JP3274562B2 - 目地用ガスケットおよび外壁目地の防水構造 - Google Patents

目地用ガスケットおよび外壁目地の防水構造

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JP3274562B2 JP5523494A JP5523494A JP3274562B2 JP 3274562 B2 JP3274562 B2 JP 3274562B2 JP 5523494 A JP5523494 A JP 5523494A JP 5523494 A JP5523494 A JP 5523494A JP 3274562 B2 JP3274562 B2 JP 3274562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、外壁目地の防水に使
用する目地用ガスケットおよび外壁目地の防水構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、外壁パネル間に形成される目地
の防水は、図4に示す湿式の防水構造としている。すな
わち、一対の外壁パネル31,31間に形成される目地
溝30内に、バックアップ材35を押し込んでシーリン
グ材36を充填している。外壁パネル31は、パネルフ
レーム32に下地桟33を介して外壁面材34を張付け
たものである。前記目地溝30は、外壁面材34,34
間および下地桟33,33間に渡って形成される。しか
し、このような湿式工法では、施工時期が天候に左右さ
れて工期が長くなったり、専門の職人が必要で品質が職
人の腕により左右されて安定しない等の問題点がある。
そのため、シーリング材36に代えて、ガスケットを圧
入する乾式の目地構造も種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の乾式目地構造
は、いずれもガスケットの目地溝幅に対する対応性が小
さく、僅かでも目地溝幅が異なる設計の外壁であると、
その目地幅毎に対応したガスケットを準備しなくてはな
らない。そのためガスケットの種類数が多くなり、部材
管理も複雑となる。また、ガスケットの目地溝幅に対す
る対応性が小さいため、年月の経過や耐震設計による遊
び部等で目地溝幅が変化した場合に、ガスケットの接触
圧が低くなって防水性が低下することがある。
【0004】この発明の目的は、目地溝幅への対応性が
高く、1種類の目地用ガスケットで多少異なる幅の目地
溝に使用でき、かつ防水性に優れた目地用ガスケットお
よび外壁目地の防水構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の目地用ガスケ
ットは、溝状に湾曲しかつ湾曲の広がり方向の弾性復元
力を有する硬質樹脂板部と、この硬質樹脂板部の両側縁
に設けられた軟質シール部と、両軟質シール部間を繋ぐ
平板状の連結樹脂板部とで形成される。
【0006】この発明の外壁目地の防水構造は、上記目
地用ガスケットを外壁の目地溝内に設け、かつ目地用ガ
スケットの外側で一次防水ガスケットを目地溝内に設け
た防水構造であって、次の構成としたものである。目地
用ガスケットは、連結樹脂板部を長手方向に沿う切れ目
で切り離した状態として、両軟質シール部を目地溝の対
向する溝内面部に圧接させる。
【0007】請求項2の発明の場合、一次防水ガスケッ
トは、目地溝の開口部を塞ぐ硬質のひれ状部と、このひ
れ状部の内面に設けられて目地溝内に圧縮状態に嵌まる
軟質シール部とを有するものとする。請求項3の発明の
防水構造の場合、一次防水ガスケットは、目地溝の開口
部を塞ぐひれ状部と、このひれ状部の内面に長手方向に
沿って突出して先端に両側へ広がる抜け止め用幅広部を
有する中央板部とを有するものとする。その中央板部
は、目地用ガスケットの前記連結樹脂板部の切れ目に挿
入して抜け止め用幅広部を前記連結樹脂板部の内面に係
合させる。
【0008】
【作用】この目地用ガスケットは、目地溝内に挿入した
後に連結樹脂板部をカッター等で切り離して使用する。
これにより、湾曲状態の硬質板部がその弾性復元力で広
がり、両側の軟質シール部が目地溝の内面に圧接する。
このように湾曲状態の硬質板部がその弾性復元力で広が
ることにより、目地溝幅にある程度大きな違いがあって
も、軟質シール部が目地溝内面に圧接し、水密性が確保
