JP2506452B2 - コ―ヒ―抽出液の透明度を向上させる方法及び透明度が向上したコ―ヒ―抽出液 - Google Patents

コ―ヒ―抽出液の透明度を向上させる方法及び透明度が向上したコ―ヒ―抽出液

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JP2506452B2
JP2506452B2 JP1227175A JP22717589A JP2506452B2 JP 2506452 B2 JP2506452 B2 JP 2506452B2 JP 1227175 A JP1227175 A JP 1227175A JP 22717589 A JP22717589 A JP 22717589A JP 2506452 B2 JP2506452 B2 JP 2506452B2
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coffee
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幸樹 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野: 本発明はコーヒー抽出液の透明度を向上させる方法。
発明が解決すべき問題点: 焙煎したコーヒーから、熱水を用いて可溶性の固形分
を抽出し、コーヒー抽出液を得る際に、抽出構造工程の
条件の選び方や、ローストコーヒー豆のグラインドサイ
ズ等によって抽出液が濁ることが知られている。この濁
りを形成しているのは一般的に、原料コーヒー中に含ま
れる高分子物質であり、これは遠心分離等の既知の方法
によってはあまりに微粒子であるため、除去することが
困難であった。従ってこのコーヒー抽出液をそのまま或
は、濃縮した液体コーヒー、又は更に乾燥したインスタ
ントコーヒーとして飲む際に、前述の濁りは製品の価値
を低下させるものである。
さらにコーヒー抽出液中にこのような高分子物質が含
まれることによるもう一つの欠点はコーヒー抽出液の濃
縮の際に生じる。即ちコーヒー抽出液は、熱濃縮、冷凍
濃縮法、又は膜濃縮法によって濃縮される。しかし熱濃
縮法及び冷凍濃縮法では、それぞれ揮発性香気成分の減
少や、多額の初期投資を必要とするなどの欠点も認めら
れている。一方逆浸透膜(RO)が限外過膜(UF)を用
いた膜濃縮法では、コーヒーの抽出液に含まれる高分子
物質が膜表面に堆積し、膜を透過する水の流量(以下フ
ラックスと呼ぶ)を短時間のうちに低下させる。又これ
らの高分子物質の堆積物は、既知の洗浄方法によって除
去することが困難であり、洗浄後もフラックスが回復せ
ず、膜の交換を余儀なくされ運転経費を押し上げる結果
となる。
問題点を解決するための手段: 本発明者は上述の欠点を改良するため幅広い研究を行
ない、コーヒー抽出液に水溶性のカルシウム塩を添加す
るとこのような高分子物質を容易に分離でき上述のすべ
ての欠点を解消できることを発見したものである。すな
わち、本発明は、問題となる高分子多糖類を水溶性のカ
ルシウム塩(例えば乳酸カルシウム、グルコン酸カルシ
ウム、リン酸2水素カルシウムまたはグリセロリン酸カ
ルシウム)の添加により、凝集又は沈澱させ、遠心分離
によって容易に除去し、コーヒー製品の透明度を構造さ
せるものである。おどろくべきことには、このような処
理を行っても、pH及び官能による評価において未処理の
ものと差がない。このようにして得られるコーヒー製品
は、高い透明度を有し、抽出されたそのままのフレーバ
ーを有する高い商品価値が付加された製品となる。同時
に本発明は、コーヒー抽出液をUF,ROといった膜を用い
て濃縮する際の運転効率の向上にも寄与する。
従って、膜によってコーヒー抽出液を濃縮するに先立
ち、前述のごとくコーヒー抽出液に水溶性のカルシウム
塩を添加し、高分子多糖類を凝集又は沈澱させ、遠心分
離等によって除去することにより、その後に行われる膜
濃縮時のフラックス低下を最小限に抑制し濃縮効率を向
上させることができる。
これら高分子多糖類は熱濃縮においては熱交換器に堆
積し、また凍結濃縮においても抽出液の粘度を上昇させ
るため、これらを除去することにより、濃縮工程の効率
を向上させることも期待される。この場合膜として分画
分子量10万以下の限外過膜又は逆浸透膜を用いる。か
くして、濃縮効率が良好で、濃縮によるフレーバーロス
がなく、しかも、透明性の良好なコーヒー溶液を得るこ
とができる。
又、液状コーヒー製品をつくる場合にも、経日と共に
次第に、白濁性が強くなることがあることは、業界で、
よく認められることである。この場合にも、液状コーヒ
ー製品を製造する工程で水溶性カルシウム塩(乳酸カル
シウム、グルコン酸カルシウム、リン酸2水素カルシウ
ム又はグリセロリン酸カルシウム)を1%以上、好まし
くは、1.5〜5.0%を添加し、攪拌後、沈澱を除去し、該
液を使用して、液状コーヒー製品をつくることによっ
て、透明性の高い液状コーヒー製品を得ることができ
る。
実施例 1 常法によって得られたコーヒー抽出液(濃度約5%)
100グラムに乳酸カルシウムを2グラム(カルシウム量
として0.26グラム)添加し十分攪拌した後、遠心分離を
行い生成した沈澱物を除去する。このように前処理され
た抽出液は、未処理の抽出液に比べて80nm可視光の吸収
が減少し透明度が向上した。また同時にpHは無変化であ
り、特別に調練された官能検査パネルによる評価におい
ても両者の差は認められなかった。
尚、この値は1.5%濃度での800nmの透過度とpHであ
る。
こゝで透過度100は、完全に透明をしめし、透明度0
は白濁を示している。
また、上記のように前処理したコーヒー抽出液を回分
式平膜型逆浸透濃縮装置(膜面積:0.0032m2)/濃縮す
る。この際上記のように前処理した抽出液は未処理の抽
出液に比べてフラックスの低下の程度が小さく、平均の
フラックスが20%向上した。
平均フラックス 乳酸カルシウム添加 2.63/m2Hr(120) 未添加 2.18/m2Hr(100) *膜1m2あたりの1時間あたり膜透過液量をしめす。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性のカルシウム塩をコーヒー抽出液に
    添加することにより、コーヒー抽出液に含有される高分
    子物質を凝集させそして除去することを含むコーヒー抽
    出液の透明度を向上させる方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法によって高分子物質が除去
    されたコーヒー抽出液を膜を用いて効率的に濃縮する方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1の方法によって透明度が向上され
    たコーヒー抽出液。
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JPS63237739A (ja) * 1987-03-25 1988-10-04 Kimura Koohiiten:Kk コ−ヒ−抽出液の濃縮製造法

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