JP2685815B2 - 全芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

全芳香族ポリエステルの製造方法

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JP2685815B2 JP63161252A JP16125288A JP2685815B2 JP 2685815 B2 JP2685815 B2 JP 2685815B2 JP 63161252 A JP63161252 A JP 63161252A JP 16125288 A JP16125288 A JP 16125288A JP 2685815 B2 JP2685815 B2 JP 2685815B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、力学的性能および熱的性能のすぐれた各種
成形品を与える全芳香族ポリエステルの製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、有機高分子材料の高性能化に対する産業界の要
求が高まっており、強度および弾性率等の力学的性能や
耐熱性等の熱的性能のすぐれた繊維、フイルム、射出成
形品など各種成形品が強く望まれている。
上記の要求を満たす高分子材料として、光学的に異方
性の溶融相を形成するポリエステル類、謂ゆるサーモト
ロピツク液晶ポリエステル類が注目され多くの構造のサ
ーモトロツク液晶ポリエステルが既に提案されており、
その内いくつかは近年工業的にも製造されるに至つてい
る。
かかるポリマーは容易に分子鎖が一方向に配列するこ
とから、該ポリマーから高度に配向した、力学的性能の
すぐれた各種成形品が得られる。更に芳香族環のみから
構成される全芳香族サーモトロピツク液晶ポリエステル
から得られる各種成形品は極めて良好な耐熱性を有する
ことが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
全芳香族サーモトロピツク液晶高分子化合物、中でも
全芳香族サーモトロピツク液晶ポリエステルは、高性能
素材としてすぐれたものであり、数多くの構造の化合物
が既に提案されている。
本発明者らの検討によると、全芳香族サーモトロピツ
ク液晶ポリエステルを製造する場合には液晶高分子の特
殊なレオロジー特性のため、通常の液晶を形成しない高
分子化合物の製造では生じない困難さがあり、解決すべ
きいくつかの課題が残されている。すなわち、液晶高分
子は溶融状態において剪断力下では溶融粘度は非常に小
であるが、剪断力を受けない静止状態では粘度が著しく
上昇する。そのため、重縮合反応中、反応の進行に伴な
い重合度が一定値以上になると均一な撹拌が困難とな
り、反応槽中において一部剪断力を受けない部分が生じ
る。該部分は反応槽中では実質的に流動しなくなり、他
の部分と組成あるいは分子量等が異なり、均一な組成の
ポリマーができなくなる為、該ポリマーは実験室的な小
スケールの反応により得られるポリマーより物性が劣る
場合がしばしばある。更に、通常の縦型の撹拌翼を有す
る反応槽のみで、成形品として充分な物性を有する分子
量の全芳香族サーモトロピツク液晶ポリエステルを製造
しようとする場合には、前述した均一な撹拌の困難さに
加えて、重縮合反応終了後反応槽よりポリマーを取り出
すことが著しく困難となる。すなわち前述したように、
サーモトロピツク液晶ポリエステルは剪断力が作用しな
い静止状態では粘度が著しく大となるため、反応終了後
撹拌を停止した場合にはポリマーは流動せず、反応槽下
部よりポリマーを取り出すことが難しくなるのである。
たとえ撹拌を行ないながらポリマーを排出したとしても
排出効率が著しく悪くなる。
このように全芳香族サーモトロピツク液晶ポリエステ
ルを、効率的に均一に製造しようとする場合には解決す
べきいくつかの課題が残されている。
〔課題を解決すべき手段〕
本発明は芳香族ヒドロキシカルボン酸および/または
それらの誘導体、芳香族ジカルボン酸および/またはそ
れらの誘導体、および芳香族ジヒドロキシ化合物および
/またはそれらの誘導体より選ばれる少なくとも一種以
上から、光学的に異方性の溶融相を形成する全芳香族ポ
リエステルを溶融重縮合反応により製造する方法におい
て、該反応を縦型の撹拌翼を有する一槽以上の反応槽
