JP2505239Y2 - 建築用の外装板 - Google Patents

建築用の外装板

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JP2505239Y2 JP1989081309U JP8130989U JP2505239Y2 JP 2505239 Y2 JP2505239 Y2 JP 2505239Y2 JP 1989081309 U JP1989081309 U JP 1989081309U JP 8130989 U JP8130989 U JP 8130989U JP 2505239 Y2 JP2505239 Y2 JP 2505239Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、量産部材として大量生産され、使用時に
おいて所要枚数を連結して用いる建築用の外装板に関す
る。
従来技術 建築用の屋根材や壁面材として、薄い金属の板材の表
面を防錆処理してなる建築用の外装板が普及している。
これらのものの多くは、量産部材として大量生産され、
屋根葺き工事等に際し、施工面積に足りる所要枚数を連
結して用いるものである。
したがって、各外装板の両側縁には、隣接する外装板
を水密に嵌合するための連結部が対になって形成されて
いる。この連結部は、雨水等が溜まらないようにするた
めに、外装板の本体部から突出する凸形に形成され、隣
接する外装板の一方の凸部を他方の凸部に嵌め込むよう
にして順次外装板を連結することができる。また、屋根
面等に対する外装板の取付けは、互いに重なり合うよう
に嵌合させた2枚の外装板の凸部を屋根部材(いわゆる
母屋に相当する部材をいう、以下同じ)に固定した脚金
具(いわゆるタイトフレームをいう、以下同じ)に嵌合
させ、脚金具と2枚の外装板の凸部とを一体に固定す
る。なお、脚金具や2枚の外装板の凸部は、適当な抜止
め形状とし、互いに嵌合させることのみにより、十分な
結合力を有するように工夫されている。
考案が解決しようとする課題 かかる従来技術によるときは、まず、屋根部材に対し
て所定間隔ごとに脚金具を固定し、この脚金具に対し、
外装板の連結部分を対応させて固定して行くという工事
手順をとるが、このとき、外装板の連結部分の位置と脚
金具の位置とが正確に対応せず、工事が極めて厄介にな
ることが少なくないという問題があった。すなわち、外
装板を多数枚連結して行くと、各部材の反りや歪み等に
より、その連結部分の位置に寸法誤差を生じ、この寸法
誤差は、連結する板材の枚数に従って加算され、事前に
固定した脚金具との相対位置関係が大きく狂って来るこ
とが起こりがちであるからである。また、外装板と脚金
具との相対位置関係の差を無視して強引な作業をする
と、後日、外装板の浮上り等の不具合が生じ、雨漏りの
原因となることもある。
そこで、この考案の目的は、互いに適合する第1凸
部、第2凸部の他に、第1凸部の外側面の外側に固定部
を延設し、第2凸部の内側面と本体部との間に第3凸部
を形成することによって、厄介な脚金具を全く使用する
ことなく、極めて能率よく施工工事を完了することがで
きる建築用の外装板を提供することにある。
課題を解決するための手段 かかる目的を達成するためのこの考案の構成は、板状
の本体部と、本体部の一方の側縁に連続的に形成する第
1凸部と、他方の側縁に連続的に形成し、第1凸部に適
合する第2凸部とを一体成形してなり、第1凸部は、上
辺が下辺より長い断面直角三角形の抜止め稜部を内側面
の上部に備えるとともに、本体部と同一レベルの固定部
を本体部に垂直な外側面の外側に延設し、第2凸部は、
第1凸部側の抜止め稜部に相似する抜止め稜部を外側に
斜めに開く外側面の上部に備えるとともに、本体部に垂
直な内側面と本体部との間に第3凸部を形成し、第3凸
部は、隣接する一方の第1凸部に他方の第2凸部を弾性
的に嵌合させるとき、固定部をカバーすることをその要
旨とする。
なお、第1凸部の外側面、第2凸部の内側面には、互
いに嵌合する条溝を形成することができる。
作用 かかる考案の構成によるときは、たとえば、屋根葺き
工事に際し、任意の外装板の本体部を直接屋根部材上に
載せれば、この本体部と同一レベルに設ける第1凸部の
固定部も、屋根部材に直接当接する。そこで、屋根部材
が木製である場合には、固定部上から釘を打ち込む等に
より、また、屋根部材が金属製である場合には、固定部