される。そのため、1種類の目地用ガスケットで目地溝
幅の多少異なる設計の外壁にも使用できる。
【0009】また、この発明の外壁目地の防水構造によ
ると、一次防水ガスケットと目地用ガスケットとで二重
防水構造となり、良好な防水性が得られる。この場合
に、請求項2の防水構造では、一次防水ガスケットの軟
質シール部が目地溝内に圧縮状態に嵌まり込み、圧縮さ
れることで、多少の目地幅の違いに追随できる。また、
一次防水ガスケットの硬質のひれ部は、目地溝の開口を
覆って防水と目地溝の化粧の機能を果たす。2次防水の
前記目地用ガスケットは、前記のようにある程度大きな
目地幅の違いも対応できる。これらにより、多少の目地
溝幅の違いを各々1種類の一次防水ガスケット、および
二次防水の目地用ガスケットで施工できる。
【0010】請求項3の防水構造の場合は、一次防水ガ
スケットのひれ状部が目地溝の開口を塞ぐことで、防水
と化粧の機能を果たす。また、一次防水ガスケットは、
中央板部の先端の抜け止め用幅広部が目地用ガスケット
の連結樹脂板部の切れ目に挿入されて係合することで抜
け止めされる。このように抜け止めされた状態で前記ひ
れ状部で目地溝の開口を塞ぐので、一次防水ガスケット
にもある程度良好な防水機能が得られ、また目地溝を外
側からひれ状部が塞ぐことで、目地溝幅の多少の違いに
も対応できる。このように、この構成の場合も、多少の
目地溝幅の違いを各々1種類の一次防水ガスケット、お
よび二次防水の目地用ガスケットで施工できる。
【0011】
【実施例】この発明の一実施例を図1および図2に基づ
いて説明する。この発明の外壁目地の防水構造は、図1
(B)に示す目地用ガスケット7を図1(C)に示すよ
うに外壁の目地溝2内に設け、この目地用ガスケット7
の外側で同図に示すように一次防水ガスケット8を目地
溝2内に設けたものである。
【0012】前記外壁は、外壁パネル1を、溝形鋼等か
らなる柱6や、あるいは形鋼等からなる梁(図示せず)
に取り付けて構成される。外壁パネル1は、パネルフレ
ーム3の屋外面に外壁下地桟4を介して外壁面材5を張
付けたものである。外壁下地桟4は耐水合板等からな
り、外壁面材5にはセメント板やスレート板等が用いら
れる。下地桟4には、塩化ビニル樹脂等の発泡樹脂製と
しても良い。目地溝2は、並設される一対の外壁パネル
1,1間に形成される。
【0013】目地用ガスケット7は、図1(B)のよう
に溝状に湾曲した硬質樹脂板部9と、この硬質樹脂板部
9の両側縁に設けられた円柱状の軟質シール部10,1
0と、両軟質シール部10,10間を繋ぐ平板状の半硬
質の連結樹脂板部11とからなる。この目地用ガスケッ
ト7の成形は、連結樹脂板部11が中央で長手方向に沿
って2枚の半幅板部11a,11aに分割された状態
で、かつ硬質樹脂板部9が広がった状態となるように射
出成形等で行う。この場合に、二色成形法等と呼ばれる
一般の方法で、材質の異なる各部9〜11の同時成形が
可能である。この後、硬質樹脂板部9を弾性に抗して湾
曲状態に大きく撓ませた状態で、両半幅板部11a,1
1aを、長手方向複数箇所の接合部12で熱溶着または
接着剤等で接合する。これにより、硬質樹脂板部9は、
湾曲の広がり方向の弾性復元力が付勢されたものとな
る。なお、成形方法の選択により、連結樹脂板部11を
分割することなく、硬質樹脂板部9に広がり方向の弾性
復元力を持たせた湾曲状態に成形しても良い。その場
合、連結樹脂板部11には中央に沿って切断用溝を形成
しておくことが望ましい。
【0014】一次防水ガスケット8は、目地溝2の開口
部を塞ぐ半硬質樹脂のひれ状部14と、このひれ状部1
4の内側面に設けられた軟質シール部15とからなる。
軟質シール部15は、独立気泡の発泡樹脂の成形体等か
らなり、ひれ状部14の裏面に一体に突出成形された取
付片部14aに接着あるいは溶着等で固着してある。
【0015】外壁の目地溝2内の、前記目地用ガスケッ
ト7が設けられる両溝内面部には断面半円状の係合溝1
3をそれぞれ縦方向に向けて形成しておく。この係合溝
13は、例えば下地桟4と外壁面材5とに渡って形成さ
れる。目地処理施工に際しては、目地溝2内に目地用ガ
スケット7を、図1(B)に示す状態のままで、軟質シ
ール部10が係合溝13に対応する深さまで挿入する。
挿入後、連結樹脂板部11の各接合部12をカッターナ
イフ等で切り離す。これにより、湾曲状態の硬質樹脂板