と、それに続く横型の撹拌翼を有する一槽の反応槽の組
み合わせで行ない、縦型の撹拌翼を有する最後の反応槽
における撹拌条件下でのみかけの溶融粘度が50〜500ポ
イズとなるまで重合を行なつた後、次いで連続的または
非連続的に横型の撹拌翼を有する反応槽で反応を継続
し、該横型の撹拌翼を有する反応槽より全芳香族ポリエ
ステルを取り出すことを特徴とする、光学的に異方性の
溶融相を形成する全芳香族ポリエステルの製造方法に関
するものである。
本発明においては縦型の撹拌翼を有する一槽以上の反
応槽と、それ(ら)に続く横型の撹拌翼を有する反応槽
を一槽組み合わせて重縮合反応を行ない、かつ縦型の撹
拌翼を有する最終の反応槽における撹拌条件下での見か
けの溶融粘度が50から500ポイズとなるまで重縮合反応
を行なうことが特徴である。このことにより分子量およ
び組成が比較的均一であり、各種の成形品としたときに
良好な物性を有する全芳香族サーモトロピツク液晶ポリ
エステルが得られ、かつ反応終了後の反応槽からのポリ
マーの排出効率が良好となる。
本発明において用いられる縦型の撹拌翼を有する反応
槽とは、任意の形状の撹拌翼、例えばヘリカルリボン
型、ダブルヘリカルリボン型、タービン型、パドル型、
イカリ型等を備え、内容物が完全混合に近い状態で混合
されうる、縦型の任意の形状の反応槽である。(以後縦
型の反応槽と称す) 上記の縦型の反応槽においては撹拌翼と反応槽の壁面
とのクリアランスはできるだけ小であること、該反応槽
内の化合物を効率的に均一に撹拌するためには槽内の平
均剪断速度が2秒-1以上であることが好ましい。
本発明において用いられる縦型の撹拌翼を有する反応
槽とは、二軸あるいはそれ以上の軸を有し、軸に対して
任意の角度をもつた、同芳香に回転する円形、二条ネジ
型および三条ネジ型の形状からなる撹拌翼を備えた、実
質的にピストンフロー型の反応槽のことである。(以後
横型の反応槽と称す。)円形、二条ネジ型および三条ネ
ジ型の撹拌翼の形状を第1〜3図に図示する。
横型の反応槽内全域においてポリマーの滞留物がなく
なり均一なポリマーを得るために該反応槽がセルフクリ
ーニング性を有することが望ましい。
また、横型の反応槽内全域においてポリマーが均一に
混合され、謂ゆるゲル化物が発生しないためには該反応
槽の撹拌翼の山(撹拌翼が円形である場合には外周部)
と反応槽壁との距離が最も小となる場所での剪断速度が
200秒-1以上であることが望ましい。
本発明においては、まず一槽もしくは一槽以上の縦型
の反応往相で比較的低重合度のポリマーが製造される。
出発原料化合物としてヒドロキシル基を有する化合物
を用いる場合には、まず縦型の反応槽で該化合物と低級
脂肪族酸無水物、好ましくは無水酢酸を反応させ実質的
にすべてのヒドロキシル基を対応するアシルエステル、
好ましくはアセテートの形に変換する。該反応は不活性
気体の存在下常圧もしくは加圧下、125℃から200℃の温
度範囲内で通常は10分から10時間行なわれる。本エステ
ル化反応の終了後、反応混合液をそのまま次の重縮合工
程に用いることができる他、生成したアシルエステルを
一たん単離した後重縮合反応を実施することもできる。
重縮合反応はアシルエステル化に用いたのと同一の反応
槽、または別の縦型の反応槽で不活性気体の存在下にお
いて常圧もしくは加圧下、もしくは減圧下で出発原料化
合物のヒドロキシル基のアシルエステル化反応に用いた
過剰量の低級脂肪族酸無水物、および該エステル化反応
により副生した低級脂肪族酸化合物および重縮合反応に
より生成する低級脂肪族酸化合物を該反応槽より連続的
もしくは非連続的に除去しながら実施される。
縦型の反応槽における重縮合反応は、通常は125℃か
ら400℃、好ましくは150℃から350℃の範囲内の温度で
行なわれる。撹拌翼の回転速度は用いる撹拌翼の形状お
よび生成物の粘度にもよるが、通常1分間当たり20から
200回転の範囲内で行なわれる。
本発明の方法では、縦型の最終の反応槽において撹拌
条件下でのみかけの溶融粘度を50から500ポイズの範囲
内で重縮合反応を停止することが重要である。撹拌条件
下でのみかけの溶融粘度とは、撹拌翼の形状および回転
速度から規定される剪断力下および反応温度における溶
融粘度のことであり、通常、反応槽の撹拌翼のトルクを
測定することによって求めることができる。該粘度が50
ポイズ未満の場合には該反応槽より得られる高分子化合