に対して通し下穴を開けた上、タッピングねじ等を用い
ることにより、屋根部材に対して外装板を簡単に固定す
ることができる。
次いで、固定した外装板の第1凸部の上に隣接する外
装板の第2凸部をあてがい、上から押し付けて両者を弾
性的に嵌合させる。このときの第1凸部、第2凸部の各
部は、第1凸部の内側面に第2凸部の外側面が対応し、
第1凸部の外側面に第2凸部の内側面が対応するととも
に、第1凸部の外側面の固定部を第3凸部が覆うように
対応する。したがって、第1凸部の内側面の抜止め稜部
は、第2凸部の外側面の抜止め稜部に掛合し、隣接する
外装板は、互いに確実に一挙動によって連結することが
できる。また、固定部と第3凸部とが対応するので、固
定部上に釘やねじの頭部が突出していても、第1凸部、
第2凸部の嵌合に支障を生じることがなく、雨漏りを確
実に防止することができる。
第1凸部、第2凸部は、前者の内側面、後者の外側面
にのみ抜止め稜部を形成し、しかも、その断面形状が鋭
角を含まない直角三角形状であるから、多段式のロール
フォーミングラインによって連続的に折曲げ加工をする
に際し、所要折曲工程数を最少にし、高い生産性を実現
することができる。なお、第1凸部の外側面、第2凸部
の内側面は、いずれも本体部に対して垂直であり、ほぼ
第1凸部の高さに相当する長い距離に亘って互いに密着
するから、第1凸部、第2凸部の各片側に抜止め稜部を
形成するだけで、両者の嵌合強度を必要十分に大きくす
ることができる。
第1凸部の外側面、第2凸部の内側面に条溝を設けれ
ば、条溝が嵌合することによって連結部分を補強するこ
とができ、嵌合強度を一層強化することができる。
実施例 以下、図面を以って実施例を説明する。
建築用の外装板10は、板状の本体部14と、第1凸部1
1、第2凸部12、第3凸部13とを一体成形してなる(第
1図)。なお、外装板10は、所定寸法の金属板を折曲加
工して形成されている。
本体部14は、外装板10の有効幅を規定し、所要強度を
得るために、補強用のリブ14a、14aが中間に形成されて
いる。
第1凸部11は、本体部14の一方の側縁に連続的に形成
されており、内側面11aと、頂面11bと、外側面11cとか
らなっている(第1図、第2図)。本体部14に垂直な内
側面11aには、上部に抜止め稜部11eが形成され、本体部
14と平行な頂面11bには、極く浅い条溝を形成した上、
発泡性材料からなるパッキン15が付設されている。な
お、抜止め稜部11eは、上辺が下辺より長い断面直角三
角形状に形成されている。また、本体部14に垂直な外側
面11cには、本体部14と同一レベルHLにある固定部11dが
外側に延設されている。
第2凸部12は、本体部14の他方の側縁に連続的に形成
され、内側面12a、本体部14と平行な頂面12b、外側面12
cからなっている。ただし、本体部14に垂直な内側面12a
と本体部14との間には、高さH3の第3凸部13が形成され
ており、第2凸部12、本体部14は、第3凸部13を介し、
階段状に連続している。また、第2凸部12の外側面12c
の上部には、第1凸部11の抜止め稜部11eに相似する抜
止め稜部12eが形成され、外側面12cの下端部は、外側に
開くように斜めに形成されている。
第1凸部11と第2凸部12の寸法関係は、前者の実効外
幅W1と後者の実効内幅W2とが一致し、また、前者の最大
高さH1と後者の内面高さH2とが一致する。すなわち、第
2凸部12は、第1凸部11に適合するものとする。
このような外装板10は、建築物の屋根材や壁面材とし
て必要枚数を連結して用いる。
たとえば、屋根材として用いる場合には、任意の外装
板10を屋根部材P上に直接載せて位置決めする(第3
図)。このとき、第1凸部11の外側面11cに設けた固定
部11dも屋根部材Pに接する。そこで、外装板10は、固
定部11d上から屋根部材Pにかけて通し下穴hを開け、
タッピングねじS等によって固定することができる。な
お、屋根部材Pが木製である場合には、固定部11d上か
ら釘を打ち込んで止めてもよい。
隣接する外装板10は、固定した外装板10の第1凸部11
上に第2凸部12をあてがい、第2凸部12を押し下げるこ
とによって一挙に連結する。このとき、第2凸部12の外
側面12cが第1凸部11の内側面11aに倣って弾性的に開閉
し、第1凸部11に対して第2凸部12を緊密に嵌合させる
ことができる(第3図、第4図)。ただし、第1凸部11
