JP2920382B2 - 果汁等成分の分離法と分離された有用成分物質及び分離された有用成分物質の製造法 - Google Patents
果汁等成分の分離法と分離された有用成分物質及び分離された有用成分物質の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本願発明は、果汁や野菜汁に含まれる混濁成分(水溶
性繊維を含む)を可食性を維持しながら無駄なく有用成
分物質として分離回収する方法と、この分離法によって
生成分離された新規な果汁等の混濁成分を主体とした有
用成分物質の提供と、この分離法を利用して果汁等から
新規な有用成分物質を製造する方法に関する。
性繊維を含む)を可食性を維持しながら無駄なく有用成
分物質として分離回収する方法と、この分離法によって
生成分離された新規な果汁等の混濁成分を主体とした有
用成分物質の提供と、この分離法を利用して果汁等から
新規な有用成分物質を製造する方法に関する。
「従来技術」 従来より果実、野菜の主成分である植物性繊維は人間
にとって難消化性であるが、栄養的見地、医学的見地あ
るいは食品機能的見地からは種々の生理機能を有する有
用性のある物質といわれていたが、近年、これら植物性
繊維は「食物繊維」と呼ばれてその重要性が見直されて
きている。このため、果実、野菜から分離される繊維質
は穀類繊維質と並んで、独自に加工されて食物繊維製品
となり、健康食品、機能性食品、医薬材料、一般食品材
料等への利用が盛んに行なわれている。
にとって難消化性であるが、栄養的見地、医学的見地あ
るいは食品機能的見地からは種々の生理機能を有する有
用性のある物質といわれていたが、近年、これら植物性
繊維は「食物繊維」と呼ばれてその重要性が見直されて
きている。このため、果実、野菜から分離される繊維質
は穀類繊維質と並んで、独自に加工されて食物繊維製品
となり、健康食品、機能性食品、医薬材料、一般食品材
料等への利用が盛んに行なわれている。
しかし、現在実用化している食物繊維製品は、そのほ
とんどが果実や野菜の搾粕を加工したもので、果実や野
菜の加工した残渣を有効利用して出来た副産品という発
想の製品である。この搾粕は食物繊維素材のうちでも高
い割合で食物繊維を含んでおり、食物繊維製品への加工
が簡単で利用価値が高いと言われている。しかし、その
内容成分は不溶性の繊維が主体であり、水溶性食物繊維
の含有量は相対的に低いものである。
とんどが果実や野菜の搾粕を加工したもので、果実や野
菜の加工した残渣を有効利用して出来た副産品という発
想の製品である。この搾粕は食物繊維素材のうちでも高
い割合で食物繊維を含んでおり、食物繊維製品への加工
が簡単で利用価値が高いと言われている。しかし、その
内容成分は不溶性の繊維が主体であり、水溶性食物繊維
の含有量は相対的に低いものである。
一方、果実、野菜の水溶性成分の集合体である搾汁液
(原果汁等)には水溶性食物繊維が多く移行していて混
濁していることが多い。当該原果汁等は、通常精製、加
工されて混濁状態のまま果汁製品や野菜ジュース製品と
して消費されるが、市場では完全に透明な清澄果汁等も
好まれており、そのような製品を製造するために、濾過
技術によって果汁等から混濁成分を分離除去して清澄化
している。このように濾過技術によって混濁成分を分離
除去してはいるが、従来の混濁成分の分離除去作業は清
澄果汁等を製造することが目的であるため、分離した混
濁成分の濃縮物や沈澱物は、単なる残渣として廃棄処分
にしているのが現状である。つまり果汁等の混濁成分か
ら水溶性食物繊維を分離回収して利用するという発想そ
のものがなく、従って、果汁等から混濁成分を可食性を
維持しながら効率的に分離回収するという技術も確立し
ていない。
(原果汁等)には水溶性食物繊維が多く移行していて混
濁していることが多い。当該原果汁等は、通常精製、加
工されて混濁状態のまま果汁製品や野菜ジュース製品と
して消費されるが、市場では完全に透明な清澄果汁等も
好まれており、そのような製品を製造するために、濾過
技術によって果汁等から混濁成分を分離除去して清澄化
している。このように濾過技術によって混濁成分を分離
除去してはいるが、従来の混濁成分の分離除去作業は清
澄果汁等を製造することが目的であるため、分離した混
濁成分の濃縮物や沈澱物は、単なる残渣として廃棄処分
にしているのが現状である。つまり果汁等の混濁成分か
ら水溶性食物繊維を分離回収して利用するという発想そ
のものがなく、従って、果汁等から混濁成分を可食性を
維持しながら効率的に分離回収するという技術も確立し
ていない。
「発明が解決しようとする課題」 本源発明者は、リンゴ、モモ、ブドウ、柑橘類、メロ
ン、イチゴ、トマト、等の果実、野菜を常法により搾っ
て果肉などと分離された搾汁液(原果汁等)には、原料
によって含有比率は異なるものの、水溶性食物繊維が多
量に含まれていて混濁していることが多いことに気が付
いた。
ン、イチゴ、トマト、等の果実、野菜を常法により搾っ
て果肉などと分離された搾汁液(原果汁等)には、原料
によって含有比率は異なるものの、水溶性食物繊維が多
量に含まれていて混濁していることが多いことに気が付
いた。
また、本願発明者は、果実や野菜の主成分である植物
性繊維の人間に対する種々の生理機能について研究する
うち、従来あまり利用されていない水溶性繊維の部分に
血清コレステロール濃度の上昇や血圧上昇に対して抑制
効果が大きいなどといった重要な生理活性機能を有する
ことに気が付いた。
性繊維の人間に対する種々の生理機能について研究する
うち、従来あまり利用されていない水溶性繊維の部分に
血清コレステロール濃度の上昇や血圧上昇に対して抑制
効果が大きいなどといった重要な生理活性機能を有する
ことに気が付いた。
ところが、前述したように果汁等の混濁成分は従来よ
り清澄果汁等を製造する際、濾過技術によって分離除去
してはいるが、これの有用性に気が付いていないため、
廃棄処分にしている現状にあることを確認した。
り清澄果汁等を製造する際、濾過技術によって分離除去
してはいるが、これの有用性に気が付いていないため、
廃棄処分にしている現状にあることを確認した。
このため、発明者は、混濁果汁から有用成分である混
濁成分をその可食性を維持しながら効率的に分離回収す
る技術を開発し、水溶性繊維を主体とする新たな食物繊
維製品を開発する必要のあることに気付き、混濁果汁か
ら生理活性機能を有する水溶性食物繊維をキトサンを用
いて分離回収する方法、その結果として混濁果汁等から
簡便にかつ効率的に清澄果汁等を製造する方法、ならび
に回収した混濁成分を有用物質として製品化すること等
を目標として鋭意研究開発を行うこととした。
濁成分をその可食性を維持しながら効率的に分離回収す
る技術を開発し、水溶性繊維を主体とする新たな食物繊
維製品を開発する必要のあることに気付き、混濁果汁か
ら生理活性機能を有する水溶性食物繊維をキトサンを用
いて分離回収する方法、その結果として混濁果汁等から
簡便にかつ効率的に清澄果汁等を製造する方法、ならび
に回収した混濁成分を有用物質として製品化すること等
を目標として鋭意研究開発を行うこととした。
先ず、搾汁液(原果汁)から市場においてニーズのあ
る清澄果汁等に加工する際の混濁成分の分離法の現状に
ついて調べ、技術課題がどこにあるかを整理し確認し
た。
る清澄果汁等に加工する際の混濁成分の分離法の現状に
ついて調べ、技術課題がどこにあるかを整理し確認し
た。
搾汁液(原果汁)から混濁成分を分離するのは、一般
に下記のような酵素処理法と限外(UE)濾過法という2
つの濾過処理方法が行われている。それは次のような方
法である。
に下記のような酵素処理法と限外(UE)濾過法という2
つの濾過処理方法が行われている。それは次のような方
法である。
酵素処理法 混濁成分をセルロース分解酵素、ペクチン分解酵素、
淡白分解酵素、澱粉分解酵素等を単独または組み合わせ
て添加し、加温して一定時間作用させ、低分子化して沈
降せしめる。そのうえで上澄液を珪藻土濾過して清澄果
汁を得る方法である。
淡白分解酵素、澱粉分解酵素等を単独または組み合わせ
て添加し、加温して一定時間作用させ、低分子化して沈
降せしめる。そのうえで上澄液を珪藻土濾過して清澄果
汁を得る方法である。
限外(UF)濾過法 混濁果汁を限外(UE)濾過膜中空糸モジュールを用い