物の重合度が低すぎ、各種成形物として望ましい分子量
を有する最終生成物を得るためには横型の反応槽におけ
る重縮合反応時間が長くなり、大容量の横型の反応槽を
必要とするので好ましくない。上記の最終の縦型の反応
槽でのみかけの溶融粘度が500ポイズを越える場合に
は、該槽で均一な撹拌を効率的に行なうことが困難とな
り均一な組成のポリマーが得られないだけでなく反応終
了後該反応槽からのポリマーの排出効率が著しく低下す
る。
縦型の最終の反応槽で溶融粘度が上記の範囲内となる
まで重縮合反応を続けた後、ポリマーを溶融状態で取り
出し、そのまま溶融状態で次の横型の反応槽に移し、連
続的に更に重縮合反応を続けることができる。また、縦
型の反応槽より取り出されたポリマーをいつたん冷却し
て固化させた後、任意の形状に切断もしくは粉砕し、再
び溶融させて横型の反応槽で更に重縮合反応を行なう方
法を採用することもできる。
該横型の反応槽においては、該反応槽より取り出され
たポリマーがペンタフルオロフエノール中0.1重量/容
量%、60℃で測定したときに、3〜10dl/g、好ましくは
3.5〜8dl/gの対数粘度で表される重合度となるまで溶融
重縮合反応が行なわれる。
該横型の反応槽では、重縮合反応により副生される低
級脂肪族酸化合物、例えば、出発化合物として芳香族ヒ
ドロキシル化合物の酢酸エステルを用いた場合には、酢
酸、の該反応槽からの留出が容易となるように通常の場
合減圧下、例えば約500から0.1mmHgの範囲内で反応が行
なわれる。該反応槽における反応温度としては250℃か
ら450℃、好ましくは280℃から400℃の範囲から選ば
れ、滞留時間は1分から1時間の範囲内から選ばれる。
該反応槽の撹拌翼の回転速度としては1分間当たり50か
ら300回転の範囲内から選ばれる。
得られた全芳香族ポリエステルの上記に規定した対数
粘度が3dl/gより小さい場合には、該ポリエステルより
得られる各種成形品の物性が低く望ましくない。対数粘
度が10dl/gを越える場合にも該ポリエステルより得られ
る各種成形品の物性が10dl/g以下の場合よりも小とな
り、また溶融成形性も悪くなり好ましくない。
光学的に異方性の溶融相を形成することにより光学的
に異方性の溶融相を形成しない場合に較べて溶融成形性
が著しく向上し、かつ該ポリエステルより得られる各種
成形品の物性、例えば強度、弾性率、衝撃強度などが著
しく向上する。
本発明の製造方法により得られる全芳香族ポリエステ
ルは400℃以下の温度で光学的に異方性の溶融相を形成
することが好ましい。光学的に異方性の溶融相の形成の
確認は、当業者によく知られているように、加熱装置を
備えた偏光顕微鏡、直交ニコル下で試料の薄片、好まし
くは5〜20μm程度の薄片をカバーグラス間にはさみ一
定の昇温速度下で観察し、一定温度以上で光を透過する
ことを見ることにより行ないえる。本観察において偏光
を透過し始める温度が光学的に異方性の溶融相への転移
温度である。
本発明の方法において使用される出発原料化合物は、
芳香族ヒドロキシカルボン酸および/またはそれらの誘
導体、芳香族ジカルボン酸および/またはそれらの誘導
体、および芳香ジヒドロキシ化合物および/またはそれ
らの誘導体の少なくとも一種以上から選ばれる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−
ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ
酸、4−(4−ヒドロキシフエニル)安息香酸等および
4−アセトキシ安息香酸等のエステル誘導体を挙げるこ
とができる。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、4,4′−ジカルボキシジフエニル、
2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフ
タレン、1,2−ビス(4−カルボキシフエノキシ)エタ
ン等、およびテレフタル酸ジメチル等のエステル誘導体
を挙げることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、ヒドロ
キノン、4,4′−ジヒドロキシジフエニル、4,4′−ジヒ
ドロキシベンゾフエノン、4,4′−ジヒドロキシジフエ
ニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフエニルスルホ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフエニルスルフイド、2,6−
ジヒドロキシナフタレン等、および4,4′−ジアセトキ
シジフエニル等のエステル誘導体を挙げることができ
る。
好ましくは下記の構造式I、II、およびIIIで表され
る化合物またはそれらの誘導体を I. HO−Ar−COOH (式中Arは、1,4−フエニレン基および/または2,6−ナ
フタレン基を表す。) II. HOOC−Ar′−COOH (式中Ar′は、一種以上の少なくとも一個以上の芳香環
からなる二価の基であり、その内少なくとも50モル%以
上は直線配向基である。) III. HO−Ar″−OH (式中Ar″は、4,4′−ジフエニル基および/または4,
4′−ジフエニルエーテル基である。) 総量に対して、化合物Iは30から80モル%、化合物IIは
10から35モル%、化合物IIIは10から35モル%の範囲内
の量で用いられる(但し化合物IIと化合物IIIは10/9〜9
/10の範囲内のモル比で用いることとする)。
化合物Iは芳香族ヒドロキシ酸化合物およびその誘導
体であり、Arは1,4−フエニレン基および/または2,6−
ナフタレン基であり、好ましくは1,4−フエニレン基で
ある。
Arが1,4−フエニレン基に加えて2.6−ナフタレン基を
共存させて用いる場合には得られた全芳香族ポリエステ
ルの溶融成形加工性の面で好ましい。その場合には、4
−オキシベンゾイル部分と6−オキシ−2−ナフトイル
部分のモル比は20/1から1/20の範囲内であるが、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸の方がより高価であるので、
4−オキシベンゾイル部分の割合が多い方が工業的には
好まいし。また、6−オキシ−2−ナフトイル部分のみ
であることもできるが同様の理由で工業的には好ましく
ない。
化合物Iは用いる原料化合物の総量に対して30から80
モル%、好ましくは40から70モル%の範囲内の量で用い
られる。
化合物IIは芳香族ジカルボン酸化合物およびその誘導
体であり、Ar′は1種以上の少なくとも1個以上の芳香
環からなる二価の基であり、その内少なくとも50モル%
以上は直線配向性基である。ここで直線配向性とは、CO
基が芳香環をはさんで直線対称的に位置していることを
いう。Ar′の具体例としては1,4−フエニレン基、2,6−
ナフタレン基、4,4′−ジフエニル基、1,3−フエニレン
基などであるが、1,4−フエニレン基であることが原料
の価格および得られた全芳香族ポリエステルの物性の面
から好ましい。
化合物IIは用いる原料化合物の総量に対して10から35
モル%、好ましくは15から30モル%の範囲内の量で用い
られる。
化合物IIIは芳香族ジヒドロキシ化合物およびその誘
導体であり、Ar″は4,4′−ジフエニル基および/また
は4,4′−ジフエニルエーテル基である。中でもAr″が
4,4′−ジフエニル基および4,4′−ジフエニルエーテエ
ル基であり、かつ4,4′−ジフエニル基と4,4′−ジフエ
ニルエーテル基のモル比が8/2〜1/9である場合が、得ら
れた全芳香族ポリエステルの成形性ならびに該ポリエス
テルより得られる各種成形品の物性の面から好ましい。
化合物IIIは用いる原料化合物の総量に対して10から35
モル%、好ましくは15から30モル%の範囲内の量で用い
られる。
化合物IIと化合物IIIは10/9〜9/10の範囲内の量で用
いられ、生成した全芳香族ポリエステル中に化合物IIお
よび化合物IIIから導かれるくり返し単位のモル比が実
質的に等しい量となるようにして用いられる。すなわ
ち、重縮合反応中に化合物IIおよび化合物IIIが系外に
飛散しない場合には化合物IIと化合物IIIは実質的に等
しい量で用いられ、どちらかが飛散する場合には飛散す
る量に応じて、化合物IIもしくは化合物IIIを過剰に用
いればよい。
重縮合反応は触媒を使用しなくても行ない得るが、総
単量体重量の約0.001〜1重量%、好ましくは約0.005〜
0.5重量%の範囲内の量で公知のエステル交換触媒を用
いると重合速度の点で好ましい結果が得られる場合もあ
る。エステル交換触媒の具体例としては、カルボン酸の
