JP2505882Y2 - 収穫機の穀稈引起し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、機体の前部で穀稈を引起すことができる収
穫機の穀稈引起し装置に関する。

〔従来の技術〕 従来、例えば、実開昭64-22232号公報にみられるよう
に、この種の穀稈引起し装置は、上蓋と下蓋とを合着し
て引起しケースを形成し、その内部にタイン付きチェン
を掛装するとともにチェンガイドレールなどを固設して
構成するような構造になっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

したがって、引起しケースの上部側および下部側に駆
動スプロケットおよびロールをそれぞれ取り付けたり、
タインの非作用側内部に案内部材や他の構成部材を装備
することになるので、部品点数が多くて複雑な構造にな
るとともに重量アップとなって、しかも、組立て工数も
多くなり、また、引起しケース内に藁片などが取り込ま
れると、ケース内に詰まって作動不良となったり、ケー
スがいわゆる口開きしたりすることになる、といった不
具合を呈していた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、そのような不具合を解決し、作業性が向上
するようにしてコンパクト構造にしたものであり、その
ため、タイン付きのチェンを掛装する駆動スプロケット
を軸架した上方の駆動側フランジと、前記チェンを掛装
するロールを軸架した下方のタインガイド枠体とを、連
結する連結部材を前記タインの突出作用側に設け、前記
タインの非作用側を解放状態に構成するとともに、それ
ら全体の上方には１枚状の引起しカバーを被着して構成
したものである。

〔作用〕

したがって、上方の駆動側フランジには伝動部に簡単
に連結して駆動スプロケットを軸架できることになり、
引起し装置全体は充分に強度を保持する構造にして重量
を軽減できることになり、タインにより上方側から取り
込まれる藁片などは、そのまま駆動側フランジとタイン
ガイド枠体との間から後方側下方に排除されることにな
る。

〔実施例〕

次に、図面に示す実施例について説明する。

第２図はコンバインの側面図を示し、両クローラ
（９）により支持する機体上には脱穀部（Ｂ）を搭載
し、該脱穀部（Ｂ）の前方には、前方側下方に分草稈
（10）をそれぞれ配備した両引起し装置（ａ）、刈刃
（11）、両掻込ホイル（12）、縦搬送チェン（13）、タ
イン式上部搬送体（14）などを配備した刈取部（Ａ）を
連設し、該刈取部（Ａ）の横側方にはシート（15）を有
する搭乗運転部（Ｃ）を配設して構成する。

機体の左側となる一方の前記引起し装置（ａ）は、駆
動スプロケット（３）やゴム製タインガイド（16）を装
備する板状の駆動側フランジ（４）の側方下部前面に
は、タイン（１）付きのチェン（２）を内装するガイド
（7a）を内部に固定した横断面コ状の細長いチェンガイ
ドレール（７）の上端側部を固定して連結し、タイン
（１）が入りこみやすいように上部に斜面部（17）を形
成した側板（6a）と平行の側板（6b）とからなるタイン
ガイド枠体（６）の内部にはロール（５）を軸架すると
ともに、タインガイド枠体（６）の側方上部に前記チェ
ンガイドレール（７）の下端部を連結する。このよう
に、駆動側フランジ（４）と下方のタインガイド枠体
（６）とを、連結部材の一例としてのチェンのガイドレ
ール（７）によってタインの作用側を連結し、タイン
（１）の非作用側は解放状態に構成する。そして、それ
ら全体の正面側を被覆できる引起しカバー（８）の下部
側方には、前記分草稈（10）の後方に位置する張り出し
面（8a）を張り出すように一体的に形成するとともに、
該張り出し面（8a）の上方側となる引起しカバー（８）
の外側部には屈折面（8b）を形成し、前記チェンガイド
レール（７）の前面側上方２ケ所および前記側板（6b）
の部位には、前記引起しカバー（８）に挿着する各止具
（18）を着脱自在に嵌挿することができる係止孔（19）
（19）（20）をそれぞれ形成して構成する。