た濾過装置にかけ、例えば分子量20000〜30000でカット
して混濁成分を除き、完全透明な清澄果汁を得る。UFモ
ジュール内には混濁成分が保持され、濾過時間に従って
次第に濃厚な懸濁液が集積してくる。
た濾過装置にかけ、例えば分子量20000〜30000でカット
して混濁成分を除き、完全透明な清澄果汁を得る。UFモ
ジュール内には混濁成分が保持され、濾過時間に従って
次第に濃厚な懸濁液が集積してくる。
前述酵素処理法の場合は処理果汁の混濁成分が濃厚に
沈殿した部分は、濾過の効率に配慮してほとんどの場合
廃棄される。
沈殿した部分は、濾過の効率に配慮してほとんどの場合
廃棄される。
また、前記限外(UF)濾過法において混濁成分が濃縮
されたUF保持液も、従来は用途がなく廃棄されることが
多い。特に限外濾過法は、濾過効率と膜面積の関係から
装置を大きくする必要があり、清澄果汁の収率に対して
廃棄される保持液量が多くなって経済性に影響が出るこ
とが多い。
されたUF保持液も、従来は用途がなく廃棄されることが
多い。特に限外濾過法は、濾過効率と膜面積の関係から
装置を大きくする必要があり、清澄果汁の収率に対して
廃棄される保持液量が多くなって経済性に影響が出るこ
とが多い。
すなわち、従来の果汁処理法は、清澄果汁を製造する
ことだけが目的であるため、混濁成分を濾過技術によっ
て濃厚に沈殿させたり濃縮してこれを廃棄する技術であ
り、沈殿、濃縮した混濁成分から水溶性食物繊維を分離
回収し利用しよとする技術思想は想起さえされていな
い。
ことだけが目的であるため、混濁成分を濾過技術によっ
て濃厚に沈殿させたり濃縮してこれを廃棄する技術であ
り、沈殿、濃縮した混濁成分から水溶性食物繊維を分離
回収し利用しよとする技術思想は想起さえされていな
い。
また、清澄果汁の製造法としてみても濾過処理は処理
時間がかかるし、水溶性繊維質の分離は技術的に難しく
効率もよくない。そのため、効率を考慮すると廃棄部分
を多くする必要があり、歩留まりが悪いものとなる欠点
がある。
時間がかかるし、水溶性繊維質の分離は技術的に難しく
効率もよくない。そのため、効率を考慮すると廃棄部分
を多くする必要があり、歩留まりが悪いものとなる欠点
がある。
本願発明は上記のような従来技術の欠点を解消せんと
するもので、本願発明の第1の技術課題は、果実や野菜
から搾汁した混濁果汁等、これを加工した果汁等、加工
途中ま半製品である果汁等、前述した混濁果汁等から分
離された酵素処理果汁等の沈殿部、限外濾過時のUF保持
液等のいずれを原料とした場合でも、有用成分である果
汁等の混濁成分(水溶性食物繊維が多量に含まれてい
る)を効率よくかつ簡単に分離回収出来るようにし、そ
の結果として清澄果汁等も効率よくかつ簡単に分離回収
出来るように分離する方法を開発することである。
するもので、本願発明の第1の技術課題は、果実や野菜
から搾汁した混濁果汁等、これを加工した果汁等、加工
途中ま半製品である果汁等、前述した混濁果汁等から分
離された酵素処理果汁等の沈殿部、限外濾過時のUF保持
液等のいずれを原料とした場合でも、有用成分である果
汁等の混濁成分(水溶性食物繊維が多量に含まれてい
る)を効率よくかつ簡単に分離回収出来るようにし、そ
の結果として清澄果汁等も効率よくかつ簡単に分離回収
出来るように分離する方法を開発することである。
本願発明の第2の課題は、開発された新たな分離法を
利用して簡便にかつ経済的に果汁等の混濁成分(水溶性
食物繊維が多量に含まれている)をその整理活性機能を
失うことなく有用成分物質として製造する方法を開発す
ることである。
利用して簡便にかつ経済的に果汁等の混濁成分(水溶性
食物繊維が多量に含まれている)をその整理活性機能を
失うことなく有用成分物質として製造する方法を開発す
ることである。
本願発明の第3の課題は、開発された新たな分離法を
利用して簡便にかつ経済効率よく高品質の清澄果汁等を
製造する方法を開発することである。
利用して簡便にかつ経済効率よく高品質の清澄果汁等を
製造する方法を開発することである。
本願発明の第4の課題は、果汁等の混濁成分(水溶性
食物繊維が多量に含まれている)を主成分とした新たな
食物繊維製品を開発することである。
食物繊維が多量に含まれている)を主成分とした新たな
食物繊維製品を開発することである。
「課題を解決するための手段」 本願発明者は、上記技術的課題を解決する鍵になるの
は、果汁中に溶けながら含有している水溶性繊維と凝集
反応して生成物を形成する性質があり、しかも可食性の
ある物質を見付けることにある、との発想から種々の物
質について実験研究を進めた。その結果、天然高分子凝
集剤として知られるキトサンが上記両法の条件を満たす
適当な物質であることに気が付き、実験によりその分離
回収能力の優秀性を確認した。
は、果汁中に溶けながら含有している水溶性繊維と凝集
反応して生成物を形成する性質があり、しかも可食性の
ある物質を見付けることにある、との発想から種々の物
質について実験研究を進めた。その結果、天然高分子凝
集剤として知られるキトサンが上記両法の条件を満たす
適当な物質であることに気が付き、実験によりその分離
回収能力の優秀性を確認した。
それでは、次に発明者が本願発明において果汁に含ま
れる混濁成分を凝集反応させ生成物を造り、容易に分離
回収し得る物質としてキトサンが適当であると選定した
理由について述べる。
れる混濁成分を凝集反応させ生成物を造り、容易に分離
回収し得る物質としてキトサンが適当であると選定した
理由について述べる。
キトサンは甲殻類、昆虫の甲殻、軟体動物の器官およ
び菌類細胞壁に含まれるキチン(N−アセチル−β−D
−グルコサミンのポリマー)をN−脱アセチル化してつ
くられる天然高分子物質である。当該キトサンは天然高
分子凝集剤として、例えば水処理、汚泥処理、蛋白
質の回収、微生物菌体の分離、該酸、エンドトキシ
ンの除去、原料糖液の精製、コーヒー、紅茶の抽出
液の精製、アルコール飲料の精製、抄紙工程での濾
水性の向上と紙力の増強、酵素の固定化、飲料用添
加剤等、多くの分野で利用されている。
び菌類細胞壁に含まれるキチン(N−アセチル−β−D
−グルコサミンのポリマー)をN−脱アセチル化してつ
くられる天然高分子物質である。当該キトサンは天然高
分子凝集剤として、例えば水処理、汚泥処理、蛋白
質の回収、微生物菌体の分離、該酸、エンドトキシ
ンの除去、原料糖液の精製、コーヒー、紅茶の抽出
液の精製、アルコール飲料の精製、抄紙工程での濾
水性の向上と紙力の増強、酵素の固定化、飲料用添
加剤等、多くの分野で利用されている。
しかし、特許出願公告昭62−15178号には、「キチン
及びキトサンの徐タンニン効果について詳細に研究して
いるが、キトサンは、pH4.0以下では溶解して沈殿を生
じないことから、果汁などの除タンニン剤としての実用
性が乏しいと指摘している。」と記述されており、キト
サンによる果汁の清澄化には何らかの問題があると推定
される以外にはこれまでキトサンにより果汁を効果的に
清澄化したとする文献も特許も知られていない。
及びキトサンの徐タンニン効果について詳細に研究して
いるが、キトサンは、pH4.0以下では溶解して沈殿を生
じないことから、果汁などの除タンニン剤としての実用
性が乏しいと指摘している。」と記述されており、キト
サンによる果汁の清澄化には何らかの問題があると推定
される以外にはこれまでキトサンにより果汁を効果的に
清澄化したとする文献も特許も知られていない。
そこで発明者は、まず果汁の混濁成分の分析をおこな
った。
った。
分析する果汁混濁成分の試料としてUF保持液の凍結乾
燥物を用意し、対照試料としてリング搾汁粕乾燥物を用
意して分析した。
燥物を用意し、対照試料としてリング搾汁粕乾燥物を用
意して分析した。
その結果は表1.に示すとおりである。即ち、果汁混濁
成分は主に植物繊維と遊離糖と少量の水とその他から構
成されており、当該食物繊維の内容は、主成分が遊離ペ
クチンであり、そのほかに少量のセルロース、ヘミセル
ロース、リグニン等の天然高分子が含有されている。果
汁中のこれらの親水コロイド粒子は、ペクチンのカルボ
キシル基やタンニンのフェノール性水酸基により負に帯
電した高分子電解質として浮遊懸濁している。一般に負
に帯電したコロイドを凝析させるには、原子価の大きい
陽イオンほど有効であるが、電解質を加えるよりも反対
電荷を有する高分子のコロイド溶液を加えた方が顕著に