アルカリ又はアルカリ土類金属塩、アルキルスズオキシ
ド、ジアリールスズオキシド、アルキルスズ酸、二酸化
チタン、アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキ
シド、ルイス酸、ハロゲン化水素などを挙げることがで
きる。
〔実施例〕
実施例1 縦型の撹拌式反応槽として内径が440mm、内容積70
、材質がSUS316Lであり、ダブルヘリルリボン型撹拌
翼を有し、反応槽の壁面と該撹拌翼のクリアランスが5m
mである反応槽を使用した。該反応槽に4−ヒドロキシ
安息香酸20.720kg、テレフタル酸8.307kg、4,4′−ジヒ
ドロキシジフエニル4.655kg、4,4′−ジヒドロキシジフ
エニルエーテル5.055kg、および無水酢酸28.075kgを仕
込んだ。系内を窒素ガスで充分置換したのち反応槽の油
浴温度を150℃に加温し撹拌下2時間還流させた。な
お、撹拌浴の回転数は毎分70回転とした。
2時間後、反応槽の内温を上昇させ1時間かけて220
℃にし、次いで1時間かけて260℃に昇温し、更に1時
間かけて320℃に昇温し、320℃で10分間保持した。この
間合計30.60kgの酢酸および無水酢酸が留出した。次い
で反応槽の内温を340℃にまで昇温し、反応槽内を徐々
に減圧にし40分かけて50mmHgに到達させた。この間にト
ルク計から算出される反応物の見かけの溶融粘度は徐々
に上昇し、40分後には50ポイズとなつた。更に撹拌下34
0℃、5mmHgの条件を保持したところ10分後見かけの溶融
粘度が170ポイズに到達した。この時点で系内に窒素ガ
スを導入し常圧にもどして反応を停止した。反応槽より
サンプルを一部取り出し、ペンタフルオロフエノール中
0.1重量/容量%、60℃の条件で対数粘度を測定したと
ころ2.90dl/gであつた。なお、対数粘度は以下の式で計
算される。
t0:ウベローデ型粘度計、60℃で測定した時の溶媒であ
るペンタフルオロフエノールの落下時間。
t:試料を溶解した溶液の落下時間。
C:試料の濃度(g/dl) 次に、この縦型の反応槽の内容物をそのまま連続的に
該反応槽に直結する横型の反応槽に供給し、更に重縮合
反応を続けた。
該横型の撹拌翼を有する反応槽として内径が100mm、
槽長が1000mmであり、第1図に示す形状で同方向に回転
する円形の撹拌翼を有し、該撹拌翼の外周部と反応槽壁
とのクリアランスが1mmであり材質がすべてSUS316のも
のを用いた。該反応槽を用いて340℃、回転数毎分90
回、減圧度5mmHg、滞留時間15分の条件下で追い込み重
合を行なった。なお、本撹拌条件下では該反応槽の撹拌
翼の外周部と反応槽壁との距離が最小となる場所での剪
断速度は470秒-1であつた。
上記の条件下で、横型の反応槽中で重縮合反応を続
け、ポリマーをストランド状で取り出し、通常のストラ
ンドカツターでペレツト状に切断した。得られたポリマ
ーの対数粘度は4.50dl/gであつた。得られたポリマーの
理論収量に対する収率は90%であつた。
本ポリマーの微小片をリンカム(Linkam)社製、顕微
鏡用加熱装置TH−600内で窒素雰囲気下、10℃/分の速
度で昇温し、偏光顕微鏡直交ニコル下で観察したとこ
ろ、293℃より光を透過しはじめ305℃附近で透過光量は
更に大となり本ポリマーは光学的に異方性の溶融相を形
成することが確認された。
得られたポリマーを日精樹脂工業製射出成形機SS80S1
2ASEにて、バレル温度320℃、金型温度100℃、射出圧80
0kg/cm2の条件で射出成形を行ない、試験片を作成し
た。得られた試験片の曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾツ
ト衝撃強度、および熱変形温度をそれぞれの測定方法に
従い測定した。結果を次に示す。
曲げ強度(JISK7023) 1700kg/cm2 曲げ弾性率(JISK7023) 13.4×104kg/cm2 アイゾツト衝撃強度(JISK7110) ノツチ付 54kgcm/cm ノツチ無 94kgcm/cm2 熱変形温度(ASTMD648) 259℃ 実施例2 実施例1で用いた縦型の反応槽に4−ヒドロキシ安息
香酸20.720kg、テレフタル酸8.307kg、4,4′−ジヒドロ
キシジフエニル3.491kg、4,4′−ジヒドロキシジフエニ