また、刈取部（Ａ）の下端側伝動部より延出する駆動
パイプ（21）の先端に連結する駆動ケース（22）の前部
を前記駆動側フランジ（４）にバルジ加工により連結
し、該フランジ（４）にボルトナット（23）により固定
する支持板（24）には、前記駆動スプロケット（３）を
外端に嵌着した伝動軸（25）を嵌挿する軸受筒（26）を
固設し、前記伝動軸（25）の内端に嵌着したベベルギヤ
（27）を、前記駆動パイプ（21）内の伝動軸（28）先端
に嵌着したベベルギヤ（29）に噛合させて構成する。

なお、機体の右側となる他方の前記引起し装置（ａ）
も、一部の形状を変えるが、前記の一方側の引起し装置
（ａ）と対称的にして同様に構成する。

したがって、引起しカバー（８）を第２図ないし第５
図に示すように取付けた状態では、チェンガイドレール
（７）の横側方となるフランジ（４）とタインガイド枠
体（６）の間の下方側は開放状態となり、その間を移動
するタイン（１）は引起しカバー（８）の屈折面（8b）
に摺動しながら退入状態で移動することになり、タイン
（１）は斜面部（17）に案内されてロール（５）にスム
ーズに係合しながら突出して穀稈を引起すことになる。

その場合、タイン（１）により上方側から取り込まれ
る藁片などは、フランジ（４）とタインガイド枠体
（６）との間から後方側下方に排除されることになる。

第10図は他の例を示し、前記実施例とは同一符号で示
すように略同様に構成するが、脱穀部のフィードチェン
（30）に接近する縦搬送チェン（13）とともに支点部
（31）中心に回動しながら長短稈に応じて傾斜変更する
ことになるタイン式上部搬送体（14）を、縦搬送ェン
（13）に対し先端側が接近するようθ角度に傾斜させて
架設したものであり、仮想線で示すように上方に回動さ
せて傾斜変更させても、従来形よりｌ長だけ低くした引
起し装置（ａ）の上部側後方にそれぞれの先端側が位置
することになって良好に作用させることができることに
なり、そのため、引起し装置（ａ）との受継部をコンパ
クト構造にすることができるとともに刈取部を小形化す
ることができることになる。

〔考案の効果〕

このように本考案は、従来形のような下蓋が無くて後
方側が開放する状態となるので、タイン（１）により上
方側から藁片などを取り込んでもそのまま外方に排除で
きることになって、従来形の欠点を解消できることにな
り、また、駆動側のフランジ（４）には駆動スプロケッ
ト（３）の伝動部を簡単に連結できることになって、し
かも、全体に部品点数が少なくてその組立ても容易に行
なうことができるとともに重量を軽減させることがで
き、タイン（１）の回動を良くして作業性を向上させる
ことができるコンパクト構造にして好適に実施できる特
長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部の一部の正面図、第
２図はコンバインの側面図、第３図はその平面図、第４
図は引起し装置の正面図、第５図はその側面図、第６図
は第１図の一部を示し、第７図は第６図のＩ−Ｉ線にお
ける断面図、第８図は第６図のII-II線における視図、
第９図は第５図の一部の側断面図、第10図は他の例を示
す。 （１）……タイン、（２）……チェン （３）……駆動スプロケット （４）……駆動側フランジ （５）……ロール、（６）……タインガイド枠体 （７）……チェンガイドレール （８）……引起しカバー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】タイン（１）付きのチェン（２）を掛装す
   る駆動スプロケット（３）を軸架した上方の駆動側フラ
   ンジ（４）と、前記チェン（２）を掛装するロール
   （５）を軸架した下方のタインガイド枠体（６）とを、
   連結する連結部材（７）を前記タイン（１）の突出作用
   側に設け、前記タイン（１）の非作用側を解放状態に構
   成するとともに、それら全体の上方には１枚状の引起し
   カバー（８）を被着して構成したことを特徴とする収穫
   機の穀稈引起し装置。