の抜止め稜部11eの突出寸法W3は、第2凸部12の外側面1
2cの弾性変形範囲を超えないように定められている。ま
た、このようにして連結された外装板10は、本体部14が
屋根部材P上に安定に当接し、第3凸部13が、他の外装
板10の固定部11dをカバーすることができる(第4
図)。
なお、固定部11d上には、第3凸部13の高さH3相当の
空間が生じるので、タッピングねじS等の頭部が突出し
ていても、何ら支障はない。また、このとき、第1凸部
11、第2凸部12の抜止め稜部11e、12eの間には、間隙F
が生じるものとし、間隙Fは、パッキン15とともに、毛
細管現象による雨水の侵入を防止する。
以後、同様にして必要枚数の外装板10、10…を連結
し、作業を進行すればよい。
他の実施例 第1凸部11の外側面11cと第2凸部12の内側面12aは、
僅かに斜めに形成することができる(第5図)。すなわ
ち、第1凸部11の基部側の実効幅W4をやや狭くすること
により、第1凸部11と第2凸部12との嵌合強度を強化す
ることができる。そこで、この考案において、本体部14
に垂直な外側面11c、内側面12aは、第5図のように僅か
に斜めのものを含むものとする。
また、第1凸部11の外側面11c、第2凸部12の内側面1
2aには、互いに嵌合する条溝11f、12fを形成してもよい
(第6図)。条溝11f、12fは、同様に、第1凸部11、第
2凸部12の嵌合強度を大きくすることができる。なお、
条溝11f、12fは、第1凸部11、第2凸部12の内側に突出
させてもよい。
以上の説明において、外装板10は、金属材料に限ら
ず、樹脂材料や、樹脂材料と強化材料との複合材料を用
いてもよい。
考案の効果 以上説明したように、この考案によれば、本体部の両
側縁に第1凸部、第2凸部を形成し、本体部に垂直な第
1凸部の外側面の外側に固定部を延設し、本体部に垂直
な第2凸部の内側面と本体部との間に第3凸部を形成す
ることによって、全体は、固定部を介して固定すること
ができ、隣接する外装板は、第1凸部に第2凸部を嵌合
させることによって、第1凸部の内側面、第2凸部の外
側面に形成する抜止め稜部を介し、一挙に弾性的に連結
することができるから、煩雑な脚金具を使用することな
く能率よく施工することができる上、第3凸部により固
定部をカバーし、連結部分から雨漏り等も確実に防止す
ることができ、さらに、第1凸部、第2凸部の片側にの
み抜止め稜部を形成するので、折曲げ加工に際して高い
生産性を実現することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は実施例を示し、第1図は全体斜視
図、第2図は拡大断面図、第3図は取付状態斜視説明
図、第4図は嵌合部分を示す要部拡大断面図である。 第5図と第6図は、それぞれ別の実施例を示す第4図相
当図である。 10…外装板 11…第1凸部 12…第2凸部 11a、12a…内側面 11b、12b…頂面 11c、12c…外側面 11d…固定部 11e、12e…抜止め稜部 11f、12f…条溝 13…第3凸部 14…本体部

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状の本体部と、該本体部の一方の側縁に
    連続的に形成する第1凸部と、他方の側縁に連続的に形
    成し、前記第1凸部に適合する第2凸部とを一体成形し
    てなり、前記第1凸部は、上辺が下辺より長い断面直角
    三角形の抜止め稜部を内側面の上部に備えるとともに、
    前記本体部と同一レベルの固定部を前記本体部に垂直な
    外側面の外側に延設し、前記第2凸部は、前記抜止め稜
    部に相似する抜止め稜部を外側に斜めに開く外側面の上
    部に備えるとともに、前記本体部に垂直な内側面と前記
    本体部との間に第3凸部を形成し、該第3凸部は、隣接
    する一方の前記第1凸部に他方の前記第2凸部を弾性的
    に嵌合させるとき、前記固定部をカバーすることを特徴
    とする建築用の外装板。
  2. 【請求項2】前記第1凸部の外側面、第2凸部の内側面
    には、互いに嵌合する条溝を形成することを特徴とする
    実用新案登録請求の範囲第1項記載の建築用の外装板。
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