ルエーテル6.319kgおよび無水酢酸28.075gを仕込んだ。
実施例1と同一の条件で、原料化合物のアセチル化およ
びそれにつづく重縮合反応を行なつた。トルク計から算
出される見かけの溶融粘度が150ポイズに到達した時に
反応を停止し、内容物を反応槽よりストランド状で取り
出しペレツト化した。なお、該ペレツト状ポリマーの理
論収量に対する収率は94%であつた。
得られたポリマーを実施例1と同様にして対数粘度を
測定したところ2.78dl/gであつた。次いでこのペレツト
を内径40mm、槽長1680mm、材質が窒化鋼であり二軸の同
方向に回転する第2図に示す形状の二条ネジ型の撹拌翼
を有し、該撹拌翼と反応槽内壁とのクリアランスが0.3m
mである横型の反応槽に供給し、340℃、1mmHg、回転速
度毎分150回転、滞留時間10分の条件下で更に重縮合反
応を続けた。上記の条件下における撹拌の剪断速度は10
47秒-1であつた。なお、該横型反応槽の前部には単軸の
押し出し機を直結し、該押し出し機中においてペレツト
を加熱溶融させて横型の反応槽に供給した。横型の反応
槽よりポリマーをストランド状で取り出しペレツト化し
た。得られたポリマーの対数粘度は3.68dl/gであり、29
0℃以上で光学的に異方性の溶融相を形成した。
実施例1と同様にして射出成形を行なつたところ得ら
れた試験片の物性は次の通りであつた。
曲げ強度 1470kg/cm2 曲げ弾性率 8.3×104kg/cm2 アイゾツト衝撃強度 ノツチ付 93kgcm/cm ノツチ無 140kgcm/cm2 熱変形温度 251℃ 〔発明の効果〕 本発明の製造方法によれば、光学的に異方性の溶融相
を形成する全芳香族ポリエステルを効率的に均一に製造
することができ、また反応槽からのポリマーの排出効率
が良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は円形の撹拌翼を有する横型の反応槽の断面図で
あり、第2図は二条ネジ型の撹拌翼を有する横型の反応
槽の断面図であり、第3図は三条ネジ型の撹拌翼を有す
る横型の反応槽の断面図である。 1……横型の反応槽の内壁 2……撹拌翼 3……撹拌軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−212426(JP,A) 特開 昭57−135827(JP,A)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ヒドロキシカルボン酸および/また
    はそれらの誘導体、芳香族ジカルボン酸および/または
    それらの誘導体、および芳香族ジヒドロキシ化合物およ
    び/またはそれらの誘導体より選ばれる少なくとも一種
    以上から、光学的に異方性の溶融相を形成する全芳香族
    ポリエステルを溶融重縮合反応により製造する方法にお
    いて、該反応を縦型の撹拌翼を有する一槽以上の反応槽
    と、それに続く横型の撹拌翼を有する一槽の反応槽の組
    み合わせで行ない、縦型の撹拌翼を有する最後の反応槽
    における撹拌条件下でのみかけの溶融粘度が50〜500ポ
    イズとなるまで重合を行なった後、次いで連続的または
    非連続的に横型の撹拌翼を有する反応槽で反応を継続
    し、該横型の撹拌翼を有する反応槽より全芳香族ポリエ
    ステルを取り出すことを特徴とする、光学的に異方性の
    溶融槽を形成する全芳香族ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】下記の構造式I、IIおよびIIIで表される
    化合物またはそれらの誘導体を I. HO−Ar−COOH (式中Arは、1,4−フエニレン基および/または2,6−ナ
    フタレン基を表す。) II. HOOC−Ar′−COOH (式中Ar′は一種以上の、少なくとも一個以上の芳香環
    からなる二価の基であり、その内少なくとも50モル%以
    上は直線配向基である。) III. HO−Ar″−OH (式中Ar″は、4,4−ジフエニル基および/または4,4−
    ジフエニルエーテル基である。) 総量に対して、化合物Iは30〜80モル%、化合物IIは10
    〜35モル%、化合物IIIは10〜35モル%の範囲内の量で
    用いる(但し、化合物IIと化合物IIIは10/9〜9/10の範