中和反応をおこして凝集沈殿することが考えられる。
成分は主に植物繊維と遊離糖と少量の水とその他から構
成されており、当該食物繊維の内容は、主成分が遊離ペ
クチンであり、そのほかに少量のセルロース、ヘミセル
ロース、リグニン等の天然高分子が含有されている。果
汁中のこれらの親水コロイド粒子は、ペクチンのカルボ
キシル基やタンニンのフェノール性水酸基により負に帯
電した高分子電解質として浮遊懸濁している。一般に負
に帯電したコロイドを凝析させるには、原子価の大きい
陽イオンほど有効であるが、電解質を加えるよりも反対
電荷を有する高分子のコロイド溶液を加えた方が顕著に
中和反応をおこして凝集沈殿することが考えられる。
本願発明の場合は、果汁中の負に電荷した高分子のコ
ロイドを中和し、しかも反応後の清澄化された果汁も凝
集沈殿物も食品として利用しうるためには、反対側の正
電荷コロイドも食品として安全なものでなければならな
い。このような要請を満足させる凝固剤で天然物は少な
い。発明者は、本願発明に使用可能な物質としてはキト
サンをおいては無しと考えた。
ロイドを中和し、しかも反応後の清澄化された果汁も凝
集沈殿物も食品として利用しうるためには、反対側の正
電荷コロイドも食品として安全なものでなければならな
い。このような要請を満足させる凝固剤で天然物は少な
い。発明者は、本願発明に使用可能な物質としてはキト
サンをおいては無しと考えた。
そこで、発明者は、単離、精製されたペクチンの0.1
%水溶液に表2.の0.3%キトサンDの1%リング酸溶液
を添加して、激しく攪拌、振盪してみた。すると初め糸
状の細かい沈殿が析出し、それを核として反応物がゆっ
くり時間をかけて成長して、含水率の高い透明なゲルを
形成することが観察された。
%水溶液に表2.の0.3%キトサンDの1%リング酸溶液
を添加して、激しく攪拌、振盪してみた。すると初め糸
状の細かい沈殿が析出し、それを核として反応物がゆっ
くり時間をかけて成長して、含水率の高い透明なゲルを
形成することが観察された。
上記実験によって、果汁混濁成分はキトサンと反応す
ることによって凝集沈殿をおこすことを確認した発明者
は、次にキトサンの正電荷高分子コロイドとしての在り
方を検討することとした。これはキトサンがその製造、
精製工程において、酸やアルカリによる処理の程度によ
り様々な品質のキトサンがつくられているからである。
従って、果汁中の負荷高分子コロイドを効率良く凝集沈
殿せしめるためには、キトサンの正電荷高分子コロイド
としての在り方が問題になるからである。
ることによって凝集沈殿をおこすことを確認した発明者
は、次にキトサンの正電荷高分子コロイドとしての在り
方を検討することとした。これはキトサンがその製造、
精製工程において、酸やアルカリによる処理の程度によ
り様々な品質のキトサンがつくられているからである。
従って、果汁中の負荷高分子コロイドを効率良く凝集沈
殿せしめるためには、キトサンの正電荷高分子コロイド
としての在り方が問題になるからである。
そこで、発明者は、商業的に流通可能なキトサンを集
め、その中から典型的な標品を選別して表2.に示した。
これらは十分に脱アセチル化されており、主な品質の違
いは分子量であって、物性としては粘度の違いに表われ
ている。
め、その中から典型的な標品を選別して表2.に示した。
これらは十分に脱アセチル化されており、主な品質の違
いは分子量であって、物性としては粘度の違いに表われ
ている。
キトサンが正負コロイドイオン間の反応により効率よ
く凝集沈殿をおこし、しかも果汁中に残存するキトサン
をなくするためには、次のような条件が必要である。
く凝集沈殿をおこし、しかも果汁中に残存するキトサン
をなくするためには、次のような条件が必要である。
キトサン溶液のキトサン濃度が十分であること。(実
用上キトサン溶液の添加量は少なくしたい。) 反応が化学量論的に進むものであること。
用上キトサン溶液の添加量は少なくしたい。) 反応が化学量論的に進むものであること。
生成系の方へ一方的にかたよっている必要があるこ
と。
と。
反応が極めて迅速であること。
一方、キトサンは極く低分子のものを除き、水には不
溶であるが希鉱酸、希有機酸、に溶解可能の物質であ
る。本発明においてはキトサンを酢酸、乳酸、クエン
酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハン酸、グルコン酸等の
食用有機酸に溶解する必要があり、特に果汁に含まれて
いる有機酸が好ましいが、使用する有機酸によって溶解
度が異なること、また、キトサン希酸溶液はキトサンの
分子量によってほとんど呈味をしめさないものから収斂
味、苦味、甘味、を示すものまで知られている。果汁の
清澄作用に応用するに当たって、以上の点を確認するた
めに、次の実験を行なった。
溶であるが希鉱酸、希有機酸、に溶解可能の物質であ
る。本発明においてはキトサンを酢酸、乳酸、クエン
酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハン酸、グルコン酸等の
食用有機酸に溶解する必要があり、特に果汁に含まれて
いる有機酸が好ましいが、使用する有機酸によって溶解
度が異なること、また、キトサン希酸溶液はキトサンの
分子量によってほとんど呈味をしめさないものから収斂
味、苦味、甘味、を示すものまで知られている。果汁の
清澄作用に応用するに当たって、以上の点を確認するた
めに、次の実験を行なった。
(実験1) 各種有機酸に対するキトサンの溶解度、pHと呈味度の測
定。
定。
表3.に示すように分子量の異なる(即ち粘度の異な
る)キトサンの各種有機酸1%溶液に対する最大溶解量
は、分子が小さいほど(粘度が低いほど)大きく、有機
酸の種類ではアジピン酸に対するものが最も大きく、次
いでリンゴ酸であり、クエン酸に対する溶解度極めて低
かった。クエン酸に対する溶解度が低い理由はキトサン
に含まれる微量のカルシウムとクエン酸が反応して難溶
性のクエン酸カルシウムの被膜が形成され、キトサンの
溶解を妨げるものと考えられる。
る)キトサンの各種有機酸1%溶液に対する最大溶解量
は、分子が小さいほど(粘度が低いほど)大きく、有機
酸の種類ではアジピン酸に対するものが最も大きく、次
いでリンゴ酸であり、クエン酸に対する溶解度極めて低
かった。クエン酸に対する溶解度が低い理由はキトサン
に含まれる微量のカルシウムとクエン酸が反応して難溶
性のクエン酸カルシウムの被膜が形成され、キトサンの
溶解を妨げるものと考えられる。
溶液のpHはポリカチオンであるキトサンの溶解量が大
きいほど高い値を示した。溶液の呈味はリンゴ酸では渋
味、苦味がかなり強く、アジピン酸ではキトサンの溶解
量が多い割には呈味が弱かった。果汁に最も普遍的に存
在するクエン酸では呈味が極く弱かったが、キトサンの
溶解量が低く実用性が危ぶまれる。このように、果汁に
添加されていて不自然でない酸味料としてはキトサン溶
解量の多いリング酸が最も好ましいことになるが、呈味
の問題が残った。
きいほど高い値を示した。溶液の呈味はリンゴ酸では渋
味、苦味がかなり強く、アジピン酸ではキトサンの溶解
量が多い割には呈味が弱かった。果汁に最も普遍的に存
在するクエン酸では呈味が極く弱かったが、キトサンの
溶解量が低く実用性が危ぶまれる。このように、果汁に
添加されていて不自然でない酸味料としてはキトサン溶
解量の多いリング酸が最も好ましいことになるが、呈味
の問題が残った。
(実験2) 各種キトサンのリング酸溶液による果汁の清澄化。
天然の陰イオンコロイドである純粋なタンニンやペク
チンをメチルグリコールキトサンのような正電荷のコロ
イドで中和する場合の滴定曲線をみると、タンニンはア
ルカリ側でないと滴定にかからず、ペクチンはpH5.5以
下では反応の当量が小さく出ることが知られている。
(「コロイド滴定法」千手諒一、南江堂、昭和44年、p6
1〜69) 従って、pHが4以下の果汁とキトサンの有機酸溶液で
実際に凝集反応を起こしうるか否かは疑問であった。
チンをメチルグリコールキトサンのような正電荷のコロ
イドで中和する場合の滴定曲線をみると、タンニンはア
ルカリ側でないと滴定にかからず、ペクチンはpH5.5以
下では反応の当量が小さく出ることが知られている。
(「コロイド滴定法」千手諒一、南江堂、昭和44年、p6
1〜69) 従って、pHが4以下の果汁とキトサンの有機酸溶液で