部9が弾性復元力で広がり、その弾性復元力で両側の軟
質シール部10,10が図2(B)のように目地溝2内
の対向する係合溝13内に圧接する。この後、一次防水
ガスケット8の軟質シール部15を、目地用ガスケット
7の外側から目地溝2内に圧縮状態に押し込み(図2
(C))、目地溝2の開口部を一次防水ガスケット8の
ひれ状部14で塞ぐ。
【0016】この構成の目地構造によると、一次を防水
ガスケット8と目地用ガスケット7とで二重防水される
ので、確実な防水性が得られる。この場合に、目地用ガ
スケット7は、連結樹脂板部11を中央で切り離すこと
により、前記のように湾曲状態の硬質板部9が弾性復元
力で広がり、両側の軟質シール部10,10が目地溝2
の内面に圧接する。そのため、目地溝幅にある程度大き
な違いがあっても、軟質シール部10が目地溝内面に圧
接し、水密性が確保される。また、幅狭状態で目地用ガ
スケット7の目地溝2への挿入が行えるので、挿入作業
が行い易い。一次防水ガスケット8は、発泡体等からな
るため、圧縮変形量が大きく得られ、そのため、目地溝
幅の多少の違い(例えば2〜3mm程度の違い)にも追従
し、目地溝内面との密接状態が維持される。また、ひれ
状部8が目地溝2の開口を覆って防水機能と化粧の機能
を果たす。このように、目地溝幅の違いを、各々一種類
の一次防水ガスケット8および二次防水用の目地用ガス
ケット7で施工でき、しかも確実な防水性が得られる。
このため、目地溝幅の違いに対してガスケット7,8の
種類数を少なくできて、部材管理が容易となり、また量
産によるコスト低下も図れる。目地溝2の内面に前記の
係合溝13を設けた場合は、目地用ガスケット7が係止
されて不用意に移動せず、確実な防水性が長年にわたっ
て維持される。外壁パネル1の下地桟4を前記のように
発泡樹脂製とした場合は、係合溝13の精度を確保する
ことができて、目地用ガスケット7との密接性が高ま
り、より確実な防水性が得られる。
【0017】図3は、この発明の他の実施例を示す。こ
の実施例では、前記実施例における一次防水ガスケット
8に代えて、ひれ式の一次防水ガスケット18を用いた
ものである。この一次防水ガスケット18は、目地溝2
の開口部を塞ぐひれ状部16aと、このひれ状部16a
の内側面に長手方向に沿って突出する中央板部17とを
有し、中央板部17の先端には両側へ広がる抜け止め用
幅広部17aが形成してある。また、前記ひれ状部16
aの内側に位置する別のひれ状部16bを中央板部17
の両側面から突出させ、二重のひれ形状としてある。一
次防水ガスケット18の材質は、全体を半硬質の樹脂と
し、あるいは外側のひれ状部16aと中央板部17とを
半硬質の樹脂とし、内側のひれ状部16bをこれよりも
若干軟質の樹脂としてある。この一次防水ガスケット1
8は、目地用ガスケット7の取付け後に、中央板部17
の先端を目地用ガスケット7における連結樹脂板部11
の切れ目に挿入して幅広部17aを連結樹脂板部11の
内面に係合させる。その他の構成は先の実施例と同様で
ある。
【0018】この実施例では、一次防水ガスケット18
のひれ状部16aが目地溝2の開口を塞ぐことで、防水
と化粧の機能を果たし、かつ内側のひれ状部16bが目
地溝内面に圧接することで、より防水機能が高められ
る。また、一次防水ガスケット18は、抜け止め用幅広
部17aが目地用ガスケット7の連結樹脂板部11の切
れ目に挿入されて係合することで抜け止めされる。この
ように抜け止めされた状態で前記ひれ状部16aで目地
溝2の開口を塞ぐので、一次防水ガスケット18にもあ
る程度良好な防水機能が得られ、また目地溝2を外側か
らひれ状部が塞ぐことで、目地溝幅の多少の違いにも対
応できる。目地溝用ガスケット7の硬質樹脂板部9は、
前記抜け止め用幅広部17aの奥側への行き過ぎ防止機
能も果たす。このように、この構成の場合も、多少の目
地溝幅の違いを各々1種類の一次防水ガスケット18、
および二次防水の目地用ガスケット7で施工できる。
【0019】
【発明の効果】この発明の目地用ガスケットは、溝状に
湾曲しかつ湾曲の広がり方向の弾性復元力を有する硬質
樹脂板部と、この硬質樹脂板部の両側縁に設けられた軟
質シール部と、両軟質シール部間を繋ぐ平板状の連結樹
脂板部とを有するものであるため、連結用樹脂板部を切
断して使用することにより、硬質樹脂板部が弾性復元力