    囲内のモル比で用いることとする)ことを特徴とする請
    求項1に記載の全芳香族ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】全芳香族ポリエステルが、ペンタフルオロ
    フエノール中、0.1重量/容量%、60℃で測定したとき
    に3〜10dl/gの対数粘度を有する請求項1に記載の全芳
    香族ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】全芳香族ポリエステルが、400℃以下の温
    度で光学的に異方性の溶融相を形成する請求項1に記載
    の全芳香族ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】第1槽の縦型の撹拌翼を有する反応槽に、
    化合物I、IIおよびIIIと化合物IおよびIIIのヒドロキ
    シル基に対して、1.0から2.0倍当量の無水酢酸を仕込
    み、ヒドロキシル基を実質的に全量アセチル基に変換し
    たのち、同一の反応槽もしくは別のI槽もしくは、それ
    以上の縦型の撹拌翼を有する反応槽で過剰量の無水酢酸
    ならびに、アセチル化により生成する酢酸を流出させな
    がら重縮合反応を行ない、最終の縦型の撹拌翼を有する
    反応槽での撹拌条件下における見かけの溶融粘度が、50
    〜500ポイズとなるまで重合を行なうことを特徴とする
    請求項2に記載の全芳香族ポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】縦型の撹拌翼を有する反応槽がヘリカルリ
    ボン型、ダブルヘリカルリボン型、タービン型、パドル
    型、もしくはイカリ型の撹拌翼を有する請求項1に記載
    の全芳香族ポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】横型の撹拌翼を有する反応槽が二軸あるい
    はそれ以上の軸を持ち、軸に対して任意の角度を有し、
    同方向に回転する円形、二条ネジ型および三条ネジ型か
    らなる形状の翼を有する反応槽である、請求項1に記載
    の全芳香族ポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】横型の撹拌翼を有する反応槽がセルフクリ
    ーニング性を有することを特徴とする請求項1に記載の
    全芳香族ポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】横型の撹拌翼を有する反応槽の撹拌翼の山
    と反応槽壁との距離が、最も小となる場所での剪断速度
    が200秒-1以上である請求項1に記載の全芳香族ポリエ
    ステルの製造方法。
  10. 【請求項10】縦型の撹拌翼を有する反応槽での全滞留
    時間が1時間から15時間である請求項1に記載の全芳香
    族ポリエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】縦型の撹拌翼を有する反応槽の反応温度
    が125℃から400℃である請求項1に記載の全芳香族ポリ
    エステルの製造方法。
  12. 【請求項12】横型の撹拌翼を有する反応槽での滞留時
    間が、1分から1時間である請求項1に記載の全芳香族
    ポリエステルの製造方法。
  13. 【請求項13】横型の撹拌翼を有する反応槽の反応温度
    が、250℃から450℃である請求項1に記載の全芳香族ポ
    リエステルの製造方法。
  14. 【請求項14】化合物IのArが1,4−フエニレン基であ
    り、化合物IIIのAr″が4,4′−ジフエニル基および4,
    4′−ジフエニルエーテル基である請求項2に記載の全
    芳香族ポリエステルの製造方法。
  15. 【請求項15】化合物IIIのAr″が4,4′−ジフエニル基
    および4,4′−ジフエニルエーテル基であり、4,4′−ジ
    フエニル基と4,4′−ジフエニルエーテル基の比が、8/2
    〜1/9である請求項14に記載の全芳香族ポリエステルの
    製造方法。
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