実際に凝集反応を起こしうるか否かは疑問であった。
そこで、各種キトサンのリンゴ酸溶液について実際に
リンゴ混濁果汁の混濁成分との反応性がどうなるかをみ
た。対象とするリング果汁は実施例4に示したものと同
じUF保持液を10倍に希釈して用いた。キトサン溶液の添
加量は希釈果汁150mlに対するmlで示した。以下の実験
は全て同様である。
リンゴ混濁果汁の混濁成分との反応性がどうなるかをみ
た。対象とするリング果汁は実施例4に示したものと同
じUF保持液を10倍に希釈して用いた。キトサン溶液の添
加量は希釈果汁150mlに対するmlで示した。以下の実験
は全て同様である。
表4.に示すように、結果的にキトサンの有機溶液と果
汁の混濁成分の間で、凝集反応を起こさせることが可能
であり、果汁の上澄み液は透明となり、反応物は細かな
塵状のフロック(凝魂)となって凝集・沈降した。
汁の混濁成分の間で、凝集反応を起こさせることが可能
であり、果汁の上澄み液は透明となり、反応物は細かな
塵状のフロック(凝魂)となって凝集・沈降した。
また、上澄果汁には遊離のキトサンは残存しないの
で、酸味が高くなるだけで渋味、苦味などの呈味の問題
は生じなかった。
で、酸味が高くなるだけで渋味、苦味などの呈味の問題
は生じなかった。
果汁に対するキトサンの低分子グループ(AとB)と
高分子グループ(CとD)のグループ毎に同量となって
おり、キトサンの溶解量からすると凝集反応にあずかる
キトサンの量はほぼ一定していることが判る。したがっ
て、反応系中のポリカチオンであるキトサンとポリアニ
オンである混濁成分は、ある程度化学量論敵に反応して
いることが推定出来る。
高分子グループ(CとD)のグループ毎に同量となって
おり、キトサンの溶解量からすると凝集反応にあずかる
キトサンの量はほぼ一定していることが判る。したがっ
て、反応系中のポリカチオンであるキトサンとポリアニ
オンである混濁成分は、ある程度化学量論敵に反応して
いることが推定出来る。
一方、凝集反応の強さは、反応開始時間、フロックの
構造、沈殿の降下速度からみて粘度の高い(分子量の大
きい)キトサンほど強いことが判った。一般に正負コロ
イド間の結合力は、イオンの荷電による静電引力(解難
基の強弱とイオン価数による)と、分散力(Van der Wa
alsの引力:分子量が大きいほど分子間の引力は強力に
なる)によるものであり、種々の分子量のアニオンの混
合物である混濁成分を精度よく凝集しょうとすれば、沈
澱剤としての正コロイドは重合度の大きいものほど効率
が良いことが妥当であろう。結果はキトサンDが最も凝
集力が強く、また、混濁成分を沈降させるに必要なキト
サン量も溶解量と添加量からいってキトサンDが最も少
量であった。
構造、沈殿の降下速度からみて粘度の高い(分子量の大
きい)キトサンほど強いことが判った。一般に正負コロ
イド間の結合力は、イオンの荷電による静電引力(解難
基の強弱とイオン価数による)と、分散力(Van der Wa
alsの引力:分子量が大きいほど分子間の引力は強力に
なる)によるものであり、種々の分子量のアニオンの混
合物である混濁成分を精度よく凝集しょうとすれば、沈
澱剤としての正コロイドは重合度の大きいものほど効率
が良いことが妥当であろう。結果はキトサンDが最も凝
集力が強く、また、混濁成分を沈降させるに必要なキト
サン量も溶解量と添加量からいってキトサンDが最も少
量であった。
(実験3)キトサンD(高分子キトサン)の各種有機酸
溶液の凝集力の比較 実験2の結果でも最も凝集力の強かったキトサンDに
ついて、溶液の有機酸の種類の間で凝集力に差があるか
否かを検討した。
溶液の凝集力の比較 実験2の結果でも最も凝集力の強かったキトサンDに
ついて、溶液の有機酸の種類の間で凝集力に差があるか
否かを検討した。
表5.の結果に示すようにキトサンDによる凝集反応の強
さは、リンゴ酸溶液で最も強く、次いでアジピン酸が強
かった。クエン酸溶液の反応は弱く、不明確であった。
さは、リンゴ酸溶液で最も強く、次いでアジピン酸が強
かった。クエン酸溶液の反応は弱く、不明確であった。
(実験4)凝集反応に対するpHの影響 前述したように、純粋なタンニンやペクチンのコロイ
ド滴定曲線からみて、キトサンと果汁の混濁成分の凝集
反応においてもpHの影響が考えられる。0.3%キトサン
Dの1%リンゴ酸溶液を用いて、異なるpHに調整した果
汁について凝集反応の強さをみた。
ド滴定曲線からみて、キトサンと果汁の混濁成分の凝集
反応においてもpHの影響が考えられる。0.3%キトサン
Dの1%リンゴ酸溶液を用いて、異なるpHに調整した果
汁について凝集反応の強さをみた。
表6.に結果を示すように、pHを調整した果汁の混濁成
分とキトサンDの反応はpHが高いほど強かった。しか
し、キトサン溶液の最適添加量はpHに依存せず一定であ
った。従って、反応液のpHを調整することによって、正
負のコロイドの状態は反応に都合の良い方向に改善され
るが、反応基の数には影響が無いようである。混濁成分
とキトサン溶液の反応を、果汁を清澄化するために利用
することは考えず、複合体の回収のみを目的として行な
うのであれば、反応系のpHを中性付近に調整して行なっ
た方が反応は確実である。
分とキトサンDの反応はpHが高いほど強かった。しか
し、キトサン溶液の最適添加量はpHに依存せず一定であ
った。従って、反応液のpHを調整することによって、正
負のコロイドの状態は反応に都合の良い方向に改善され
るが、反応基の数には影響が無いようである。混濁成分
とキトサン溶液の反応を、果汁を清澄化するために利用
することは考えず、複合体の回収のみを目的として行な
うのであれば、反応系のpHを中性付近に調整して行なっ
た方が反応は確実である。
以上の実験結果に示されたように、前述した数々の疑
念にかかわず、発明者らの意図した「果汁中で混濁成分
とキトサンの凝集反応を行なわしめ、果汁の清澄化と反
応物の沈降分離が可能である。」ことが明らかとなっ
た。
念にかかわず、発明者らの意図した「果汁中で混濁成分
とキトサンの凝集反応を行なわしめ、果汁の清澄化と反
応物の沈降分離が可能である。」ことが明らかとなっ
た。
以下に特許を受けようとする発明について説明する。
特許を受けようとする第1の発明は、混濁果汁または
混濁野菜汁(混濁果汁等)にキトサンの有機酸溶液を添
加し、該混濁果汁等の中の混濁成分とキトサン有機酸溶
液とを凝集反応させて混濁成分・キトサン複合体を反応
生成した後、これを適宜の手段にて固液分離して清澄果
汁または清澄野菜汁(清澄果汁等)と、混濁成分・キト
サン複合体とに分離するようにしたことを特徴とする果
汁成分または野菜成分(果汁等成分)の分離法である。
混濁野菜汁(混濁果汁等)にキトサンの有機酸溶液を添
加し、該混濁果汁等の中の混濁成分とキトサン有機酸溶
液とを凝集反応させて混濁成分・キトサン複合体を反応
生成した後、これを適宜の手段にて固液分離して清澄果
汁または清澄野菜汁(清澄果汁等)と、混濁成分・キト
サン複合体とに分離するようにしたことを特徴とする果
汁成分または野菜成分(果汁等成分)の分離法である。
果実、果菜から常法により搾汁して得られる混濁果汁
にはペクチン、セルロース、ヘミセルロース、リグニ
ン、フラボノイド等から成る水溶性食物繊維と呼ばれる
有用成分が含まれている。このような果汁混濁成分を簡
単、迅速、且つ経済的に分離回収する方法はこれまで知
られていないが、発明者らの研究は、負電荷高分子コロ
イドである果汁混濁成分を食品として安全な天然の正電
荷高分子コロイドであるカニ、エビなどの甲殻に由来す
るキトサンの有機酸溶液と会合させることによって高分
子相互のイオン反応を起こさせて混濁成分・複合体を形
成し、フロックとして凝集、沈降、分離回収せしめるこ
とを可能としたものである。
にはペクチン、セルロース、ヘミセルロース、リグニ
ン、フラボノイド等から成る水溶性食物繊維と呼ばれる
有用成分が含まれている。このような果汁混濁成分を簡
単、迅速、且つ経済的に分離回収する方法はこれまで知
られていないが、発明者らの研究は、負電荷高分子コロ
イドである果汁混濁成分を食品として安全な天然の正電
荷高分子コロイドであるカニ、エビなどの甲殻に由来す
るキトサンの有機酸溶液と会合させることによって高分
子相互のイオン反応を起こさせて混濁成分・複合体を形
成し、フロックとして凝集、沈降、分離回収せしめるこ