で広がって目地溝幅への高い対応性が得られ、1種類の
目地用ガスケットで多少異なる幅の目地溝に使用でき
る。しかも優れた防水性が得られる。
【0020】また、この発明の外壁目地の防水構造は、
前記目地用ガスケットを外壁の目地溝内に設け、かつ前
記目地用ガスケットの外側で一次防水ガスケットを前記
目地溝内に設けたものであるため、二重防水となって、
より高い防水性が得られる。この場合に、請求項2の発
明の防水構造では、一次防水ガスケットは、目地溝の開
口部を塞ぐひれ状部と、このひれ状部の内面に設けられ
て目地溝内に圧縮状態に嵌まる軟質シール部とを有する
ものとしたため、軟質シール部の圧縮変形により目地溝
幅の違いに対応でき、基本的に目地溝幅の違いを各々一
種類の目地用ガスケットおよび一次防水ガスケットで対
応でき、部材管理も容易となる。
【0021】請求項3の発明の防水構造では、一次防水
ガスケットは、目地溝の開口部を塞ぐひれ状部と、この
ひれ状部の内面に長手方向に沿って突出した中央板部の
先端に抜け止め用幅広部とを有するものとし、前記中央
板部を目地用ガスケットの連結樹脂板部の切れ目に挿入
して抜け止め用幅広部を係合させたため、この場合も、
一種類の目地用ガスケットおよび一次防水ガスケットで
異なる目地幅の目地溝に対応でき、かつ優れた防水性を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施例の目地用ガスケッ
トの製造過程の状態を示す斜視図、(B)は同目地用ガ
スケットの完成状態を示す斜視図、(C)は同目地用ガ
スケットを用いた外壁目地の防水構造を示す斜視図であ
る。
【図2】同外壁目地の防水構造の施工手順を示す説明図
である。
【図3】この発明の外壁目地の防水構造の他の実施例を
示す斜視図である。
【図4】従来例の部分斜視図である。
【符号の説明】
2…目地溝、7…目地用ガスケット、8,18…一次防
水ガスケット、9…硬質樹脂板部、10…軟質シール
部、11…連結樹脂板部、14…ひれ状部、15…軟質
シール部、16a…ひれ状部、17…中央板部、17a
…抜け止め用幅広部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/684

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝状に湾曲しかつ湾曲の広がり方向の弾
    性復元力を有する硬質樹脂板部と、この硬質樹脂板部の
    両側縁に設けられた軟質シール部と、両軟質シール部間
    を繋ぐ平板状の連結樹脂板部とを備えた目地用ガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の目地用ガスケットを外壁
    の目地溝内に設け、かつ前記目地用ガスケットの外側で
    一次防水ガスケットを前記目地溝内に設けた防水構造で
    あって、前記目地用ガスケットは、連結樹脂板部を長手
    方向に沿う切れ目で切り離した状態として、両軟質シー
    ル部を目地溝の対向する溝内面部に圧接させ、前記一次
    防水ガスケットは、前記目地溝の開口部を塞ぐひれ状部
    と、このひれ状部の内側に設けられて目地溝内に圧縮状
    態に嵌まる軟質シール部とを有するものとした外壁目地
    の防水構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の目地用ガスケットを外壁
    の目地溝内に設け、かつ前記目地用ガスケットの外側で
    一次防水ガスケットを前記目地溝内に設けた防水構造で
    あって、前記目地用ガスケットは、連結樹脂板部を長手
    方向に沿う切れ目で切り離した状態として、両軟質シー
    ル部を目地溝の対向する溝内面部に圧接させ、前記一次
    防水ガスケットは、前記目地溝の開口部を塞ぐひれ状部
    と、このひれ状部の内面に長手方向に沿って突出して先
    端に両側へ広がる抜け止め用幅広部を有する中央板部と
    を有するものとし、この中央板部を前記目地用ガスケッ
    トの前記連結樹脂板部の切れ目に挿入して前記抜け止め
    用幅広部を前記連結樹脂板部の内面に係合させた外壁目
    地の防水構造。
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