めた。
【0028】実施例1 ポリエステルが押し出される方向に、連続重合の最終重
合機からのポリマー配管、粒子添加孔、ベント孔1、液
体注入孔、ベント孔2、ベント孔3の順にそれぞれを設
けた2軸混練機へ、連続重合の最終重合機からのポリマ
ー配管を経てポリエチレンテレフタレート(極限粘度:
0.64)を溶融状態のままギヤポンプにより90重量
部/分で供給し、また、粉体状態の酸化チタン粒子(平
均粒子径:0.2μm)を粒子添加孔から重量式定量フ
ィーダーにより10重量部/分で供給した。更に、水を
液体注入孔から定量フィーダーにより30重量部/分で
注入した。ベント孔1および3は0.5Torrに、ベ
ント孔2は5Torrに減圧した。また、2軸混練機の
スクリュー回転数は300rpmとした。2軸混練機よ
りストランド状に吐出した粒子含有ポリエステルは、水
槽で冷却固化した後、カッターでペレット化した。得ら
れたポリエステルは、粒子含有量10重量%、極限粘度
0.63、色調b値3.5であった。また、粗大粒子度
は0.1であり、粒子分散性が非常に良好であった。
【0029】比較例1 水を注入しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法
によりポリエステルペレットを得た。得られたポリエス
テルは、粒子含有量10重量%、極限粘度0.63、色
調b値3.7であった。また、粗大粒子度は1.8であ
り、粒子分散性が劣っていた。
【0030】比較例2 2軸混練機のスクリュー回転数を600rpmとしたこ
と以外は、比較例1と同様の方法によりポリエステルペ
レットを得た。得られたポリエステルは、粒子含有量1
0重量%、粗大粒子度が0.6であり、粒子分散性が良
好であったが、極限粘度0.53、色調b値7.3であ
り、極限粘度の低下および色調は黄味の増大が大きかっ
た。
【0031】実施例2〜14および比較例3〜9 表1に示した条件により、実施例1と同様の方法により
ポリエステルペレットを得た。表中のEGはエチレング
リコールを意味する。得られたポリエステルの物性は、
表2に示した。実施例2〜14のポリエステルは粒子分
散性がやや良好〜非常に良好なレベルであったが、水や
有機化合物を添加しなかった比較例3〜9はいずれも粒
子分散性が劣っていた。
【0032】
【表1】
【表2】 実施例15 ポリエステルが押し出される方向に、連続重合の最終重
合機からのポリマー配管、スラリー添加孔、ベント孔
1、液体注入孔、ベント孔2、ベント孔3の順にそれぞ
れを設けた2軸混練機へ、連続重合の最終重合機からポ
リマー配管を経てポリエチレンテレフタレート(極限粘
度:0.64)を溶融状態のままギヤポンプにより90
重量部/分で供給し、また、酸化チタン粒子(平均粒子
径:0.3μm)20重量%を水に分散したスラリーを
スラリー注入孔から定量フィーダーにより50重量部/
分で供給した。実施例1と同様な方法でポリエステルペ
レットを得た。得られたポリエステルは、粒子含有量1
0重量%、極限粘度0.62、色調b値3.6であっ
た。また、粗大粒子度は0.2であり、粒子分散性が非
常に良好であった。
【0033】比較例10 水を注入しなかったこと以外は、実施例15と同様の方
法によりポリエステルペレットを得た。得られたポリエ
ステルは、粒子含有量10重量%、極限粘度0.62、
色調b値3.7であった。また、粗大粒子度は2.3で
あり、粒子分散性が劣っていた。
【0034】実施例16 ポリエステルが押し出される方向に、添加孔、ベント孔
1、液体注入孔、ベント孔2、ベント孔3の順にそれぞ
れを設けた2軸混練機へ、ペレット状態のポリエチレン
テレフタレート(極限粘度:0.65)と粉体状態の酸
化チタン粒子(平均粒子径:0.2μm)をそれぞれ重
量式定量フィーダーにより90重量部/分、10重量部
/分で添加孔から供給した。実施例1と同様な方法でポ
リエステルペレットを得た。得られたポリエステルは、
粒子含有量10重量%、極限粘度0.64、色調b値
3.4であった。また、粗大粒子度は0.1であり、粒
子分散性が非常に良好であった。
【0035】比較例11 水を注入しなかったこと以外は、実施例16と同様の方
法によりポリエステルペレットを得た。得られたポリエ
ステルは、粒子含有量10重量%、極限粘度0.64、
色調b値3.5であった。また、粗大粒子度は1.5で
あり、粒子分散性が劣っていた。
【0036】実施例17 ポリエステルが押し出される方向に、添加孔、ベント孔
1、液体注入孔、ベント孔2、ベント孔3の順にそれぞ
れを設けた2軸混練機へ、酸化チタン粒子(平均粒子
径:0.2μm)を50重量%含有するポリエチレンテ
レフタレート(極限粘度:0.63)を重量式定量フィ
ーダーにより100重量部/分で添加孔から供給した。
実施例1と同様な方法でポリエステルペレットを得た。
得られたポリエステルは、粒子含有量50重量%、極限
粘度0.62、色調b値2.5であった。また、粗大粒
子度は0.3であり、粒子分散性が非常に良好であっ
た。
【0037】比較例12 水を注入しなかったこと以外は、実施例17と同様の方
法によりポリエステルペレットを得た。得られたポリエ
ステルは、粒子含有量50重量%、極限粘度0.62、
色調b値2.6であった。また、粗大粒子度は1.3で
あり、粒子分散性が劣っていた。
【0038】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物の製造方法
により、次のような優れた効果が発揮される。 (1)粒子を均一に分散したポリエステルが容易に得ら
れる。したがって、製糸、製膜等の成形工程あるいは高
次加工工程における工程通過性に優れ、また商品におけ
る粗大粒子の存在、極限粘度や色調の低下に基づく商品
価値の低下がない。 (2)連続重合により得られた溶融状態のベースポリエ
ステルを使用することにより、連続重合におけるコスト
面等のメリットを生かした粒子分散性に優れる改質剤配
合ポリエステルの多品種生産が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 C08L 67/00 - 67/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベント孔付き混練機において、溶融状態
    の粒子含有ポリエステルに水および/または沸点が該ポ
    リエステルの融点未満である有機化合物を添加すること
    を特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 粒子を含有するポリエステル組成物を製
    造する際、ベント孔付き混練機において、ポリエステル
    に粒子を添加した後、さらに水および/または沸点が該
    ポリエステルの融点未満である有機化合物を添加するこ
    とを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 粒子を含有するポリエステル組成物を連
    続的に製造する際、ベント孔付き混練機において、連続
    重合で製造した溶融状態のポリエステルに粒子を添加し
    た後、さらに水および/または沸点が該ポリエステルの
    融点未満である有機化合物を添加することを特徴とする
    ポリエステル組成物の製造方法。
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