とを可能としたものである。
一方、ストレート果汁などの混濁成分の希薄な果汁で
は混濁成分・複合体をフロックとして凝集、沈降、分離
回収せしめると、残った上澄み液は透明となり、渣引
き、濾過の操作により簡単に透明果汁をえることが出来
る。従って、本願発明を清澄果汁製造工程に応用すれ
ば、珪藻土濾過や限外濾過の負荷を軽減し、効率を大幅
に高めることが可能となった。
は混濁成分・複合体をフロックとして凝集、沈降、分離
回収せしめると、残った上澄み液は透明となり、渣引
き、濾過の操作により簡単に透明果汁をえることが出来
る。従って、本願発明を清澄果汁製造工程に応用すれ
ば、珪藻土濾過や限外濾過の負荷を軽減し、効率を大幅
に高めることが可能となった。
特許を受けようとする第2の発明は、混濁果汁等にキ
トサンの有機酸溶液を添加し、混濁成分とキトサン有機
酸溶液とを凝集反応させて生成された混濁成分・キトサ
ン複合体である。
トサンの有機酸溶液を添加し、混濁成分とキトサン有機
酸溶液とを凝集反応させて生成された混濁成分・キトサ
ン複合体である。
当該混濁成分・キトサン複合体は、食物繊維が発揮す
ると一般に言われている整腸、コレステロール上昇抑
制、肥満抑制、糖尿病予防、腸疾患予防、免疫賦活など
の生理機能がある。そのほかに、含有成分であるペクチ
ンには血中アポ蛋白質A1とBのバランスを改善する機能
があり、同成分キトサンには免疫賦活効果及び若干の抗
腫瘍効果があり、抗酸化性を有するフラボノイドにはSO
D(スーパーオキシド ジスムターゼ)様活性がみとめ
られる。このように混濁成分・キトサン複合体は、様々
な生理活性機能を有しており、従って本発明の混濁成分
・キトサン複合体は、健康食品、機能性食品、医薬材料
のほかに一般食品素材としても高い有用性を持つ物質で
ある。
ると一般に言われている整腸、コレステロール上昇抑
制、肥満抑制、糖尿病予防、腸疾患予防、免疫賦活など
の生理機能がある。そのほかに、含有成分であるペクチ
ンには血中アポ蛋白質A1とBのバランスを改善する機能
があり、同成分キトサンには免疫賦活効果及び若干の抗
腫瘍効果があり、抗酸化性を有するフラボノイドにはSO
D(スーパーオキシド ジスムターゼ)様活性がみとめ
られる。このように混濁成分・キトサン複合体は、様々
な生理活性機能を有しており、従って本発明の混濁成分
・キトサン複合体は、健康食品、機能性食品、医薬材料
のほかに一般食品素材としても高い有用性を持つ物質で
ある。
特許を受けようとする第3の発明は、混濁果汁等にキ
トサンの有機酸溶液を添加し、混濁成分とキトサン有機
酸溶液とを凝集反応させる際に、その混濁成分とキトサ
ンとが化学的に等量になるようにキトサン有機酸溶液を
添加したうえ、激しく攪拌、振盪して反応させ、キトサ
ンと混濁成分の反応生成物を凝集、沈降せしめ、適宜の
手段にて固液分離して凝集、沈降した反応生成物を得る
ようにしたことを特徴とする混濁成分・キトサン複合体
の製造法である。
トサンの有機酸溶液を添加し、混濁成分とキトサン有機
酸溶液とを凝集反応させる際に、その混濁成分とキトサ
ンとが化学的に等量になるようにキトサン有機酸溶液を
添加したうえ、激しく攪拌、振盪して反応させ、キトサ
ンと混濁成分の反応生成物を凝集、沈降せしめ、適宜の
手段にて固液分離して凝集、沈降した反応生成物を得る
ようにしたことを特徴とする混濁成分・キトサン複合体
の製造法である。
果汁混濁成分とキトサンの反応は、−OH基や−COOH基
を持つペクチン、タンニン、リグニンなどの負電荷天然
高分子(ポリアニオン)の集合体である混濁成分と、−
NH2基をもつ正電荷天然高分子(ポリカチオン)である
キトサンの間のイオン反応である。両者はちょうど化学
的に等量に存在すれば、電荷を失って直ちに凝集、沈殿
するが、キトサンが不足すれば表面的にはマイナス
(−)に帯電した粒子として懸濁を続け、逆にキトサン
が過剰であれば表面的にはプラス(+)に帯電した粒子
として再び懸濁する。実験2の結果に示すように、混濁
成分に対してキトサンは化学的にちょうど等量になるよ
うに添加しなければ、明確な凝集反応は起こらない。こ
のように、本願発明の果汁の系における正負の親水コロ
イドの間の反応は、中和反応と同じであり、化学量論的
に等モルづつ反応する。
を持つペクチン、タンニン、リグニンなどの負電荷天然
高分子(ポリアニオン)の集合体である混濁成分と、−
NH2基をもつ正電荷天然高分子(ポリカチオン)である
キトサンの間のイオン反応である。両者はちょうど化学
的に等量に存在すれば、電荷を失って直ちに凝集、沈殿
するが、キトサンが不足すれば表面的にはマイナス
(−)に帯電した粒子として懸濁を続け、逆にキトサン
が過剰であれば表面的にはプラス(+)に帯電した粒子
として再び懸濁する。実験2の結果に示すように、混濁
成分に対してキトサンは化学的にちょうど等量になるよ
うに添加しなければ、明確な凝集反応は起こらない。こ
のように、本願発明の果汁の系における正負の親水コロ
イドの間の反応は、中和反応と同じであり、化学量論的
に等モルづつ反応する。
しかし、中和反応の速度によって反応するはずの混濁
成分とキトサンも、混濁成分の組成が様々なものからな
っていて、成分の分子長、立体構造がまちまちであり、
解離基も弱いのでコロイドイオンの間の結合力は弱く、
反応液を激しく攪拌、振盪してコロイド分子の会合を促
進してやらばければ明確な凝集反応を起こすことができ
ない。混濁成分の溶解量が少なく果汁の粘度は低い場合
は、反応も比較的スムーズであるが、UF保持液のように
混濁成分が高濃度に集積したものでは、反応液の粘度が
高く、液の混合が悪くなるとともに、複雑な立体構造を
もつ分子相互の距離が近過ぎて反応は鋭敏でなくなるた
め、よけい強力な攪拌、振盪の操作を必要とするように
なる。
成分とキトサンも、混濁成分の組成が様々なものからな
っていて、成分の分子長、立体構造がまちまちであり、
解離基も弱いのでコロイドイオンの間の結合力は弱く、
反応液を激しく攪拌、振盪してコロイド分子の会合を促
進してやらばければ明確な凝集反応を起こすことができ
ない。混濁成分の溶解量が少なく果汁の粘度は低い場合
は、反応も比較的スムーズであるが、UF保持液のように
混濁成分が高濃度に集積したものでは、反応液の粘度が
高く、液の混合が悪くなるとともに、複雑な立体構造を
もつ分子相互の距離が近過ぎて反応は鋭敏でなくなるた
め、よけい強力な攪拌、振盪の操作を必要とするように
なる。
本願発明者は、このように果汁混濁成分とキトサンの
両コロイド間の化学的挙動を正確に見極めて、果汁混濁
成分とキトサンが化学的に等量になるように存在せし
め、更に激しく攪拌、振盪する操作を加えて反応を促進
して鋭敏な凝集反応を起こすようにして、発明を完成し
たものである。以上の条件を満たしたキトサン添加混濁
果汁は、直ちに凝集反応を起こし、反応生成物として混
濁成分・キトサン複合体がフロックを形成して沈降す
る。
両コロイド間の化学的挙動を正確に見極めて、果汁混濁
成分とキトサンが化学的に等量になるように存在せし
め、更に激しく攪拌、振盪する操作を加えて反応を促進
して鋭敏な凝集反応を起こすようにして、発明を完成し
たものである。以上の条件を満たしたキトサン添加混濁
果汁は、直ちに凝集反応を起こし、反応生成物として混
濁成分・キトサン複合体がフロックを形成して沈降す
る。
凝集反応後の果汁から混濁成分・キトサンの複合体を
回収することは、複合体の沈殿部分を遠心分離すること
によって可能である。UF保持液のような混濁成分が濃厚
なものは、凝集反応後もフロックが沈降するまでに長時
間を要するが、このような場合にはシャーププレス型、
スキンマー型などの遠心分離機を使用することによっ
て、複合体は容易に回収することができる。
回収することは、複合体の沈殿部分を遠心分離すること
によって可能である。UF保持液のような混濁成分が濃厚
なものは、凝集反応後もフロックが沈降するまでに長時
間を要するが、このような場合にはシャーププレス型、
スキンマー型などの遠心分離機を使用することによっ
て、複合体は容易に回収することができる。
尚、分離、回収した複合体は再度水に分散し、遠心分
離する操作を繰り返すことによって糖分、有機酸などの
果汁成分を洗浄、除去することが可能であり、健康食品
などの目的に対して精製された素材を提供することが可
能である。
離する操作を繰り返すことによって糖分、有機酸などの
果汁成分を洗浄、除去することが可能であり、健康食品
などの目的に対して精製された素材を提供することが可
能である。
特許を受けようとする第4の発明は、混濁果汁等にキ
トサンの有機酸溶液を添加し、混濁成分とキトサン有機
酸溶液とを凝集反応させる際に、その混濁成分とキトサ
ンとが化学的に等量になるようにキトサン有機酸溶液を
添加したうえ、激しく攪拌、振盪して反応させ、キトサ
ンと混濁成分の反応生成物を凝集、沈降せしめ、適宜の
手段にて固液分離して凝集、沈降した反応生成物を除去
し、上澄み液を得るようにしたことを特徴とする清澄果
汁等の製造法である。
トサンの有機酸溶液を添加し、混濁成分とキトサン有機
酸溶液とを凝集反応させる際に、その混濁成分とキトサ
ンとが化学的に等量になるようにキトサン有機酸溶液を
添加したうえ、激しく攪拌、振盪して反応させ、キトサ
ンと混濁成分の反応生成物を凝集、沈降せしめ、適宜の
手段にて固液分離して凝集、沈降した反応生成物を除去
し、上澄み液を得るようにしたことを特徴とする清澄果
汁等の製造法である。
この発明は、第1発明の分離法を利用した清澄果汁の
製造であり、技術的には第3発明と同様の製造工程を経
て、混濁果汁から混濁成分を除去して清澄果汁を製造す
る方法である。
製造であり、技術的には第3発明と同様の製造工程を経
て、混濁果汁から混濁成分を除去して清澄果汁を製造す
る方法である。
ストレート果汁などの混濁成分の希薄な果汁では上記
の混濁成分・キトサン複合体が凝集沈降した後の上澄み
液は透明となり、渣引き、濾過の操作により簡単に透明
果汁を得ることが出来る。従って、本願発明を清澄果汁
製造工程に応用すれば、珪藻土壌濾過や限外濾過の負荷
を軽減し、効率を大幅に高めることが可能となった。
の混濁成分・キトサン複合体が凝集沈降した後の上澄み
液は透明となり、渣引き、濾過の操作により簡単に透明
果汁を得ることが出来る。従って、本願発明を清澄果汁
製造工程に応用すれば、珪藻土壌濾過や限外濾過の負荷
を軽減し、効率を大幅に高めることが可能となった。
上記に記載した第1発明、第3発明または第4発明に
おいて、その品質を特定するには、使用するキトサン
が、その脱アセチル化度が80%以上であり、0.5%酢酸
溶液に0.5%の濃度で溶解したキトサン溶液の25℃にお
けるB型粘度計による測定粘度が150CPS以上であること
が望ましい。キトサンはグルコサミンの重合体であり、
オリゴマー以上では負の親水コロイドと凝集反応を起こ
すことができる。実験1で示したように、いろいろの分
子量のキトサンで果汁混濁成分との凝集反応が見られた
が、鋭敏で、急速な効率の良い凝集反応は高分子のキト
サンに限られていた。これは、果汁の混濁成分にはペク
チン、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、タンニ
ン、フラボノド等様々な成分が含まれ、ポリアニオンと
しては分子長も立体構造も異なるものの集合であるため
に、明確な凝集反応を起こさせるには、相手のポリカチ
オンとしては重合度の大きいものほど効率が良いからで
ある。
おいて、その品質を特定するには、使用するキトサン
が、その脱アセチル化度が80%以上であり、0.5%酢酸
溶液に0.5%の濃度で溶解したキトサン溶液の25℃にお
けるB型粘度計による測定粘度が150CPS以上であること
が望ましい。キトサンはグルコサミンの重合体であり、
オリゴマー以上では負の親水コロイドと凝集反応を起こ
すことができる。実験1で示したように、いろいろの分
子量のキトサンで果汁混濁成分との凝集反応が見られた
が、鋭敏で、急速な効率の良い凝集反応は高分子のキト
サンに限られていた。これは、果汁の混濁成分にはペク
チン、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、タンニ
ン、フラボノド等様々な成分が含まれ、ポリアニオンと
しては分子長も立体構造も異なるものの集合であるため
に、明確な凝集反応を起こさせるには、相手のポリカチ
オンとしては重合度の大きいものほど効率が良いからで
ある。
本願発明者らは、使用するキトサンの分子量を物性の
指標である粘度で表現すれば、0.5%酢酸溶液に0.5%の
濃度で溶解したキトサン溶液の25℃におけるB型粘度計
による測定粘度が150CPS以上、好ましくは200CPS以上で
あり、脱アセチル化度が80%以上のものが、果汁混濁成
分との間で鋭敏な凝集反応を示すことを見出したのであ
る。
指標である粘度で表現すれば、0.5%酢酸溶液に0.5%の
濃度で溶解したキトサン溶液の25℃におけるB型粘度計
による測定粘度が150CPS以上、好ましくは200CPS以上で
あり、脱アセチル化度が80%以上のものが、果汁混濁成
分との間で鋭敏な凝集反応を示すことを見出したのであ
る。
更に第1発明、第3発明または第4発明において、用
いられるキトサン有機酸溶液は、食用有機酸であり、そ
の濃度がキトサンを溶解するのに十分であり、かつ清澄
後の果汁には極端な酸味を与えない濃度であることが望
ましい。キトサンは難溶性の物質であるが、ある種の塩
類にした場合、鉱酸、有機酸が存在する場合にのみに水
と可溶になるため、このキトサン有機酸溶液を化学的に
等量のアニオンと反応せしめると、キトサンは析出、沈
殿して溶液には酸のみが残される。キトサンの酸溶液を
第4発明に応用した結果を考えると、反応後残存する酸
が清澄果汁に存在しても、混濁成分・キトサン複合体に
残存しても差し支えないようにするためには、本来天然
果汁に高い比率で存在するクエン酸、リング酸、コハク
酸などの食用有機酸でなくてはならないし、清澄化され
た果汁に多量の有機酸が残存して甘味、酸味のバランス
を欠くことになって良くない。実験1で示したように、
キトサンの溶解度は低いので、出来るだけ溶解性の高い
酸を選択し、果汁に対する添加量が少なくて済むよう出
来るだけ高濃度に溶解する必要がある。しかし、溶解粘
度なども考えあわせると実用可能なキトサン溶液は、1
%リンゴ酸のような希薄な有機酸溶液にキトサンを0.3
〜0.5%程度に溶解したものであることが望ましい。キ
トサン溶液の添加量は対象果汁の混濁成分の組成や濃度
によって異なるので、使用する有機酸の種類や濃度は、
具体的に規定し得ないが、果汁の種類、用途などから自
ら制限される。
いられるキトサン有機酸溶液は、食用有機酸であり、そ
の濃度がキトサンを溶解するのに十分であり、かつ清澄
後の果汁には極端な酸味を与えない濃度であることが望
ましい。キトサンは難溶性の物質であるが、ある種の塩
類にした場合、鉱酸、有機酸が存在する場合にのみに水
と可溶になるため、このキトサン有機酸溶液を化学的に
等量のアニオンと反応せしめると、キトサンは析出、沈
殿して溶液には酸のみが残される。キトサンの酸溶液を
第4発明に応用した結果を考えると、反応後残存する酸
が清澄果汁に存在しても、混濁成分・キトサン複合体に
残存しても差し支えないようにするためには、本来天然
果汁に高い比率で存在するクエン酸、リング酸、コハク
酸などの食用有機酸でなくてはならないし、清澄化され
た果汁に多量の有機酸が残存して甘味、酸味のバランス
を欠くことになって良くない。実験1で示したように、
キトサンの溶解度は低いので、出来るだけ溶解性の高い
酸を選択し、果汁に対する添加量が少なくて済むよう出
来るだけ高濃度に溶解する必要がある。しかし、溶解粘
度なども考えあわせると実用可能なキトサン溶液は、1
%リンゴ酸のような希薄な有機酸溶液にキトサンを0.3
〜0.5%程度に溶解したものであることが望ましい。キ
トサン溶液の添加量は対象果汁の混濁成分の組成や濃度
によって異なるので、使用する有機酸の種類や濃度は、
具体的に規定し得ないが、果汁の種類、用途などから自
ら制限される。
更に第1発明、第3発明または第4発明において、混
濁果汁等が果肉または野菜肉の分離後の搾汁液、一次殺
菌後の混濁果汁等、清澄酵素処理後の混濁果汁等、また
は限外濾過時のUF保持液等の混濁成分を含んだ果汁等の
いずれかであることが望ましい。
濁果汁等が果肉または野菜肉の分離後の搾汁液、一次殺
菌後の混濁果汁等、清澄酵素処理後の混濁果汁等、また
は限外濾過時のUF保持液等の混濁成分を含んだ果汁等の
いずれかであることが望ましい。
果肉分離後の搾汁液に応用すれば、直ちに効率よく混
濁果汁を清澄化し、次以後の工程に混濁成分の少ない果
汁を供給でき、濾過の効率を高めるととができる。ま
た、オレンジ果汁やトマト果汁のように混濁成分の多い
果汁では搾汁液から効率よく混濁成分・キトサン複合体
を回収することができる。
濁果汁を清澄化し、次以後の工程に混濁成分の少ない果
汁を供給でき、濾過の効率を高めるととができる。ま
た、オレンジ果汁やトマト果汁のように混濁成分の多い
果汁では搾汁液から効率よく混濁成分・キトサン複合体
を回収することができる。
一次殺菌後の果汁は、混在する微生物を抑制し、自己
酵素を停止してあるので、品質が安定しており、随時に
上記の発明に応用することができる。
酵素を停止してあるので、品質が安定しており、随時に
上記の発明に応用することができる。
清澄化酵素処理後の混濁果汁を対象とする場合には、
酵素処理後もなお、上澄みに浮遊する混濁成分は処理前
の数〜数十分の一に減少しているため、少量のキトサン
を添加することで容易に清澄化することができる。した
がって、キトサン処理との兼合いで高価な清澄酵素の添
加量を減少することが可能である。酵素処理によって分
解、沈殿した残渣部について、効率よく混濁成分を回収
することができ、果汁の歩留まりを向上できる。
酵素処理後もなお、上澄みに浮遊する混濁成分は処理前
の数〜数十分の一に減少しているため、少量のキトサン
を添加することで容易に清澄化することができる。した
がって、キトサン処理との兼合いで高価な清澄酵素の添
加量を減少することが可能である。酵素処理によって分
解、沈殿した残渣部について、効率よく混濁成分を回収
することができ、果汁の歩留まりを向上できる。
限外濾過時のUF保持液に適用する場合には、高濃度に
集積した混濁成分を容易に回収することができ、健康食
品、機能性食品の素材を得る場合に最適である。また、
清澄化されたUF保持液の果汁部はキトサン溶液の添加量
がストレート果汁に比して多くなるので、酸度は多少高
くなるが、それなりの用途は考えられるので、果汁歩留
まりの向上に貢献できる。
集積した混濁成分を容易に回収することができ、健康食
品、機能性食品の素材を得る場合に最適である。また、
清澄化されたUF保持液の果汁部はキトサン溶液の添加量
がストレート果汁に比して多くなるので、酸度は多少高
くなるが、それなりの用途は考えられるので、果汁歩留
まりの向上に貢献できる。
「実施例」 以下、本願発明について実施例に基づき詳しく説明す
る。
る。
<実施例1> リンゴ混濁ストレート果汁、バレンシアオレンジ、ミ
カン混合天然果汁、トマトジュースの各150mlに対して
0.3%キトサンDの1%リンゴ酸溶液を夫々の適量とな
るように添加して激しく攪拌、振盪し、果汁混濁成分と
キトサンを反応せしめ、凝集してくる複合体を3000rpm
で10分間遠心分離を行なって、捕集した。表7.及び8.に
凝集反応の経過と結果を示す。オレンジ果汁の上澄液は
霞がかかった程度に濁っていたが、リンゴとトマトは完
全に透明な果汁が得られた。又、混濁成分の中にペクチ
ンの多いものほど多量のキトサンと反応することが推定
された。
カン混合天然果汁、トマトジュースの各150mlに対して
0.3%キトサンDの1%リンゴ酸溶液を夫々の適量とな
るように添加して激しく攪拌、振盪し、果汁混濁成分と
キトサンを反応せしめ、凝集してくる複合体を3000rpm
で10分間遠心分離を行なって、捕集した。表7.及び8.に
凝集反応の経過と結果を示す。オレンジ果汁の上澄液は
霞がかかった程度に濁っていたが、リンゴとトマトは完
全に透明な果汁が得られた。又、混濁成分の中にペクチ
ンの多いものほど多量のキトサンと反応することが推定
された。
<実施例2> リンゴ果汁製造工場の搾汁ラインから一次殺菌後の混
濁ストレート果汁(Brix15.5、pH3.69)2000lをサンプ
リングし、0.2%キトサンCの1%クエン酸液74lを加え
て激しく攪拌、振盪して反応させた。果汁混濁成分はは
直ちに凝集して沈降を始め、上澄み液は完全に透明にな
り、反応物は10分間で沈澱した。東洋濾紙NO.2の濾紙を
用いて吸引濾過し複合体8.5gを捕集した。濾過後の透明
果汁はBrix14.8、pH3.66と糖度が下がり、酸度が上がっ
ていたが、官能検査では元の果汁と香味の差が感じられ
なかった。
濁ストレート果汁(Brix15.5、pH3.69)2000lをサンプ
リングし、0.2%キトサンCの1%クエン酸液74lを加え
て激しく攪拌、振盪して反応させた。果汁混濁成分はは
直ちに凝集して沈降を始め、上澄み液は完全に透明にな
り、反応物は10分間で沈澱した。東洋濾紙NO.2の濾紙を
用いて吸引濾過し複合体8.5gを捕集した。濾過後の透明
果汁はBrix14.8、pH3.66と糖度が下がり、酸度が上がっ
ていたが、官能検査では元の果汁と香味の差が感じられ
なかった。
次に各40lの混濁果汁と本実施例のキトサン処理果汁
を膜処理試験装置HSD−50、モジュール型式FB−02、膜
種FUS=4081で還流濾過し、保持液の量が元の果汁の1/1
0になる時間を比較した。混濁果汁が4lまで濃縮される
には、8時間を要したが、キトサン処理果汁を、先ず上
澄み液から濾過にかけ、最後に沈殿部を投入するように
して処理すると5時間で濾過することができた。従っ
て、キトサン処理によって果汁の品質にあまり大きな影
響を与えることなく限外濾過の負荷を小さくし、濾過速
度を速めることができた。
を膜処理試験装置HSD−50、モジュール型式FB−02、膜
種FUS=4081で還流濾過し、保持液の量が元の果汁の1/1
0になる時間を比較した。混濁果汁が4lまで濃縮される
には、8時間を要したが、キトサン処理果汁を、先ず上
澄み液から濾過にかけ、最後に沈殿部を投入するように
して処理すると5時間で濾過することができた。従っ
て、キトサン処理によって果汁の品質にあまり大きな影
響を与えることなく限外濾過の負荷を小さくし、濾過速
度を速めることができた。
<実施例3> 対照区;リンゴ混濁ストレート果汁1tonを41.5℃に余
熱し、清澄化酵素Pectinex ultra SP−L200mlを添加し
て、以後室温で4時間反応させた。反応後の果汁は沈殿
が生じていたが、上澄み液は未だかなり混濁していた。
果汁上澄み液の一部を取って珪藻土を添加し、プレコー
ト型濾過機にかけ、以後果汁全体を70分かけて珪藻土濾
過して清澄果汁940lを得た。オリが濃厚に沈澱した部分
60lは廃棄した。
熱し、清澄化酵素Pectinex ultra SP−L200mlを添加し
て、以後室温で4時間反応させた。反応後の果汁は沈殿
が生じていたが、上澄み液は未だかなり混濁していた。
果汁上澄み液の一部を取って珪藻土を添加し、プレコー
ト型濾過機にかけ、以後果汁全体を70分かけて珪藻土濾
過して清澄果汁940lを得た。オリが濃厚に沈澱した部分
60lは廃棄した。
試験区;上記と同様に処理した果汁に清澄化酵素を10
0ml添加した。4時間反応後に0.2%キトサンCの1%リ
ンゴ酸溶液3.3lを添加して激しく攪拌して凝集反応を起
こさせた。
0ml添加した。4時間反応後に0.2%キトサンCの1%リ
ンゴ酸溶液3.3lを添加して激しく攪拌して凝集反応を起
こさせた。
次に対照区と同様にして上澄み液から順次珪藻土濾過
した。濾過時間は50分であり、清澄果汁950lを得た。廃
棄した沈殿部は50lであった。
した。濾過時間は50分であり、清澄果汁950lを得た。廃
棄した沈殿部は50lであった。
この結果から、キトサン処理により清澄化酵素を節約
する事ができ、又、濾過の効率を高める事ができたと言
える。果汁の歩留まりも若干高くなった。
する事ができ、又、濾過の効率を高める事ができたと言
える。果汁の歩留まりも若干高くなった。
次に、対照区、試験区の果汁を減圧濃縮装置にかけ、
1/5濃縮果汁を製造した。表9.に濃縮果汁の分析結果を
示す。この結果から試験区の濃縮果汁の成分はバラツキ
の範囲に入っていた。
1/5濃縮果汁を製造した。表9.に濃縮果汁の分析結果を
示す。この結果から試験区の濃縮果汁の成分はバラツキ
の範囲に入っていた。
<実施例4> 実施例2.と同じ膜処理試験機を用いて一次殺菌後の混
濁ストレートリンゴ果汁43lを8時間還流濾過し、果汁
混濁成分が濃厚に集積した保持液3.5l(Brix14.0、pH3.
67)を得た。これを1%カセイソーダ溶液を用いてpH6.
8に調整し、これに0.3%キトサンDの1%リング酸溶液
を添加して激しく攪拌、振盪し、凝集反応を起こさせ
た。反応液を3000rpmで10分間遠心分離して混濁成分・
キトサン複合体を回収した。分離した混濁成分・キトサ
ン複合体を凍結乾燥したのち粉砕し、該複合体粉末を得
た。反応に伴う物質収支を表10.に、該複合体の分析結
果を別個に調整したUF保持液の凍結乾燥品と対比して表
11.に示す。
濁ストレートリンゴ果汁43lを8時間還流濾過し、果汁
混濁成分が濃厚に集積した保持液3.5l(Brix14.0、pH3.
67)を得た。これを1%カセイソーダ溶液を用いてpH6.
8に調整し、これに0.3%キトサンDの1%リング酸溶液
を添加して激しく攪拌、振盪し、凝集反応を起こさせ
た。反応液を3000rpmで10分間遠心分離して混濁成分・
キトサン複合体を回収した。分離した混濁成分・キトサ
ン複合体を凍結乾燥したのち粉砕し、該複合体粉末を得
た。反応に伴う物質収支を表10.に、該複合体の分析結
果を別個に調整したUF保持液の凍結乾燥品と対比して表
11.に示す。
UF保持液に対す混濁成分・キトサン複合体沈殿量は2
0.2%、凍結乾燥後の混濁成分・キトサン複合体は3.3%
であった。混濁成分・キトサン複合体に含まれるキトサ
ンの量はキトサンが完全に反応に使われたとして、0.87
g(0.75g)であった。
0.2%、凍結乾燥後の混濁成分・キトサン複合体は3.3%
であった。混濁成分・キトサン複合体に含まれるキトサ
ンの量はキトサンが完全に反応に使われたとして、0.87
g(0.75g)であった。
また、表11.に示したようにUF保持液をキトサンで処
理したことによって糖分が少なく繊維量の多い食物繊維
素材である混濁成分・キトサン複合体をつくることが出
来た。
理したことによって糖分が少なく繊維量の多い食物繊維
素材である混濁成分・キトサン複合体をつくることが出
来た。
「効果」 本願発明は、以上に説明したように、コレステロール
上昇抑制等の生理活性を有する水溶性食物繊維である果
汁混濁成分を正に帯電した天然高分子の親水コロイドで
あるキトサンによって凝集反応を起こさしめ、沈降、分
離することが可能であることを明らかにすることによっ
て完成したものである。
上昇抑制等の生理活性を有する水溶性食物繊維である果
汁混濁成分を正に帯電した天然高分子の親水コロイドで
あるキトサンによって凝集反応を起こさしめ、沈降、分
離することが可能であることを明らかにすることによっ
て完成したものである。
果汁混濁成分は、ペクチン、セルロース、ヘミセルロ
ース、リグニン、タンニン、フラボノイド等の高分子電
解質の集合体であり、負に帯電した親水コロイドとして
果汁中に浮遊している。これらの、分子量も立体構造も
異なるコロイドを捕集する方法は、従来見出されていな
かった。本願発明は、これらを効率よく凝集沈澱させる
ためには、分子量が大きく、十分に脱アセチル化された
コロイド当量の大きいキトサンを凝固剤として選定し、
これをリンゴ酸等の食用有機酸に溶解してキトサンの有
機酸溶液を作成し、これを果汁等の混濁成分と化学的に
等量になるように混濁果汁等に添加し、はげしく振盪、
攪拌して高分子相互の会合を促進して、初めて確実に急
速な凝集反応を完結させることが可能となった。
ース、リグニン、タンニン、フラボノイド等の高分子電
解質の集合体であり、負に帯電した親水コロイドとして
果汁中に浮遊している。これらの、分子量も立体構造も
異なるコロイドを捕集する方法は、従来見出されていな
かった。本願発明は、これらを効率よく凝集沈澱させる
ためには、分子量が大きく、十分に脱アセチル化された
コロイド当量の大きいキトサンを凝固剤として選定し、
これをリンゴ酸等の食用有機酸に溶解してキトサンの有
機酸溶液を作成し、これを果汁等の混濁成分と化学的に
等量になるように混濁果汁等に添加し、はげしく振盪、
攪拌して高分子相互の会合を促進して、初めて確実に急
速な凝集反応を完結させることが可能となった。
この結果、果汁から健康食品、機能性食品、医薬品等
の素材となる水溶性食物繊維を簡単、迅速に回収するこ
とが可能になり、また、この同一の方法により、果汁を
経済的に清澄化することは可能になった。
の素材となる水溶性食物繊維を簡単、迅速に回収するこ
とが可能になり、また、この同一の方法により、果汁を
経済的に清澄化することは可能になった。
また、本願の発明を酵素処理法の果汁清澄化工程に応
用すれば、高価な清澄化酵素を量的に節約することがで
き、濾過工程の負荷を減じて工程の効率化と果汁歩留ま
りの向上を実現できた。
用すれば、高価な清澄化酵素を量的に節約することがで
き、濾過工程の負荷を減じて工程の効率化と果汁歩留ま
りの向上を実現できた。
更に、これを限外濾過法による果汁清澄化工程に応用
すれば、同様に濾過工程の負荷を減じて大幅な工程の効
率化と果汁歩留まりの向上を実現できた。
すれば、同様に濾過工程の負荷を減じて大幅な工程の効
率化と果汁歩留まりの向上を実現できた。
更にまた、酵素法の果汁清澄果化工程に生じる沈澱部
や限外濾過法のUF保持液に応用すれば、従来無価物とし
て廃棄されていた物から水溶性食物繊維という有用性物
質を簡便かつ効率的に回収することが可能となった。
や限外濾過法のUF保持液に応用すれば、従来無価物とし
て廃棄されていた物から水溶性食物繊維という有用性物
質を簡便かつ効率的に回収することが可能となった。
更にまた、本願の発明は極めて少量のキトサンと安価
な食用有機酸のみで実施することができ、尚、且つ果汁
製造工場であれば特別な機械設備を必要としないきわめ
て経済的な方法であることが特徴である。
な食用有機酸のみで実施することができ、尚、且つ果汁
製造工場であれば特別な機械設備を必要としないきわめ
て経済的な方法であることが特徴である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 2/82 A23L 1/056 A23L 1/308
Claims (4)
- 【請求項1】混濁果汁または混濁野菜汁(以下、混濁果
汁等と称す。)にキトサンの有機溶液を添加し、該混濁
果汁等の中の混濁成分とキトサン有機酸溶液とを凝集反
応させて混濁成分・キトサン複合体を反応生成した後、
これを適宜の手段にて固液分離して清澄果汁または清澄
野菜汁(以下、清澄果汁等と称す。)と、混濁成分・キ
トサン複合体とに分離するようにしたことを特徴とする
果汁成分または野菜成分(以下、果汁等成分と称す。)
の分離法。 - 【請求項2】混濁果汁等にキトサンの有機酸溶液を添加
し、混濁成分とキトサン有機酸溶液とを凝集反応させて
生成された混濁成分・キトサン複合体。 - 【請求項3】混濁果汁等にキトサンの有機酸溶液を添加
し、混濁成分とキトサン有機酸溶液とを凝集反応させる
際に、その混濁成分とキトサンとが化学的に等量になる
ようにキトサン有機酸溶液を添加したうえ、激しく攪
拌、振盪して反応させ、キトサンと混濁成分との反応生
成物を凝集、沈降せしめ、適宜の手段にて固液分離して
凝集、沈降した反応生成物を得るようにしたことを特徴
とする混濁成分・キトサン複合体の製造法。 - 【請求項4】混濁果汁等にキトサンの有機酸溶液を添加
し、混濁成分とキトサン有機酸溶液とを凝集反応させる
際に、その混濁成分とキトサンとが化学的に等量になる
ようにキトサン有機酸溶液を添加したうえ、激しく攪
拌、振盪して反応させ、キトサンと混濁成分との反応生
成物を凝集、沈降せしめ、適宜の手段にて固液分離して
凝集、沈降した反応生成物を除去し、上澄み液を得るよ
うにしたことを特徴とする清澄果汁等の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1096820A JP2920382B2 (ja) | 1989-04-17 | 1989-04-17 | 果汁等成分の分離法と分離された有用成分物質及び分離された有用成分物質の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1096820A JP2920382B2 (ja) | 1989-04-17 | 1989-04-17 | 果汁等成分の分離法と分離された有用成分物質及び分離された有用成分物質の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02276559A JPH02276559A (ja) | 1990-11-13 |
JP2920382B2 true JP2920382B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=14175214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1096820A Expired - Fee Related JP2920382B2 (ja) | 1989-04-17 | 1989-04-17 | 果汁等成分の分離法と分離された有用成分物質及び分離された有用成分物質の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2920382B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004065191A (ja) * | 2002-08-09 | 2004-03-04 | Tsi:Kk | 機能補助飲料 |
WO2005072750A1 (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd. | 食事性脂質吸収阻害用組成物 |
JP5336723B2 (ja) * | 2007-10-29 | 2013-11-06 | 西日本長瀬株式会社 | キトサン微粒子の製造方法 |
-
1989
- 1989-04-17 JP JP1096820A patent/JP2920382B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH02276559A (ja) | 1990-11-13 |
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